街を破壊する巨大モンスターと同一化する自堕落な女性の行動を描く、製作総指揮、監督、脚本ナチョ・ビガロンド、製作総指揮、主演アン・ハサウェイ、ジェイソン・サダイキス、ダン・スティーヴンス、オースティン・ストウェル、ティム・ブレイク・ネルソン他共演のSFブラック・コメディ。 |
・SF
■ スタッフ キャスト ■
監督:ナチョ・ビガロンド
製作
ニコラス・シャルティエ
ゼヴ・フォアマン
ドミニク・ラスタム
ナイカリ・イピニャ
ラッセル・レヴィン
製作総指揮
アン・ハサウェイ
ショーン・ウィリアムソン
ジョナサン・デクター
ナチョ・ビガロンド
ギャレット・バッシュ
ジャスティン・バーシュ
クリス・リットン
脚本:ナチョ・ビガロンド
撮影:エリック・クレス
編集
ルーク・ドゥーラン
ベン・ボードゥイン
音楽:ベアー・マクレアリー
出演
グロリア:アン・ハサウェイ
オスカー:ジェイソン・サダイキス
ティム:ダン・スティーヴンス
ジョエル:オースティン・ストウェル
ガース:ティム・ブレイク・ネルソン
グロリア(少女期):ハンナ・ケラミー
オスカー(少年期):ネイサン・エリソン
マリー:ルキヤ・バーナード
アッシュ:アガム・ダルシ
カナダ/アメリカ 映画
配給
Neon(アメリカ)
Mongrel Media(カナダ)
2016年製作 110分
公開
カナダ:2017年4月21日
北米:2017年4月7日
日本:2017年11月3日
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $3,029,290
世界 $4,531,300
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
韓国、ソウル。
母親と共に人形を捜していた少女は、目の前に現れた巨大モンスターを見て驚く。
25年後、ニューヨーク。
ライターとしての仕事もなくアルコール依存症のグロリア(アン・ハサウェイ)は、二日酔いでアパートに戻る。
恋人のティム(ダン・スティーヴンス)から、仕事もせずに飲んでばかりいることを批判されたグロリアは、アパートから追い出される。
ティムが出て行ったことを確認した友人たちが部屋に入ってくるものの、グロリアは呆然とする。
ニューハンプシャー州。
実家に戻ったグロリアは、友人で幼馴染のオスカー(ジェイソン・サダイキス)に再会する。
亡くなった父親のバーを受け継いだオスカーは、グロリアを連れて店に向かう。 店を一人でやっていることなどをグロリアに説明したオスカーは、頭をかく彼女がサルみたいな仕草をするのが気になる。 店が開き、グロリアは、常連客のガース(ティム・ブレイク・ネルソン)とジョエル(オースティン・ストウェル)と話をしながら、オスカーが出してくれたビールを飲む。 酔ったグロリアは、オスカーから、子供の頃に学校で物語の発表があり、自分が毎年、優勝した話をされる。 ジョエルにキスされそうになったグロリアは、怒り出したオスカーを落ちつかせる。 夜が明けて公園を通り家に戻ったグロリアは、そのまま眠ってしまい、姉からの電話で起こされる。 ソウルがモンスターに攻撃されていることを知らされたグロリアは、それをネットで確認して驚く。 ティムに電話をして、そのことを話したグロリアは、9時間も前のことだと知り、酒のことを追及され、カウンセリングを受けるべきだと言われて苛立つ。 グロリアは、その夜もオスカーの店に向かい、モンスターがソウルの街を破壊し、人々に襲い掛かる様子を放送するニュースを見つめる。 その後、公園のベンチで夜を明かしてしまったグロリアは、ティムに電話をするものの相手にされない。 家に戻り、エアー式のマットレスを設置したグロリアは、訪ねて来たオスカーがテレビを運んできてくれたために招き入れる。 グロリアは、25年前にもソウルにモンスターが出現していたことを、ネットの情報で知らされる。 オスカーの提案でバーで働くことになったグロリアは、テレビに映るモンスターが頭をかく仕草が気になる。 その後、モンスターの映像をチェックしたグロリアは、その動きが、公園での自分の行動や仕草に似ていると気づき、それが間違いないことを確かめて動揺する。 ティムと話していたグロリアは、ソファを運んできてくれたオスカーとジョエルと共にバーに向かう。 その夜、グロリアは、オスカー、ガース、ジョエルと共に公園に向かう。 皆ににソウル襲撃サイトを検索させたグロリアは、自分とモンスターが同じ動きをすることを確認させる。 翌朝、目覚めたグロリアは、ソウルの悲惨な状況をテレビで見ながら動揺し、訪ねて来たオスカーに、自分が何人殺したか涙しながら尋ねる。 罪深い自分を責めて出頭しようとしたグロリアは、たぶん自分だと言って新聞を見せるオスカーから、モンスターにロボットの仲間がいることを知らされる。 オスカーとダイナーに向かったグロリアは、25年前にモンスターが現れた時間に、自分たちがちょうど学校に登校しようとしていた際の話をする。 グロリアは、オスカーの知人の韓国料理店の店主にハングル文字でメッセージを書いてもらい、それを持って公園に向かい地面に書く。 ”ごめんなさい もう二度としません”というメッセージは伝わり、グロリアは、その件をガースとジョエルにも話す。 ジョエルの家に向かったグロリアは、その場で一夜を過ごし、翌朝、ロボットがソウルを襲撃したことを知り驚く。 ジョエルと公園に向かったグロリアは、オスカーとガースが酔ってふざけていることに気づく。 オスカーを非難して去るよう指示したグロリアは、それに従おうとしないために彼を殴る。 その場を離れたオスカーは、不満げに立ち去る。 モンスターとロボットの関係が話題になり、世界中の人々が注目する。 グロリアにつらく当たり始めたオスカーは、コカイン中毒のガースにも嫌味を言う。 苛立つガースを追い出したオスカーは、酔うと何をしたか覚えていないために酒を断っているグロリアを挑発するものの、彼女は相手にしない。 公園に向かおうとしたオスカーはグロリアに制止され、自分に主役が回ってきたと言って彼女を非難し、ジョエルと車で出かける。 走って公園に向かったグロリアはオスカーを殴り、二人は格闘になる。 店を辞めると言うグロリアに、辞めたら街の一区画を潰すと伝えたオスカーは、彼女を押し倒してその場を去る。 家に戻ったグロリアは、訪ねて来たジョエルから、反省しているオスカーが譲るつもりの家具などを見せられる。 オスカーの家に向かったグロリアは、謝罪する彼に、閉店後は飲まずに帰ることを約束させ、自分も酒で大失敗したことを伝える。 家に戻ったグロリアは、家具などが設置されていたために驚く。 ティムが町に来ていることを知ったグロリアは、彼が宿泊するホテルに向かう。 突然、来て偶然、会議があると言うティムを疑うグロリアは、バーで働いていることを批判されて気分を害する。 謝罪されたグロリアは、ティムを連れてバーに向かい、オスカーを紹介する。 ティムを牽制するオスカーは、奥から花火を持ち出して点火してしまう。 オスカーの無謀な行為に驚いたティムは、その場を去ろうとするものの、グロリアは留まろうとする。 会議はウソで、会いたくて来たと言ってもグロリアが返事をしないために、ティムはその場を去る。 家に戻ったグロリアは、オスカーがいたために驚き、追い出そうとするものの、彼が自分を支配しようとしていることに気づく。 25年前の登校の際、物語の発表に使うために作ったソウルの街が風に飛ばされたグロリアは、見つけてくれたオスカーが、それを踏み潰すのを目撃した。 怒りがこみ上げるグロリアの頭部に稲妻が直撃し、彼女とオスカーは気を失った。 オスカーが自分自身を嫌っていることに気づいたグロリアは、ティムに電話をして一緒に帰ることを伝える。 公園に向かおうとするオスカーを引き止めるグロリアは格闘になり、殴り倒される。 オスカーが街を破壊したために悲しむグロリアは、ある考えが浮かび、ティムの元に向かわず、空港から旅立つ。 ニューヨークに戻ったティムは、約束を破ったグロリアを責める。 ティムに謝罪したグロリアは、ソウルにいることを話さない。 オスカーは公園に向かい、厳戒体制のソウルにロボットが現れる。 グロリアはロボットに近づき、オスカーの前には巨大なモンスターが現れる。 オスカーを掴んだグロリアは、彼を彼方に放り投げる。 ロボットの脅威が去ったことで市民は歓喜し、ジョエルは、テレビ画面に映ったグロリアの姿を見てすべてを悟る。 バーに入ったグロリアは、バーテンダーからロボットのことを訊かれ、涙してしまう。 信じられない話を聞かせると言うグロリアは、バーテンダーから酒を勧められてためらう。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ニューヨーク。
ライターとしての仕事もなく酒に溺れるグロリアは、恋人ティムに捨てられ、故郷のニューハンプシャーに戻る。
幼馴染のオスカーに再会したグロリアは、彼が経営するバーで働くことになる。
そんな時グロリアは、ソウルに出現して人々に襲い掛かる巨大モンスターが、自分と同じ仕草をしていることに気づく。
付近の公園で行う動作が、モンスターに反映することを知ったグロリアは、それをオスカーに伝えるのだが・・・。
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街を破壊する巨大モンスターと同一化してしまった自堕落な女性の行動を描くSFブラック・コメディ。
スペインの映画監督ナチョ・ビガロンドが、製作総指揮、脚本を兼ねて演出し、資金難の中、自ら製作総指揮に加わり出演を決めたアン・ハサウェイが主演した作品。
ソウルを破壊する巨大モンスターの正体が、主人公が25年前に嫌な思いをした際の”怒り”の反映だった・・・という、SFタッチのストーリーにブラックユーモアを融合させた奇抜な内容の作品。
コメディ・タッチで始まる物語は、幼馴染同士の過去の因縁などに発展し、人間の恥部や傲慢さなどを強調する存在として、街を破壊する巨大モンスターやロボットを登場させている。
興行的には成功した作品ではないが、批評家からは好評価を得ている。
アルコール依存症である自堕落な主人公を演ずるアン・ハサウェイは、製作にも加わった意欲作でもある。
主人公の幼馴染であり、彼女がモンスターと同化していることを知り、それに加わり自分を主張し始めるジェイソン・サダイキス、その友人オースティン・ストウェルとティム・ブレイク・ネルソン、主人公の恋人ダン・スティーヴンス、主人公とオスカーの子供時代ハンナ・ケラミーとネイサン・エリソン、他ルキヤ・バーナードやアガム・ダルシなどが共演している。