伝説の元ヘビー級チャンピオン、ジェームス・J・ブラドックが世界王者になるまでの苦悩を描く、監督ロン・ハワード、ラッセル・クロウ、レネー・ゼルウィガー、ポール・ジアマッティ共演の感動の ヒューマン・ドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ロン・ハワード
製作総指揮:トッド・ハロウェル
製作
ブライアン・グレイザー
ロン・ハワード
ペニー・マーシャル
脚本
アキヴァ・ゴールズマン
クリフ・ホリングワース
撮影:サルヴァトーレ・トチノ
編集
マイク・ヒル
ダニエル・P・ハンリー
音楽:トーマス・ニューマン
出演
ラッセル・クロウ:ジェームス・J・ブラドック
レネー・ゼルウィガー:メイ・ブラドック
ポール・ジアマッティ:ジョー・グールド
パディ・コンシディン:マイク・ウィルソン
クレイグ・ビアーコ:マックス・ベア
ブルース・マッギル:ジミー・ジョンストン
クリント・ハワード:ハリー/レフェリー
アメリカ 映画
配給
ユニバーサル・ピクチャーズ(北米)
ミラマックス/ブエナビスタ(世界)
2005年製作 144分
公開
北米:2005年6月3日
日本:2005年9月17日
製作費 $88,000,000
北米興行収入 $61,644,320
世界 $108,521,910
■ アカデミー賞 ■
第78回アカデミー賞
・ノミネート
助演男優(ポール・ジアマッティ)
編集・メイクアップ賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1928年11月30日、マディソン・スクエア・ガーデン。
ボクシング、ライト・ヘビー級のジェームス・J・ブラドック(ラッセル・クロウ)は、10連続KO勝ちをして次期チャンピオンの呼び声も高かった。
マネージャーのジョー・グールド(ポール・ジアマッティ)は、大金を稼ぎ出したブラドックに分け前を渡して、彼を自宅に送る。
妻メイ(レネー・ゼルウィガー)も、夫ブラドックを誇りに思い、幸せな生活が続いていた。
1933年9月25日、大恐慌から4年目。 日雇いの仕事にあぶれたブラドックは、友達が親元を離れることを聞いた息子が、不安から盗みを犯してしまったことに心を痛める。 ブラドックは、盗んだサラミを肉屋に返し、貧しくても決して他所にはやらないことを息子に約束する。 マウント・ヴァーノン。 しかし、ブラドックは試合中に痛めた手を骨折してしまい、惨めな試合をしてしまう。 無効試合となったことに激怒した、プロモーターのジミー・ジョンストン(ブルース・マッギル)は、ブラドックのライセンスを剥奪してしまう。 選手生命も終わりだと言われ、絶望したブラドックだったが、妻メイは彼を温かく見守り励ます。 波止場の仕事に就けたブラドックは、株のディーラーから、全財産を失ったマイク・ウィルソン(パディ・コンシディン)と知り合う。 ウィルソンは、労働状況改善のために組合を作ることを考えていた。 自宅の電気を止められ、子供達は寒さで病気になってしまい、メイが子供達を自分の親元などに預けてしまう。 それを知ったブラドックは、子供との約束を守るために、連邦緊急救済局とボクシング協会に出向き、恥を忍んで援助を求め、子供達を連れ戻す。 生活に余裕が出てきた頃、ブラドックは、世界ランキング2位のコーン・グリフィンとの試合の話をグールドから持ち掛けられる。 敗戦覚悟の試合だったが、ファイトマネーの250ドルが必要だったブラドックはそれを承諾し、グールドに感謝する。 1934年6月14日、マディソン・スクエア・ガーデン・ボウル。 メインイベントのマックス・ベア(クレイグ・ビアーコ)の試合を見たブラドックとグールドは、チャンピオンになった彼と戦うはずだったグリフィンに勝ったことで、大いに自信をつける。 その後、一試合だけのつもりでいたブラドックは、再び港の仕事に戻る。 しかし、グールドに説得されたブラドックは、ボクシングを続ける気持ちを妻メイに伝える。 夫を道具のようにされたくないメイは、ブラドックの元に出向き真意を問い質そうとする。 そんなメイは、グールドも家財を売り払い、ぎりぎりの生活をしていることを知る。 グールドは、必ず試合を取ってみせることをメイに約束し、プロモーターのジョンストンの元に向かう。 ジョンストンを説得したグールドは、王者ベアへの挑戦者候補ジョン・H・ルイスとブラドックの試合を組む。 これに勝てば、次があることを確信したブラドックは、家族のために猛トレーニングを始める。 1934年11月16日。 1935年3月22日。 結果は判定でブラドックの勝利となり、彼はついに世界王者ベアとの挑戦権を得る。 大金が手に入ったブラドックは、救済局に援助してもらった金を返し、メイに花束を贈る。 港の労働者で親友のウィルソンが、セントラルパークのフーバーヴィルで姿を消したことを知ったブラドックは、暴動を起こして事故に遭った、瀕死のウィルソンを見つける。 亡くなったウィルソンの、埋葬を済ませたブラドックは、その後ベアとの世界戦の記者会見に臨む。 ブラドックとグールドは、ジョンストンからベアの殺人的強さを知らされるが、ブラドックは家族のために戦う決意を示す。 夕食の席で、ベアと出くわしたブラドックは、彼の挑発には乗らずにその場を立ち去る。 しかし、ブラドックが、命を落とす危険があることを、メイは気遣い思い悩む。 1935年6月13日。 その光景を見たメイは、夫ブラドックの戦う意味を理解し、試合会場のマディソン・スクエア・ガーデン・ボウルへと向かう。 ブラドックを前にしたメイは、自分が支えになることを伝えて彼を励ます。 必ず家に帰ることを約束したブラドックは、メイを見送り試合に挑む。 そして、”シンデレラマン”ブラドックは、グールドに付き添われてリングに上がる。 試合開始のゴングは鳴り、ブラドックはベアの殺人パンチを受けながらも善戦する。 ブラドックは、不屈の闘志で持ちこたえ、彼のパンチが、次第にベアの顔面を捉えるようになり、試合はいよいよ終盤を迎える。 そして最終ラウンド、勝利を願う観衆の声援に支えられたブラドックは、下がれというグールドの助言を無視し、ベアに立ち向かい最後まで戦い抜く。 勝敗は判定に持ち込まれ、ジャッジ全員一致で、ブラドックが奇跡の勝利を手にする。 2年後、ブラドックは防衛戦でジョー・ルイスと対戦し、1ラウンド目に彼をダウンさせるものの、試合には敗れてしまう。 しかしルイスは、”ブラドックは、誰よりも勇敢な男だ”と賞賛する。 ブラドックは第二次大戦に従軍し、大恐慌時代に働いた波止場の重機を所有して、作業に従事した。 1960年代初頭、ブラドックはニューヨークのヴェラザノ橋の建設工事に協力し、ニュージャージーに、ベア戦の賞金で家を買い、子供を育て生涯そこで暮らした。
ブラドックは、試合で右手を傷めたのがきっかけで負けが続くようになり、たちまちどん底の生活を送ることになってしまう。
...全てを見る(結末あり)
家賃や光熱費の催促があるブラドックは、グールドの制止も聞かず、傷めた右手をかばいながら試合に挑む。
捨て身で戦う決意のブラドックは、試合の夜を迎え、長いブランクがあったにも拘わらず昔の勘を取り戻し、わずか3ラウンドでグリフィンを倒してしまう。
試合当日、ゴングと共に激しい打ち合いとなり、その結果、ブラドックはルイスをKOで倒す。
アート・ラスキーとの対戦で、ブラドックは、相手の猛烈なパンチを受けてアバラを折りながらも、最終ラウンドまで戦い抜く。
ブラドックを送り出したメイは、彼が自分達のために戦ってくれていると信じる人々が、教会に集まっていることを知る。
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*(簡略ストー リー)
どん底の生活を体験し、勝ち目のない戦いを何度もものにして、”シンデレラマン”という異名を持つ、伝説の元ヘビー級チャンピオン、ジェームス・J・ブラドックが、世界王者になるまでの苦悩を描いた感動の ヒューマン・ドラマ。
*(簡略ストーリー)
世界戦も狙える勢いの、前途有望なボクサー、ジェームス・J・ブラドックは、手の怪我がきっかけで勝利から見放され、大恐慌の不況も重なり、極貧生活を送っていた。
妻メイや子供との生活を維持するために、怪我を押して試合を続けたブラドックは、惨めな試合を非難され、ライセンスも剥奪されてしまう。
ドンの底のブラドックは、妻メイやマネージャーのグールドに支えながらチャンスを掴み、ついに世界戦に挑戦することになる。
そしてブラドックは、家族や貧しい人々のために、命を懸けた戦いに挑む・・・。
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お馴染みのコンビ、ロン・ハワードとブライアン・グレイザーが組んだ、 製作費8800万ドルをかけた大作。
第78回アカデミー賞では、助演男優(ポール・ジャマッティ)、編集、メイクアップ賞にノミネートされた。
単なるボクシング映画ではなく、その人間味溢れる人柄と闘争心で、大恐慌時代の貧しい人々に多くの希望を与えた、ジム・ブラドック自身と家族の苦悩を描いた、ロン・ハワードらしい、ドラマチックな演出が見所の作品でもある。
トーマス・ニューマンの、心洗われる美しい音楽も心に残る。
ジム・ブラドックを演ずるラッセル・クロウは、逞しい肉体は維持しながら、メイクとはいえ、貧困に苦しむやつれた男の表情が、時折、別人のように見えるのが印象的だ。
(顔だけがスリムになっているようにも見える)
妻役のレネー・ゼルウィガーは、死を覚悟してまで戦おうとする夫を理解し、リングに送り出すシーンの力強さや、貧しいながらも献身的に夫を支える抑えた演技が素晴らしい。
旧友を見捨てず、二人三脚で世界戦を制する、アカデミー助演賞候補にもなったポール・ジアマッティの好演も光る。
強かなプロモーター、ブルース・マッギルの演技も迫力十分だ。
主人公の港湾労働者仲間パディ・コンシディン、殺人平気のようなチャンピオン、マックス・ベア役のクレイグ・ビアーコ、兄R・ハワード作品の常連、お馴染みクリント・ハワードもレフェリー役で共演している。