国家が絡む組織的陰謀に巻き込まれた男性と弁護士が危機に立ち向かう姿を描く、製作、監督リチャード・ドナー、主演メル・ギブソン、ジュリア・ロバーツ、パトリック・スチュワート他共演のサスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:リチャード・ドナー
製作
ジョエル・シルバー
リチャード・ドナー
製作総指揮:ジム・ヴァン・ウィック
脚本:ブライアン・ヘルゲランド
撮影:ジョン・シュワルツマン
編集:フランク・J・ユリオステ
音楽:カーター・バーウェル
出演
ジェリー・フレッチャー:メル・ギブソン
アリス・サットン:ジュリア・ロバーツ
ジョナス博士:パトリック・スチュワート
ロウリー捜査官:キルク・カザート
ウィルソン:スティーヴン・カーン
フリップ:テリー・アレクサンダー
医師:ドナル・ギブソン
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1997年製作 135分
公開
北米:1997年8月8日
日本:1997年11月1日
製作費 $75,000,000
北米興行収入 $75,982,830
世界 $136,982,830
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
タクシー・ドライバーのジェリー・フレッチャー(メル・ギブソン)は、客に向かってしゃべり続け、世の中の陰謀についてを語る。
ジェリーの記憶は失われ、断片的にしか覚えていなかった。
しかし、司法省の弁護士アリス・サットン(ジュリア・ロバーツ)を守ることが使命だと考えるジェリーは、仕事の合間に彼女を監視する。
仕事を終えたジェリーは、アパートの屋上から部屋に向い、入り口のドアの鍵を何重にもかける。
ジェリーは、冷蔵庫のドア、そしてその中の容器にも鍵をかけていた。
情報収集のため、知人のフリップ(テリー・アレクサンダー)から受け取った大量の新聞に目を通すジェリーは、注目記事をチェックする。 ”陰謀のセオリー”というニュース・レターを作ったジェリーは、コピーを取り数名に郵送する。 その後ジェリーは、いつものように司法省に押入りアリスに会おうとして騒ぎを起こす。 それに気づいたアリスはジェリーとの面会に応じ、NASAが開発した地震装置と大統領暗殺の関係などの話を聞く。 上司のウィルソン(スティーヴン・カーン)に呼ばれたため、アリスは席を外そうとしながら、次からはアポを取るようにと言ってジェリーに注意する。 ジェリーはそれに従おうとしながら、今回の話を大統領にしてほしいと頼む。 アリスをデートに誘ったジェリーは返事をもらえず、何度も来ているのに初めて誘ったことを問われ、戸惑いながらその場を去る。 仕事に戻ったジェリーは、水道管破裂の復旧工事を不審に思い、付近にいた政府関係らしき車を追跡して刑事裁判所に向かう。 その場の警備室では、ジェリーが建物内に入ったことが確認される。 ジェリーは、追ってきた者達がCIAの局員であると考える。 その後、ジェリーは何者かに拉致されてある場所に連れて行かれ、自分を知っているという人物(パトリック・スチュワート)に、秘密を誰に話したかを聞かれる。 答えられないジェリーは、LSDを投与されて拷問を受ける。 ジェリーは相手の鼻に噛みつき、車椅子に拘束されたままその場から逃れる。 階段から落下して傷つきながら、ジェリーは建物(精神病院)から脱出する。 司法省に向かったジェリーは、警備員と揉み合いになり銃を奪う。 ジェリーが自分に面会を求めていることを知ったアリスは、彼を落ち着かせる。 男の鼻を噛み切ったと言うジェリーは、車椅子に乗せられて注射を打たれ、水の中に入れられたことを興奮しながら話す。 銃を置いたジェリーは取り押さえられ、傷に気づいたアリスは、警備員を下がらせて救急車を呼ぶ。 病院に運ばれたジェリーは動揺し、殺される可能性をアリスに伝え、同室の患者とカルテを替えてくれと頼む。 翌日アリスは、カルテを替えた同室の患者が、ジェリーが言った通り死んだことを知る。 その件でジェリーに感謝されたアリスは、CIAがジェリーの遺体を確認したいと言っていることを伝える。 アリスは、男は心臓発作で死に、カルテは替えていないことを伝えてその場を去る。 FBI捜査官のロウリー(キルク・カザート)の元に向かったアリスは、ジェリーが各方面でトラブルを起こし追われていることを知らされる。 アリスは、遺体がジェリーではないことを確認したウィルソンから事情を聞かれるが、その場には、鼻を怪我したジョナス博士(パトリック・スチュワート)が立ち会っていた。 犬に鼻を噛まれたと言うジョナスが、今日中にその犬を始末する気だと知ったアリスは、ジェリーの話を信じ始める。 その頃、心臓発作を装ったジェリーは病室から逃れる。 それに気づいたジョナスらはジェリーを追い、アリスは彼の逃亡を阻止しようとしない。 洗濯ものシュートでジェリーを助けたアリスは、ジョナスに呼び止められて質問をされる。 ジェリーは、医師に扮して病院を脱出する。 ジョナスは、ジェリーがなぜアリスにだけ同じ話をするのかを尋ね、一目惚れだと言われる。 アリスは、なぜジェリーに会うことを拒まないのかをジョナスに問われ、半年前の帰宅途中、二人組に襲われた際にジェリーに助けられたことを話す。 ジェリーは精神的に異常ではあるが、なぜか拒めないとアリスは答える。 アリスは、ジョナスがCIAの精神科医で特別職であることを確認する。 ジェリーの病室を調べたアリスは、ジョン・レノンを射殺したマーク・チャップマンや、レーガン元大統領を狙撃したジョン・ヒンクリーが愛読していた、J・D・サリンジャーの小説”ライ麦畑でつかまえて”が残されていたことに気づく。 ロウリー捜査官と共に本と鍵などをチェックしていたアリスだったが、それをCIAに没収されてしまい、キャビネットの引き出しの”ジェロニモ”という文字が気になる。 車に戻ったアリスは、その場にジェリーがいたために驚き、尾行してくる車がFBIだと彼に指摘される。 車を止めて尾行を確認したアリスは、それがロウリーだったことを確認する。 アリスをアパートに案内したジェリーは、自分が作ったニュース・レター”陰謀のセオリー”を見せる。 その購読者リストをチェックしたいとジェリーに伝えたアリスは、その場に”ライ麦畑でつかまえて”が無数にあること知る。 ジェリーは、本屋でそれを見る度に買わずにはいられないことをアリスに伝える。 その時、部屋に催涙弾が撃ちこまれ、ジェリーは発火装置のスイッチを入れて、アリスを連れて寝室の床下から脱出する。 下の部屋の壁の自分が描かれた絵に気づいたアリスは、それが最初からあったことを知らされる。 突入した者達は火災のため退避し、ジェリーは消防士に扮してアリスを担いでその場から脱出し、駆けつけたジョナスらも二人に気づかない。 アリスに何者なのかを尋ねられたジェリーは、”危険を察する男”だと答える。 ジョナスは鎮火した部屋を調べ、アリスの絵を見つけて彼女についての調査を指示する。 ジェリーを家に連れて行ったアリスは、その場でも警戒する彼に、部屋にあった絵に関連して以前から自分を知っていたのではないかと尋ねる。 写真を手にしたジェリーは、アリスの父親である判事を殺した犯人についてを問う。 ジェリーが、毎日、自分を監視していたことを知ったアリスは憤慨し、彼を追いだしてしまう。 アリスの部屋を監視していたロウリーは、相棒を襲ったジェリーに銃を突きつけられる。 ロウリーを気絶させて本屋に向かったジェリーは、”ライ麦畑でつかまえて”を購入する。 本が販売された情報を入手したCIAは現場に急行し、ジェリーは、”ブラック・ヘリコプター”から降下する者達を確認してその場から逃れようとする。 見つかってしまったジェリーは映画館に逃げ込み、爆弾だと叫び騒ぎを起こす。 追っ手から逃れたジェリーは、その後もアリスを監視する。 ジェリーには一切関わるなとウィルソンから言われたアリスは、裏があるという考えも聞き入れてもらえない。 ジェリーのニュース・レターの購読者に電話をしたアリスは、当人が死亡したことを知る。 アリスは、届いた花のメッセージカードの指示に従いバスに乗る。 それを監視していた車の追跡を妨害したジェリーはバスに乗り、5人の購読者の内4人が24時間以内に死亡していることをアリスから知らされる。 ジェリーは動揺しながら、ある者達が、世界を不安定な状況に陥れながら支配している陰謀論をアリスに語る。 世界的な富豪が地下鉄のホームで水死したことを説明したジェリーは、アリスに愛を伝えるものの受け入れられない。 動揺したジェリーは、地下鉄に乗り去って行く。 5人目の購読者の件で電話を受けたアリスは、刑事裁判所の企業合併国際基金窓口に向かい、”フィンチ”という人物に面会しようとする。 ”フィンチ”として現れたのがジョナスだったため、アリスは驚いてしまう。 何者なのかを聞かれたジョナスは、”MKウルトラ計画”についてを語る。 ジョナスはそれを知っているアリスに、洗脳により平凡な人間を暗殺者にする計画は終了したはずだったが、それが続いていたことを話す。 被験者は死亡することになっていたのだが、その実験を受けたジェリーらが、技術を盗んだ者に利用されたのだった。 ジョナスは相手を探し出し、全てを聞き出すことを考えていた。 ジェリーが危険人物であり、人を殺したと言うジョナスは、黒幕を突き止めるために彼を捜す必要があり、それにはアリスの協力が必要だと伝える。 父親の写真を見せられたアリスは、ある男の上訴請求を却下した後で殺された父親の遺体から、その写真が消えていたことを話す。 ジョナスは、ジェリーの貸金庫にその写真があったことを知らせ、彼との出会いや関係をアリスに尋ねる。 父親の死以後ジェリーが付きまとっていることなどをよく考えるよう、ジョナスはアリスに伝えて同情する。 その後、アリスにピザが届き、ある場所で会い話したいという、ジェリーからのメモが添えられていた。 ジョナスは、ジェリーから話を聞き出すために、その場に向かうようアリスに指示する。 アリスは指定された場所でジェリーの車に乗り、ジョナスらが追跡する。 橋で車を急停車させたジェリーは、別の車に乗り換えてコネチカットに向かい、ジョナスらは二人を見失う。 アリスは、ジェリーに知られないように携帯電話を発信させてウィルソンのオフィスに電話をするが、秘書は相手が無言だったために切ってしまう。 ジェリーと有名な暗殺者の話などをしていたアリスは再び電話をかけ、それに気づいたジョナスが逆探知を指示する。 父親の家に着いたアリスは、ジェリーに父親を殺したのかを問う。 ジェリーはそれを否定するものの分からないと答えたため、アリスは彼に襲いかかり、父親の死の真相を知ろうとする。 父親を殺すために裁判所に向かったジェリーだったが、殺すことができず、その時アリスを見かけたのだった。 自分が殺さなくてもジョナスが次の者を送り込むことを知っていたジェリーは、父親を守ることにしたということだった。 自分の話を信じてくれた父親が、ジョナスの部下である男の再審を決定しようと考え、陰謀も暴こうとしたために殺されことをジェリーは話す。 ジェリーは、瀕死の父親からアリスの写真を渡されて、守り抜くことを誓ったことを伝える。 父親を殺していないと言うジェリーは、守れなかったことでアリスに謝罪する。 アリスはジェリーを抱きしめて、信じることを伝える。 そこにヘリが現れ逆探知されたことに気づいたアリスは、カルテを替えたのかをジェリーに問われそれを認める。 その場は包囲され、ジェリーはジョナスに捕えられて連行される。 ウィルソンは射殺され、拘束を逃れたアリスは追跡を振り切る。 ジェリーはLSDを注射されて、アリスを殺したことにされる。 ロウリーの元に向かったアリスは、彼に銃を向けてFBIではないことを確認し、国の最高機密機関の者だということを聞き出す。 ジェリーを囮にしてジョナスを捕えるのがロウリーの目的であり、アリスは彼が父親を殺したことを知る。 ロウリーと手を組むことを拒んだアリスは、彼を殴り気絶させてジェリーの部屋に向かう。 壁の絵に描かれた、橋から見えた煙突が立つ発電所付近の精神病院に向かったアリスは、病院名”ジャーメイン・O・ニコルズ”を略したのが”ジェロニモ”だったことに気づく。 アリスは、その日に入院した患者が他の病院に移されたことを知らされながら、通気口に向かって話しかける。 ジェリーはそれに答えてその場の様子を知らせ、煙突が3本見える場所だと伝える。 アリスは職員にその場を聞き、閉鎖されている北棟に向かう。 ジェリーを見つけたアリスだったが、そこにジョナスらが現れて二人は捕えられる。 建物にロウリーらも踏み込み銃撃戦となり、ジョナスは襲いかかって来たアリスを殴り倒す。 ジェリーは、モップを使いジョナスを水槽に沈める。 ジョナスはジェリーを銃撃するが、アリスに射殺される。 アリスは助けを求め、その場を制圧したロウリーは救急車を呼ぶ。 ジェリーは”ジェロニモ”と口にして、それがこの場所ではなく”愛”だとアリスに伝える。 瀕死のジェリーはアリスに愛を伝え、彼女も同じ気持ちだと答える。 救急ヘリが到着し、付き添いを拒まれたアリスは、ジェリーの無事を祈りながら見送る。 数日後、ジェリーの墓を訪れたアリスは、彼を想い涙しながらサドルのピンをその場に置く。 その後、ロウーリーの車に乗ったジェリーは、久し振りに愛馬に乗るアリスをみつめる。 ロウリーは、アリスの安全を確保するため、ジェリーを死んだと見せかける必要があることを話す。 ジェリーは、ジョナスや組織の話をすることを本名がハッチャーだと言うロウリーに約束する。 アリスは、サドルのピンに気づき全てを理解する。 ジェリーは、ハッチャーの同僚だったフリップから、大量の新聞を受け取りアリスを見つめる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ニューヨーク。
タクシー・ドライバーのジェリー・フレッチャーは、客に向かってしゃべり続け世の中の陰謀についてを語る。
記憶を失っていたジェリーは、司法省の弁護士アリスを守ることが使命だと考え彼女を監視していた。
ジェリーは度々アリスの元に向い、国家的陰謀論を語っていたが、ジョナス博士に拉致されて拷問される。
傷つきながらその場から逃れたジェリーは、アリスに助けを求める。
そしてアリスは、CIAの精神科医ジョナスが、ジェリーを抹殺しようとしていることを知るのだが・・・。
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「リーサル・ウェポン」シリーズのリチャード・ドナー、ジョエル・シルバー、メル・ギブソンが再び組んだ作品で、トップスターとなったジュリア・ロバーツの共演も注目の話題作。
実際に起きた暗殺事件などをドラマの中の陰謀と絡める展開や、CIA、FBIなどが入り乱れる国家組織の謀略などが興味深く描かれている。
製作費は7500万ドル、北米興行収入は約7600万ドル、全世界では1億3700万ドルのヒットとなった。
情緒不安定な男にタクシー・ドライバーを任せられるのかとか、一女性弁護士が、突然、捜査官か工作員のような行動をとつようなご都合主義的なところは目をつぶり、単純にサスペンスを楽しむようお勧めします。
精神障害を抱えながら国家的陰謀に立ち向かう、元組織工作員を熱演するメル・ギブソン、彼に監視されながら危機に立ち向かう弁護士ジュリア・ロバーツ、洗脳で暗殺者を作り出す計画の責任者である精神科医パトリック・スチュワート、国家の最高機密機関の捜査官キルク・カザート、その同僚テリー・アレクサンダー、司法省の局長スティーヴン・カーン、医師ドナル・ギブソン(メル・ギブソンの実弟)などが共演している。