革命家”エルネスト”チェ”ゲバラ”の半生を描いた「チェ」(2008)を2部作に分けた第2部。 キューバ革命を成功させた後に姿を消したエルネスト”チェ”ゲバラが新たな戦いを求めて向かったボリビアでの敗北と処刑までを描く、監督スティーヴン・ソダーバーグ、製作、主演ベニチオ・デル・トロ、フランカ・ポテンテ、デミアン・ビチル、ユル・ヴァスケス、ルー・ダイアモンド・フィリップス、ジョアキム・デ・アルメイダ、マット・デイモン他共演のドラマ。 |
・ドラマ
・スティーヴン・ソダーバーグ / Steven Soderbergh 作品一覧
・マット・デイモン / Matt Damon 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
製作
ローラ・ビックフォード
ベニチオ・デル・トロ
製作総指揮
アルバロ・アウグスティン
アルバロ・ロンゴリア
ベレン・アティエンサ
フレデリック・w・ブロスト
脚本:ピーター・バックマン
撮影:ピーター・アンドリュース
編集:パブロ・スマラガ
音楽:アルベルト・イグレシアス
出演
エルネスト”チェ”ゲバラ:ベニチオ・デル・トロ
タマラ”タニア”ブンケ:フランカ・ポテンテ
ベニグノ:アルマンド・リエスコ
アレイダ・マルチ:カタリーナ・サンディノ・モレノ
フィデル・カストロ:デミアン・ビチル
ラウル・カストロ:ロドリゴ・サントロ
アレハンドロ・ラミレス:ユル・ヴァスケス
レネ・バリエントス:ジョアキム・デ・アルメイダ
シロ・ブストス:マルク=アンドレ・グロンダン
ハリー”ポンボ”ヴィジェガス:ベンジャミン・ベニテス
マリオ・モンヘ:ルー・ダイアモンド・フィリップス
ウルバノ:カリ・メンデス
シュワルツ:マット・デイモン
インティ/ギド・ペレド・レイゲ:クリスティアン・メルカド
アメリカ/フランス/スペイン 映画
配給
ワーナー・ブラザーズ(フランス)
IFC Films(北米)
2008年製作 133分
公開
北米:2009年1月24日
日本:2009年1月31日
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $748,560
世界 $8,638,160
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1965年3月。
工業省の幹部になったエルネスト”チェ”ゲバラは、サトウキビ農場の視察に行くと告げて、数日後に行方不明となった。
妻アレイダ・マルチも居場所を知らないと話し、フィデル・カストロは、説明要求に対してゲバラの手紙を公表した。
1965年10月3日、キューバ。
共産党中央委員会でフィデル(デミアン・ビチル)は、ゲバラの手紙を読む。
”自分に課せられた義務の一部は果たした、党指導部と大臣、司令官の地位、市民権を放棄し、自分のささやかな助力を求めている世界の他の国々のために尽くすため、別れの時が来たのだ。
異国の地で死を迎えても、最後の想いはキューバ人民に向かうだろう・・・特に君に。”
1年後。
ゲバラは、”ラモン・ベニテス”という男に扮してアレイダ(カタリーナ・サンディノ・モレノ)と子供たちと共に暮らしていた。
1日目
1966年11月3日、ボリビア、ラパス。 26日目 ゲリラ仲間と合流したゲバラは、同志を集めて山中にキャンプを設営し、共に労働しながら訓練を始める。 ボリビア共産党が武装闘争に消極的であることを知ったゲバラは、書記長のマリオ・モンヘ(ルー・ダイアモンド・フィリップス)に会い、武装闘争の必要性を説く。 しかしモンヘは、ゲバラの意見を受け入れることはできなかった。 ハバナ。 ボリビアに資金を運び、必要なものを調べるよう、フィデルはペレドに指示する。 外部との連絡係タマラ”タニア”ブンケ(フランカ・ポテンテ)と話したゲバラは、バリエントス大統領と接触して気に入られたことを確認し、戦闘が激化すれば役割が重要になると伝える。 67日目 戦いが迫る中、部隊は村人とは友好敵に接し、食料などを買い求める。 治療をして子供達のために学校や病院も作ることを考えるゲバラは、村人たちに感謝される。 100日目 若者達は集まり訓練は続けられるが、食糧難や指揮について部隊の中に不満が募るが、自分たちが戦う目的をゲバラは説く。 113日目 食料調達のため狩りに向かった二人が脱走して政府軍に捕えられ、情報を流して隠れ家が見つかる。 それを知ったゲバラは、タニアらが奪われたジープの中にフィデルの演説テープがあったために、それにより捜索が始まり、すべてが発覚してしまうと彼女に伝える。 141日目 政府軍の捜索部隊を攻撃して捕らえたゲバラは、仲間に引き入れようとするものの誰も残らなかった。 159日目 ラパス。 ゲバラが入国していることを恐れるバリエントスは、アメリカ側から協力を約束され、ゲリラに対抗する特殊部隊を組織することを提案される。 雨で無線機が壊れてしまい、ゲバラの指示を受けて村に向かい連絡することになった部隊員は、共産主義者のゲリラが村人を襲い奴隷にすると、政府軍に言われたことを知る。 それを否定する部隊員は、政府軍の話はウソで、自分たちは何もしないので、食料だけ売ってほしいことを村人に伝えて説得する。 バリエントスから特殊部隊の組織を任されたアレハンドロ・ラミレス大尉(ユル・ヴァスケス)は、アメリカ軍の訓練を受ける。 子供たちに案内されて訪ねて来たイギリス人記者と話したゲバラは、警戒しながら、出国するフランス人のドブレとアルゼンチン人のシロ・ブストス(マルク=アンドレ・グロンダン)を彼に同行させる。 169日目 ムユパンパ。 拷問を受けたドブレとブストスは、ゲリラの情報を話してしまう。 それらの情報から、ラミレスは、ゲバラがゲリラを組織していることを報告する。 自分を”フェルナンド”と呼ばせるゲバラは、部下のラモンに、その件を知らせたドイツ人神父のシュワルツ(マット・デイモン)と接触するよう指示する。 この地から出ていってほしいとラモンに要求したシュワルツは、金は支払うので食料を満載したトラックを用意してほしいと言われ、自分たちの要求を受け入れてもらう。 ラモンから、拷問されるブストスがすべてを話すと言われたゲバラは、その直後に敵の爆撃を受ける。 記者会見を開いいたバリエントスは、今回のゲリラ活動は、民主的に選ばれた政権を倒そうとするカストロの陰謀であると話す。 アメリカ軍の大規模な支援に頼らず、政府軍で対処できることを伝えたバリエントスは、国内にはゲバラがいないと発表する。 219日目 その後バリエントスは、事態の悪化に伴い、ゲバラの存在を公表して非常事態宣言を発令し、炭鉱のストは武力で鎮圧して国境を封鎖し、戦闘開始を宣言することを提案される。 合わせて、ゲリラの掃討作戦も検討される。 236日目 部隊はホアキン隊を捜し始め、仲間達の死や食料不足により隊員は疲弊する。 270日目 戦闘を続け死傷者を出しながら、ゲバラらは諦めずにホアキン隊を捜す。 280日目 喘息が悪化するゲバラは、苦しみながらも捜索を続ける。 村に向かい、ある家を調べたタニアは、病人を装っていた政府軍に気づかず行動を知られる。 部隊の士気の低下を気にするゲバラだったが、ホアキン隊の捜索を諦めない。 320日目 村の家の主人の協力で、タニアらを待ち伏せた政府軍は、彼女らを攻撃する。 その情報を得たゲバラだったが、軍のデマの可能性を考える。 殺されたタニアらの死体を確認したバリエントスは、ゲバラを見つけた場合は殺すようラミレスに指示する。 324日目 アルト・セコ村。 328日目 ラ・イラゲ村。 340日目 ユロ渓谷 ゲリラの情報を得た政府軍は、渓谷に向かう。 政府軍の大軍が近づいていることを知ったゲバラは、迎え撃つ体制を整える。 戦闘が始まり、ゲバラは怪我人を移動させる。 脚に銃弾を受けて負傷したゲバラは、捕らえられる。 村に連行されて尋問されたゲバラだったが、何も話さず、監禁場所で気さくな監視兵エドワルドと話し、縄をほどいてほしいと伝えるものの、それを拒まれる。 341日目 1967年10月9日。 同行したセンテノがその場を去ったために、指令部からの電話を代わりに受けたラミレスは、緊急指令を受けて、ゲバラと共に記念撮影をする。 戻ったセンテノに指令を伝えたラミレスは、ゲバラの死刑を執行するよう指示される。 志願した兵士に室内で撃たれたゲバラは息絶え、センテノとラミレスと共に遺体はヘリで運ばれる。 1956年。
”OAS/米州機構”特使に偽装して入国したゲバラは、辺境の地に向かい、武装闘争のための準備を始める。
...全てを見る(結末あり)
インティ/ギド・ペレド・レイゲ(クリスティアン・メルカド)から、ゲバラについての報告を受けたフィデルは、ソ連がボリビア共産党に妥協を許さないだろうと言われる。
レネ・バリエントス大統領(ジョアキム・デ・アルメイダ)は、カストロがボリビアで共産革命を起こすことを、支援するアメリカが黙って見ていることを不満に思う。
ドブレらは政府軍に身分証の提示を求められ、その後、戦死したと報道される。
この場から情報が漏れたことを知ったゲバラは、自分たちが人々の生活に無関心な政府と戦っていることを村人に話す。
村の様子がおかしいために警戒するゲバラは、攻撃を受けて死傷者を出し、一旦、退避する。
移動をするゲバラらは、その場にいた農夫に目撃される。
センテノ大佐と共にヘリコプターで到着したラミレスはゲバラに会い、キューバ出身の自分を裏切り呼ばわりされ、話さないと言われる。
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82人の同志が乗り込むプレジャーボート”グランマ”でキューバに向かうゲバラは、フィデルとラウルの兄弟を見つめる。
*(簡略ストー リー)
1965年。
キューバ革命を成功させたエルネスト”チェ”ゲバラは、フィデル・カストロに手紙を残して姿を消す。
別人に扮して新たな戦いの地ボリビアに入国したゲバラは、バリエントス大統領の軍事独裁制政権を倒すために、辺境の地でゲリラを組織する準備を始める。
ボリビア共産党が武装闘争に消極的であることを知ったゲバラは、待ち構える険しい道を覚悟しながら、アメリカが支援する政府との戦いに挑もうとするのだが・・・。
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新たな戦いを求めて忽然と姿を消したエルネスト”チェ”ゲバラが、ボリビアで敗北して処刑されるまでを描くドラマ。
ボリビアの辺境の地に拠点を構えてゲリラを組織したゲバラが、共産党の指示を得られないまま孤立化する、苦難の日々を淡々と描いた作品。
ゲリラ戦というよりも、その組織化に苦労する日々が延々と続く物語は、それほどの盛り上がりがあるわけでもなく、偉大な指導者の死も意外にアッサリと描かれている。
ゲバラのボリビアでの活動を、日を追って伝えるドキュメンタリーを観る感覚で観賞することを勧めします。
孤立するゲリラ部隊を指揮しながら苦悩するエルネスト”チェ”ゲバラを演ずるベニチオ・デル・トロ、彼の部下タマラ”タニア”ブンケのフランカ・ポテンテ、同じくアルマンド・リエスコ、ハリー”ポンボ”ヴィジェガスのベンジャミン・ベニテス、クリスティアン・メルカド、ゲバラの妻アレイダ・マルチのカタリーナ・サンディノ・モレノ、フィデル・カストロのデミアン・ビチル、ラウル・カストロのロドリゴ・サントロ、ゲバラ処刑の指令を受ける政府軍の指揮官である大尉ユル・ヴァスケス、レネ・バリエントス大統領のジョアキム・デ・アルメイダ、ゲバラの部下で出国に失敗するマルク=アンドレ・グロンダン、ボリビア共産党書記長マリオ・モンヘのルー・ダイアモンド・フィリップス、ゲリラに土地から出て行くことを要請するドイツ人神父マット・デイモンなどが共演している。