1870年代にニューメキシコ準州で実際に起きた”リンカーン郡戦争”の登場人物達を描いた西部劇。 主演ジョン・ウェイン、監督アンドリュー・V・マクラグレン、フォレスト・タッカー、クリストファー・ジョージ他共演。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:アンドリュー・V・マクラグレン
製作:アンドリュー・J・フェナディ
製作総指揮:マイケル・ウェイン
脚本:アンドリュー・J・フェナディ
撮影:ウィリアム・クローシア
編集:ロバート・L・シンプソン
音楽:ドミニク・フロンティア
出演
ジョン・ウェイン:ジョン・チザム
フォレスト・タッカー:ローレンス・マーフィー
クリストファー・ジョージ:ダン・ノディーン
ブルース・キャボット:ブラディ保安官
ベン・ジョンソン:ジェームズ・ペッパー
リチャード・ジャッケル:ジェス・エヴァンス
ジョフリー・デュエル:ビリー・ザ・キッド(ウィリアム・ボニー)
パトリック・ノウルズ:ジョン・ヘンリー・タンストール
グレン・コーベット:パット・ギャレット
アンドリュー・プライン:アレクザンダー・マックスウィーン
リンダ・デイ:スー・マックスウィーン
パメラ・マクマイラー:サリー・チザム
ジョン・エイガー:エイモス・パットン
ロバート・ドナー:モートン保安官補
ジョン・ミッチャム:ベイカー保安官補
クリストファー・ミッチャム:トム・オフォリアード
エドワード・フォークナー:ドーラン
アラン・バクスター:アクテール知事
ハンク・ウォーデン:エルウッド駅長
ペドロ・ゴンザレス=ゴンザレス:メキシコ人牧場主
クリフ・ライオンズ:牧童頭
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1970年製作 111分
公開
北米:1970年7月29日
日本:1970年10月
北米興行収入 $12,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1878年、ニューメキシコ準州。
広大な土地を所有する大牧場主ジョン・チザム(ジョン・ウェイン)は、東部から訪れる姪のサリー(パメラ・マクマイラー)を、相棒のジェームズ・ペッパー(ベン・ジョンソン)と共に迎えに行く。
悪徳保安官ブラディ(ブルース・キャボット)は、町で勢力を伸ばしてきたローレンス・マーフィー(フォレスト・タッカー)と手を組み、チザムの馬を無法者に盗ませる。
町に着いたチザムは、駅長エルウッド(ハンク・ウォーデン)の、当てにならない駅馬車の到着時刻の掲示に目をやる。
その後チザムは、雑貨店主のエイモス・パットン(ジョン・エイガー)が、マーフィーに店を乗っ取られて、町を出て行くことを知る。 直後に、馬を盗まれたことを知らされたチザムは、早速、ペッパー達と馬泥棒を追う。 チザムは、隣人のイギリス人牧場主ヘンリー・タンストール(パトリック・ノウルズ)と、雇い人ビリー・ザ・キッド/ウィリアム・ボニー(ジョフリー・デュエル)の援護で無事に馬を取り戻す。 タンストールに感謝したチザムは、サリーの歓迎パーティーに、ビリーを招待する。 その後チザムは、町の酒場で、マーフィーに声をかけられ、隣人として親交を求められるが、それをきっぱりと拒絶する。 マーフィーは、チザムに対抗し、あくどい方法で土地を買い取り地域を牛耳ろうとしていた。 やがて駅馬車は到着し、サリーは、マーフィーの弁護士アレクザンダー・マックスウィーン(アンドリュー・プライン)と妻スー(リンダ・デイ)達と共に現われる。 タンストールからその働き振りを評価され、牧童頭になったビリーは、旧友でマーフィーに雇われた殺し屋ジェス・エヴァンス(リチャード・ジャッケル)に町で出くわす。 その夜、チザムの牧場でサリーの歓迎パーティーが開かれ、彼女はビリーに惹かれる。 その頃、チザムの土地に流れ者パット・ギャレット(グレン・コーベット)が現れ、マーフィーに雇われたエヴァンスらの襲撃を食い止める。 チザムの牧場に向かい、彼に気に入られたギャレットは、サリーを見て一目で惹かれてしまう。 ギャレットは、サリーと踊っていたビリーを、噂を知っていたために警戒する。 マーフィーは、チザムの土地を奪う計画をマクスイーンに話し、仲間のブラディ保安官やエヴァンスを紹介する。 チザムとタンストールは、住民に圧力をかけるマーフィーの手口に対抗する方法を考え始める。 その後、マーフィーは軍にも手を回し、チザムの商売を妨害しようとする。 マクスイーンは、マーフィーの企みに嫌気が差し、彼を見限ってチザムに協力し、タンストールとも組み、銀行と雑貨屋を開くことにする。 やがて、ビリーとチザムに雇われたギャレットは、仕事で遠出をするが、ビリーへのサリーの想いは募る。 そんな時、町に現れた賞金稼ぎダン・ノディーン(クリストファー・ジョージ)に目を付けたマーフィーは、彼がビリーに恨みを持っていることを知る。 ビリーとギャレットの一行は、エヴァンス一味に襲われ、負傷したビリーをサリーが看病する。 復讐しようとするチザムを制止したタンストールは、知事のアクテール(アラン・バクスター)に、マーフィーの悪事を直訴しようとする。 しかし、マーフィーの罠にはまったタンストールは、モートン(ロバート・ドナー)とベイカー(ジョン・ミッチャム)の両保安官補に殺されてしまう。 マーフィーは、先手を打って知事を丸め込むが、チザムは犯人の保安官補モートンとベイカーを捕らえる。 恩人のタンストールを殺されたビリーは、保安官補二人とブラディ保安官を殺して逃亡してしまう。 それを知ったマーフィーは、チザムの行為を容認した判事の権限を奪うよう、知事に圧力をかける。 町に戻ったマーフィーは、かつてビリーに撃たれた恨みを持っているノディーンを保安官に任命し、ビリーを指名手配させる。 マーフィーの謀略に、我慢の限界に達したチザムは、彼を威嚇して殴り倒す。 サリーは、ビリーに復讐を止めさせようとしてと説得し、チザムは、ビリーのとった行動を非難する。 そしてチザムは、ビリーを見逃す代わりに、二度と牧場に戻らないことを約束させる。 ビリーは、牧童仲間のトム・オフォリアード(クリストファー・ミッチャム)らとマーフィーの銀行を襲い、彼を誘き出して殺そうとする。 その頃、姿を消したビリーを思いながらも、サリーは次第にギャレットに惹かれていく。 ダイナマイトを手に入れようとしたビリーは、マクスイーンの店に忍び込み、彼に気づかれて、復讐を止めるよう説得される。 ビリーはマクスイーンの忠告に耳を貸さなかったが、ノディーンに見つかり、店に籠城することになる。 マクスイーンは、妻スーを逃がすことをマーフィーに承知させ、ビリーらを軍に投降させようとする。 ビリーがそれに納得しないため、マクスイーンが店から出ようとするが、ノディーンはそれに承知せずに、降伏させようとする。 再び撃ち合いが始まり、スーがチザムの元に助けを求めに行き、それに気づいたマーフィーは、チザムを迎え撃ちにしようとする。 劣勢のビリー達を見て、マクスイーンはマーフィーと話し合おうとするが、彼はノディーンに撃たれてしまう。 ノディーンは、ビリーが立て篭もっている店に火を放つが、そこにチザムが現れ、牛の大群を暴走させて町になだれ込む。 チザムは、マーフィーを見つけて格闘になり、ビリーはエヴァンスを倒す。 大乱闘の末に、チザムはマーフィーを倒し、ノディーンはボスが死んだのを知って逃げ出しビリーがそれを追う。 その後、ルー・ウォーレス将軍が、ニューメキシコ準州の知事に就任し、ギャレットは、町の保安官に指名されてサリーと結ばれる。 そして、町の騒動を終結させて安堵するチザムは、丘にたたずみ、いつまでも自分の土地を眺めていた。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1878年、ニューメキシコ準州。
大牧場主ジョン・チザムは、自分の土地を奪い勢力を伸ばそうとするマーフィーと対立していた。
マーフィーは、悪徳保安官のブラディと手を組み、チザムの馬を盗もうとする。
しかし、チザムの隣人で、イギリス人牧場主タンストールと、彼に雇われるビリー・ザ・キッドの援護で馬を取り戻す。
チザムは、それでも歩み寄ってくるマーフィーを拒絶し、その後、牧場に現れたパット・ギャレットを気に入る。
やがて、チザムとタンストールは、マーフィーの弁護士として雇われたマックスウィーンも、彼の行動に嫌気が差していることを知り、手を組み謀略に屈することなく立ち向かうのだが・・・。
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実際には、主人公のジョン・チザムが、この事件の”リンカーン郡戦争”にどのように関与したかの詳細は不明で、かなり脚色されてはいる。
しかし、二つの派閥がぶつかり合った経緯などが、結構リアルに表現され、尚且つ西部劇の、娯楽としての醍醐味を大いに盛り込んだ、アンドリュー・V・マクラグレンの演出による、派手なアクションなども見ものの痛快作だ。
主演のジョン・ウェインは、威厳のある大牧場主ジョン・チザムのイメージにピッタリで、恐れや妥協を全く知らない、善玉の大ボスを豪快に演じている。
本作では、実在の人物を演じているということで、ウェインは、本来アンドリュー・V・マクラグレン作品ならば使用するはずである、「赤い河」(1948)のバックル”RED RIVER D”はしていない。
ウェインは、アカデミー主演賞を受賞することになる、「勇気ある追跡」(1969)のノミネートを、本作の撮影中にセットで知ることになる。
ウェインとは「硫黄島の砂」(1949)でも共演した、体格では負けていない、対立するローレンス・マーフィー役のフォレスト・タッカー、雇い主が死ぬとあっさり消えてしまう賞金稼ぎのクリストファー・ジョージ、ウェイン作品の常連、主人公の右腕のベン・ジョンソン、同じくウェインの盟友、悪徳保安官ブルース・キャボット、小柄ながら、いい面構えをしている殺し屋リチャード・ジャッケル、若者らしく生き生きとビリー・ザ・キッドを演じたジョフリー・デュエル、そのビリーを改心させようと優しく見守る牧場主ジョン・タンストールを演ずるパトリック・ノウルズ、後にビリーを殺すことになるパット・ギャレットのグレン・コーベット、事件に巻き込まれて犠牲になる法律家アレクザンダー・マックスウィーン役のアンドリュー・プライン、その妻リンダ・デイ、チザムの姪でビリーに心奪われるパメラ・マクマイラー、ウェイン作品には欠かせない存在、フォード一家の一員、駅長のハンク・ウォーデン、雑貨店店主エドワード・フォークナー、ロバート・ミッチャムの弟で保安官補役のジョン・ミッチャム、息子で牧童役クリストファー・ミッチャム、1940年代末「アパッチ砦」(1948)や「黄色いリボン」(1949)、「硫黄島の砂」(1949)でウェインと共演したジョン・エイガーが町を追放される店主役で、「リオ・ブラボー」(1959)でウェインと共演したペドロ・ゴンザレス=ゴンザレス、そして、牧童頭、フォード一家のクリフ・ライオンズが端役として登場する。
尚、クリストファー・ジョージは、共演したリンダ・デイとその後、結婚する。