映画監督”スタンリー・キューブリック”に成りすまして詐欺行為を繰り返した実在の人物アラン・コンウェイの実話を元に製作された作品。 製作、監督ブライアン・W・クック、主演ジョン・マルコヴィッチ、マリサ・ベレンソン、オナー・ブラックマン他共演のコメディ・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ブライアン・W・クック
製作総指揮:リュック・ベッソン他
製作:ブライアン・W・クック
脚本:アンソニー・フルーウィン
撮影:ハワード・アサート
編集:アラン・ストラチャン
音楽:ブライアン・アダムス
出演
アラン・コンウェイ:ジョン・マルコヴィッチ
アリックス・ウィッチェル:マリサ・ベレンソン
マダム:オナー・ブラックマン
リー・プラット:ジム・デヴィッドソン
ノーマン:テレンス・リグビイ
ジャスパー:リチャード・E・グラント
ルパート・ロッドナイト:ルーク・メブリー
フランク・リッチ:ウィリアム・ホートキンス
ステュークリー医師:エイーシャ・ダーカー
メルヴィン:ジェームズ・ドレイファス
ピアース:マーク・アンバース
イギリス/フランス 映画
配給
ヨーロッパ・コープ
マグノリア・ピクチャーズ
2006年製作 86分
公開
フランス:2006年1月4日
北米:2007年3月23日
日本:未公開
北米興行収入 $70,680
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
あるクラブに現われた男アラン・コンウェイ(ジョン・マルコヴィッチ)は、デザイナーだと言う青年ルパート・ロッドナイト(ルーク・メブリー)に近づき話し始める。
コンウェイは、自分が映画監督”スタンリー・キューブリック”だと言って名乗り、ルパートからブランデーをご馳走される。
言葉巧みに、自分を”キューブリック”だと信じ込ませた同性愛者であるコンウェイは、ルパートを、”隠れ”アパートだと言って自宅に連れて行く。
翌朝、ルパートは興奮して”キューブリック”と組むことを知人に知らせる。
街では、”キューブリック”(コンウェイ)に声をかけられた者達が、騒ぎ始め彼を捜し始める。
ヘビメタ・バンドのメンバーを騙していたコンウェイだったが、あるクラブで自分を知る者に見つかり、その場から逃げ去る。 その後もコンウェイは、知人ジャスパー(リチャード・E・グラント)のために、”キューブリック”だと言って、ワイン・バーを開店する彼の融資の保証人になったりもする。 脚本家だという青年とレストランで会食中のコンウェイは、”ニューヨーク・タイムズ”のコラムニスト、フランク・リッチ(ウィリアム・ホートキンス)と妻のアリックス(マリサ・ベレンソン)がその場にいることを知る。 コンウェイは、”キューブリック”だと名乗り、リッチの自分への批判記事に意見する。 あるパブで青年に声をかけたコンウェイだったが、”スタンリー・クレイマー”作品の”ニュールンベルグ裁判”を、自分の作品だと話してしまい、嘘がばれてしまう。 ”キューブリック”の写真を確認したリッチとアリックスは、レストランの男が本人でないことを確信する。 警察は、”キューブリック”の偽者がいることを証明しようと動き始めるが、被害にあった者達は、笑い者になることなどを嫌い協力を拒む。 アルコール依存症であるコンウェイは倒れてしまい、病院に運ばれ、ゲイの看護師にエンタティナーのリー・プラット(ジム・デヴィッドソン)とマネージャーのノーマン(テレンス・リグビイ)を紹介される。 コンウェイは、口からでまかせで”キューブリック”としてのコネを使い、リーにラスベガス進出を提案し、彼のコーディネーターとなり、優雅な暮らしを始める。 準備が整いつつあるコンウェイだったが、ノーマンは、彼の言動に不信感を感じて疑い始める。 その後リーは、コンウェイが詐欺師であるという事実を知って愕然としてしまう。 そしてコンウェイは、リーやノーマンにの元から追放される。 リッチに記事にされてしまったコンウェイの元にはマスコミが殺到し、彼は錯乱状態になり、精神科病院に入れられてしまう。 意外にも、主治医ステュークリー(エイーシャ・ダーカー)は、コンウェイの言動を理解する。 そしてステュークリーは、アルコール依存症のコンウェイを、”リミニ・クリニック”で療養させることを彼に告げる。 その後コンウェイは、クリニックで優雅な日々を送る。 アラン・コンウェイは起訴を免れ自宅に戻り、1998年12月に心臓発作で死亡する。 その3ヶ月後にスタンリー・キューブリックも他界した。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
アルコール依存症で同性愛者であるアラン・コンウェイは、”スタンリー・キューブリック”を名乗り詐欺行為を繰り返していた。
余りに偉大な人物と接した者達は、彼との仕事に誘われたりもして有頂天になる。
言葉巧みに”キューブリック”に成りすますコンウェイだったが、意外にも乏しい映画の知識などで失敗もする。
その後コンウェイは、彼を胡散臭い目で見る者達から疑われ始め、警察は彼の詐欺行為を証明しようと動き出す。
しかし、笑い者になることを嫌った被害者は、コンウェイの詐欺を立証するための協力を拒んでしまう。
そんな時、コンウェイは、エンターティナーのリー・プラットに近づき、彼のラスベガス進出を後押しする振りをして、コーディネーターとなり優雅な暮らしを始めるのだが・・・。
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知名度抜群の”スタンリー・キューブリック”に成りすまし、周囲がそれに簡単に騙されるとは信じ難い話だが、これが事実というのだから正に驚きだ。
かなり大袈裟に脚色された物語であることも明らかだが、誰もが認める”キューブリック”の偉大さが窺える内容に、ファンとしては大いに満足できる作品でもある。
また、カーク・ダグラスとの確執を皮肉ったシーンなども実に興味深い。
単なる愉快犯であった主人公のアラン・コンウェイを怪演するジョン・マルコヴィッチは、実力派らしく変幻自在の演技を見せ、楽しんで演じているようにも見える。
”キューブリック”作品「バリー・リンドン」(1975)に出演したマリサ・ベレンソン、その夫で”ニューヨーク・タイムズ”のコラムニストであるフランク・リッチのウィリアム・ホートキンス、主人公に騙されるエンターティナー、ジム・デヴィッドソン、彼のマネージャー、テレンス・リグビイ、ワイン・バー開店の夢破れる被害者リチャード・E・グラント、同じく被害者ルーク・ブリー、主治医エイーシャ・ダーカーなどが共演している。