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クロエ Chloe (2010)

2004年に公開されたアンヌ・フォンテーヌによるフランススペイン合作映画「恍惚」のリメイク作品。
何不自由なく暮らす家族が妻の夫に対する浮気の疑惑から崩壊していく姿を描く、製作アイヴァン・ライトマン、製作総指揮ジェイソン・ライトマン、監督アトム・エゴヤン、主演ジュリアン・ムーアリーアム・ニーソンアマンダ・セイフライド他共演のサスペンス・タッチのドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

ジュリアン・ムーア / Julianne Moore / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:アトム・エゴヤン

製作総指揮:ジェイソン・ライトマン
製作
ジョー・メジャック

アイヴァン・ライトマン
原作:アンヌ・フォンテーヌ
脚本:エリン・クレシダ・ウィルソン
撮影:ポール・サロッシー
編集:スーザン・シプトン
音楽:マイケル・ダナ

出演
キャサリン・スチュアート:ジュリアン・ムーア

デヴィッド・スチュアート:リーアム・ニーソン
クロエ・スウィーニー:アマンダ・セイフライド
マイケル・スチュアート:マックス・シエリオット
フランク:R・H・トムソン
アンナ:ニーナ・ドブレフ
ミランダ:メイガン・ヘファーン

アメリカ/カナダ/フランス 映画
配給 ソニー・ピクチャーズ・クラシックス

2010年製作 96分
公開
北米:2010年3月26日
日本:2011年5月28日
製作費 $11,000,000
北米興行収入 $3,074,840
世界 $11,702,640


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
トロント
大学教授のデヴィッド・スチュアート(リーアム・ニーソン)と産婦人科医の妻キャサリン(ジュリアン・ムーア)は、息子マイケル(マックス・シエリオット)と共に何不自由ない生活を送っていた。

デヴィッドの誕生日、パーティーを催していたキャサリンだったが、彼から、講演先で飛行機に乗り遅れたという連絡が入る。

息子マイケルとの会話も少なく、デヴィッドの言葉も疑うキャサリンは憂鬱な日々を送る。

翌朝、デヴィッドが戻っていることに気づいたキャサリンは、マイケルが、ガールフレンドのアンナ(ニーナ・ドブレフ)を部屋に泊めたことを知り、それを注意する。

その後、出かけようとしたキャサリンは、デヴィッドの携帯電話に、昨夜のお礼を伝えるミランダ(メイガン・ヘファーン)という学生からのメールを見てしまう。

その夜、デヴィッドには何も語らずに、友人フランク(R・H・トムソン)と食事をしたキャサリンは、トイレで悲しげな表情の若い女性(アマンダ・セイフライド)と言葉を交わす。
...全てを見る(結末あり)

クロエは、キャサリンにヘアピンを渡そうとするが、彼女はそれを遠慮してデヴィッドの元に戻る。

帰りの車内で、パーティーに遅れたことなどでデヴィッドと口論になりかけたキャサリンは、翌日、昨晩の女性と会う。

キャサリンは、その女性クロエ・スウィーニーが娼婦だと承知していて、彼女が夫好みだと考え、浮気の疑いがある夫デヴィッドの行動を探らせようとする。

デヴィッドに偶然会ったように見せかけたクロエは、その時の様子をキャサリンに報告し、もう一度だけ彼を誘うことを頼まれる。

普段の生活に戻り、気分がまぎれたキャサリンは、クロエに今回のことは忘れてもらおうとする。

しかし、クロエがデヴィッドとランチを共にした後、”アレン・ガーデン”でキスしたことを知り、キャサリンはショックを受けて席を立ってしまう。

キャサリンは、自転車で立ち去るクロエが転んだために、その傷を治療し、再びデヴィッドとのことを彼女から聞く気になる。

二人が愛し合ったことを知ったキャサリンは、クロエに病気がないか、その証明となるものを求める。

翌日、その証明書をクリニックに持参したクロエは、そこに現われたマイケルに声をかける。

クロエに気づいたキャサリンは、彼女がデヴィッドと会うことを知らされて別れる。

その後、クロエから連絡を受けたキャサリンは、彼女がデヴィッドと愛し合ったホテルの部屋に向かい、二人のした行為についてを聞ながら、欲求を感じてしまう。

辛い現実を知った失意のキャサリンを慰めようと、クロエは彼女にキスしようとする。

しかしキャサリンはそれを拒み、その場を立ち去る。

キャサリンは、動揺しながらマイケルのピアノ演奏会に向かい、その成功をデヴィッドと喜び合う。

しかし、疑惑と欲望が入り混じる思いのキャサリンは、クロエを呼び出し愛し合ってしまう。

クロエは、初めて会った時に、実は話しかけたかったことをキャサリンに伝え、ヘアピンを譲る。

帰宅したキャサリンはデヴィッドに浮気を疑われ、彼は自分の潔白を伝えるが二人は言い争いになり、マイケルもそれを見て両親を非難する。

翌日、クリニックに現われて、関係を続けたいことを伝えるクロエに、キャサリンは、それを終わらせることを伝え彼女を突き放す。

納得のいかないクロエは、マイケルの元に向かい、親交を深めようとする。

キャサリンは、クロエの、デヴィッドから連絡があったという知らせで、彼女をカフェに呼び出す。

デヴィッドも呼んでいたキャサリンは、彼の女性関係などを問い質すが、そこにクロエが現われる。

クロエを見ても全く動揺しないデヴィッドに、彼を疑っていたキャサリンは困惑する。

デヴィッドは、自分が正直に話しているにも拘らず、何も語らないキャサリンを非難して席を立つ。

キャサリンはデヴィッドを追い、クロエに誘惑され、浮気を偽装され現金まで渡し、彼女と愛し合ったことなどを正直に話す。

年齢を重ねるデヴィッドの魅力を再確認できた反面、老いていくだけの自分を悲観するキャサリンは、その思いを彼に伝える。

そんなキャサリンを愛おしく思い、デヴィッドは彼女を抱き寄せる。

クロエは、自宅にいたマイケルを訪ねて愛し合い、帰宅してそれに気づいたキャサリンに、自分を都合よく利用しただけだと言い寄る。

キャサリンは、動揺するクロエを落ち着かせようとする。

しかし、キャサリンを、譲ったヘアピンで傷つけようとしたクロエは、誤って二階から落下して死亡する。

その後、家族は平穏な生活に戻るが、キャサリンは、クロエから譲られたヘアピンをつけていた。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
大学教授デヴィッド・スチュアートと産婦人科医の妻キャサリン、音楽家志望である息子のマイケルは、何不自由ない生活を送っていた。
ある日、ふとしたことで、デヴィッドの浮気を疑ったキャサリンは、クリニックに隣接するホテルで客をとる娼婦クロエを雇う。
キャサリンは、クロエをデヴィッドに近づかせ、彼の行動を探らせようとする。
早速、デヴィッドに会ったことを、キャサリンに報告したクロエは、彼女から報酬を受け取る。
自分との肉体関係も殆どなくなったデヴィッドが、クロエを求めたことを知ったキャサリンはショックを受ける。
疑惑は確信となり、自分だけが取り残されていく思いのキャサリンは動揺し、やがてその欲求をクロエに求めてしまう・・・。
__________

各方面で高い評価を受ける、エジプト出身のカナダ国籍の監督アトム・エゴヤン演出の問題作で、トップ・スターのジュリアン・ムーアリーアム・ニーソンなどの魅力的なキャスティングと、同国出身のアイヴァン・ライトマンジェイソン・ライトマンが製作を担当した注目作でもある。

どこにでもある家族崩壊の怖さを、人も羨む、不自由ない生活を送る裕福な家庭で起きることとして、官能的なサスペンス・タッチでそれを象徴的に描いている。

ハリウッド資本は入っているが、製作者らの母国カナダトロントでのロケも興味深い。

夫の浮気の疑惑を明らかにしようとする、妻の単なる嫉妬心を描く作品かと思いきや、さすがに実力派ジュリアン・ムーア主演だけに、それだけでは終わらない中盤以降の展開は見応えがある。

年齢を重ねるごとに魅力が増す夫を再確認し、老いていくのみと悲観して自らをさらけ出す、ジュリアン・ムーアの、見事な感情表現などを観るだけでも価値がある作品。

その妻を理解して優しく抱き寄せる、包容力あるリーアム・ニーソン、主人公を翻弄する娼婦役のアマンダ・セイフライド、息子役のマックス・シエリオット、そのガールフレンド役のニーナ・ドブレフ、夫妻の友人役R・H・トムソン、夫との浮気を疑われる学生メイガン・ヘファーンなどが共演している。


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