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ゲバラ! Che! (1969)

フィデル・カストロと共にキューバ革命を成功させて中南米のゲリラ活動を指揮したアルゼンチン人の革命家チェ・ゲバラキューバ時代から死までを描く、監督リチャード・フライシャー、主演オマー・シャリフジャック・パランス他共演の伝記映画。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■
監督:リチャード・フライシャー

製作:サイ・バートレット
原作
デイヴィッド・カープ

サイ・バートレット
脚本
マイケル・ウィルソン

サイ・バートレット
撮影:チャールズ・F・ウィーラー
編集:マリオン・ロスマン
音楽:ラロ・シフリン

出演
チェ・ゲバラオマー・シャリフ

フィデル・カストロジャック・パランス
ラモン・バルデス:チェザーレ・ダノーヴァ
フォスティーノ・モラレス:ロバート・ロッジア
ギレルモ:ウディ・ストロード
アニタ・マルケス:バーバラ・ルナ
ヴァスケス大尉:アルバート・ポールセン
タニヤ:リンダ・マーシュ
ヘクター:ポール・ピサーニ
フェリペ・ムニョス:トム・トゥループ
ウィリールディ・ディアス

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX

1969年製作 95分
公開
北米:1969年6月27日
日本:1969年7月12日
製作費 $2,800,000
北米興行収入 $2,000,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1956年12月2日。
革命家フィデル・カストロ(ジャック・パランス)は、82名の仲間達を率い、小型クルーザーグランマ号キューバマンサニヨに上陸する。

道に迷ったカストロは、喘息持ちの医師チェ・ゲバラ(オマー・シャリフ)が隊列から遅れているのに気づき重荷に思う。

キューバ政府軍の偵察隊に襲われたカストロの部隊は、多くの人命を失い、その1週間後には66名の仲間が死亡、あるいは捕らえられた。

残ったのはわずか12名で、弁護士フォスティーノ・モラレス(ロバート・ロッジア)ら数名が新規に参加したが、部隊は17名と200発の弾丸しか残っていなかった。

医療箱を失ったゲバラは、部隊の支援活動をカストロに命ぜられる。

陸軍の兵器庫を襲った作戦で、勇敢にもゲバラは火炎瓶を投げて敵に立ちはだかり武勲をあげる。
...全てを見る(結末あり)

カストロはそれを喜び、部隊は大量の弾薬を手に入れる。

その後、反乱軍(カストロ部隊)の勝利は続き、カストロが解放した土地に人々は移り、政府軍は攻め入ることが出来なかった。

カストロは、交代要員の軍医が来ることをゲバラに告げ、彼を第2部隊隊長に指名する。

ゲバラは、医師から戦いの指導者となり、その才能を現し始める。

そして、部隊の中にスパイがいることがわかり、ゲバラはその者を容赦なく射殺した。

やがてゲバラは、事実上、影でカストロを動かす存在にまでなっていく。

1959年1月1日。
約800人の勢力になった反乱軍は、首都ハバナ近郊に迫る。

そして、フルヘンシオ・バティスタ大統領は亡命して国外に逃亡し、遂にカストロの反乱軍は勝利する。

しかし、ゲバラの心の中では、このキューバ革命は手始めだという考えしかなく、表舞台に立とうとはしなかった。

反乱軍による処刑を止めさせようとする、弁護士でもあるモラレスだったが、ゲバラは、処刑により悲惨な仕打ちに遭った民衆を抑えられると、苦渋の決断をする。

ゲバラは、新内閣発足と共に軍によるクーデター対策として、人民軍結成をカストロに進言する。

カストロは革命戦士を育てるためにも、キューバに留まるようゲバラを説得し、彼を人民軍司令官に指名して政府の最重要職も与える。

1961年4月。
ピッグス湾事件が起き、ゲバラ社会主義の宣言か、武力でアメリカに対等になることをカストロに提言する。

ゲバラは、キューバを核ミサイル基地に使うよう、カストロソ連を説得させることを考える。

それが実行され、ソ連のミサイル基地を発見したアメリカは、キューバから発射されたミサイルは、 ソ連からの攻撃とみなすことを、ケネディ大統領自らが発表する。

カストロは、已む無くミサイル撤去を決定するが、ゲバラはそれを非難してキューバを去って行く。

ソ連を公然と非難したゲバラは、ボリビアに入国して山岳部でゲリラ活動を始める。

ゲバラの活動は、ソ連にとって、南米政策を進める妨げになっていた。

情報部のタニヤ(リンダ・マーシュ)の助力で、ゲバラは多くのキューバからの義勇軍を入国させる。

しかし、革命を外国人に任せたくない国民党員とゲバラは、意見が食い違ってしまう。

それ以来、党員はゲバラの部隊の妨害を始めるようになり、部隊の兵力は弱まってしまう。

部隊に病気が蔓延しながら、ゲバラは厳しい規律を決め、村から村に渡り男達を集めようする。

やがて、ゲバラの決断に次第に迷いが生じ、自分を見失っていく。

ゲバラはプライドを捨ててカストロに助けを求めるが、 カストロは、ゲバラの焦りを察知する。

そして、ゲバラの部隊は盗賊のように村を襲い、略奪を繰り返すようになる。

農民を脅すだけになったゲバラは、ボリビア人の部下から指揮官としての信頼をなくしてしまう。

タニヤを含めた小隊が全滅し、ゲバラも戦闘で負傷してしまう。

そしてゲバラは、キューバ時代からの同胞ウィリー(ルディ・ディアス)と共に、政府軍のレンジャー部隊のヴァスケス大尉(アルバート・ポールセン)に捕らえられてしまう。

ヴァスケス大尉は、人々に自由を与えるため戦っているというゲバラに、彼らを密告した農村の老人を合わせる。

老人は、ゲバラが山で戦闘を繰り返すようになってから、ヤギの乳は出なくなり生活は苦しく、ゲリラの戦いを歓迎しないことを語る。

1967年10月9日。
そして、ゲバラレネ・バリエントス・オルトゥーニョ大統領の命令で銃殺刑に処せられる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1956年12月、キューバ
革命家フィデル・カストロは、喘息持ちの医師であるアルゼンチン人の革命家チェ・ゲバラら仲間達を率いてマンサニヨに上陸する。
その後、カストロは政府軍の襲撃に遭い、大半の仲間を失う。
当初カストロは、体調に不安のあるゲバラを重荷に思うが、彼は武勲をあげ、次第に戦いの指導者としての才能を現し始める。
やがてゲバラは、影でカストロを動かす存在にまでなる。
1959年1月1日。
反乱軍は、首都のハバナ近郊まで迫るり、バティスタ大統領は国外に亡命して、遂にカストロの反乱軍は勝利する。
目的を達したかに見えたゲバラだったが、彼にとってのキューバ革命は、戦いの始まりでしかなかった・・・。
__________

チェ・ゲバラが、医学生時代の23歳の時に執筆した自伝”The Motorcycle Diaries”の内容に触れるような、キューバ革命以前の彼の人生は描かれていない。

映画は、ゲバラの死の直後に企画されて撮影が開始されたため(1968年8月~)、監督リチャード・フライシャーらしいアクション・シーンも取り入れられて、また、人間ドラマとしても楽しめる。
生々しい映像が印象的な、新鮮味のある作品でもある。

更に、ゲバラを知る者達の証言による、人物像の解説などで、登場人物や歴史的事件が解り易く解説されている、ドキュメンタリー形式の作風であるところも興味深い。

キューバ革命直後に来日したにも拘らず、殆どの日本人には知られていなかったというゲバラが、その死後、世界に大きな影響を与え始めようとしていた頃に製作されたというところも注目だ。

音楽は、主人公ゲバラに敬意を表してか、同じアルゼンチン出身のラロ・シフリンが担当している。

知的な革命家ゲバラの雰囲気を良く出しているオマー・シャリフ、革命指導者というより、本作では広告塔のような存在に描かれている、フィデル・カストロを豪快に演ずるジャック・パランス、反乱軍に加わる弁護士のロバート・ロッジアゲバラを捕らえるアルバート・ポールセン、協力者リンダ・マーシュ、そして反乱軍兵士でウディ・ストロードなどが共演している。


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