険金詐欺を疑われて東南アジアに逃れた男が過去を捨て去り新たな人生を歩むまでを描く、監督、脚本、主演マット・ディロン、ジェームズ・カーン、ナターシャ・マケルホーン、ジェラール・ドパルデュー、ステラン・スカルスガルド、ローズ・バーン他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:マット・ディロン
製作
ウィリ・ベアー
マイケル・セレンジー
ディーパック・ネイヤー
製作総指揮:マーク・スフェラッツァ
脚本
マット・ディロン
バリー・ギフォード
撮影:ジム・デノールト
編集:ハワード・E・スミス
音楽:タイラー・ベイツ
出演
ジミー・クレメンズ:マット・ディロン
マーヴィン:ジェームズ・カーン
ソフィー:ナターシャ・マケルホーン
エミール:ジェラール・ドパルデュー
ジョセフ・キャスパー:ステラン・スカルスガルド
サブリナ:ローズ・バーン
テディ:ボー・ホプキンス
ソク:ケム・セレイヴース
ロビー:ショーン・アンドリュース
ラリー・ラックマン:クリストファー・カリー
シモン:ロブ・キャンベル
バーデン捜査官:ジャック・シアラー
フィリップス捜査官:カーク・フォックス
アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
2002年製作 116分
公開
北米:2003年4月25日
日本:2004年月5日22
製作費 $17,500,000
北米興行収入 $357,200
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
保険会社”ケイパブル・トラスト”に勤務するジミー・クレメンズ(マット・ディロン)は出社し、FBI捜査官のバーデン(ジャック・シアラー)とフィリップス(カーク・フォックス)から取り調べを受けることになる。
保険金詐欺の疑いがあるマーヴィン・ネーグル(ジェームズ・カーン)社長の居場所が分からず、バーデンはジミーも関わっていると考える。
バンコクにいるはずのマーヴィンがカンボジアだと知ったジミーは、バーデンから自分は問題なかったと言われる。
マーヴィンの存在自体が怪しいと伝えたバーデンは、事件が解決するまで街から出ないようにとジミーに伝え、強制ではないがパスポートを預かろうとする。
協力はすると伝えたものの、ジミーはバーデンの指示を無視して旅立ちタイに向かう。
バンコク。 マーヴィンが、かつてのパートナーである、ニューヨークのロシア人ネフスキーとトラブっているようだと言われたジミーは、マーヴィンがカンボジアに行った目的はカジノ事業に絡むことだとキャスパーから知らされる。 キャスパーからレディボーイのロッキーを紹介されたジミーは、婚約したと言われる。 マーヴィンを捜すためにカンボジアに向かおうとしたジミーは、友人のテディ(ボー・ホプキンス)から、空港の警備が大使館と通じているので、FBIに知られると言われる。 テディから国境越えに協力すると言われたジミーは、夜行列車に乗るよう指示される。 カンボジア。 ”笑うハス”にいるというマーヴィンからのメモを確認したジミーは、その場にいたシモン(ロブ・キャンベル)から会ったことがあると言われるが、それを否定する。 部屋をとったジミーは、エミールにパスポートを預けて向かいのビルに行こうとする。 男と揉めて殴られていたソフィー(ナターシャ・マケルホーン)を助けようとしたジミーは、男を叩きのめす。 エミールが男を追い払い、ソフィーに感謝されたジミーは部屋に向かい、マカク属のサルにサングラスを盗まれてしまう。 車いすのラリー・ラックマン(クリストファー・カリー)に付きまとわれながらバーで食事をしたジミーは、エミールにパスポートを返してもらおうとするが、渡したと言われる。 自転車タクシーのドライバー、ソク(ケム・セレイヴース)に案内されて”笑うハス”に向かったジミーは、男達に襲われて痛めつけられる。 男達に追い払われていたソクはジミーを助け、翌日、悪い奴らがいる場所だと伝える。 バーに戻ったジミーは、マーヴィンがいつ来たのかをエミールに尋ね、来たのは使いの者だと言われる。 その場にソフィーがいたため声をかけようとしたジミーは、自分のサングラスをかけていた男からそれを取り戻して金を渡す。 ソフィーと話したジミーは、同席していたサブリナ(ローズ・バーン)からロビー(ショーン・アンドリュース)を紹介される。 ジミーはソフィーを食事に誘うものの、予定があると言われ、彼女が去った後でキャスパーが現れる。 キャスパーに案内されてマーヴィンの元に向かったジミーは、歓迎してくれた彼と二人で話し、メモのことは知らないと言われる。 大きな罪を犯したと考えるジミーは後悔し、深く考えるなとマーヴィンから言われるものの、そんな気にはなれない。 その夜、香港の投資家を招いたパーティーが開かれ、ジミーはキャスパーから、マーヴィンと組んでいるシデス将軍には用心するようにと言われる。 マーヴィンは、巨大カジノ建設で利権を手に入れようと画策していた。 翌日、ロシア人のネフスキーがバンコクに着いたことを知ったマーヴィンは、それをキャスパーに知らせる。 ジミーの元に向かったキャスパーは、バンコクに向かい暫く姿を消すようにと指示するが、パスポートがないと言われる。 マーヴィンから金の話をされたかと訊かれたジミーは、保険事業で得た1000万ドルをシデスと組みカジノに投資しようとしているマーヴィンだったが、自分達は蚊帳の外だと言われる。 金や共同経営のことなどには興味がないとキャスパーに伝えたジミーは、その場を去った彼がある男に金を渡す姿を目撃する。 その後ジミーは、NGOの仕事をするソフィーと寺院を見学する。 ホテルの部屋に戻ったジミーは、スーツケースに入った大金と共に、絶対に自分を捜すなというマーヴィンからのメモを確認する。 現金を隠したジミーは、ソフィー、サブリナ、ロビーと共にある遺跡に向かう。 副知事と会う約束だったマーヴィンとキャスパーは、数時間も待たされる。 トイレに行ったマーヴィンが姿を消したことに気づいたキャスパーは、用心棒が殺されていることに気づき、車でその場を去る。 不審な男に気づいたジミーは、彼がロビーに襲いかかったために叩きのめす。 それがキャスパーと会った男だと気づいたジミーは、町に戻ることをソフィーに伝えてその場を去る。 翌朝、ロビーが死んでいるのが分かり、動揺するサブリナをソフィーが落ち着かせる。 意識を失ていた男は目覚め、その場から逃れる。 町に戻ったジミーは、バーにいたキャスパーに男の運転免許証を見せて、知っている男か尋ねる。 それを否定するキャスパーに襲い掛かったジミーは、ナイフで脅すものの、エミールに銃を向けられる。 ナイフをしまったジミーは、キャスパーから、マーヴィンが姿を消し用心棒と仕事仲間が殺されたことを知らされる。 マーヴィンが誘拐されたと言うキャスパーは、危険を察して逃げて来たと話すが、それを信じないジミーは、殺し屋を差し向けたことを確かめようとする。 それを否定するキャスパーは、信じようとしないジミーを責める。 そこに、少年が歌いながら現れ、カウンターに袋を置いて去る。 袋の中を覗いたエミールが驚いたために、ジミーがそれを確認する。 切断された足と共に入っていたメモに気づいたジミーは、それがクメール語だったためにソクに読んでもらう。 身代金の要求だと言うソクは、24時間以内に500万ドルを払えと書いてあると伝える。 犯人はロシア人ではなく地元の人間だろうと言うキャスパーは、シデス将軍が黒幕だろうと考え、ジミーと共に会うことになる。 キャスパーは、用意できない金額だとシデスに伝えるものの、ジミーは自分が払うと言って現金を用意しようとする。 ホテルに戻ったキャスパーは、その場にいたネフスキーからマーヴィンのことを訊かれ、2日後に戻ってくると伝える。 取引の金額を前金で払ってほしいと伝えたキャスパーだったが、 ロッキーが捕らえられ痛めつけられていることを知り、追い払われる。 ロビーの葬儀に参列していたソフィーに会ったジミーは、ある男に会いにこの場に来たことを伝え、彼女のアパートに向かう。 ニューヨークで一緒に仕事をしていたマーヴィンのことを話したジミーは、彼を知っていたソフィーから、慈善家を装う詐欺師のような男と関わっている理由を尋ねる。 マーヴィンが自分が生まれる前に母親と付き合っていたことを伝えたジミーは、ソフィーから父親なのかと訊かれ、それを聞いたことはないと答える。 自分に親身に接してくれたマーヴィンから、嘘や盗み、人の騙し方などを教わったことを正直に話すジミーは、そのことで苦悩していると話す。 ソフィーから、時間をかけて克服するよう助言されたジミーは、彼女と愛し合う。 翌日、シデスに呼ばれたジミーとキャスパーは、届けられたマーヴィンの映像を見せられる。 現金の引き渡し場所を知らされたジミーは、自分で届けるとシデスに伝える。 ソフィーのアパートに向かったジミーは、ウドンに向かう彼女に別れを告げて、その後、拳銃を手に入れる。 翌日、キャスパーの車のトランクに現金を入れたジミーは、半分を袋に入れて、現れたシデスに途中まで案内される。 ソクを伴い指定された場所の大木に現金を置いたジミーとキャスパーは、住人から、それが聖なる木だと言われ、2時間前にも人が来たことを知る。 ある場所に向かったジミーは、様子を見に行ったソクを待とうとするが、マーヴィンは死んでいると言うキャスパーと口論になる。 ジミーを殴り倒したキャスパーは、車で走り去る。 意識が戻ったジミーは、その場にいたソクに、危険が迫るために巻き込みたくないと伝える。 町に戻ることをソクに指示したジミーは、この場に残ると言う彼に感謝して大木に向かう。 その場に現れた少年が現金を持ち去り、後をつけたジミーは、シデスが待っていた廃墟の屋敷に着く。 地雷地帯に気づいたジミーは、警戒しながら廃墟に近づき死体を見つけて、それが、送られてきた映像に映っていた男だと気づき、足が切断されていることを確認する。 建物に侵入してある部屋に入ったジミーは、その場で拘束さてていたキャスパーに気づくとものの、男達に捕らえられる。 外に連れて行かれたジミーとキャスパーは、焼かれた男の目の前で殺されそうになる。 キャスパーは隙を見て逃亡し、ジミーは、現れたマーヴィンから、帰国しろと指示したはずだと言われる。 マーヴィンに説明を求めたジミーは、キャスパーがロシア人に寝返ったことを知らされる。 逃げたキャスパーに、自分が死んだと思わせるためにしたことで、カジノからは手を引き、事業はシデスに譲ったとマーヴィンから説明されたジミーは納得できない。 用意してある船に乗るようにと言われたジミーはそれを拒み、マーヴィンからパスポートを受け取る。 危険過ぎると意見するシデスの言葉を遮ったマーヴィンは、車で去るようジミーに指示する。 シデスらと相撃ちになり倒れたマーヴィンは、船に連れて行くようジミーに指示する。 スパイス島に行くと言うマーヴィンが、母とのことを話そうとするため、ジミーは分かっていると伝える。 車を出そうとしたジミーだったが、”自分にそっくりだ”と言い残してマーヴィンは息を引き取る。 海に向かいボートにマーヴィンを乗せたジミーは、石を積んで銃で穴をあけて沈める。 ロッキーが殺されたことを悲しむキャスパーは、ネフスキーの手下に射殺される。 ソクを車に乗せたジミーは、ソフィーが向かったウドンに行きたいことを伝える。 ウドンに着いたジミーはソクに車を譲り、別れを告げて、現金を持ち徒歩で遺跡に向かう。 ジミーが置いていった現金に気づいたソクは、それを医師に寄付して家族の元に戻る。 遺跡にいたソフィーはサブリナに呼ばれ、ジミーが現れたことを知る。
到着したジミーは、パートナーのキャスパー(ステラン・スカルスガルド)に歓迎される。
...全てを見る(結末あり)
テディの協力で無事に入国したジミーはプノンペンに向かい、ホテルとバーを経営するフランス人エミール(ジェラール・ドパルデュー)からメモを渡される。
*(簡略ストー リー)
ニューヨーク。
保険会社”ケイパブル・トラスト”に勤務するジミー・クレメンズは、保険金詐欺を疑われる社長マーヴィンが不在だったために、FBIの事情聴取を受ける。
一応シロだと判断されたジミーだったが、マーヴィンがカンボジアに向かったことを知り、街を出ないようにというFBIの指示を無視して出国してしまう。
バンコクでパートナーのキャスパーに会ったジミーは、カンボジアのプノンペンに向かう。
マーヴィンの居場所が分からないジミーは、自転車タクシーのドライバー、ソクと知り合う。
その後、NGOの仕事をするソフィーやソクとの親交を深めながら、キャスパーにマーヴィンの元に案内されたジミーは、多くの人を傷つけた過去を忘れようとするのだが・・・。
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実力派人気スターのマット・ディロンの初監督作品であり、脚本と主演も兼ねた彼の意欲作。
保険金詐欺の追及を逃れるために出国して東南アジアに向かった男が、自分が行った行為を後悔し、過去を清算して新たな人生を歩むまでが描かれている。
主人公は、詐欺行為や全てを教えてくれた保険会社社長が実は父親であることに気づいていたため、危険なことに手を出す彼のことを常に心配し、互いに思い遣る姿などを深く描く物語に仕上がっている。
そのため、二人は極悪人のようには描かれていないところがポイントで、舞台は東南アジアであり犯罪が絡むサスペンス・タッチの内容なのだが、ヒューマニズムにも重点を置いた異色のドラマとして展開する。
主演のマット・ディロンは、行った詐欺行為を後悔しつつ異国の地で犯罪に巻き込まれる男性を、演出と脚本を担当しながら、手抜きのない演技を見せてくれる。
主人公に悪徳商法を教えた詐欺師を存在感ある演技で演ずるジェームズ・カーン、主人公が惹かれるNGOの仕事をするナターシャ・マケルホーン、プノンペンでホテルとバーを経営するフランス人のジェラール・ドパルデュー、主人公のパートナーでもある、彼らを裏切るステラン・スカルスガルド、ヒロインの友人ローズ・バーンとショーン・アンドリュース、主人公の協力者であるボー・ホプキンス、主人公と親交を深める自転車タクシーのドライバー、ケム・セレイヴース、プノンペン在住の外国人クリストファー・カリーとロブ・キャンベル、FBI捜査官ジャック・シアラーとカーク・フォックスなどが共演している。