サイトアイコン That's Movie Talk!

素晴らしきかな、人生 Collateral Beauty (2016)

最愛の娘を亡くした男性の苦悩を描く、監督デヴィッド・フランケル、主演ウィル・スミスエドワード・ノートンキーラ・ナイトレイマイケル・ペーニャナオミ・ハリスケイト・ウィンスレットヘレン・ミレン他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

ウィル・スミス / Will Smith 作品一覧


スタッフ キャスト
監督:デヴィッド・フランケル

製作
バード・ドロス
マイケル・シュガー
アラン・ローブ
アンソニー・ブレグマン
ケヴィン・スコット・フレイクス
製作総指揮
トビー・エメリッヒ
リチャード・ブレナー
マイケル・ディスコ
マイケル・ベダーマン
アンクル・ルングタ
ピーター・クロン
スティーヴン・パール
ブルース・バーマン
脚本:アラン・ローブ
撮影:マリス・アルベルチ
編集:アンドリュー・マーカス
音楽:セオドア・シャピロ

出演
ハワード・インレット:ウィル・スミス
ホイット・ヤーシャム:エドワード・ノートン
エイミー・ムーア/ラブ:キーラ・ナイトレイ
サイモン・スコット:マイケル・ペーニャ
マデリン:ナオミ・ハリス
ラフィ/タイム:ジェイコブ・ラティモア
クレア・ウィルソン:ケイト・ウィンスレット
ブリジット/デス:ヘレン・ミレン
サリー・プライス:アン・ダウド
ヤーシャム夫人:メアリー・ベス・ペイル
ヤーシャム:レイモンド・グリーン=ジョイナー
スコット夫人:シャーリー・ルミエルク
トレヴァーの母親:ライザ・コロン=ザヤス
アダムの母親:ナタリー・ゴールド
スタン:エンリケ・ムルシアーノ

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2016年製作 97分
公開
北米:2016年12月16日
日本:2017年2月25日
製作費 $36,000,000
北米興行収入 $31,016,020
世界 $88,528,300


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ニューヨーク
広告会社を経営するホイット・ヤーシャム(エドワード・ノートン)は、業界のカリスマと言えるビジネスパートナーのハワード・インレット(ウィル・スミス)を社員の前で称える。

ホイットに紹介されたハワードは、社員や役員のクレア・ウィルソン(ケイト・ウィンスレット)、サイモン・スコット(マイケル・ペーニャ)の前で、”愛、時間、死”がすべての人をつなぐ要素だとスピーチする。

3年後。
2年前に6歳の娘を亡くしたハワードの人生は一変し、うつ状態となった。

何日もかけて会社でひたすらドミノを並べるハワードは、それを倒してオフィスを去る。

ホイット、クレア、サイモンはハワードのことを心配するものの、何もできなかった。

ハワードなくして会社がなりたたないホイットは、オムニコから1株17ドルの買収話があることをクレアとサイモンに伝える。
...全てを見る(結末あり)

その件を任されたサイモンは、筆頭株主がハワードだとホイットに伝え、何とかするので話を進めるよう指示される。

クレアと話したホイットは、浮気した際に元妻が雇った探偵サリー・プライス(アン・ダウド)を使いハワードのことを調べ、決議権行使能力がないことを証明する考えを伝える。

会社の存続がかかっているホイットは、サイモンにもその件を話す。

ホイットら3人はサリーに会い、ハワードがポストに入れた封筒を盗んだことを知り、それを見せてもらう。

封筒に宛名はなく、ハワードが”時間、愛、死”に手紙を出したことを知ったホイットらは、犬もいないのにドッグパークに行った彼が、帰宅後は外出もしなかったことを知らされる。

ハワードのアパートに向かい食べ物を届けたクレアは、返事をしてもらえない。

管理人から家賃ももらえないと言われたクレアは、代わりに払う。

その頃ハワードは、自転車に乗り道路を逆走していた。

ホイットは、娘のアリソンとクリスマスを過ごすために迎えに行くが、不倫をしてママを傷つけたので大嫌いだと言われてしまう。

会社に向かったホイットは、エレベーターでハワードに出くわし、株の売却の話などをするものの、相手にしてもらえない。

ホイットは、オーディションに来たエイミー・ムーア(キーラ・ナイトレイ)との会話でキャッチコピーを思いつき、彼女に興味を持つ。

会社を出たエイミーを追ったホイットは、ヘーゲル劇場に入った彼女が、ブリジット(ヘレン・ミレン)とラフィ(ジェイコブ・ラティモア)と共に稽古をしていることを知る。

ブリジットらに気づかれたホイットは、現在進行中の取引がまとまれば支援できると伝えてその場を去る。

ブリジットからうまくいったと言われたエイミーは、満足する。

両親の家に向かい、脳卒中を患った母(メアリー・ベス・ペイル)と話をしたホイットは、自分ではなく彼女のリアルに合わせろと助言されたことを思い出し、それをクレアとサイモンに話す。

ホイットは、かつて担当したジェネリック医薬品のCMを2人に見せて、自分たちのリアルが通じないハワードに、彼のリアルに合わせて象徴的なものを登場させる考えを伝える。

”愛、時間、死”が人の姿でハワードの前に現れ、彼の手紙に返事をするという方法を考えたホイットは、役者を使うことを2人に伝える。

ホイットはクレアとサイモンと共に劇場に向かい、ブリジットらに、ハワードが病んでいるという事実を人に分からせたいと伝える。

娘を亡くしたハワードを利用することに抵抗があるエイミーだったが、クレアから、友人である昔の彼を取り戻したいだけだと言われ、1人2万ドルで手を打とうとする。

”愛、時間、死”を演じてほしいと言われたブリジットは、それぞれを、エイミー、ラフィ、自分が演ずることにする。

ブリジットとサイモン、ラフィとクレア、エイミーにはホイットが手紙を渡し、打ち合わせをする。

サイモンは癌と闘っていることを隠し、ホイットは娘アリソンとの関係に悩み、子供が欲しいクレアは精子提供者を探していた。

ブリジットは、”死”の手紙を持参してハワードに会い、孫を連れて通行人に扮したサリーは、ブリジットが他人には見えないことを演出する。

ブリジットから手紙を返すと言われたハワードは、それを受け取りその場を去る。

サイモンに会ったブリジットは、成功したことを伝えて喜び、サクラのサリーは探偵で子供は孫だったことを知らせる。

いつも気になっていたグリーフ・サポート・グループに参加したハワードは、マデリン(ナオミ・ハリス)らに歓迎される。

自分が娘を亡くしたことを確認したマデリンに、名前を訊かれたハワードは、動揺して席を立つものの、何も話さなくていいので帰らないでほしいと言われて席に着く。

集会を終えて帰ろうとしたハワードは、マデリンに声をかけられる。

いつも中を覗いていたことに気づいていたと言われたハワードは、彼女の6歳の娘オリヴィアが、脳腫瘍の中でも珍しい、多形性膠芽腫で亡くなったことを知る。

娘の名前を訊かれたハワードは答える気になれず、マデリンから参加した理由を訊かれ、自分を取り戻したいと答える。

娘を亡くしたのだから元には戻らないと言うマデリンは、また来てほしいとハワードに伝えてその場を去る。

翌日、出社したハワードは、再びドミノを並べ始める。

ブリジットはサイモンに契約書を渡し、軽率なラフィと感情的なエイミーには任せられないので、3役自分が演ずるべきだと伝える。

具合が悪そうなサイモンに病名を訊いたブリジットは、誰にも話していないと言う彼から、多発性骨髄腫で16で発病し、25歳で再発して末期だと知らされる。

せめて家族にはまとまった金を残したいと言うサイモンに、ハワードは本当に信じたとブリジットは伝える。

出社したハワードは、ドミノに近づくラフィから手紙を見せられ、”時間”は誰にも理解できないと言われ、会議のことを訊きに来たクレアには、彼が見えていないようだった。

ハワードが会議に出席しないことを確認したクレアは、席に戻る。

自分は必要でないと言われたラフィは、時間を無駄にしたとハワードに伝えてその場を去る。

外でラフィに会ったクレアは、良心が痛むが上出来だったと彼に伝える。

エイミーは食事中のハワードの元に向かい、愛について語り、受け入れれば人生を取り戻すと伝えるものの、彼は席を立ってしまう。

失敗だったとホイットに伝えたエイミーは劇場に向かい、皆で話し合う。

ホイットは、もう一度試してサリーがビデオを撮ることを提案するが、エイミーはそれを拒み、降りると言って出て行く。

マデリンに会ったハワードは、彼女も子供を亡くした離婚した夫婦だということを知る。

愛し合っていた夫からのメモを見せられたハワードは、”もう一度、他人になれたら…”という内容を確認する。

まだ夫を愛している言うマデリンは、ハワードのオフィスに連れて行かれ、”死、時間、愛”との”会話”について話を聞く。

サイモンはブリジットに死への恐怖を打ち明け、彼女から、家族と重荷を分かち合うことを勧められるものの、その気になれなかった。

マデリンは、オリヴィアが亡くなった日、病院で老婦人から”コラテラル・ビューティー(すばらしいものが二次的に得られる)”と言われたことをハワードに話す。

1年ほどして、すべてのものと深いつながりを持っていることに気づいたと話すマデリンは、”コラテラル・ビューティー”の意味を理解したとハワードに伝える。

それがあるとは思えないハワードだったが、マデリンは、あることを保証すると伝える。

ハワードは、もう一度”死、愛、時間”と向き合うべきだと言われるものの、その気にならず、来なければよかったとマデリンに伝えて立ち去る。

エイミーに会ったホイットは、戻ってほしいと言って彼女を説得するものの、それを拒まれる。

娘の話を聞いたエイミーは、償いをして仲直り出来たら戻ることをホイットに約束する。

買収の件の回答を無視し続けるハワードは、時間を無駄にしていると言うラフィに怒りをぶつける。

サリーは、その出来事と、地下鉄でブリジットと話すハワードの様子を撮影する。

地下鉄を降りて通りに出たハワードはエイミーに話しかけられ、愛に裏切られたと言って怒りをぶつける。

心やすべてのものに宿っていると言うエイミーは、愛こそ生きる理由であり、それなしではいられないとハワードに伝えて立ち去り、後をつけていたサリーは、その様子も撮影する。

取締役会に出席したハワードは、自分の行動を撮影し”死、時間、愛”を演じたブリジットらが、デジタル消去された映像を見せられる。

尾行させて撮影したことに気づいたハワードを見て、クレアは自分たちのしたことを悔やみ謝罪しようとする。

ハワードは、自分の精神状態や行動が会社をダメにしていることを話す。

自分の時間を犠牲にして尽くしてくれたクレアに感謝したハワードは、隠していた病歴を知りながら追い詰めてしまったとサイモンに伝えて、家族の面倒は見ることを約束し、ホイットには、娘に遠慮せずに父親としての態度を示せと伝える。

3人は正しいと言うハワードは書類にサインして会社の売却に同意し、もう一つの書類にもサインして席を外す。

クレアらは、ハワードが娘の信託財産に社の所有権を含めていたため、サインしたのが死亡証明書だということを知る。

心を痛めたホイットらは、自分たちの行いを後悔する。

サイモンは、自分の健康状態を妻(シャーリー・ルミエルク)に話し、慰められる。

クレアはラフィに会い、いい母親になると言われるものの、時間切れなので諦めたと伝える。

ラフィは、産まなくてもいい母親にはなれる、時間との戦いは続けるべきだとクレアに伝える。

ホイットは、下校するアリソンに会うものの、いつものように迷惑そうだった。

アリソンへの愛を語るホイットは理解してもらえないものの、その場を去ろうとする彼女は、毎日でも会いに来ると言う父に、明日は学校が半日だと伝える。

ブリジットはサイモンから報酬を受け取り、妻に病気のことを話したことを知り、反応を尋ねる。

サイモンは、それを知っていた妻は覚悟を決めていたと答え、長生きしたいことをブリジットに伝える。

ブリジットは、舞台の時まで生きていたいと言うサイモンに、これが終わったのでこの舞台は”死んだ”が、見方によっては、完全に死ぬものは何もないと伝えてその場を去る。

クリスマス・イヴ。
マデリンを訪ねたハワードは、夫が娘と遊んでいるビデオを見せると言われるものの返事をしない。

マデリンは、娘オリヴィアは、多形性膠芽腫で6歳で亡くなったことを伝えて、ハワードの娘のことを尋ねる。

答えないハワードに夫のメモを渡したマデリンは、”もう一度、他人に戻れたら・・・”と伝えて、再び娘の名前を尋ねる。

マデリンは、まだ言えないと答えるハワードにビデオを見せる。

ハワードは、娘と遊ぶ自分の映像を見ながら、妻マデリンから娘の名前を言うよう指示される。

”オリヴィア、死因は多形性膠芽腫で6歳で亡くなった”と、ハワードは涙しながらマデリンに伝える。

マデリンに抱きしめられたハワードは、オリヴィアの名前と死因を繰り返す。

ハワードは、オリヴィアとドミノで遊んでいる映像を見つめる。

病院でマデリンに”コラテラル・ビューティー”の話をした女性は、ブリジットだった。

セントラルパーク
ハワードとマデリンが散歩する姿を、エイミー、ブリジット、ラフィが歩道橋の上から見つめていた。

ハワードはそれに気づき、マデリンが振り向くと3人は姿を消していた。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク
広告業界で成功したハワード・インレットは、2年前に幼い娘を亡くし、うつ状態になってしまう。
ビジネスパートナーのホイットと役員のクレアとサイモンは、ハワードなしでは会社が成り立たないために、買収話を進めようとする。
ホイットは、筆頭株主のハワードに決議権行使能力がないことを証明しようと考える。
”愛、時間、死”がすべての人をつなぐと考えていた、ハワードの立場でものを考えようとしたホイットは、彼がそれぞれに出した手紙を利用し、役者のブリジットらにそれを演じさせようとするのだが・・・。
__________

プラダを着た悪魔」(2006)などで知られるデヴィッド・フランケルが監督した、最愛の娘を亡くした男性の苦悩を描くドラマ。

人気スターのウィル・スミスら、豪華スター競演による話題作ではあるが、一般にはまずまず受け入れられたものの、批評家からは酷評された作品。

実力派スターの個性的な演技は楽しめるものの、ドラマチックな演出で高揚感ばかりを狙っているような脚本や、ファンタジックな雰囲気を漂わせるクライマックスは滑稽でもあり、ファンを失望させた内容となっている。
ハリウッドを代表するスターが揃っても失敗することがある・・・、その典型のような作品。

北米興行収入は約3100万ドル、全世界では約8900万ドルに終わり、ウィル・スミス主演作品としては最低を記録した。

終始悩み痛々しくて見ていられない雰囲気で主人公を演ずるウィル・スミス、そのビジネスパートナーである親友のエドワード・ノートン、彼の部下である役員で、子供が欲しいために精子提供者を探すケイト・ウィンスレットと、末期ガンを家族にも隠しながら不安を抱えるマイケル・ペーニャ、彼らに協力する役者”愛/ラブ”のキーラ・ナイトレイ、”時間/タイム”のジェイコブ・ラティモア、”死/デス”のヘレン・ミレン、夫(主人公)が立ち直るのを願う妻だったナオミ・ハリス、ホイット(エドワード・ノートン)らに協力する探偵のアン・ダウド、ホイットの両親メアリー・ベス・ペイルとレイモンド・グリーン=ジョイナー、サイモン(マイケル・ペーニャ)の妻シャーリー・ルミエルク、グリーフ・サポート・グループの参加者ライザ・コロン=ザヤスナタリー・ゴールドなどが共演している。


モバイルバージョンを終了