1980年に発表された、マイケル・クライトンのSF小説”失われた黄金都市/Congo”を基に製作された作品。 アフリカ奥地の幻の都市に眠るダイヤをめぐる調査隊と守り神の”生物”との戦いを描く、製作総指揮、監督フランク・マーシャル、製作キャスリーン・ケネディ、主演ローラ・リニー、ディラン・ウォルシュ、アーニー・ハドソン、ティム・カリー他共演のアドベンチャー・アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:フランク・マーシャル
製作
キャスリーン・ケネディ
サム・マーサー
製作総指揮
フランク・マーシャル
フランク・ヤブランス
原作:マイケル・クライトン”失われた黄金都市/Congo”
脚本:ジョン・パトリック・シャンリィ
撮影:アレン・ダヴィオー
編集:アン・V・コーツ
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演
カレン・ロス博士:ローラ・リニー
ピーター・エリオット博士:ディラン・ウォルシュ
モンロー・ケリー:アーニー・ハドソン
ヘルケマー・ホモルカ:ティム・カリー
リチャード:グラント・ヘスロヴ
R・B・トラヴィス:ジョー・ドン・ベイカー
カヘガ:アドウェール・アキノエ=アグバエ
学長:ジェームズ・カレン
チャールズ・トラヴィス:ブルース・キャンベル
ジェフリー・ウィームズ:テイラー・ニコルズ
モイラ:メアリー・エレン・トレイナー
エディ・ヴェントロ:ジョー・パントリアーノ
ワンタ大尉:デルロイ・リンドー
ボブ・ドリスコル:ジョン・ホークス
チャーター機パイロット:ジミー・バフェット
エイミー:ミスティ・ローザス/シャイナ・フォックス(声)
ゴリラの声:フランク・ウェルカー/ゲイー・ヘッカー/ピーター・エリオット
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1995年製作 109分
公開
北米:1995年6月9日
日本:1995年10月21日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $81,022,100
世界 $152,022,100
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
コンゴ/ザイール。
通信会社トラヴィコムの調査隊は、火山地帯のムケンコ山の麓のジャングルに到着してキャンプを張る。
テキサス州、ヒューストン。
コンゴからの衛星電波を受けたトラヴィコムのカレン・ロス博士(ローラ・リニー)は、元フィアンセのチャールズ・トラヴィス(ブルース・キャンベル)と映像交信する。
純粋なブルー・ダイヤ砂を見つけたチャールズは、それをカレンに知らせて、レーザー銃にセットして発射して見せる。
ジェフリー・ウィームズ(テイラー・ニコルズ)が鉱脈源を探しているというチャールズは、CEOである父親のR・B(ジョー・ドン・ベイカー)に知らせるのは待つようにとカレンに伝えるが交信が途切れる。 その後、大発見だと言うジェフリーは、チャールズをある場所に連れて行き興奮する。 R・Bに報告してしまったカレンは、これでレーザー通信産業を制覇できると言われる。 戻ってこないジェフリーを待っていたチャールズは、転がって来た眼球に気づいて驚き、現れたものを見て絶叫する。 通信が再会されたにも拘らず、チャーリーらの姿が見えないため心配するカレンとR・Bは、キャンプが何かに襲われてスタッフが死亡していることを知る。 画面を横切る生物を確認できないまま通信は途絶え、苛立つR・Bは、この件を秘密にするようカレンに伝える。 犠牲者の家族に知らせる必要があると言うカレンだったが、R・Bは、事件により国境が閉鎖されてしまうことを気にする。 二人は、怪物のような生物が何なのか、ライバル社の仕業かなどを考えるが、R・Bは、何としてもダイヤを手に入れるつもりだった。 R・Bは、現地に向い遠征隊に加わりチャールズを捜すようカレンに指示する。 カリフォルニア州、バークレー、UCバークレー。 ピーターは、手話を音声に変える装置を開発し、手話を覚えさせたエイミー(シャイナ・フォックス/声)にその装置を付けて会話をする姿を発表する。 その様子を見ていたヘルケマー・ホモルカ(ティム・カリー)は、エイミーが描いた絵と同じ印の指輪を取り出す。 檻に入れられているエイミーの様子がおかしいため、ピーターは、彼女を故郷に帰すことを学長(ジェームズ・カレン)に提案する。 そんな費用はないと言われたピーターだったが、その場に現れたホモルカが、援助を申し出る。 ルーマニア人のホモルカから慈善のための旅をしていると言われたピーターは、怪しい話だとリチャードに忠告されるものの、エイミーのためを考える。 ホモルカの用意したチャーター機に荷物を積み込む準備をしていたピーターは、現れたカレンに声をかけられ、連絡したと言われる。 同行させてほしいと頼むカレンから、費用を負担すると言われるたピーターは、それを断る。 荷物を降ろされたために戸惑うピーターは、ホモルカから、資金的な問題で燃料代が払えなくなったと言われる。 それを払おうとしたピーターは、5万6000ドルと言われて驚き、カレンに頼るしかなくなる。 エイミーに嫌われたカレンはゴリラの狂暴性を語るが、それを否定するピーターと意見が合わない。 ゴリラに言葉を教える理由を聞かれたピーターは特にないと答え、コンゴに行くのは探し物があるためだとカレンは彼に伝える。 中央アフリカ。 政情不安な状況下で滑走路で爆破騒ぎがあり、現れたガイドのモンロー・ケリー(アーニー・ハドソン)も加わり、エディに”DC-3”をケゴマの滑走路で待機させるよう指示する。 トラックを奪ったモンローは、カレンらを荷台に乗せてケゴマに向かう。 ピーターは不安を感じ、カレンがゴリラに大金を払うはずがないと考えるモンローは、その目的を探る。 途中、軍に捕えられたモンローらは、ワンタ大尉(デルロイ・リンドー)の元に連れて行かれる。 全て調べ上げていることを話したワンタは、カレンから現金を受け取り、ホモルカの目的を尋ねる。 単なる探検家だと答えたホモルカだったが、ワンタは彼をとんでもない詐欺師だと言って、警戒するようカレンとモンローに忠告する。 ホモルカを追い払ったワンタは、カレンとモンローを解放する。 拘束されていたピーターとリチャードを引き取ったカレンは、ケゴマに向かう。 モンローは、補佐のカヘガ(アドウェール・アキノエ=アグバエ)に迎えられる。 以前、助けたことがあるホモルカの行動を批判するモンローは、彼を警戒しながら出発の準備をする。 DC-3で飛び立った一行は、国境を超える際にロケット弾の攻撃を受け、カレンは勇敢に立ち向かう。 パラシュート降下をすると言われたピーターは驚き、パイロットが逃げたことを知らされる。 眠らせたエイミーはモンローが抱いて降下し、DC-3はロケット弾で撃墜される。 不安を訴えるピーターの意見を、モンローは聞こうとしない。 ホモルカの狙いが”失われた都”のソロモンの秘宝であることは察しが付くのだが、モンローはカレンの目的を探る。 ヒューストンに連絡を取ったカレンは、レーザー波をキャッチしたことをR・Bに知らせる。 それがチャールズだと確信するR・Bは、例の生物のイメージ画像をカレンに見せて、ゴリラのようではあるが正体は不明だと伝えてる。 更にR・Bは、ヴィルンガ周辺の火山活動が活発化し、噴火まで1週間か早まる可能性があることを知らせる。 その時、エイミーが衛星アンテナにぶつかり、それを壊してしまう。 一行は目的地を目指し、”幽霊族”と言われるミズム族が現れる。 白人の死体を発見していたミズム族の話を聞いたカレンは、その服についていたマークでトラヴィコムの派遣隊だと気づく。 モンローから、完全な死とは言えない可能性があると言われたカレンは、死体の魂を戻そうとするミズム族の儀式を目撃する。 倒れていたのは派遣隊のボブ・ドリスコル(ジョン・ホークス)で、目を覚ました彼は、エイミーが現れたために取り乱して意識を失い、モンローはボブの死を確認する。 カレンは、派遣隊が消息を絶ち、映像に死体と灰色のゴリラが映っていたことをモンローに伝える。 二人が行方不明で、一人は元フィアンセだということもカレンは付け加える。 一行はボートで川を下り、カレンは”ズィンジ”のことを尋ね、ソロモン王のダイヤ鉱山があった都だとモンローに言われる。 仕方なく自分の目的を話したホモルカは、そのダイヤを手に入れるためにゴリラが必要であることを話し、見開いた目が印された指輪をカレンに見せる。 それが、エイミーが描いた絵と同じだということを知らせたホモルカは、エイミーがズィンジを見たことがある証拠だと話すが、モンローは信じようとしない。 その後カレンは、レーザー波が消えてしまったことに気づく。 夜になり、カバに襲われながら難を逃れた一行は、翌日、ムケンコ山の麓に到着する。 故郷を前にしたエイミーは会話装置を付けられて案内を始め、山の反対側のジャングルに向かう。 一行は、昨夜、目撃した墜落した飛行機を発見して誰もいないことを確認し、カレンは、R・Bが派遣した別の隊だと考える。 その後、目の前にゴリラが現れ、何もせずにじっとしていたピーターは襲われなかった。 それがゴリラのリーダーだと分かり、エイミーは仲間だと思い話しかけるが、相手にされず気落ちする。 エイミーの気持ちを察するピーターは、会話装置を外す。 一行は派遣隊のキャンプに到着するが、装備が消えていたためにカレンは驚く。 奥に進んだ一行はついにズィンジを発見し、ホモルカは、見開いた目の像を確認する。 手掛かりを発見した一カレンらは、リチャードとエイミーらを残して内部に入り、壁には同じ象形文字が繰り返し書かれていた。 姿を消したエイミーを捜していたリチャードの前に、灰色のゴリラが現れる。 チャールズを捜すカレンだったが、そこに襲われて傷ついたリチャードが現れて息絶える。 灰色のゴリラが姿を現わして襲い掛かるが、カレンらは抵抗する。 その場から脱出した一行は、外で待っていた者達が殺されていることを確認する。 カレンらは武器を補強し、ピーターは、エイミーに再び装置を付ける。 敵を感知する自動機関銃をセットしたカレンは、それが作動するものの抵抗するゴリラの行動を警戒する。 襲いかかって来る複数のゴリラに攻撃を仕掛けたモンローは、それが去ったことを確認して、夜明けに退却することを考える。 象形文字を解読したホモルカは、”お前たちを見ている”という意味だと伝える。 夜が明けて、モンローは、殺したはずのゴリラの死体がないことを不思議に思う。 ピーターは、姿を消したエイミーを捜そうとするが、ホモルカもいなくなったため、モンローは人間を優先すると伝える。 ある場所の壁画を見たピーターは、かつて、人間がゴリラを飼い慣らし、狂暴性を引き出してあのような種類を育て上げたと考える。 カレンは、飼われていたものが主人を滅ぼしたと指摘し、ピーターは、大量のゴリラの骨を見つける。 それが潰れているため、カレンは、火山活動による地震のせいだと考える。 ムケンコ山の噴火が始り、鉱山を探していたホモルカと合流した一行は出口に向かう。 一行はついに鉱山を見つけるが、ピーターは、”お前たちを見ている”という言葉を思い出し、ゴリラに監視されていると言って警戒する。 ダイヤを拾い集めたホモルカはゴリラに襲われて殺され、カレンらは攻撃しながら逃れようとする。 カレンはダイヤの晶洞を見つけ、モンローは、カヘガが殺されるのを目撃する。 チャールズとジェフリーの死体を確認したカレンは、ダイヤを利用してレーザー銃をセットする。 ゴリラに囲まれたピーターだったが、エイミーが現れゴリラを威嚇して追い払う。 カレンはレーザー銃でゴリラを攻撃し、ムケンコ山は噴火してその場に溶岩が流れ込みゴリラに襲いかかる。 地割れや溶岩を避けながらその場から脱出したカレンらは、何んとかキャンプにたどり着く。 車両に気球が積んであったため、カレンは、それを飛ばす準備をするようモンローに頼む。 ヒューストンに連絡したカレンは、R・Bが息子チャールズの死よりもダイヤのことを考えているため、通信衛星をレーザー光線で破壊することを伝えて実行する。 エイミーを見つけたピーターは、命を救ってくれたことを感謝する。 現れたゴリラのリーダーの元に向ったエイミーを見つめるピーターは、彼女がようやくうちに戻れたと考える。 気球で飛び立ったカレンは、レーザー銃からダイヤを外してピーターに捨てさせ、モンローは残念に思う。 エイミーは、去っていく気球を見つめながら、新しい家族と共にジャングルに戻る。
...全てを見る(結末あり)
霊長類学者ピーター・エリオット博士(ディラン・ウォルシュ)とアシスタントのリチャード(グラント・ヘスロヴ)は、ゴリラのエイミーの生態を研究していた。
R・Bに雇われたエディ・ヴェントロ(ジョー・パントリアーノ)に迎えられたカレンは、飛行機を乗り継いで現地に向かうことになる。
*(簡略ストー リー)
コンゴ/ザイール。
通信会社トラヴィコムの調査隊は、最新のレーザー通信のために必要なダイヤの鉱山を探していた。
調査隊が正体不明の生物に襲われて消息を絶ち、トラヴィコムの科学者カレン・ロスは、CEOのトラヴィスから、現地に向かっていた息子チャールズらの捜索を命ぜられる。
霊長類学者のピーターは、ゴリラのエイミーに手話を教えて、特殊な装置でそれを言葉にして会話をすることに成功していた。
慈善家だというルーマニア人ホモルカの援助で、エイミーを故郷のコンゴに帰すことを考えたピーターは、その準備を始める。
ホモルカの資金不足で出発が危ぶまれるが、現れたカレンの援助でピーターらはアフリカに向かう。
政情不安の混乱の中、ガイドのモンローと合流したカレンらは、危機を乗り越えながら現地に向かうのだが・・・。
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マイケル・クライトン原作の映画化は、「ジュラシック・パーク」(1993)が、当時の世界興行収入第一位のメガ・ヒットとなり(約9億1500万ドル)、続く映画化の「ディスクロージャー」(1994)も2億ドルを超し、その翌年に公開された作品。
「ディスクロージャー」はサスペンスであったために、アドベンチャー映画そのものという本作に、ファンは再び期待した。
本作も北米興行収入は約8100万ドル、全世界では約1億5200万ドルのヒットとなった。
手話を習得したゴリラの生態や、幻の都市の神秘性、火山噴火などのアクションなど見所は多くあるが、フランク・マーシャルの演出は平凡で話の筋も弱い。
大自然を生かしたロケなどは効果を上げているが、その場で使われる最先端装置などの登場が、おもちゃのゲームのように思え、子供じみた描写になっているところが気になる。
当時の政情不安なども盛り込んだ緊迫感はまずまずで、陸、空、地底、火山の大噴火も含めた映像など、冒険映画としては楽しめる。
ゴリラに手話を覚えさせて、特殊な装置により会話をするというアイデアなども実に興味深く、科学知識を基盤とするマイケル・クライトンらしい物語の内容となっている。
最先端のレーザー通信企業の科学者であり、勇気ある行動で危機を乗り越えるローラ・リニー、ゴリラの生態を研究する霊長類学者ディラン・ウォルシュ、その助手グラント・ヘスロヴ、派遣隊のガイド、アーニー・ハドソン、幻の都市の秘宝を追う謎の男ティム・カリー、通信企業のCEO、ジョー・ドン・ベイカー、派遣隊ガイドの補佐アドウェール・アキノエ=アグバエ、UCバークレー(カリフォルニア大学バークレー校)学長ジェームズ・カレン、調査隊を率いる通信企業CEOの息子ブルース・キャンベル、同僚テイラー・ニコルズ、学会の出席者メアリー・エレン・トレイナー、主人公を現地で迎えるジョー・パントリアーノ、現地軍の大尉デルロイ・リンドー、派遣隊の一員ジョン・ホークス、チャーター機のパイロット、ジミー・バフェット、ゴリラ、エイミーの声シャイナ・フォックス、ゴリラのフランク・ウェルカーなどが共演している。