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クラウド アトラス Cloud Atlas (2012)

2004年に発表された、デイヴィッド・ミッチェルのSF小説”クラウド・アトラス”を基に製作された作品。
19世紀から24世紀のつながりのある6つの物語を描く、製作、監督、脚本ラナ・ウォシャウスキーアンディ・ウォシャウスキートム・ティクヴァトム・ハンクスハル・ベリーヒューゴ・ウィーヴィングジム・ブロードベントヒュー・グラント他共演のSFドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF

トム・ハンクス / Tom Hanks 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督
ラナ・ウォシャウスキー

アンディ・ウォシャウスキー
トム・ティクヴァ
製作総指揮
フィリップ・リー

ウーヴェ・ショット
製作
グラント・ヒル

ステファン・アーント
ラナ・ウォシャウスキー
アンディ・ウォシャウスキー
トム・ティクヴァ
原作:デイヴィッド・ミッチェルクラウド・アトラス
脚本
ラナ・ウォシャウスキー

アンディ・ウォシャウスキー
トム・ティクヴァ
撮影
ジョン・トール

フランク・グリーベ
編集:アレクサンダー・バーナー
音楽
トム・ティクヴァ

ジョニー・クリメック
ラインホルト・ハイル

出演
・”太平洋の島” (1849年)
ヘンリー・グース医師:トム・ハンクス

マオリ族の女性:ハル・ベリー
モリヌー船長:ジム・ブロードベント
ハスケル・ムーア:ヒューゴ・ウィーヴィング
アダム・ユーイング:ジム・スタージェス
ティルダ・ユーイング:ペ・ドゥナ
船室係:ベン・ウィショー
クパカ:キース・デイヴィッド
オトゥア:デヴィッド・ジャーシー
ホロックス夫人:スーザン・サランドン
ジレス・ホロックス牧師:ヒュー・グラント

・”ケンブリッジ” (1936年)
ホテルの支配人:トム・ハンクス

ジョカスタ・エアズ:ハル・ベリー
ヴィヴィアン・エアズ:ジム・ブロードベント
タデウス・ケッスルリング:ヒューゴ・ウィーヴィング
ホテルの客:ジム・スタージェス
ロバート・フロビシャー:ベン・ウィショー
ルーファス・シックススミス(青年期):ジェームズ・ダーシー
ホテル警備員:ヒュー・グラント

・”サンフランシスコ” (1973年)
アイザック・サックス:トム・ハンクス

ルイサ・レイ:ハル・ベリー
ビル・スモーク:ヒューゴ・ウィーヴィング
メーガンの父親:ジム・スタージェス
メーガンの母親/メキシコ人女性:ペ・ドゥナ
レコード店店員:ベン・ウィショー
ルーファス・シックススミス(老年期):ジェームズ・ダーシー
ホテル従業員:周迅
ジョー・ネピア:キース・デイヴィッド
レスター・レイ:デヴィッド・ジャーシー
ロイド・フックス:ヒュー・グラント

・”ロンドン” (2012年)
ダーモット・ホギンズ:トム・ハンクス

パーティーのインド人女性:ハル・ベリー
ティモシー・カベンディッシュ:ジム・ブロードベント
看護師ノークス:ヒューゴ・ウィーヴィング
サッカーファン:ジム・スタージェス
ジョージェット:ベン・ウィショー
看護師ジェイムズ:ジェームズ・ダーシー
アーシュラ:スーザン・サランドン
デニー・カベンディッシュ:ヒュー・グラント

・”ネオ・ソウル” (2144年)
「カベンディッシュの大災難」の主演俳優:トム・ハンクス

オヴィッド:ハル・ベリー
韓国人ミュージシャン:ジム・ブロードベント
メフィー評議員:ヒューゴ・ウィーヴィング
ヘジュ・チャン:ジム・スタージェス
ソンミ451、ソンミ351、売春婦ソンミ:ペ・ドゥナ
記録官:ジェームズ・ダーシー
ユナ939:周迅
アンコー・アピス将軍:キース・デイヴィッド
デュオファイサイト:デヴィッド・ジャーシー
ユースフ・スレイマン:スーザン・サランドン
リー:ヒュー・グラント

・”大きな島”崩壊”後、106度目の冬” (2321年)
ザックリー:トム・ハンクス

メロニム:ハル・ベリー
プレシエント2:ジム・ブロードベント
オールド・ジョージー:ヒューゴ・ウィーヴィング
アダム・ザックリー:ジム・スタージェス
部族の男:ベン・ウィショー
ローズ・ザックリー:周迅
プレシエント:キース・デイヴィッド
アベス:スーザン・サランドン
リー:ヒュー・グラント

ドイツ/アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

2012年製作 171分
公開
ドイツ:2012年11月15日
北米:2012年10月26日
日本:2013年3月15日
製作費 $102,000,000
北米興行収入 $27,108,270
世界 $130,482,870


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
老人ザックリー(トム・ハンクス)は、時空を超えた悪魔の物語を語り始める。
__________

・1849年:”太平洋の島”
チャタム諸島
アメリカ人弁護士アダム・ユーイング(ジム・スタージェス)は、ヘンリー・グース医師(トム・ハンクス)らと共に現地に到着し、ジレス・ホロックス牧師(ヒュー・グラント)と奴隷の売買についての契約を交わす。

猛暑の中、奴隷達が労働を続ける姿に驚くユーイングは、奴隷オトゥア(デヴィッド・ジャーシー)が鞭打たれる姿を見て気絶してしまう。

寄生虫が原因だと判断したグースは、ユーイングを治療する。

・1936年:”ケンブリッジ”
ケンブリッジ
音楽家ロバート・フロビシャー(ベン・ウィショー)は、同性の恋人ルーファス・シックススミス(ジェームズ・ダーシー)と愛し合った後、エジンバラへと向かう。

フロビシャーは、大作曲家のヴィヴィアン・エアズ(ジム・ブロードベント)の指導を受けて成功し、勘当された父を見返そうと考えていた。
...全てを見る(結末あり)

エアズは、自分の指示通りに演奏できないフロビシャーを罵り、現れた妻ジョカスタ(ハル・ベリー)と共にその場を離れようとする。

しかし、フロビシャーは見事にエアズの旋律を奏で、彼を満足させる。

・1973年:”サンフランシスコ”
サンフランシスコ
物理学者シックススミスは、ジャーナリストのルイサ・レイ(ハル・ベリー)と共に、停電でエレベーターに閉じ込められてしまう。

シックススミスは、著名な記者である父の後を継いだレイに意志の強さを感じる。

エレベーターから出られたレイは、役に立てることがあればと言って、シックススミスに名刺を渡して別れる。

・2012年:”ロンドン”
ロンドン
編集者ティモシー・カベンディッシュ(ジム・ブロードベント)は、ある賞の授賞式パーティーで、ギャングでもある作家ダーモット・ホギンズ(トム・ハンクス)が現れため、不吉な予感がする。

ダーモットは、気に食わない書評家を見つけて、彼をビルから投げ落としてしまう。

その結果、ダーモットの著書”Knuckle Sandwich”は大ベストセラーとなり、カベンディッシュは大儲けできる。

しかし、獄中のダーモットから指示を受けた弟達に脅され、カベンディッシュは大金を要求される。

・2144年:”ネオ・ソウル”
ネオ・ソウル。
囚人のソンミ451(ペ・ドゥナ)は、記録館(ジェームズ・ダーシー)の質問を受ける。

給仕用クローンのソンミらは、毎日同じパターンの労働を課せられていた。

ある日、禁じられている映画などで刺激を受けていたユナ939(周迅)が、からかわれた客を殴り倒してしまう。

その場を逃れようとしたユナだったが、彼女らを制御しているリー(ヒュー・グラント)によって”処分”される。

・2321年:大きな島”崩壊”後、106度目の冬
ザックリー(トム・ハンクス)は、目の前で義弟アダム(ジム・スタージェス)とその息子を、コナ族の部族長(ヒュー・グラント)に殺される。

現れた、心の闇に潜むオールド・ジョージー(ヒューゴ・ィーヴィング)につきまとわれ、アダムらを救うことができなかったザックリーは、村人達からアダムらを見殺しにしたと言われながら失意の日々を送る。

そんなある日、村にプレシエントのメロニム(ハル・ベリー)という女性が現れ、人々は、救いの神ソンミのように彼女を崇める。

ザックリーは、メロニムに警戒するようジョージーに忠告される。

その夜、悪夢にうなされたザックリーは占い師アベス(スーザン・サランドン)の元に向かい救いを求める。

・2144年。
目覚めたソンミは、リーを殺害したヘジュ・チャン(ジム・スタージェス)から、この場から脱出することを提案され同行を求められる。

・1849年。
ユーイングは、病気のために出航した船の船倉に隔離され、いち早く帰国できることを願う。

・1936年。
世界的な作曲家エアズに認められたフロビシャーは、1849年に太平洋を渡った弁護士の航海記を読んでいたが、半分破損していたために気になっていた。

・1973年。
フロビシャーからの手紙を、懐かしく読み返していたシックススミスは、レイに連絡を入れ助けを求める。

・2012年。
金策尽き果てたカベンディッシュは、兄デニー(ヒュー・グラント)の元に向かう。

デニーは、カベンディッシュを追い払おうとするものの、仕方なく彼に6万ポンドを貸すことを約束し、金が用意できるまで隠れ家にいるよう指示する。

・1849年。
島から逃亡して船に隠れていたオトゥアは、ユーイングに助けを求めるが、それを断られたため死のうとする。

・2321年。
メロニムは、村人が悪魔の山と恐れる場所に、発信装置の跡が見つかったことを報告する。

・1973年。
シックススミスは、部屋に忍び込んでいた殺し屋のビル・スモーク(ヒューゴ・ウィーヴィング)に殺害され、資料を奪われて自殺に見せかけられる。

その直後にレイが現れるが、スモークはドア越しの彼女を殺さずに姿を消す。

・2144年。
ソンミは、チャンと共に施設から脱出する。

・1973年。
レイは、接客係(周迅)を呼んで部屋に入り、シックススミスが死んでいることを確認して、彼宛のフロビシャーからの手紙を見つける。

・1936年。
エアズは、仕上がった曲をドイツの著名な指揮者タデウス・ケッスルリング(ヒューゴ・ウィーヴィング)に見せて称賛される。

ケッスルリングとジョカスタの仲を疑ったフロビシャーだったが、ユダヤ人の彼女とドイツ人が結ばれるはずがない情勢をエアズに知らされる。

・2321年。
ザックリーは、メロニムが悪魔の山へ向かうためのガイドを探していることを知る。

・2012年。
カバンディッシュは、新人の資料を読むうちに”ルイサ・レイ事件”に注目する。

・1849年。
オトゥアを助けることにしたユーイングは、彼に食糧を与えて、船員だった彼の奴隷になった理由や、自分を友と感じたことなどを知る。

・1973年。
フロビシャーがジョカスタと関係を持ったことなどを綴った手紙を読んだレイは、彼のレコードを探す。

レイは、フロビシャーの曲を聴いて、覚えがあるように思う。

・2012年。
かつての恋人アーシュラ(スーザン・サランドン)を訪ねようとしたカベンディッシュは、彼女に会うかを迷う。

・2321年。
妹ローズ(周迅)の娘が毒で苦しみ、ザックリーは姪を救うためにメロニムの元に向かう。

・2144年。
ソンミは、爆弾の仕掛けられている首輪を外され、自由を実感する。

・2321年。
メロニムは、村人の運命を変えることを禁じられているとザックリーに伝えるのだが、彼はガイドを引き受けることを約束する。

・2012年。
カベンディッシュは、結局アーシュラに会うことなく、デニーが用意した隠れ家に向かう。

・2144年。
ソンミは、チャンに新しい住居へ案内され、別の人生を楽しむことになり、映画「カベンディッシュの大災難」を鑑賞する。

・2321年。
姪はメロニムの治療で意識を回復し、ザックリーは彼女に感謝する。

・2012年。
翌朝カベンディッシュは、看護師のノークス(ヒューゴ・ウィーヴィング)に厳しく監視されることを知り、その場がホテルではなく老人養護施設だと気づき出て行こうとする。

・2144年。
ソンミは、自分が何者で進むべき道は何かを学び始め、自由な意思を持つクローンを作り出すことが使命だと気づく。

・1849年。
ユーイングは、モリヌー船長(ジム・ブロードベント)に密航者がいることをあえて知らせ、船乗りだという彼を試すことを提案する。

・1973年。
原発のトップ、ロイド・フックス(ヒュー・グラント)に会ったレイは、シックススミスが研究員だったことを知る。

・2012年。
施設に連れ戻されたカベンディッシュは、デニーに連絡するのだが、妻ジョージェット(ベン・ウィショー)との関係を知っていた彼の復讐だったことを知る。

・1936年。
音楽を通じて、エアズと理解し合えていたことを知ったフロビシャーは作曲を始める。

1849年。
甲板に連れて行かれたオトゥアは試され、船長から船員として認められる。

・2144年。
チャンと共に敵の襲撃を逃れようとしたソンミだったが、彼は脱出の途中で高所から落下する。

・1973年。
シックススミスのデスクを調べていたレイは、同じ研究員のアイザック・サックス(トム・ハンクス)に見つかるが、彼は通報しなかった。

・2014年。
捕えられたソンミは、現れたメフィー評議員(ヒューゴ・ウィーヴィング)から、記録官の取り調べ後に処刑を言い渡される。

・1973年。
レイを助けたサックスは、”報告書”がほぼ処分されたことを彼女に伝えるが、飛行機の爆破事故で殺される。

サックスからある書類を受け取っていたレイは、移動中に事故を起こし車ごと川に転落する。

・1936年。
フロビシャーは、エアズと共に”クラウド・アトラス六重奏”を完成させようとしていた。

エアズも同性愛者だと思ったフロビシャーだったが、それを否定された彼は、その場を立ち去ろうとする。

しかし、フロビシャーの素性を調べ上げていたエアズは、彼を音楽会から抹殺することが容易であることを伝える。

・2144年。
ソンミは、生きていたチャンに救い出され、その場を脱出する。

・2321年。
岩壁を登っていたザックリーは、現れたジョージーに、よそ者をこの場に招き入れるなと警告されるが彼はそれを無視する。

・2144年。
ソンミは、敵を倒すチャンが、革命戦線の科学武官で司令官だということを知らされる。

チャンは、ソンミが世界を救うことができる人物であることを伝える。

・1936年。
屋敷から出て行こうとしたフロビシャーは、楽譜を奪ったエアズを銃撃してしまう。

・1849年。
治療と思わせてユーイングに毒を飲ませていたグースは、彼の鍵を奪おうとする。

・1973年。
水中の車の中で焦るレイだったが、水圧で割れたフロントガラス部分から脱出する。

・2321年。
神殿のような場所で、他の惑星と行き来していた人々の死体を確認したザックリーとメロニムは、ソンミ神の巨像を発見する。

ザックリーは、昔の人々も自分達と同じ信仰であったことについて疑問を持つメロニムから、それが信仰とは違うことを知らされる。

ソンミが神ではなく、文明を改革しようとした人物だと言われたザックリーは迷う。

・1973年。
アパートに戻ったレイは、原発の警備員ジョー・ネピア(キース・デイヴィッド)がいることに気づき驚く。

ネピアは、朝鮮戦争でレイの父に命を救われたことを話す。

・2321年。
現れたジョージーに、メロニムに騙されていると言われたザックリーは、彼女を殺すよう指示される。

・1973年。
ネピアは、シックススミスと同じく、サックスも抹殺されたことをレイに知らせる。

・2144年。
組織の本部に案内されたソンミは、リーダーのアンコー・アピス将軍(キース・デイヴィッド)に迎えられる。

・1973年。
ネピアは、黒幕が、石油企業の利権を守るロビイスト出身のフックスであることをレイに伝える。

レイは、石油企業がフックスに原発を任せて、原子炉の修理をさせないように報告書を隠し、原発事故で大惨事を起こそうとしていることに気づく。

その解決策は、報告書を手に入れるしかなかった。

・2321年。
メロニムを殺すことができないザックリーは、彼女の本当の目的は何かを問い詰める。

死に瀕しているプレシエントと同様、地球全体が滅びることをメロニムはザックリーに伝える。

・2144年。
アピス将軍から、革命への協力を求められたソンミだったが戸惑う。

・2321年。
メロニムは、発信装置を起動させて地球外に信号を送る。

・2144年。
ソンミは、許されぬことと知りながらチャンと愛し合う。

・2012年。
カベンディッシュは、施設の老人達の協力でその場を脱出する。

・1973年。
シックススミスが姪メーガンと連絡を取り合っていることに気づいたレイとネピアは、行動を開始してフックスを呼び出す。

現れたスモークの車に追突したネピアだったが、レイと共に彼に追われる。

・1849年。
ユーイングの看病をするというオトゥアを、グースは追い払う。

・2012年。
ノークスらはパブにいたカベンディッシュらを見つけるが、一人の老人が、サッカー観戦中のスコットランド人の若者(ジム・スタージェス)らに、現れたのがイングランド人だと知らせ、その場は大乱闘となる。

・1973年。
工場でレイとネピアを追い詰めたスモークだったが、メキシコ人不法労働者(ペ・ドゥナ)に撲殺される。

・1849年。
グースは、衰弱したユーイングの鍵を奪い、木箱に入った金貨を奪おうとする。

ユーイングに毒を飲ませようとしたグースだったが、押し入って来たオトゥアと格闘になる。

グースは、オトゥアを殺そうとするものの、起き上がったユーイングに金貨の箱でなぐり殺される。

・2321年。
ザックリーは、村がコナ族に襲われていることに気づきその場に向かうものの、ローズは殺されていた。

ザックリーは、家の中で眠っていた族長の首をかき切り殺害する。

・2144年。
ソンミは、年季を終えて旅立った者達が、クローン再生のためにリサイクルされていたことを知り大きなショックを受ける。

アピス将軍が見せたかったその事実を知り、ソンミは戦うことを決断して衛星回線を使い事実を伝える。

・2321年。
生き残った姪の一人を見つけたザックリーは、その場を脱出する。

コナ族に追い詰められたザックリーは死を覚悟するが、メロニムが現れて加勢する。

傷つきながらも敵を倒したザックリーは、メロニムに感謝する。

・1849年。
オトゥアに、塩水で胃を洗浄されたユーイングは、故郷に着いたことを知らされる。

・1973年。
メーガンに会ったレイは、シックススミスの資料を受取り代わりに彼の手紙を渡す。

・1936年。
曲を完成させたフロビシャーは、現れたシックススミスとは顔を合わせなかった。

・2321年。
同行の許可が出たことを知らされたザックリーだったが、どこへ行っても同じだということをメロニムに伝える。

・1936年。
シックススミスへの別れの手紙を書いたフロビシャーは、彼が訪ねて来たことを知らないまま拳銃で自殺する。

銃声を聞いたシックススミスは、フロビシャーの遺体を抱き寄せて泣き崩れる。

・2144年。
チャンが銃撃戦で命を落としたことを、記録官から聞かれたソンミは、彼を永遠に愛することを伝える。

ソンミは、死は単なる扉であり、閉じれば次の扉が開き、それが天国でその向こうにチェンがいることを記録官に語る。

・1949年。
家族の元に戻ったユーイングは妻ティルダと抱き合う。

・2144年。
負けることを承知で戦ったのは、アピス将軍の意志であることを伝えたソンミは、真実を伝えることが重要であり、既に誰かがそれを信じていると伝え連行される。

・1849年。
義父ハスケル・ムーア(ヒューゴ・ウィーヴィング)の指示で南の島に向かったユーイングは、奴隷に命を救われた身で、奴隷貿易に関わりたくないことを伝え、ホロックス牧師との契約書を暖炉で燃やしてしまう。

・1973年。
フックスの陰謀は暴かれ、彼が逮捕されたことを伝える自分の記事に、レイは満足する。

・2012年。
カベンディッシュは、勇気を出してアーシュラに会い、彼女と共に満ち足りた日々を送る。

・1849年。
ユーイングの行為に納得しないムーアだったが、ティルダから別れを告げられる。

東部に向かい奴隷解放運動に参加するというユーイングに対し、家族が酷い仕打ちを受けるとムーアは忠告する。

・2144年。
ソンミは、笑みを浮かべながら処刑される。

・1849年。
ユーイングとティルダは、自分達のする行いが無駄になることはないことを確信しながら、その場を去る。
__________

年老いたザックリーは、話すことが尽きたことを、浜辺でそれを聞きいる孫達に伝え、妻メロニム(ハル・ベリー)の元に向かうよう指示する。

孫娘に、地球の位置を尋ねられたザックリーは、夜空の星を指差す。

宇宙に向けて信号を発信し、迎えが来たことを聞く孫娘に、ザックリーは、それはメロニムが詳しいことを伝える。

ザックリーは、メロニムに迎えられて部屋に入る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1849年、奴隷貿易の契約を交わしたアメリカ人弁護士ユーイングは、南太平洋島から祖国に向かう・・・。
1936年、ケンブリッジで恋人シックススミスと別れた音楽家のフロビショーは、大作曲家であるエアズの元で才能を開花させる・・・。
1973年、サンフランシスコのジャーナリスト、レイは、物理学者シックススミスと知り合い、彼が関わる、石油企業の利権が絡む陰謀に巻き込まれる・・・。
2012年、ロンドンの編集者カベンディッシュは、殺人を犯した作家ダーモットの著書が爆発的に売れたお陰で大いに儲ける。
しかし、獄中のダーモットから大金を要求されたカベンディッシュは窮地に立たされる・・・。
2144年、ネオ・ソウルの給仕クローン、ソンミ451は、現れた謎の男チャンとその場を脱出し、革命に身を投じる自分の運命を知る・・・。
2321年、ソンミを神と崇める島のザックリーは、現れたプレシエントの女性メロニムから、近づくことのない悪魔の山へのガイドを頼まれる。
その場に、発信装置の跡があることを確認したメロニムの目的はいったい何なのか・・・。
__________

ストーリーを記述していくことに、非常に手間取る作品なのだが、各時代が入り乱れて映し出されるものの、画面で観る内容は非常に解り易く、3時間弱の長尺も飽きずに鑑賞できる。

同じ俳優が、役を替えて各時代に登場するため、その人物像やメイクなども楽しむことができる。

ウォシャウスキー姉弟の作品だけに、独特の映像感覚に注目していたのだが、”驚異の映像”と宣伝する割には、驚きを感じるほどではないというのが正直な感想だ。

製作費約1億ドルの大作だが、北米興行収入は約2700万ドルに終わり、全世界では約1億3000万ドル、商業的に成功した作品とは言えない。

それよりも、上記のように、メイクにより本人とは思えない役を演ずる、豪華競演者達の熱演が見所の作品でもある。

主演のトム・ハンクスが圧倒的な存在感を示すのだが、ユーモアも交え各役柄を表情豊かに演ずるジム・ブロードベント、意志の強いジャーナリスト役他のハル・ベリーの、実力派らしい好演が印象的。

ラナ・ウォシャウスキーが性転換したことが影響してか、同性愛や男性に女性を演じさせるシーン(ヒューゴ・ウィーヴィング女性看護師)に力を注いでいるようにも思える。

詳細:スタッフ キャスト


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