華やかなサーカスやウエスタン・ショー一座を描く、監督ヘンリー・ハサウェイ、主演ジョン・ウェイン、リタ・ヘイワース、クラウディア・カルディナーレ、ロイド・ノーラン、リチャード・コンテ、ジョン・スミス他共演のドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ヘンリー・ハサウェイ
製作:サミュエル・ブロンストン
原作
フィリップ・ヨーダン
ニコラス・レイ
脚本
ベン・ヘクト
ジェームズ・エドワード・グラント
ジュリアン・ヘールヴィ
撮影:ジャック・ヒルデヤード
編集:ドロシー・スペンサー
音楽:ディミトリ・ティオムキン
出演
ジョン・ウェイン:マット・マスターズ
リタ・ヘイワース:リリー・アルフレード
クラウディア・カルディナーレ:トニー・アルフレード
ロイド・ノーラン:キャップ・カーソン
リチャード・コンテ:アルド・アルフレード
ジョン・スミス:スティーヴ・マッケイブ
ケイ・ウォルシュ:フロー・ハント
マイルズ・モールソン:ビリー・ハンニガン
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1964年製作 135分
公開
北米:1964年6月25日
日本:1964年12月5日
製作費 $9,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
大サーカス団の団長、マット・マスターズ(ジョン・ウェイン)は、ヨーロッパ巡業を計画していた。
しかし、一座の古株キャップ・カーソン(ロイド・ノーラン)は、ヨーロッパ進出を成功させたサーカス団がないことを考え不安を感じる。
マスターズのサーカス団では、14年前に空中曲芸士アルフレードが落下死していた。
妻のリリー・アルフレード(リタ・ヘイワース)の、他の男との関係が原因だった。
リリーは、娘のトニー(クラウディア・カルディナーレ)をマスターズに預けて、消息不明になっていた。
成長したトニは、一座で活躍するようになり、同僚のスティーヴ・マッケイブ(ジョン・スミス)とは、互いに意識し合う仲だった。 シーズン最後の興行で、縁起ばかりかついでいるトニーが、テント内の鳥に気を取られて落馬してしまう。 幸い怪我はなかったが、父親が転落死して、リリーが姿を消した日も、テントに鳥がいたのだった。 キャップは、ヨーロッパに行けば、リリーがトニーに会いに来るはずだと、マスターズに、覚悟を決めるよう忠告する。 出発前の港で、雑誌記者ビリー・ハンニガン(マイルズ・モールソン)が、リリーとトニーのことを記事にしようとするが、マスターズがそれを阻止しようとして、ハンニガンに金を払いその記事を買ってしまう。 その後、旅立った一座は、バルセロナに到着して歓迎を受けるが、港に停泊中の一座の船が横転してしまう。 金庫も沈んでしまい、マスターズは、事態の収拾がつかず困惑するものの、金庫が引き上げられて安堵する。 トニーは、金庫の中のにあった母リリーの写真を見て破り捨ててしまう。 資材や動物を失ったマスターズは、他のサーカスに合流して、なんとか稼ぎを手に入れようとするが、キャップに帰国するよう説得される。 しかし、トニーやスティーヴはマスターズに従い、仕方なくキャップもそれに同意する。 ヨーロッパ中のサーカスを見て回り、人材を見つけようとするマスターズは、ベルリンのサーカスで、アルフレードの弟アルド(リチャード・コンテ)に再会する。 マスターズは、アルドからリリーの居場所は聞きだせず、そこにキャップとトニーも姿を現す。 アルドは、トニーには正体を隠し、マスターズの一座に加わることになる。 そして、リリーの住所を知ったマスターズだったが、みすぼらしい部屋に案内されたものの、彼女に会うことはできなかった。 しかし、リリーは、密かにマスターズのショーを見に行き、トニーを愛しく見つめていた。 トニーが何かを感じて落馬したのを見たリリーは、彼女に声をかけ、かつてサーカスにいたことなどを話す。 かつて愛し合った二人だったが、リリーは、それが原因で夫が死んだことを、未だに悔やんでいた。 過去を引きずり酒に溺れるリリーを、マスターズは厳しく突き放し、その場を立ち去る。 その後、トニーは空中ブランコに興味を持ち始め、マスターズはそんな彼女の身を案ずる。 さらに、トニーがスティーヴと親密になってきたのを知ったマスターズは、その仲を邪魔してしまう。 トニーは、自分を殻に閉じ込めようとするマスターズに、怒りを露にするが、彼が自分のことを思ってくれていることを理解する。 そんな時、リリーが気持ちを入れ替えマスターズの前に現れ、一座に加わりたいことを伝える。 そこにトニーが現れ、リリーは名前を変えてブランコ乗りだということを彼女に告げる。 二人は意気投合するが、マスターズは母娘の行く末を案ずる。 翌日、リリーは早速トレーニングを始めようとするが、アルドの姿を見て、彼女は亡き夫を想い出して気を失ってしまう。 マスターズは病院に運ばれたリリーを見舞い、彼女が、真実をトニーに知られる覚悟が出来ていることを知る。 回復したリリーのトレーニングを見たトニーは、彼女をどこかで見たことがあるようにも思う。 やがて、一座が待ち焦がれていたテントが届き、ウィーンでの興行が始まろうとしていた。 スティーヴとの結婚を決めたトニーは、独りぼっちになるマスターズを気遣い、彼とリリーを結び付けようとする。 トニーはリハーサル前に、テントの中に鳥がいることを気にしながら自分の部屋に戻る。 兄を、リリーに殺されたと思い込んでいるアルドの企みで、トニーは父が自殺したことと、マーゴ(リリー)が母親だということを知ってしまう。 さらにトニーは、母親と関係のあった男がマスターズだということも彼から知らされる。 ショックを受けたトニーは、リリーを罵倒して一座から去ろうとする。 やがてリハーサルが始まるが、会場のテントが燃えだし、マスターズは、懸命に被害を食い止めようとする。 スティーヴの説得と、マスターズの自分を想う気持ちを知ったトニーは彼の元に戻る。 リリーがテントに登り、焼けたテントを分離させようとするのを見たトニーも彼女に続く。 しかし、リリーは孤立してしまい、マスターズがテントに登り彼女を助ける。 テントの大部分は焼けてしまうが、リリーの傷の手当てをするトニーは、母への憎しみが消えていた。 被害はサーカスの開演を妨げるまでには至らず、ショーは予定通り幕を開ける。 そして、大いに盛り上がったショーはクライマックスを迎え、リリーとトニーは同じ芸で登場する。 トニーは母親をたてて演技を止め、リリーは、見事な芸を見せて観客を沸かせる。 マスターズやスティーヴも、それを微笑ましく見守っていた。
...全てを見る(結末あり)
マスターズは、ヨーロッパに腰を落ち着けて再帰を目指そうと、三流サーカス一座でウエスタン・ショーを披露して大成功を収める。
それを見たキャップがリリーに気づき、マスターズに知らせ、彼はついにリリーと再会する。
*(簡略ストー リー)
大サーカスの団長マット・マスターズは、計画しているヨーロッパ巡業に意欲的だったが、団員の古株キャップはそれを心配する。
未だ、ヨーロッパで成功したサーカスはないことと、14年前の転落死で夫を亡くして姿を消したリリーの消息を、マスターズが捜すのではないかということだった。
リリーは、夫の死は、自分が原因だと思い込み、幼い娘トニーをマスターズに託して姿を消したのだった。
トニーは成長し、サーカス団の花形となっていたが、自分を捨てた母リリーを憎んでいた。
ヨーロッパに到着したマスターズの一座は、船の事故で資材などを失い、窮地に立たされる。
そして、何とか持ちこたえたマスターズらの前に、娘トニーを案ずるリリーが姿を現す・・・。
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19世紀末、サーカス全盛期のヨーロッパが舞台の作品ではあるが、全く違和感がない、ジョン・ウェイン他のウエスタン・スタイルやウェスタン・ショーなどで、西部劇を見ているような雰囲気がある。
美しく落ち着いた雰囲気のヨーロッパ各地で、豪快なアクションを繰り広げる、いかにもヘンリー・ハサウェイらしい演出も見応え十分だ。
当初は、フランク・キャプラが監督する予定だったのだが、ジョン・ウェインが推す脚本家ジェームズ・エドワード・グラントと意見が合わずに、キャプラはそれを降りた。
また、ロイド・ノーラン演ずるキャップ・カーソンは、デヴィッド・ニーヴンがキャスティングされていたが実現されなかった。
団長の補佐役として、ドラマの中で重要な役であるため、存在感のあるデヴィッド・ニーヴンが演ずると、”大親分”ジョン・ウェインの魅力が半減してしまったかもしれないので、結果的には良い配役だったかもしれない。
いつもと雰囲気が違う、哀愁漂う音楽を聞かせてくれる、ディミトリ・ティオムキンの心にしみる主題曲も素晴しい。
ジョン・ウェインは、西部劇ではないものの、統率力ある一団のボスが非常に良く似合っている。
ウェインは、この年に肺がんの手術を行う影響を全く感じさせることなく、かなり派手な演技を見せてくれる。
そのウェインは、ヘンリー・ハサウェイ作品なので、「赤い河」(1948)のバックル”RED RIVER D”をつけている。
*私も愛用しています。
(レプリカなのでオリジナルとは違う)
1940年代に一世風靡したリタ・ヘイワースが、スタンドインをうまく使っているとは言え、40代半ばとは思えない見事なパフォーマンスと悲哀に満ちた演技を見せてくれる。
娘役のクラウディア・カルディナーレの、快活でキュートな魅力も印象的だ。
ウェインの補佐役で、何かと世話を焼く、ロイド・ノーランの味わいのある好演も光る。
日本で大人気だったTVドラマ「ララミー牧場」のジョン・スミスも、ウェインと共同経営者になろうとする若者を演じ、ウエスタン・ショーでも大活躍する。
「ゴッドファーザー」(1972)で、闇黒街を牛耳ろうとするマフィアのボス、バルジーニを迫力で演じたリチャード・コンテが、道化の役で登場するのは面白い。
彼のバルジーニ役は、抜きん出る威圧感があったが、非常に小柄でジョン・ウェインとの体格の差に驚いてしまった。
また、イギリスの名優で大ベテランのマイルズ・モールソンが、雑誌記者役で登場する。