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ディア・ブラザー Conviction (2010)

兄の無実を信じて弁護士になり真実を追求し闘い続ける女性の姿を描く、製作、監督トニー・ゴールドウィン、主演ヒラリー・スワンクサム・ロックウェルミニー・ドライヴァーメリッサ・レオ共演による実話を基に製作された感動のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:トニー・ゴールドウィン

製作総指揮
マーカス・バーメットラー

アンソニー・カリー
アルウィン・カシュナー
マイルズ・ネステル
ジェームス・スミス
ヒラリー・スワンク
製作
アンドリュー・シュガーマン

アンドリュー・S・カーシュ
トニー・ゴールドウィン
脚本:パメラ・グレイ
撮影:アドリアーノ・ゴールドマン
編集:ジェイ・キャシディ
音楽:ポール・カンテロン

出演
ベティ・アン・ウォーターズ:ヒラリー・スワンク

ケネス”ケニー”ウォーターズ:サム・ロックウェル
エイブラ・ライス:ミニー・ドライヴァー
ナンシー・テイラー:メリッサ・レオ
マンディ・マーシュ:アリ・グレイナー
リック・ミラー:ローレン・ディーン
ブレンダ・マーシュ:クレア・デュヴァル
ロザンナ・ペリー:ジュリエット・ルイス
バリー・シェックピーター・ギャラガー

アメリカ 映画
配給 フォックス・サーチライト・ピクチャーズ

2010年製作 107分
公開
北米:2010年10月15日
日本:未公開
製作費 $12,500,000
北米興行収入 $6,783,130
世界 $9,710,060


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1992年。
シングルマザーでありながら、法律を学び大学に通うベティ・アン・ウォーターズ(ヒラリー・スワンク)は、夜はバーで働いていた。

ある日、ベティ・アンはバーで、同じく同世代の学生エイブラ・ライス(ミニー・ドライヴァー)に声を掛けられる。

大学に通う理由を話す気のなかったベティ・アンだったが、秘密は守るということで、彼女はエイブラにそれを話す。

兄ケネス”ケニー”(サム・ロックウェル)が、無実の罪で終身刑となり、既に12年服役中で、ベティ・アンは、何んとか兄を助けたかったのだ。

1980年、マサチューセッツ州、エーア
ナンシー・テイラー巡査(メリッサ・レオ)は、家で木の枝を切っていたケニーに近づき、署まで同行を求める。

...全てを見る(結末あり)

それを拒んだケニーに、テイラーは銃を向けて彼を警察署に連行する。

逮捕歴のあるケニーは、ある殺人で容疑者として疑われたのだが、ベティ・アンの迎えで釈放される。

仲の良かった二人だったが、ケニーは、幼い頃から悪事を繰り返しトラブルばかり起こしていた。

2年後。
祖父がなくなり、二人は葬儀に参列していた際に、ケニーは、殺人容疑で逮捕連行されてしまう。

裁判は始まるが、ケニーの元妻ブレンダ・マーシュ(クレア・デュヴァル)や元恋人ロザンナ・ペリー(ジュリエット・ルイス)は、彼に不利な証言をする。

子供時代に、悪事を重ねるケニーは施設に送られ、彼は妹のベティ・アンと引き離される辛い経験もしていた。

そんなことを思いながら、二人は判決を待つが、ケニーは殺人で有罪となり終身刑となる。

絶望するケニーは自殺未遂までするが、ベティ・アンは彼を励ます。

何んとかケニーの無罪を証明したいベティ・アンだったが、生活に支障をきたすまでそのことに執着し、ロー・スクールに通おうとする彼女の意見に、夫リック・ミラー(ローレン・ディーン)は反対する。

しかし、考えを変える気のないベティ・アンは、まず、中退した高校の卒業資格を取り、大学に入り弁護士を目指すことをケニーに伝え、彼に二度と自殺をしないことを約束させる。
__________

主婦業の傍ら大学に通っているため、落第寸前のベティ・アンは、子供達二人との約束も守れず、彼らは離婚したリックと暮らすことになる。

失意のベティ・アンは大学に通う意欲がなくなるが、エイブラが彼女を励ます。

大学に復帰したベティ・アンは、DNA鑑定により冤罪を証明できる可能性を知り、”イノセンス・プロジェクト”を創設した弁護士バリー・シェック(ピーター・ギャラガー)に要件を通達する。

シェックから返事が届き、DNA鑑定が可能な案件かを調べて対応するために、1年半は時間がかかり、その間に弁護士資格が取れれば、自分で証拠を探し始めることができると言うことだった。

その結果、証拠が見つかれば、シェックが顧問弁護士として協力できると付け加えられていた。

司法試験に受かったベティ・アンは、それをケニーに伝え、希望の見えた二人は喜び合う。

ベティ・アンは、エイブラの協力で事件の証拠を調べようとするが、それが10年を経過して破棄されたことを知る。

その後も諦めずに証拠を捜そうとするベティ・アンは、可能性が低いことを指摘するエイブラを見限ってしまう。

エーアの警察署に向かったベティ・アンは、証拠がないことを確認するが、ケニーを逮捕したテイラーが、署を辞めたことを知る。

テイラーが、不正をしたことを警官から聞いたベティ・アンは、彼女が署長をする警察署に向かう。

女性警官が虐げられていたことを伝えたテイラーは、不正はなく、ケニーが犯人だと言い切る。

エイブラに謝罪したベティ・アンは、彼女と裁判所に向かい、ケニーの証拠品が保管されているかを調べる。

係員に無理を承知で頼み込んだ二人は、ついに16年前の証拠品を手に入れる。

それを知ったケニーは出所を確信し、ベティ・アンはシェックから連絡を受けて励まされる。

しかし、警察を信用しないケニーは血液鑑定を拒み、証拠の鑑定に何か月もの時間がかかり、ベティ・アンは苛立つ。

地方検事マーサ・コークリーの妨害を疑ったベティ・アンは、鑑識に直接抗議するが受け入れられない。

しかし、ようやく届いたDNA鑑定結果で、ケニーと加害者の血液が一致しないことが判明する。

それをケニーに伝えて感謝されたベティ・アンは、彼の娘マンディに連絡を入れる。

しかし、コークリーは、ケニーの共犯の可能性を指摘して彼の釈放を認めない。

ケニーは限界に達して、全てを諦めるようベティ・アンに伝え、刑務所内で取り乱して暴れ監禁される。

シェックのオフィスに向かったベティ・アンは、彼やスタッフらに歓迎され、裁判でなく偽証を証明するすることで闘い続けることを提案される。

ベティ・アンは、エイブラとシェックを伴い、裁判で証言したロザンナの元に向かう。

ロザンナは、テイラーと署長に脅されてケニーが犯人だと証言したことを語り、供述書にサインする。

ベティ・アンは、ケニーの娘マンディ(アリ・グレイナー)に会うが、彼女は父親の無実を信用しようとしない。

その後も、根気よくマンディの元を訪ねたベティ・アンは、彼女とようやくまともな話ができる。

ベティ・アンは、DNA鑑定ではケニーの無実が証明できたことを伝え、彼を出所させるには、母親ブレンダの供述が必要なことをマンディに伝える。

ケニーが、刑務所の中に貼っていたマンディとの写真と木箱を、ベティ・アンは彼女に渡す。

エイブラとシェックと共にブレンダを訪ねたベティ・アンは、彼女も、テイラーに脅されたことをマンディの前で知らされる。

偽証で逮捕されるのは確実だったが、ブレンダはマンディに促されて、供述書にサインする。

コークリーに連絡を入れたベティ・アンは、証人が証言を撤回した供述書をファックスしたことを伝え、シェックは、この件でマスコミが騒ぎ始めていることを付け加える。

ケニーは無罪が証明されて釈放され、マスコミの前でベティ・アンに感謝する。

その後、ケニーはマンディと再会し、彼女は、信じなかったことや母親のことを謝罪する。

翌日、湖の畔にたたずむケニーは、寄り添うベティ・アンに、彼女がいてくれる限り、あと20年でも耐えられたことを伝え妹を抱きしめる。
__________

2009年7月、ベティ・アンは、エーア警察やテイラーから巨額の賠償金を勝ち取る。

テイラーの罪は、時効のために刑事告発は免れた。

ベティ・アンは、パブを共同経営しながら”イノセンス・プロジェクト”に協力している。

1989年以降、判決後のDNA鑑定で254件が無罪となった。

事件の殺害犯は、未だに見つかっていない。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1980年、マサチューセッツ州、エーア
ある殺人事件が起き、警察のテイラー巡査は、犯罪歴のあるケネス”ケニー”ウォーターズを逮捕する。
ケニーは、証拠不十分で釈放されるが、2年後に再び逮捕される。
元妻ブレンダや元恋人ロザンナの証言などで、ケニーは有罪が確定し殺人罪で終身刑となる。
ケニーの妹ベティ・アンは、仲の良い兄の無実を信じていたが、弁護士を雇える費用もなくただ時間だけが過ぎる。
その後ベティ・アンは、中退した高校卒業資格を取得し、大学に入りロー・スクールに通い、自ら弁護士となり、ケニーの無実を証明しようとする。
家族も崩壊寸前となり、失意のベティ・アンは、DNA鑑定による冤罪を証明できる可能性を知り希望を抱くのだが・・・。
__________

アメリカに限らない社会問題である”冤罪”にテーマを置き、無実を信じて信念を貫く主人公の逞しさや、兄妹、家族愛を深い視点で描く、俳優でもあるトニー・ゴールドウィンの、力強い演出も光る見応えある作品。

小作ではあるが、実力派スターを揃えたキャスティングも注目で、各自が個性を生かし、若手も含めた見事な演技を見せてくれる。

高校を中退した女性が、司法試験にまで受かり、弁護士になるという物語だけでも一作ができるような内容に加え、終盤にかけて盛り上がる家族の絆の描写は、涙なしでは見られない。

主演のヒラリー・スワンクは、一点を見つめて突き進む女性を、いつもながらに熱演し、彼女に支えられながら、長い刑務所生活に耐える兄をサム・ロックウェルが渾身の演技で好演する。

主人公の友人であり、無実の証明に協力するミニー・ドライヴァー、証人を脅し不正をする警官メリッサ・レオ、ケニー(S・ロックウェル)の娘アリ・グレイナー、元妻クレア・デュヴァル、元恋人役で、短い出番だが印象的な演技を見せるジュリエット・ルイス、主人公の夫ローレン・ディーン、そして、”イノセンス・プロジェクト”の創設者である弁護士のバリー・シェック役をピーター・ギャラガーが演じている。


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