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チャイナタウン Chinatown (1974)

1930年代後半のロサンゼルスを舞台に、利権が絡む殺人事件に巻き込まれる私立探偵の行動を描く、監督、出演ロマン・ポランスキー、主演ジャック・ニコルソンフェイ・ダナウェイジョン・ヒューストン他共演による往年の”フィルム・ノワール”作品を再現させたサスペンス映画の傑作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

ジャック・ニコルソン / Jack Nicholson 作品一覧
ジャック・ニコルソン / Jack Nicholson / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ロマン・ポランスキー

製作:ロバート・エヴァンス
脚本:ロバート・タウン
撮影:ジョン・A・アロンゾ
編集:サム・オスティーン
美術・装置
リチャード・シルバート

W・スチュアート・キャンベル
ルビー・R・レヴィット
衣装デザイン:アンシア・シルバート
音楽:ジェリー・ゴールドスミス

出演
ジャック・ニコルソン:J・J”ジェイク”ギテス
フェイ・ダナウェイ:エヴリン・クロス・モーレイ
ジョン・ヒューストン:ノア・クロス
ダイアン・ラッド:アイダ・セッションズ
ペリー・ロペス:ルー・エスコバー警部補
ジョン・ヒラーマン:ラス・イェルバートン
ロマン・ポランスキー:ナイフの男
ジョー・マンテル:ローレンス・ウォルシュ
ブルース・グローバー:ダフィ
バート・ヤング:カーリー
ジェームズ・ホン:カーン

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1974年製作 130分
公開
北米:1974年6月20日
日本:1975年4月12日
製作費 $6,000,000
北米興行収入 $30,000,000


アカデミー賞 ■
第47回アカデミー賞

・受賞
脚本賞
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ジャック・ニコルソン
主演女優(フェイ・ダナウェイ
編集・撮影・録音・美術・衣装デザイン・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1930年代後半、ロサンゼルス
私立探偵J・J”ジェイク”ギテス(ジャック・ニコルソン)は、妻の浮気を知り気落ちする依頼人カーリー(バート・ヤング)を慰めていた。

その後ギテスは、”モーレイ夫人”と名乗る女性(ダイアン・ラッド)から、水源電力局局長の夫の浮気調査を依頼される。

調査を始めたギテスは、同僚のローレンス・ウォルシュ(ジョー・マンテル)やダフィ(ブルース・グローバー)らの協力で、局長に若い愛人がいるのを突き止める。

しかし、そのスキャンダルが、ギテスの知らぬ間に新聞沙汰になってしまう。

そして、ギテスのオフィスに、依頼人とは違う”モーレイ夫人”エヴリン・クロス・モーレイ(フェイ・ダナウェイ)が現れ、名誉毀損の告訴状を叩きつけられてしまう。

局長の元に向かったギテスは、彼の留守中にオフィスを探り、ある手がかりを入手してモーレイ邸に向かう。
...全てを見る(結末あり)

ギテスはエヴリンに会い、夫が危険にさらされていることを知らせ、彼がいるという貯水池に向かう。

貯水池の手がかりを掴んでいたギテスだったが、局長が現場で死体で発見されたことを、その場にいたルー・エスコバー警部補(ペリー・ロペス)から知らされる。

夫の遺体を確認したエヴリンは動揺し、ギテスを雇ったと彼が口裏を合わせてくれたことに感謝し、小切手を送ると言って立ち去る。

日照り続きで水不足の中、水のない川で泥酔した男が死んだことにギテスは疑問を持つ。

深夜に再び貯水池を調べたギテスは、何者かに発砲された直後、突然、放水が始まったことに驚き、ナイフを持った男(ロマン・ポランスキー)に鼻を切られて脅される。

翌日、”モーレイ夫人”を装ったアイダ・セッションズ(ダイアン・ラッド)からの電話を受けたギテスは、局長の死亡で大事になる恐れがあることを知らされる。

ギテスは、アイダから新聞の死亡欄に手がかりがあるとも知らされ、その後、彼はエヴリンに会い隠し事がないかを問質す。

エヴリンは、夫の浮気を知っていたことと、自分も同様だったことをギテスに話す。

ギテスは、局長は他殺で、何者かが貯水池の水を捨てていることに気づいたために彼は殺されたことを伝え、エヴリンがまだ何かを隠していることを察し、憤慨してその場を立ち去る。

その後ギテスは、水源の持ち主だった実力者で、エヴリンの父ノア・クロス(ジョン・ヒューストン)と局長との深い関係を知る。
新局長ラス・イェルバートン(ジョン・ヒラーマン)がアイダを雇ったと、本人に伝えたギテスは、黒幕を見つければ、局長のイスに座り続けられると言い残しその場を立ち去る。

エヴリンは、夫の死の真相と、その関係者発見の報酬5000ドルをギテスに提示するが、父クロスと夫のことを彼に聞かれ動揺し、2人が対立していたことを話す。

クロスに会いに行ったギテスは、殺されたとギテスが言い張る娘婿(局長)の愛人捜しを、1万ドルで依頼される

その後ギテスは、水源電力局が貯水池から密かに給水していると見られる、オレンジ畑などが広がる一帯を調べる。

局員か不動産業者と間違われたギテスは、地主に痛めつけられて気を失い、エヴリンが彼を迎えに来る。

ギテスは、地主から買い叩いた土地に水を供給し地価を上げようとしている企みに気づき、それを知ったエヴリンの夫が殺されたことを確信する。

新聞の死亡欄にあった名前と、土地購入者の名前が一致したことからも、陰謀は明らかだった。

土地の地主達が、老人ホームの入居者だと気づいたギテスは、エヴリンとそこに向かう。

ギテスは、施設がクロスと関係があることを知るが、再びナイフの男の一味に襲われ、それを振り切る。

屋敷に戻り、かつてギテスが、チャイナタウンの地方検事局にいた警察官だったことを知ったエヴリンは、その頃の話を聞きたがる。

2人は結ばれるが、ギテスは検事局時代の話に触れたがらなかった。

電話を受けたエヴリンは、落ち着きをなくして出かけると言い出し、ギテスが父クロスと会ったことを知る。

ギテスが、クロスに局長の愛人を捜せとも言われたことを伝えると、エヴリンは動揺して外出してしまう。

エヴリンを尾行したギテスは、夫の愛人を彼女が匿っていることを知る。

エヴリンを待ち構えていたギテスは、彼女が妹だということを知らされる。

その後、ギテスはアイダに会いに行くよう連絡を受け、彼女が殺されていることを確認するが、呼び出したのはエスコバー警部補だった。

エスコバーは、局長の肺から海水が出たことから、エヴリンが夫を殺し、貯水池での事故死を装ったと推理する。

そして、エスコバーはエヴリンが犯人だと決めつけ、ギテスも容疑者扱いする。

エヴリンの家の池には海水が入れられ、その中で夫の物らしき眼鏡を見つけたギテスは、夫が自宅で殺されたと考え、彼女を追求する。

そしてギテスは、局長の愛人は、自分の娘であり妹でもある、つまり、父クロスとエヴリンの間の子だということを知らされる。

家出をした15才のエヴェリンは、メキシコで夫に知り合い、世話をしてもらったというのだ。

眼鏡が夫の物ではないことを言い残し、エヴェリンは娘を連れて使用人のカーン(ジェームズ・ホン)の元に身を潜める。

その後、エスコバーが現れ、ギデスは、エヴリンの元に案内するよう強要される。

依頼人のカーリーの協力で、エスコバーをまいたギテスは、彼の借金を帳消しにして、エヴリン逃亡の手助けをさせる。

エヴリンの屋敷にクロスを呼び出したギテスは、局長を殺した彼の企んだ陰謀を聞かされ、娘達の潜むチャイナタウンに案内させられる。

待ち構えていたエスコバーに、ギテスは、クロスが犯人だということを伝えるが、彼はそれを信じない。

クロスは娘達に詰め寄るが、エヴリンが父の腕を撃ち逃走し、彼女は警官の銃弾で命を落とす。

そして、クロスは娘を連れ去り、拘束されていたギテスは、呆然として立ち尽くし、その後エスコバーに解放される。

納得がいかないギテスだったが、同僚のダフィとウォルシュに寄り添われて、その場を立ち去ろうとする。

そして、ギテスはウォルシュに、ここはチャイナタウンなので、忘れることだと助言される。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
私立探偵J・J”ジェイク”ギテスは、水源電力局局長の妻だという女性から、夫の浮気調査を依頼される。
局長に若い愛人がいることを知ったギテスだったが、彼の知らないところで、それが大きなスキャンダルになってしまう。
やがて、本当の局長夫人エヴリンが現れギテスは名誉毀損で訴えられ、局長は事故死してしまう。
命も狙われたギテスは、貯水池の水が絡む利権を知った局長が殺されたと考える。
エヴリンが、何かを隠していることに気づいたギデスは、彼女にそれを追求する。
その後ギテスは、実力者であり、水源地の持ち主だったエヴリンの父親クロスが、局長と深い関係であったことも知る。
そして、クロスに会ったギテスは、彼から娘婿(局長)の愛人を捜すことを依頼されるのだが・・・。
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1940~1950年代の作品にはあまりなかった、社会情勢の歪んだ側面を盛り込んでいるところなどが斬新で、1930年代の雰囲気を見事に再現したセットなども素晴らしい、1970年代を代表する非常に評価が高い作品でもある。

ジェリー・ゴールドスミスの音楽も、空虚なイメージの作品を効果的に盛り上げる。

第47回アカデミー賞では作品賞をはじめ11部門にノミネートされ、脚本賞(ロバート・タウン)を受賞した。
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ジャック・ニコルソン
主演女優(フェイ・ダナウェイ
編集・撮影・録音・美術・衣装デザイン・作曲賞

1991年、アメリカ議会図書館国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

シャロン・テートの惨殺事件(1969年8月)のショックによりヨーロッパに逃れていたロマン・ポランスキーが、ハリウッドに戻り演出したことでも話題になった作品。

既にその演技力を認められていたジャック・ニコルソンは、ハリウッドの実力派として、翌年の「カッコーの巣の上で」(1975)で見事にアカデミー主演賞を受賞することになり、その前哨戦のような作品でもあった。
フィルム・ノワール時代の主人公とは一味違う、茶目っ気や人間味が見え隠れする人物を見事に演じている。

同じく、当時のハリウッドのNo.1女優である、1930年代の雰囲気に溶け込んだ妖艶な魅力のフェイ・ダナウェイの好演も光る。

事件の黒幕を豪快に演ずる、ジョン・ヒューストンの迫力と貫禄も存在感抜群だ。

謎の依頼人役のダイアン・ラッド、主人公を脅すナイフの男ロマン・ポランスキー、妻の浮気に悩む依頼人バート・ヤング、警部補ペリー・ロペス、新局長ジョン・ヒラーマン、主人公の同僚役ジョー・マンテルブルース・グローバー、エヴリン(F・ダナウェイ)の使用人ジェームズ・ホンなどが共演している。


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