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チャイナ・ゲイト China Gate (1957)

第一次インドシナ戦争終結後のフランス領インドシナを舞台に、共産軍の弾薬庫爆破作戦を遂行する傭兵部隊と案内役の女性の戦いを描く、製作、監督、脚本サミュエル・フラー、主演ジーン・バリーアンジー・ディキンソンナット・キング・コールリー・ヴァン・クリーフ他共演の戦争ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(戦争)


スタッフ キャスト
監督:サミュエル・フラー

製作:サミュエル・フラー
脚本:サミュエル・フラー
撮影:ジョセフ・バイロック
編集:ジーン・ファウラーJr.
音楽
ヴィクター・ヤング
マックス・スタイナー

出演
ジョニー・ブロック軍曹:ジーン・バリー
リア/ラッキー・レグス:アンジー・ディキンソン
ゴールディ:ナット・キング・コール
コモン大尉:ポール・デュボフ
チャム少佐:リー・ヴァン・クリーフ
ピガール伍長:ジョージ・ギヴォット
アンドレアデス二等兵:ジェラルド・ミルトン
リアン:ナイル・モロー
ポール神父:マルセル・ダリオ
デ・サラス大佐:モーリス・マルサック
チャーリー:ジェームズ・ホン
クルーガー伍長:ポール・ブッシュ
ジャシー二等兵:サーシャ・ハーデン

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1957年製作 97分
公開
北米:1957年5月22日
日本:2016年1月31日
製作費 $150,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1954年、フランス領インドシナ
第一次インドシナ戦争の終結でフランスが撤退し、共産軍は中国国境の町や村を破壊していた。

抵抗するフランス外人部隊を中心とした傭兵部隊は、”チャイナ・ゲート”と呼ばれる武器弾薬が隠された場所から約160キロのサントイという村を最後の砦としていた。

物資は奪われて弾薬も底を尽き飢えと戦っていた兵士と人々にとって、アメリカ軍が投下する救助物資が命綱だった。

子犬を隠していた少年はナイフを持った老人に追われて、兵士の元に向かい身を潜める。

上空には輸送機が現れて支援物資が投下され、人々はそれを拾いに行く。

ユーラシア人中国人の混血女性である、バーの経営者である母親リア(アンジー・ディキンソン)の元に向かった少年は、彼女が物資を取りに行ったためにその場に残る。
...全てを見る(結末あり)

撃墜された輸送機から物資を運び出したリアは、デ・サラス大佐(モーリス・マルサック)の元に向かい、コモン大尉(ポール・デュボフ)に挨拶する。

大佐と話したリアは、チャイナ・ゲートの周辺の山に無数のトンネルがあり、大量の弾薬が隠されている正確な場所を知っているはずだと言われる。

共産軍のチャム少佐(リー・ヴァン・クリーフ)との関係も訊かれたリアは、5000ドルの報酬とサイゴンに店を出すという大佐からの提案にも応じようとしない。

息子をアメリカに行かせることを条件にしたリアは、難題だが検討すると言う大佐から、ジョニー・ブロック軍曹(ジーン・バリー)が部隊にいることを知らされる。

ブロックが現れたために驚いたリアは、取引はなしだと言ってその場を去る。

朝鮮戦争で戦ったアメリカ人のブロックは、リアと結婚したものの捨てたことを大佐に話す。

混血には見えない彼女との間に生まれた子供の容姿が中国系だったために、それが気になりその場を去ったことを、ブロックは大佐と大尉に伝える。

リアが今回の任務を受ける条件は、息子をアメリカに行かせることだと言われたブロックは戸惑う。

その後、式を挙げてもらったポール神父と話したブロックは、敵の武器庫を爆破するためにはリアの協力が必要であるため、説得してほしいと伝える。

虚栄心でリアと結婚したブロックに偽善者だとと伝えた神父は、”ラッキー・レグス”と呼ばれる彼女が、ゴシップに惑わされず必死に子供を育てたことを話す。

共産軍に脚を切られリアに助けられた神父は、彼女とは関わるべきではなく諦めるようにとブロックに伝える。

リアの元に向かったブロックは、中国系を嫌っているものの、彼女は中国人には見えなかったと話し、追い払われそうになる。

息子に近づくブロックは、この機会を逃したらアメリカには行かせられないとリアに伝えてその場を去る。

仕方なく任務を引き受けたリアは、部隊に合流する。

コモン大尉とブロックは、朝鮮戦争の戦友でもあるゴールディ(ナット・キング・コール)、他クルーガー伍長(ポール・ブッシュ)、チャーリー(ジェームズ・ホン)、ピガール伍長(ジョージ・ギヴォット)、アンドレアデス二等兵(ジェラルド・ミルトン)、ジャシー二等兵(サーシャ・ハーデン)、リアン(ナイル・モロー)らと共に出発の準備を始め、危険な爆薬の点火薬の話をする。

共産軍に怪しまれずに川を下ったリアは、船を降りて兵士達を案内し、皆から中国系には見えないと言われる。

夜中に目覚めたジャシーは、ゴールディをロシア兵だと思い襲い掛かる。

皆に制止されたジャシーはゴールディに謝罪し、辛い戦争経験を話して動揺する。

ジャシーが選ばれた兵士だとは思えないブロックはコモンに不満を訴え、任務の邪魔になるので死んでもらうしか方法はないと伝える。

二度と眠らないことを約束して命乞いをするジャシーは、ブロックから、再び悪夢を見たら容赦なく殺すと言われる。

ゴールディから、睡眠薬でも飲むようにと言われたジャシーは安堵する。

翌日、ある遺跡に着いた部隊は、リアが共産軍兵士に酒を飲ませている隙に、地雷原を避けて前進する。

地雷が爆発したために発砲した兵士は、自爆してしまう。

夜になり、警戒しながら進むリアは、ツリーハウスの監視台の兵士を殺すと言ってその場に向かう。

監視兵にいとこのリアンと友人と共に来たことを伝えたリアは、一人でツリーハウスに上り、兵士にコニャックを渡して抜け道の情報などを得る。

夜は移動しない方がいいと言われたリアは、リアンに朝まで待つことを伝える。

リアが監視兵を油断させた隙に、ツリーハウスに上ったブロックは兵士を殺す。

その場でリアを護衛するようにとコモンから言われていたブロックは、彼女から外人部隊に入った理由を訊かれる。

共産主義者が嫌いだと答えたブロックは、それを否定するリアから子供のためだと言われ、彼は反論できなかった。

世界中を回っているにも拘らず偏見を持つ男だと、見抜けなかったことを後悔するリアは、誰でも過ちは犯すと言われて抱きしめられる。

それを拒まないリアは、ブロックから、5年間、毎日、想い続けたと言われ、自分も同じだと伝える。

謝罪するリアは、息子がいたために幸せだったことを伝えて、自分がどれだけ夫のことを愛しているか、毎晩、息子に話していたと言ってブロックを抱きしめる。

必ず任務を遣り遂げて、家族でアメリカに行くことを提案したリアは、それはできないと言うブロックから理解を求められる。

殺すべきだったのは自分だったと言われたブロックは、その場を去り、リアは泣き崩れる。

翌日、山岳地帯を進む部隊だったが、アンドレアデスが土手から落下して背骨を骨折してしまう。

アンドレアデスは息を引き取り、皆は彼を埋葬する。

その夜、ツリーハウスでのことをリアに話したブロックは、あの場で希望を持たせるようなウソをつく気になれなかったことを伝える。

周囲と違う自分はこだわらないで生きて来たと話すリアは、息子であるにも拘わらず、人種にの違いを気にするブロックの考えを理解しようとしない。

銃撃を受けてピガール(ジョージ・ギヴォット)が殺され、ブロックは、狙われているゴールディの元に向かい、船の上から攻撃する敵を倒す。

その後、爆薬45キロと点火薬50個を確認したブロックは、点火薬を半分ゴールディに渡す。

翌日、リアはある町に偵察に向かい、林の中で待機していたブロックらは、現地の子供に見つかる。

子供を追ったゴールディは、自分達のことを知った共産軍の兵士を殺すものの、罠を踏んでしまい怪我をする。

地雷ではなくて幸いだと言われながら、ブロックに手当てをしてもらったゴールディは、息子のことを考えない彼を卑怯者呼ばわりする。

自分に子供ができず、それを気に病んだ妻が死んだことを話すゴールディは、リアに何かあれば、自分が息子を連れて帰国することをブロックに伝える。

戻って来たリアは、町中に兵士がいることをブロックらに伝えて、ゴールディが怪我をしたことを知る。

モイ族の村落に向かったリアは歓迎され、人々と共に”ラ・マルセイエーズ”を歌い、その隙にブロックらはその場を通り抜ける。

翌日、町に向かい駐留するチャム少佐に歓迎されたリアは、助けてほしいと伝えるものの、どこも危険地帯で安全な場所はないと言われる。

共産軍が勝てば出世は約束され、モスクワで新しい人生を送れるかもしれないと話すチャムは、自分の妻になれば子供は安全に暮らせることを伝リアにえる。

武器の在りかを知らないフランス軍の負けは確実だと、チャムはリアに話す。

大量の弾薬などが隠されている場所に案内されたリアは、チャムから結婚を迫られ、今夜、返事をすると伝える。

コモンらの元に戻り弾薬庫のことなどを話したリアは、ブロックから今までのことを謝罪され、もう一度、妻になってほしいと言われて抱き合う。

ブロックは、自分を恨んでいただけのリアが離婚届けを出していないことを知り、任務を成功させたいと言う彼女と仲間と共に町に向かう。

二人の様子を見ていたゴールディは、満足げに笑みを浮かべる。

リアの案内で町に向かい、監視兵を殺して弾薬庫に爆薬を仕掛けたブロックらは避難する。

チャムに呼び止められたリアはその場に留まり、コモンは、彼女が戻らないまま爆破するようブロックに命ずる。

コモンを説得したブロックは、2分待つと言われる。

子供と共に三人でモスクワに行けるとリアに伝えたチャムは、電話を受けて、爆弾が仕掛けられていることを知る。

それをリアに追及したチャムは、見つかった配線を切断したことを伝えて、息子をアメリカに送るためにしたと言われる。

チャムを窓から突き落としたリアは、その場から逃れる。

配線が切れていることに気づいたブロックは、コモンから早く爆破しろと言われる。

弾薬庫に向かったリアは爆薬を爆破させて、大爆発が起きる。

コモンからリアは死んだと言われたブロックは、それを信じようとせずに弾薬庫に向かおうとする。

引き留められたブロックは、攻撃に遭い怪我をしたコモンとゴールディと共に輸送機を奪い飛び立つ。

意識を失いかけたコモンは、サントイ村の付近に輸送機を何とか不時着させるものの、息を引き取る。

その後、手続きを済ませたブロックは、息子を連れてアメリカに向かうことになる。

ゴールディは、村を去るブロックと息子を見守る。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1954年、フランス領インドシナ
第一次インドシナ戦争の終結でフランスが撤退し、共産軍は中国国境の町や村を爆撃していた。
”チャイナ・ゲート”と呼ばれる弾薬庫を破壊しようとする、フランス外人部隊を中心とした傭兵部隊は、現地に詳しいユーラシア人中国人の混血女性で”ラッキー・レグス”と呼ばれるバーの経営者リアに協力を求める。
それを断るリアだったが、息子をアメリカに行かせることを条件にする。
ところが、朝鮮戦争で戦ったアメリカ人のブロックが部隊にいることを知ったリアは、取引はなしだと言ってその場を去る。
リアと結婚していたブロックは、生まれた息子が中国系の容姿だったために、妻子を捨てたのだった。
息子をアメリカに行かせるチャンスだと言ってリアを説得したブロックは、彼女を案内役にして、指揮官のコモン大尉、戦友のゴールディらコマンド部隊と共に”チャイナ・ゲート”に向かうのだが・・・。
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第一次インドシナ戦争終結後のフランス領インドシナを舞台に、共産軍の弾薬庫爆破作戦を遂行する傭兵コマンド部隊の戦いを描く、サミュエル・フラーが製作、監督、脚本を担当した意欲作。

爆破作戦の案内役が、妖艶な魅力の女性だという点が斬新なドラマで、ユーラシア人中国人の混血でもある彼女と、中国系を嫌うアメリカ人兵士でもある夫との関係も含め、人種問題なども絡めた内容が、戦闘場面だけでなく興味深く描かれている。

第二次大戦で従軍し、激しい戦いを切り抜けた経験を持つサミュエル・フラーのリアルな演出も見どころで、傭兵部隊の男臭さの中で、紅一点である案内役の混血女性を演ずるアンジー・ディキンソンの魅力も生かした力作に仕上がっている。

日本では長らく未公開だったが、なんと59年後の2016年に初公開された。

主演のジーン・バリーは、人種偏見を持つ朝鮮戦争で戦ったアメリカ人の傭兵を熱演し、彼の考えを正す、その戦友であるナット・キング・コールが印象深い役柄を演じ、甘い歌声も披露してくれる。

ヒロインと関係を持つ共産軍の少佐リー・ヴァン・クリーフ、神父のマルセル・ダリオ、傭兵部隊の司令官モーリス・マルサック、コマンド部隊の指揮官ポール・デュボフ、爆破作戦の隊員ポール・デュボフジョージ・ギヴォット、ジェラルド・ミルトン、ナイル・モロー、ジェームズ・ホンポール・ブッシュ、サーシャ・ハーデンなどが共演している。


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