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訴訟 Class Action (1991)

正義のために闘う弁護士である父と昇進を狙う娘の対決を描く、監督マイケル・アプテッド、主演ジーン・ハックマンメアリー・エリザベス・マストラントニオローレンス・フィッシュバーン他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・アプテッド

製作
テッド・フィールド

スコット・クルーフ
ロバート・W・コート
脚本
キャロリン・シェルビー
クリストファー・エイムズ
サマンサ・シャッド
撮影:コンラッド・L・ホール

編集:イアン・クラッフォード
音楽:ジェームズ・ホーナー

出演
ジーン・ハックマン:ジェデダイア・タッカー・ウォード
メアリー・エリザベス・マストラントニオ:マギー・ウォード
コリン・フリールズ:マイケル・グレイザー
ジョアンナ・マーリン:エステル・ウォード
ローレンス・フィッシュバーン:ニック・ホルブルック
ドナルド・モファット:クイン
ヤン・ルーベス:パヴェル
マット・クラーク:シムズ判事
フレッド・トンプソン:ゲッチェル博士
ロバート・デヴィッド・ホール:スティーヴン・ケレン

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1991年製作 109分
公開
北米:1991年3月15日
日本:1991年11月
北米興行収入 $24,277,860
世界 $28,277,920


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
市民のために闘う弁護士として信頼のあるジェデダイア・タッカー・ウォード(ジーン・ハックマン)は、自動車会社大手”アルゴ・モータース”の”メレディアン”が起こした爆発事故で、欠陥車として訴訟を起こした裁判の弁護を引き継ぐ。

同じ弁護士であるウォードの娘マギー(メアリー・エリザベス・マストラントニオ)は、自分の法律事務所のクライアントであるアルゴの弁護の担当を、恋人でもある上司マイケル・グレイザー(コリン・フリールズ)に希望する。

ウォードの助手ニック・ホルブルック(ローレンス・フィッシュバーン)は、前任者が3年間争った末に投げた裁判に、勝ち目がないと忠告する。

しかし、ウォードの熱意にニックも納得し、大企業相手の闘いに意欲を燃やす。

是が非でもアルゴの裁判で勝訴を勝ち取り、主任弁護士の地位を得たいマギーは、アルゴの裁判の原告側弁護士が父ウォードだと知り、彼に弁護を降りるように頼むが、それを拒絶される。
...全てを見る(結末あり)

世間の評判とは裏腹に、マギーは、父親ウォードが浮気をして、母親エステル(ジョアンナ・マーリン)を苦しめてきたことを恨み、父娘の間には溝ができていた。

法廷での父娘の争いで娘を失いたくないエステルは、担当を降りるようマギーを説得するが、彼女の決意は変わらなかった。

ニックは、メレディアンの事故の被害者を捜し出し、証人として出廷させる準備を始める。

そして、シムズ判事(マット・クラーク)の下、”アルゴ裁判”の父娘対決が始まる。

夫と娘の、度を越した争いを目の当りにしたエステルは、脳血栓で倒れ、帰らぬ人となってしまう。

自分が担当を降りなかったことが、母親の死を招いたと悔やむマギーは、ウォードと休戦し2人してエステルの思い出に浸る。

しかし、浮気の話からウォードはマギーに偽善者呼ばわりしされ、彼女を家から追い出してしまう。

マギーは、法律事務所所長クイン(ドナルド・モファット)から、事故で妻子を失い、自らも車椅子生活となってしまった原告スティーヴン・ケレン(ロバート・デヴィッド・ホール)を排除する必要があることを告げられる。

勝訴するために、手段を選ばないクインに操られるマギーに対し、ウォードは怒りを露にする。

アルゴの開発責任者ゲッチェル博士(フレッド・トンプソン)の部下だったパヴェル(ヤン・ルーベス)から、マギーは、メレディアンには爆破する恐れのある欠陥があったことを知らされる。

マギーは、パヴェルの送った報告書を捜し出し、その事実を知っていたゲッチェルにそれを問い質すが、当時の担当弁護士マイケルが、それを揉み消していたことも分かる。

それをマイケルに追求したマギーは、恋人に今回の裁判を担当させれば、自分の破滅を救うだろうという彼の魂胆を見抜く。

ウォードが、パヴェルの報告書の提出を求めたため、クインとマイケルは、32年間アルゴに勤めたパヴェルの膨大な報告書の中に、今回の資料を隠してしまおうとする。

マギーは、事務所やマイケルのやり方が違法ではないものの、彼女は、次第にそのやり方に疑問を持ち始める。

しかしウォードは、送られてきた膨大な資料が、相手が何かを隠している証拠だと察知する。

欠陥報告を隠した理由を、ゲッチェルに質問したマギーは、リコール費用と、事故が起きて訴訟を起こされ敗訴した場合の賠償金の計算結果、後者を取った方が、会社の損害が少ないからだったことを知らされる。

さらにマギーは、マイケルが、メレディアンの欠陥報告書のコピーを含め、全てを末梢したことに気づく。

マギーは訪ねてきた父ウォードに、新たな自分を見つけることを告げ、マイケルには協力する旨を伝え裁判に臨む。

裁判は再開され、証言台に座ったパヴェルの、記憶の曖昧さをマギーは厳しく追及する。

ウォードはマイケルを尋問し、欠陥の報告書の存在を問い詰めるが、彼は回答を避ける。

マギーが同じ質問をマイケルにして、報告書の存在がなかったと証言させる。

実はマギーから、アルゴのリスク管理部責任者の名前を知らされていたウォードは、彼を証人に呼び、パヴェルの報告書を基に、リコールと賠償金の計算をしたことを証言させる。

クインは、マギーの裏切りが倫理に反すると、審理の中止をシムズ判事に要求するが、ウォードは彼女がマイケルの証拠隠滅を見つけたことを訴える。

窮地に追い込まれたクインは、示談に持ち込もうとするが、ウォードはあくまで裁判を続けることを主張する。

結局、ウォードは勝訴し、1億ドルの賠償金が原告側に払われることになる。

そして、ウォードの正義を受け継いだマギーは、父の元に戻る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
弱者のために働く弁護士として信頼を得ていたジェデダイア・タッカー・ウォードは、自動車大手”アルゴ・モータース”の”メレディアン”が起こした爆発事故で、それを欠陥車とする訴訟裁判の弁護を引き継ぐ。
激務のために家庭を犠牲にしたウォードは、同じく弁護士になった娘マギーとの溝が埋められないままだった。
ウォードの助手ニックは、3年間続く裁判に勝ち目がないと考える。
しかし、ウォードの正義のために闘おうとする熱意に負け、ニックも意欲を燃やす。
一方、マギーは、主任弁護士の地位を得るために、アルゴの弁護を引き受ける。
しかし、原告側の弁護士がウォードだと知り、弁護を降りるよう父を説得するのだが・・・。
__________

1972年に起きた、フォード社の”フォード・ピント”の追突炎上事故による、その後の調査結果などを基に製作された作品。

不仲の父娘関係をメインテーマにしているストーリーだが、法廷劇としても十分に見応えがあり、妥協を許さない法廷での親子対決は興味深い。

人の命が絡んだ重要な問題を、計算上の損得で解決しようとする人間性の欠けた考えや恐ろしさ、その巨大権力に立ち向かおうとする正義感と勇気がドラマの根幹を貫く。
マイケル・アプテッドの力強い演出や、その正義が人の心を動かし親子の溝も埋めてくれるという、爽やかな結末も心地よい。

長い下積み生活から現在まで、約50年のキャリアを持ち、1960年代末から実力派としてハリウッドに君臨し続ける、大スター、ジーン・ハックマンの円熟の演技は見ものだ。
60歳過ぎて尚もパワー漲る迫力と、繊細な表現力は他を圧倒している。

昇進を兼ねた父への復讐心に燃える、力強い演技を見せてくれるメアリー・エリザベス・マストラントニオ、自らの保身のために、恋人である彼女を利用する主任弁護士コリン・フリールズ、夫と娘の不仲に心痛めながら他界してしまうジョアンナ・マーリン、正義感溢れるウォード(G・ハックマン)の助手ローレンス・フィッシュバーン、勝訴のためには手段を選ばない弁護士事務所所長ドナルド・モファット、欠陥を指摘する元エンジニア、ヤン・ルーベス、判事マット・クラーク、欠陥車の開発責任者のフレッド・トンプソン、原告のロバート・デヴィッド・ホールなどが共演している。


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