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シティ・オブ・エンジェル City of Angels (1998)

ヴィム・ヴェンダースフランス西ドイツ合作映画「ベルリン・天使の詩」(1987)のハリウッド版リメイク作品。
外科医の視線を感じた天使が彼女を想い人間の世界に身を投じる姿を描く、監督ブラッド・シルバーリング、主演ニコラス・ケイジメグ・ライアンアンドレ・ブラウアーデニス・フランツコルム・フィオーレ他共演ラブ・ロマンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)

ニコラス・ケイジ / Nicolas Cage 作品一覧
ニコラス・ケイジ / Nicolas Cage / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ブラッド・シルバーリング

製作総指揮
アーノン・ミルチャン

チャールズ・ニューワース
製作
ドーン・スティール

チャールズ・ローヴェン
原案
ヴィム・ヴェンダース

ピーター・ハントケ
脚本
ヴィム・ヴェンダース

ダナ・スティーヴンス
撮影:ジョン・シール
編集:リンジー・クリングマン
音楽:ガブリエル・ヤレド

出演
セス:ニコラス・ケイジ

マギー・ライス:メグ・ライアン
カシエル:アンドレ・ブラウアー
ナサニエル・メッシンジャー:デニス・フランツ
アン:ロビン・バートレット
ジョーダン・フェリス:コルム・フィオーレ
テリーザ・メッシンジャー:ジョアンナ・マーリン
トム・バルフォード:ブライアン・マーキンソン

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

1998年製作 114分
公開
北米:1998年4月10日
日本:1998年9月12日
製作費 $55,000,000
北米興行収入 $78,745,920
世界 $198,685,110


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ロサンゼルス
地上に降り立った天使セス(ニコラス・ケイジ)は、カシエル(アンドレ・ブラウアー)らと、死する者を天国へと導き、またある者には救いの手を差し伸べていた。

外科医マギー・ライス(メグ・ライアン)は、ジョギング中に倒れた患者トム・バルフォード(ブライアン・マーキンソン)の手術を担当して、それを無事に終える。

しかし、迎えに来たセスの前でトムは様態は急変し、マギーの必死の蘇生の試みも空しく彼は亡くなってしまう。

トムの家族に彼の死亡を知らせたマギーは、悲しむ彼女らの姿を見て独り泣き崩れる。
...全てを見る(結末あり)

マギーが、手術中に自分を見つめたのを感じたセスは、彼女に触れて慰めようとする。

その後、人間に見られたことがあるかを、セスはカシエルに尋ね、彼は自分が望めばそれは実現することを伝える。

手術のことで悩み続けるマギーを、同僚で恋人でもあるジョーダン・フェリス(コルム・フィオーレ)は気遣う。

そんなマギーは、患者ナサニエル・メッシンジャー(デニス・フランツ)の手術を控えていた。

しかしマギーは、メッシンジャーの妻テリーザ(ジョアンナ・マーリン)を安心させる言葉をかける自信がないことを、 小児科医のアン(ロビン・バートレット)に話す。

そして、マギーの様子を常に見守っていたセスは、彼女の前に姿を現す。

セスは、悲しげな顔のマギーを励まし、患者が死んだのは彼女のせいではなく、肉体は死んでも魂は生き続けることを告げる。

自分の名前(マギー)を知っているセスを、不思議に思ったマギーだったが、彼は名札を指差す。

マギーは、セスと別れた後やや気分が晴れるが、名札には”ライス”としか書かれていなかった。

メッシンジャーの手術を成功させた夜、マギーは突然目が覚め、枕もとに、ヘミングウェイの”移動祝祭日”が置いてあるのに気づく。

マギーは、その本の内容が、今の自分の心境にぴったりだと思い、それがジョーダンの心遣いだと思い込むが、彼に心当たりがないと言われる。

患者が忘れた本だと思い、図書館にそれを返却に行ったマギーは、そこでセスに再会する。

神のメッセンジャーだというセスに、異様な雰囲気を感じながらも、マギーは彼と行動を共にする。

セスは、他の天使達が、人間に姿を見せた自分を監視する姿を気にしつつ、マギーの買い物などに付き合う。

その後マギーは、完璧な処置を行ったにも拘らず、患者を死なせてしまった手術中に、何か感じたことをセスに話す。

メッシンジャーの症状のことで、呼び出されたマギーは彼の病室に急行し様態を確認する。

マギーは立ち去るが、彼女には姿が見えない、そこにいたセスに、メッシンジャーが”まだ死なない”と話しかける。

帰宅したマギーをジョーダンが待っていたが、セスは楽しそうな二人の様子を見つめていた。

メッシンジャーの元に戻ったセスは、マギーに心を寄せていることを彼に見抜かれる。

病室を抜け出して、セスと食事に行ったメッシンジャーは、自分が元天使だということを彼に伝える。

そしてメッシンジャーは、高いところから地上にめがけて飛び降りれば、天使も人間になれることをセスに教える。

それをカシエルに話しつつも迷うセスは、上の世界が美し過ぎることを彼に伝える。

その後、マギーに会ったセスは、彼女が自分と会うことを求めていることを知り、メッシンジャーの退院パーティーでも同席する。

マギーは、謎めいたセスのことが気になり、その場で撮った写真に彼が写っていないことを不思議に思う。

セスを自宅に連れて行ったマギーは、彼の身の上などを聞きだそうとする。

ナイフで手を切っても傷つかず、痛みも感じないセスを問い詰めたマギーは、彼が天使だということを知らされる。

手術を受けるトムを迎えに来たセスは、マギーに見つめられ心引かれたことを話す。

それが信じられないマギーは、動揺して混乱し、セスを追い出してしまう。

その後、現れることを望むマギーの前にセスは姿を見せず、ただ側で彼女を見守り心を癒していたが、そんな時、マギーはジョーダンに求婚されてしまう。

戸惑うマギーはメッシンジャーから、自分が望めばセスが人間になると、彼がそうした経験を聞かされる。

図書館でようやくセスに会えたマギーは、自分を感じてくれる人間との生活を望むことを伝え、彼に別れを告げる。

そして、マギーの愛を手に入れる決心をしたセスは、高層ビルの工事現場から身を投げる。

目覚めたセスは、痛みを感じながら病院に向かい、小児科医アンから、マギーがネバダ州タホ湖の山小屋にいることを知らされる。

苦労してマギーの山小屋にたどり着いたセスは、彼女がジョーダンと結婚はせず、自分を愛していることを知る。

マギーは、セスが生身の人間になったことを知り、彼と愛し合いお互いを感じ合う。

翌日、自転車で買い物に行ったマギーは、街道でトラックに衝突してしまう。

それを感じたセスは現場に向かい、死を覚悟するマギーを励ますが、彼女は天使の迎えを感じ息を引き取る。

悲しみに暮れるセスは、現れたカシエルに怒りをぶつけるが、彼は、それが自分の選んだ道で、人間の世界だということを説く。

セスは、ほんの一瞬でも、マギーを感じ触れられたことで、未練のないことカシエルに伝える。

その後、天使達が毎日の夕暮れに集まる海岸で、セスは彼らに見守られながら、新しい人生に向けて波に身を投ずる。

そしてカシエルは、そんな旧友を笑顔で見つめ、セスは波と戯れる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
人間の世界を見守る天使のセスは、外科医であるマギーの手術中に、見えるはずのない、自分への彼女の視線を感じてしまう。
その患者が死亡したことで、思い悩むマギーに心を寄せたセスは、彼女の患者である元天使のメッシンジャーの存在を知る。
セスは、掟を破りマギーの前に姿を現し後、彼女を感じて心引かれ、自分が天使だということを告げる。
そんなセスにメッシンジャーは、自らが望み高いところから身を投げれば、天使も人間になれると自分の経験を伝える。
マギーはセスの存在に戸惑い、同僚である恋人のジョーダンから求婚され、自分を感じてくれる人間との愛を選ぼうとする。
そしてセスは、マギーの愛を手に入れるために、人間になることを決心して高層ビルから身を投げる・・・。
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当時、オスカーも獲得して飛ぶ鳥も落とす勢いだったニコラス・ケイジと、ラブ・コメディの女王メグ・ライアンの共演が話題になり、サウンドトラックも大ヒットした作品。

ストーリーの内容よりも、どうしても主演の二人の魅力が気になる作品で、人間同士として、ほんの一瞬しか感じ合えることのない主人公達の悲運のラブ・ストーリーではあるが、しっとりとした雰囲気が大いに受け、恋人同士で観賞するのには最適の作品となった。

ジョン・シールの、空撮を活かした見事なカメラワーク、美しい浜辺の風景などは、素晴らしい効果をあげている。

北米興行収入は約7900万ドルに留まるものの、全世界では2億ドルに迫るヒットとなった。

続け様にアクション大作に出演して、ヒットを飛ばしていたニコラス・ケイジは、演技派としての実力も発揮して、人間に恋してしまう天使を抑えた演技で好演している。
多くを語らない、目や顔の表情だけで心境を表現する場面が印象的だ。

手術室でセス(天使)を”感じた”ことが、悲しい運命への導きだったのだろうか。
悲運の外科医、30代後半には思えない愛らしくも見えるメグ・ライアンの死は涙を誘う。

主人公の行動を、冷静に見守る天使アンドレ・ブラウアー、人間の世界に身を投じた元天使のデニス・フランツ、小児科医ロビン・バートレット、マギー(M・ライアン)の恋人で外科医のコルム・フィオーレ、メッシンジャー(D・フランツ)の妻役ジョアンナ・マーリン、心臓手術で亡くなる患者ブライアン・マーキンソンなどが共演している。


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