冬季オリンピック・カルガリー大会(1988)でのジャマイカ・ボブスレー・チームの実際の活躍を基に製作された作品。 監督ジョン・タートルトーブ、主演ジョン・キャンディ、レオン・ロビンソン他共演によるスポーツ・ドラマの快作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・タートルトーブ
製作総指揮
クリストファー・メレダンドリ
スーザン・B・ランドー
製作:ドーン・スティール
脚本
リン・シーファート(原作)
トミー・スワードロー
マイケル・ゴールドバーグ
撮影:フェドン・パパマイケル
編集:ブルース・グリーン
音楽:ハンス・ジマー
出演
ジョン・キャンディ:アーブ・ブリッツァー
レオン・ロビンソン:デリース・バノック
ドウ・E・ドウ:サンカ・コフィー
マリク・ヨバ:ユル・ブレナー
ラウル・D・ルイス:ジュニア・ベヴィル
レイモンド・J・バリー:カート・ヘンフィル
アメリカ 映画
配給 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
1993年製作 98分
公開
北米:1993年10月1日
日本:1994年2月19日
製作費 $14,000,000
北米興行収入 $68,856,260
世界 $154,856,260
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ジャマイカ。
オリンピック陸上短距離で、代表を目指す快速ランナーのデリース・バノック(レオン・ロビンソン)は、予選で転倒に巻き込まれて敗退し、オリンピック出場の夢が消える。
抗議に行ったデリースは、選考委員長の部屋で、陸上選手だった父親と共に写真に写っていた、ボブスレーのアメリカ人金メダリストがジャマイカに住んでいることを知る。
何としてもオリンピックに出たいデリースは、友人サンカ・コフィー(ドウ・E・ドウ)と共に、写真のアーブ・ブリッツァー(ジョン・キャンディ)の元に向かう。
デリースは、ボブスレーが何かも知らずにブリッツァーにコーチを頼むが、彼は二人を相手にしない。 しかし、必死に食い下がるデリースに、彼の父親と自分が写っているの写真を見せられ、ブリッツァーは、仕方なくそれを承諾し選手集めを始める。 集まった者達に、危険な競技について説明したブリッツァーだったが、会場から誰もいなくなってしまう。 そこに、短距離予選会で転倒したユル・ブレナー(マリク・ヨバ)と、転倒の原因を作ったジュニア・ベヴィル(ラウル・D・ルイス)が現れる。 ブレナーは、ジュニアの顔を見て憤慨して彼に襲い掛かるが、デリースとサンカになだめられチームに加わる。 ようやくジャマイカのボブスレー・チームは誕生して、おんぼろボブスレー もどきでの、雪のない地で猛練習が始まる。 人々には奇異な目で見られ、資金もないチームだったが、スピードがある有能な短距離選手が集まったチームに、ブリッツァーは勝機も有り得ると感じ始める。 しかし、ブリッツァーは競技連盟からの資金援助を断られてしまい、デリースは、スポンサー集めに奔走するものの相手にされない。 チームのメンバーは、アルバイトをするのだが資金が集まらず、裕福なジュニアが車を売って、予選会の罪滅ぼしにと大金を寄付すことになる。 そして、準備の整った5人は、”カルガリー・オリンピック”の開催地へと向かう。 カナダ、カルガリー。 ジャマイカ・チームは、各国チームの笑い者となりながら、練習滑走で初めて氷の上を走り恐怖に怯えてしまう。 それでも、栄光を手に入れジャマイカを出て、宮殿に住む夢を持つブレナーは、サンカにそれが実現不可能だと笑い飛ばされてしまう。 しかし、ジュニアは、自分の父親が一代で財を築いたことを例にとり、思い描けば夢は叶うとブレナーを励ます。 そんな時、デリースはアメリカのコーチから、ブリッツァーがソリに仕掛けをして失格になり、金メダルを剥奪された事実を知らされる。 父親に内緒でオリンピックに出場したジュニアは、それが知られ、至急帰国するようにという電報を受ける。 バーでジュニアの悩みを聞いていたブレナーは、他国選手にバカにされ、サンカも加わり乱闘となり、ブリッツァーにどやされたりもする。 その後チームは、勝つ気でいるブリッツァーに引っ張られ、必死でトレーニングに励み、徐々に氷にも慣れてくる。 そして、予選に挑んだチームは努力が実り、見事にそれを突破する。 ソリにジャマイカ・カラーの塗装をして、”クール・ランニング”という名前をつけるのだが、 国際大会の記録がないことから、チームは失格になってしまう。 しかし、ブリッツァーが、自分を恨むアメリカ・コーチのカート・ヘンフィル(レイモンド・J・バリー)ら委員会を必死に説得し、チームは決勝進出が決まり、 ジャマイカ国内でも期待が高まる。 決戦を前に祈りを捧げるチームだったが、ジュニアの父親が彼を呼び戻しに現れる。 ジュニアは父親に帰国を強要されるが、彼はチームのためにそれを拒絶し残ることを伝える。 強豪チームの真似をすれば、早く走れると思っていたチームは、二日目の出走では、ジャマイカ人の誇りを持って登場し、好タイムをマークする。 その夜ブリッツァーは、なぜ不正をしたかをデリースに問われ、勝ち続けるためのプレッシャーだと答えるが、ゴール地点にはメダル以上のものがあると付け加える。 最終日、南国のジャマイカ・チームは話題の的となり、本国でも異常な盛り上がりとなる。 そして、”クール・ランニング”の掛け声と共に、出走したチームは快調に走行を続けていたが、ソリの故障で4人は転倒してしまう。 デリースは、メダルよりも尊いのが、ゴールすることだというブリッツァーの言葉を思い出し、4人はタイムにはこだわらずソリを担いでゴールする。 そんな彼らに観衆や強豪チームが、惜しみない拍手を贈る。 選手達はお互いの健闘を称え合い、デリースはブリッツァーに感謝する。
...全てを見る(結末あり)
アメリカチームの練習用ソリを調達したジャマイカ・チームだったが、デリースは強豪チームの走りを見て圧倒される。
決勝当日の第一走目、浮かれたチームは散々な走りで最下位に終わってしまう。
*(簡略ストー リー)
オリンピック出場を目指す、ジャマイカの有力短距離選手デリースは、選手選考会で、転倒に巻き込まれ失格してしまう。
選考委員に抗議に行ったデリースは、それは受け入れられなかったものの、その場でスプリンターだった父親と写真に写る、ボブスレーの元金メダリストである、アメリカ人のブリッツァーの存在を知る。
デリースは、ボブスレーが何かも知らないまま、友人サンカと共にブリッツァーの元に向かい、必死に食い下がり、何とか彼を説得しコーチを了承してもらう。
選手集めが始まり、選考会で共に転倒したブレナーとジュニア、そしてサンカも加わりようやくチームが結成され、雪のない地で猛練習が始まる。
チームは、資金不足などで苦労しながらも、オリンピック開催地、カナダのカルガリーに到着し、競技に使うボブスレーをアメリカ・チームから借りて、初めて見る雪と氷の地でトレーニングを始めるのだが・・・。
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低予算ながら予想外の大ヒットとなり、なんと全世界トータルでは1億5000万ドルを超える結果を残した。
当時、確かに南国のチームの冬季オリンピック出場は話題になったが、実際は映画ほど惨めな環境のチームではなかったようで、映画用にかなり脚色はされている。
監督は、本作をきっかけに「フェノミナン」(1996)や「ナショナル・トレジャー」(2004)シリーズでブレイクする当時、弱冠30歳のジョン・タートルトーブで、会場や施設など、舞台となるオリンピックの雰囲気も良くでている。
ハンス・ジマーの音楽と、乗りのいいジャマイカン・ミュージックも効果的に使われていて、実に楽しい。
全体的にはコメディ作品と言えるのだが、コメディアンのジョン・キャンディが、シリアスな演技に徹しているところがポイントでもある。
主演のレオン・ロビンソンは、同じ年に全く違う役柄を「クリフハンガー」(1993)で演じ、その後を期待されたが、現在、余り目立った活躍がないのは残念だ。
ジャマイカチームの三人、ドウ・E・ドウ、マリク・ヨバ、ラウル・D・ルイスは、役者としてはやや素人っぽいが、スポーツ選手らしいところは好感が持てる。
他アメリカ・コーチのレイモンド・J・バリーなどが共演している。