シャイラク Chi-Raq (2015)

翌日、リシストラは、スパルタンズとトロージャンズの抗争の巻き添えになり、7歳の少女パティが死亡した現場を通る。

目撃者は報復を恐れて口を閉ざし、娘の死を知ったアイリーン（ジェニファー・ハドソン）は悲しみ、駆け付けたマイク・コリダン神父（ジョン・キューザック）も慰めようがなかった。

その場にいた者達が傍観しているだけであるため怒りを露にするアイリーンは、デミトリアスの恋人リシストラに、天罰が下ると伝えて罵倒する。

ヘレンの家を訪ねたリシストラは、デミトリアスといるのは危険なために行く当てがないことを伝えて、居候させてもらうことになる。

リシストラが孤児で悲惨な人生を歩んだことなどを知ったヘレンは、人は心がけ次第で変われると言って、様々なことを調べてみることを提案する。

ネットでリベリアの平和運動家レイマ・ボウィのことを調べたリシストラは、彼女が平和を求める女性運動を指揮して”第二次リベリア内戦”の終結をもたらし、セックス・ストライキを起こして男性の考えを変えさせたことを知る。

悲しみが癒えることがないアイリーンがインタビューを受ける姿を見て心が痛むリシストラは、友人のラシーダ（アーニャ・エングル＝アダムス）らの協力を得て、運動を起こそうとする。

サイクロプスの恋人インディゴ（ミシェル・ミッチェナー）らと話し合ったリシストラは、抗争を止めさせたいと言う考えで意見は一致し、完全にセックスを断つことを提案する。

娼婦達などにも協力させることを考えたリシストラらは、殺し合いを止めるまではセックスしないという誓いを立てる。

その後、デミトリアスはリシストラに、サイクロプスはインディゴに拒まれて苛立つ。

欲求不満を解消するためにクラブに向かったデミトリアスは、女が消えてしまったことを知る。

ストリップバーに向かったサイクロプスは、オーナーのモリス（デイヴ・シャペル）から、30人のダンサーと連絡が取れないと言われる。

教会でパティの葬儀が行われ、その死を悼むコリダン神父は、乱れた社会を批判し、目撃者が名乗り出ないことに不満を訴える。

5000ドルの懸賞金を教会が出すと言うコリダンは、悪夢を終わらせなくてはならないと力説して正義を訴える。

今回の案は平和をもたらすことができないとリシストラらに話すコリダンは、それが自分達を救えることか考えるようにと伝える。

ラシーダに嫌がらせをした軍のキング・コング将軍（デヴィッド・パトリック・ケリー）の元に向かい入隊を希望したリシストラは、色仕掛けで彼を誘惑し、幹部らを拘束して本部を占拠する。

その頃ヘレンも、自分が運営する”良識の館”で、セックス・ストを訴える。

それに対抗するオールド・デューク（スティーヴ・ハリス）らは、ヘレンらのデモ隊と衝突する。

軍本部に駆け付けたブラデス警視総監（ハリー・レニックス）は、75人の非武装の黒人女性が建物を占拠し、人質は解放されたことを知らされる。

マクラウド市長（Ｄ・Ｂ・スウィーニー）に電話をしたブラデスは、女性達を扇動しているリシストラは秘書だったと言われ、彼女達を欲情させる作戦を提案する。

同じ頃、リシストラらの運動は世界各国に広まっていた。

ヘレンは、妹の10歳の息子が死亡する確率が高い地域に住んでいるため、保険加入を勧めに来た外交員のモローバーンズ（ロジャー・グーンヴァー・スミス）を追い払う。

アイリーンらと共に街でチラシ配りをするコリダンは、パティ殺害の目撃者を捜す。

何とか女をさがして愛し合ったデミトリアスは、リシストラに連絡するものの受け入れてもらえなかった。

リシストラらの軍本部占拠は続き、コリダンとアイリーンの平和運動が行われる中、スパルタンズとトロージャンズは武器を用意して抗争に備える。

”欲情”作戦を決行したブラデスだったが、失敗に終わる。

デミトリアスとサイクロプスは、部下達が武器を用意しても考え込むだけで何もしないために憤慨する。

軍本部に入ることを許されたオールド・デュークらだったが、相手をする気も戦う気もないリシストラに追い払われる。

世界各地の平和運動は拡大し、マクラウドは、大統領から責任を追及されていることをブラデスに伝え、解決するよう命ずる。

コリダンと話し合ったデミトリアスは、何の解決策も見つけられないまま、迎えに来たブラデスと共に軍本部に向かう。

セックスで戦い負けたらストを止めるようにと言ってリシストラを説得したデミトリアスは、勝ったら望むものを渡すと伝える。

二人のセックス対決は公開されるが、そこにサイクロプスが仲間と共に現れ、殺し合いをするよりインディゴが欲しいとデミトリアスに伝える。

リシストラがサイクロプスを呼んだことを知ったデミトリアスは、彼からこれで手を引くと言われる。

サイクロプスらは、武器を置いてその場を去る。

その後、平和運動側とギャング達及び、全米500社との就労・最低賃金保証協定が結ばれたことをマクラウド市長は発表する。

和平協定の調印式が行われるうが、納得いかないデミトリアスはその場を去ろうとする。

アイリーンをはじめとした子供を失った親達が現れ、20年前に10歳の娘パムが流れ弾に当たって死んだことを話すヘレンは、自白しに来たのがデミトリアスの父ジャメルだったことを彼に伝える。

ジャメルが善人になろうとしていたと言うヘレンは、自分はなれるかをデミトリアスに問う。

善人になってほしいと言われたデミトリアスは、涙しながら跪き、アイリーンにパティを殺したことを伝える。

神に祈りを捧げながら取り乱しそうになるアイリーンに歩み寄るコリダンは、彼女を落ち着かせる。

デミトリアスは、皆も自分のように非を認めて罪を告白し、苦しみを抑え込むなと伝えながら連行される。

コリダンは、デミトリアスなら立ち直れるとリシストラに伝える。