テロで妻子を亡くした消防隊長が単独で犯人を捜す戦いを描く、監督アンドリュー・デイヴィス、主演アーノルド・シュワルツェネッガー、クリス・カーティス、イライアス・コティーズ、ジョン・タトゥーロ、ジョン・レグイザモ他共演のアクション大作。 |
・アーノルド・シュワルツェネッガー / Arnold Schwarzenegger 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:アンドリュー・デイヴィス
製作
デヴィッド・フォスター
スティーヴン・ルーサー
製作総指揮
ホーク・コッチ
ニコラス・メイヤー
原案
ロナルド・ルース
デヴィッド・グリフィス
ピーター・グリフィス
脚本
デヴィッド・グリフィス
ピーター・グリフィス
撮影:アダム・グリーンバーグ
編集
ドヴ・ホーニグ
デニス・ヴァークラー
音楽:グレーム・レヴェル
出演
ゴーディ・ブルーアー:アーノルド・シュワルツェネッガー
クラウディオ・ペッリーニ/ウルフ:クリス・カーティス
ピーター・ブラント:イライアス・コティーズ
セリーナ・ペッリーニ:フランチェスカ・ネリ
ショーン・アームストロング:ジョン・タトゥーロ
フェリックス・ラミレス:ジョン・レグイザモ
ジョー・フィップス:ミゲル・サンドヴァル
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2002年製作 108分
公開
北米:2002年2月8日
日本:2002年4月20日
製作費 $85,000,000
北米興行収入 $40,048,330
世界 $78,382,430
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロサンゼルス。
消防士ゴーディ・ブルーアー(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、コロンビア総領事館前広場で妻子と待ち合わせをする。
警官(クリス・カーティス)に駐車の許可を得たブルーアーは、妻子を見つけるが、彼の目の前で爆破が起きる。
車に激突したブルーアーは、意識を失うものの一命を取り留めるが妻子は死亡し、絶望する彼を同僚が励ます。
ブルーアーは、盗まれた警察のバイクが爆発したことを知り、自分が話しかけた警官が犯人だと考える。
監視カメラを見たブルーアーは、警官に扮していた男が、テロリストのクラウディオ・ペッリーニ(クリス・カーティス)、別名”ウルフ”だということを、FBIのジョー・フィップス捜査官(ミゲル・サンドヴァル)から知らされる。 本人も狙われた可能性のある、CIAの南米担当諜報員であるピーター・ブラント(イライアス・コティーズ)に、ブルーアーは名刺を渡される。 生きていく気力も失せ、空虚な日々を過ごすブルーアーは、ウルフの犯行声明と、その理解者が、今回の犠牲者達が”コラテラル・ダメージ”(目的を果たすための巻き添え)だと話すのを聞き怒りを感じる。 それを放送したテレビ局に押し入り暴れたブルーアーは、FBIに取り押さえられてしまう。 数週間が経過するが、事件解決には及ばず、ブルーアーはブラントに連絡する。 しかし、CIAもコロンビアから手を引くようにと、圧力をかけられていた。 仕方なくブルーアーは、単独でウルフの情報を入手しようとする。 コロンビア。 検問を逃れたブルーアーの残したパスポートから、彼がコロンビア入りしたことをブラントは知る。 ウルフもそれを知り、ブルーアーを捕らえて人質にして、アメリカに身代金を要求しようとする。 モンポスにたどり着いたブルーアーは、ゲリラ地帯に向うために通行証を入手しようとするが、それをゲリラと当局に感づかれる。 町の女性セリーナ(フランチェスカ・ネリ)と、その息子が事故に遭いそうになったのを助けたブルーアーは、直後に、警察に拘束されてしまう。 その後ブルーアーは、拘置所でカナダ人詐欺師ショーン・アームストロング(ジョン・タトゥーロ)に出会う。 しかし、拘置所がゲリラの襲撃に遭い、現れたウルフを目撃したブルーアーは、通行証を渡したアームストロングを連れてその場を脱出する。 アームストロングに、ゲリラ地帯に向かう方法を聞いたブルーアーは、彼と別れてマグダレナ川を上り、ゲリラの資金源となる、麻薬を管理するフェリックス・ラミレス(ジョン・レグイザモ)に接触する。 ブルーアーは、フェリックスに麻薬生産工場に連れて行かれ、機械の修理を始める振りをして、密かに破壊工作を進める。 ウルフはブルーアーが侵入したことを知り、工場を手下に探らせるが、彼は仕掛けた爆弾を爆破させて混乱させる。 フェリックスはゲリラに射殺され、ブルーアーはトラックのシャーシーにしがみつき、ゲリラのアジトに侵入する。 ウルフの居場所を確認したブルーアーは、可燃性ガスのタンクに手榴弾を仕掛けアジトを脱出する。 しかし、運悪くその脇の道路をセリーナ親子が通りかかる。 自分の妻子の爆死を思い起こしたブルーアーは、セリーナ親子に爆破を知らせようと叫んだために、ウルフは部屋を離れ難を逃れる。 ブルーアーはウルフに捕らえられるのだが、セリーナがウルフの妻であることを知る。 ウルフはブルーアーを痛めつけようとするが、街角で助けられたセリーナは、彼をかばおうとして夫と言い争う。 衛生写真でその事件を知り、ブルーアーの存在を確認したブラントは、密林の敵のアジトも突き止めてブルーアーを救出する目的で、攻撃を仕掛けようとする。 セリーナは、平凡な教師だった夫クラウディオ(ウルフ)が、幼い娘を兵隊に殺されてゲリラに入り、憎しみと怒りだけの男に変貌してしまったことをブルーアーに話す。 ウルフがワシントンD.C.に爆弾を仕掛けたため、セリーナはそれを阻止しようと、ブルーアーに自分と息子の命を預けアジトを脱出しようとする。 そこに、ブラントが指揮するゲリラ掃討作戦のヘリが到着し、アジトへの攻撃を始める。 ブラントは、女子供を含めた、アジトにいた者を皆殺しにしてブルーアーらも見つける。 ブルーアーは、ワシントンD.C.のテロ計画をブラントに伝え、それを知るセリーナ親子と共に帰国する。 アジトの襲撃を逃れていたウルフは、ワシントンD.C.入りし、国務省に犯行予告を送りつける。 テロ対策の指揮権はFBIのフィップスに移り、ブルーアーらの到着を歓迎し、セリーナは爆弾捜査の協力を始める。 その頃、ウルフが”ユニオン駅”に設置した、爆弾が仕掛けられたアタッシュケースを、浮浪者が持ち去ってしまう。 同じ頃、セリーナが爆弾が仕掛けられた”ユニオン駅”を指定し、監視カメラの記録映像をチェックする。 その映像でセリーナはウルフを確認し、特殊部隊が爆弾を確保しに現場に向かう。 しかし、セリーナの手の仕草が、犯行声明映像のテロリストの動作と同じだったことに気づいたブルーアーは、彼女が夫のウルフを裏切っていないことを察知する。 浮浪者が開けたアタッシュケースは空で、化粧室に行ったセリーナは、女性捜査官を殺して銃を奪い逃走する。 それを追ったブルーアーは、セリーナの息子が持っていたおもちゃが爆弾だと気づき、それを司令室から投げ出す。 爆破は起きるが惨事は免れ、逃走したセリーナは追ってきたブラントを射殺する。 ブルーアーはセリーナを追い、彼女はバイクで待ち構えていたウルフと共に逃走する。 出口を封鎖したブルーアーは、天然ガスのパイプに穴を開けて二人を迎え撃つ。 そして、セリーナが発砲した弾丸がガスに引火して大爆発が起きる。 生き延びていた二人はブルーアーに襲い掛かるが、彼は二人を倒す。 ブルーアーはセリーナの息子を引き取り、その後、最高の栄誉となる”大統領自由勲章”が授与されることになる。
...全てを見る(結末あり)
ブランとは、モンポス付近のCIA支局に向かい、パナマ経由でブルーアーも密かに現地入りする。
*(簡略ストー リー)
ロサンゼルス。
消防士ゴーディ・ブルーアーは、テロの巻き添えで妻子を亡くす。
事件の直前に、不審な警官を目撃していたブルーアーは、その男がテロリスト”ウルフ”だったことをFBIから知らされる。
失意のブルーアーは、ウルフの犯行声明などで、犠牲者達が”コラテラル・ダメージ”(目的を果たすための巻き添え)だと話すのを聞き、怒りを露にする。
その後、政治的な駆け引きの結果、政府はウルフの捜査から手を引こうとする。
そのためブルーアーは、単独で情報を入手し、ウルフへの復讐のために、パナマ経由でコロンビア入りするのだが・・・。
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「沈黙の戦艦」(1992)や「逃亡者」(1993)などの話題作を手がけた、アンドリュー・デイヴィスと、アーノルド・シュワルツェネッガーが組んだことが、大いに話題になった作品。
しかし、当初の公開予定2001年10月5日の前月9月11日に”同時多発テロ”が起きてしまい、その内容から、被害者などの心情を考慮し、公開が延期された曰く付きの作品。
結局、翌年の2月4日にプレミアが行われて、2月8日に一般公開された。
上記のように、大物二人の組んだ話題作ではあったが、さすがにテロ後遺症の影響は隠せず、シュワルツェネッガー作品にしては興行収入は低迷し、全世界トータルでも製作費8500万ドルを回収できなかった。
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北米興行収入 $40,048,332
世界 $78,382,433
完全無欠のスーパーヒーローでない、一般人に近い主人公シュワルツェネッガーを新鮮と見るか、物足りなく思うかで、大きく評価は変わってくる作品とも言える。
設定が消防士ということで、ゲリラに立ち向かってもそれほどの強さを発揮するわけでもなく、彼にしては肉体的には控えめな作品になっている。
知的なテロリスト兼ゲリラの指導者クリス・カーティス、その妻で共犯者フランチェスカ・ネリ、CIAの南米担当諜報員イライアス・コティーズ、FBI捜査官役ミゲル・サンドヴァル、意外にあっさり画面から消えてしまうのが残念な詐欺師ジョン・タトゥーロと、ゲリラの麻薬を管理する男ジョン・レグイザモ等が共演している。