ソ連のアフガニスタン侵攻に対抗するイスラム勢力を支援した下院議員チャーリー・ウィルソンの行動を描く、監督マイク・ニコルズ、主演トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムス、エミリー・ブラント共演の社会派ドラマ。 |
・トム・ハンクス / Tom Hanks 作品一覧
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■ スタッフ キャスト ■
監督:マイク・ニコルズ
脚本:アーロン・ソーキン
原作:ジョージ・クライル
製作
トム・ハンクス
ゲイリー・ゴーツマン
製作総指揮
セリア・D・コスタス
ライアン・カヴァノー
ジェフ・スコール
撮影監督:スティーヴン・ゴールドブラット
編集
ジョン・ブルーム
アントニア・ヴァン・ドリムレン
美術:ヴィクター・ケンプスター
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演
チャーリー・ウィルソン:トム・ハンクス
ジョアン・ヘリング:ジュリア・ロバーツ
ガスト・ アヴラコトス:フィリップ・シーモア・ホフマン
ボニー・バック:エイミー・アダムス
ドク・ロング:ネッド・ビーティ
ジェーン・リドル:エミリー・ブラント
スザンヌ:レイチェル・ニコルズ
マーラ:メアリー・ボナ・ベイカー
ジェイルベイト:シリ・アップルビー
受付係:ウィン・エヴェレット
ハロルド・ホルト:デニス・オヘア
マイク・ヴィッカーズ:クリストファー・デナム
ジア大統領:オム・プリ
クリスタル・リー:ジュディー・タイラー
ラリー・リドル:ピーター・ゲレッティ
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2007年製作 100分
公開
北米:2007年12月21日
日本:2008年5月17日
制作費 $75,000,000
北米興行収入 $66,636,390
世界 $119,000,410
■ アカデミー賞 ■
第80回アカデミー賞
・ノミネート
助演男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1980年4月6日、あるパーティー。
下院議員チャーリー・ウィルソン(トム・ハンクス)は、ジャグジーでストリッパーと羽目を外していた。
その場のテレビに気を取られたウィルソンは、CBSの報道番組”60Minutes”のダン・ラザーが、ヒゲ面でアフガニスタンからレポートしている姿に興味を持つ。
ウィルソンは、”チャーリーズ・エンジェル”(レイチェル・ニコルズ/メアリー・ボナ・ベイカー/シリ・アップルビー/ウィン・エヴェレット)と呼ばれる美人秘書に囲まれ、酒、女、薬に溺れ、オフィスで来客の前でも朝から酒を飲んでいるほどの、ふしだらぶりだった。
面会に来た、地元テキサスのラリー・リドル(ピーター・ゲレッティ)の娘ジェーン(エミリー・ブラント)にも、ウィルソンは手を出してしまう。 この冷戦下に、アフガニスタン問題への国防歳出の予算が、わずか500万ドルだと知った国防歳出小委員会委員でもあるウィルソンは、予算倍額を指示する。 それを知った、ウィルソンの知人で、反共主義者であるテキサスの富豪ジョアン・ヘリング(ジュリア・ロバーツ)は、彼を、パキスタンのジア大統領(オム・プリ)に会わせ国内の現状を探らせる。 パキスタンで、ジア大統領や軍部から、強引な援助を求められたウィルソンは、議員補佐ボニー・バック(エイミー・アダムス)を従え国状を視察する。 しかしウィルソンは、アフガニスタン難民の、悲惨な現状を見て驚き絶句してしまう。 現地のCIA局長ハロルド・ホルト(デニス・オヘア)らが、ソ連軍撃退に消極的態度を示す中、ウィルソンは帰国後、CIAのはみだし局員ガスト・ アヴラコトス(フィリップ・シーモア・ホフマン)の協力を得ることになる。 ガストに、 CIAの武器専門家マイク・ヴィッカーズ(クリストファー・デナム)を紹介されウィルソンは、若いが優秀な彼を仲間に引き入れる。 そしてウィルソンは、アフガニスタンを破壊し続けるソ連軍に対抗するため、支援歳出額を増やす計画を実行していく。 突然、正義感に燃えだしたウィルソンだったが、コカイン摂取スキャンダルが発覚してしまう。 しかし、ウィルソンはジョアンの根回しでロングの賛同を条件付で受けられることになり、コカイン疑惑を切り抜けることができる。 そしてウィルソンは、ロングやジョアンらを引き連れて再びパキスタンに向かう。 パキスタンの現状を見たロングは、歳費の大幅増額を決めて、アメリカは、アフガニスタン抵抗組織の支持を表明する。 しかし、武器の供与が遅れ、ソ連は大量の兵士や武器を送り込む。 歳費の増額は続き、ついに抵抗組織への武器供与が開始され、ウィルソンは、歳出額を7000万ドルから1億ドルに増やすための行動を始める。 1987年春。 秋にはMi-24を41機、戦車、装甲兵員輸送車75台、冬になり戦車、装甲兵員輸送車83台、Mi-24・22機、戦闘機18機を撃墜する。 1988年。 ウィルソンは500万ドルだった予算を10億ドルまで増額することに成功し、そして再選される。 1988年4月14日。 ソ連軍のアフガニスタン撤退は完了するが、ガストは、安堵するウィルソンに対し、アフガニスタンに過激派が流れ込んでいる現状を踏まえ、将来を見据えるように警鐘を鳴らす。 国民の半数が14歳以下というアフガニスタンに、更に支援して学校を作ることが必要なことを、ウィルソンは縮小された委員会で力説する。 そしてウィルソンは、影の功労者として”名誉ある同僚賞”をCIAから贈られるが、その後、一連の努力が大きな失敗であったことを知ることになる。
...全てを見る(結末あり)
ジア大統領が、リスクを承知でイスラム過激派・ムジャヒディンに訓練をさせて、資金を提供している現状や、国境地帯の農民や子供達を放って置けない現実を力説するウィルソンだったが、委員会議長のドク・ロング(ネッド・ビーティ)の支持が得られない。
FIM-92スティンガーミサイルは、ミル製の戦闘ヘリコプターMi-24を34機、戦闘機21機、その夏Mi-24を更に33機、戦闘機28機撃墜し、戦車、装甲兵員輸送車67台を破壊する。
Mi-24・19機、戦闘機22機を撃墜、戦車、装甲兵員輸送車43台を破壊する。
ソ連がジュネーブ和平協定に調印し、強国ソ連を破ったアフガニスタン国民は歓喜する。
*(簡略ストー リー)
1980年。
下院議員でありながら、酒や女そして薬に溺れるふしだらな生活を送っていたチャーリー・ウィルソンだったが、アフガニスタンのソ連軍侵攻問題に興味を持つ。
アフガニスタン問題への国防歳出の予算が、わずか500万ドルだと知った、国防歳出小委員会委員でもあるウィルソンは予算倍額を指示する。
テキサスの富豪で、ウィルソンの知人の反共主義者ジョアン・ヘリングは、彼をパキスタンのジア大統領に会わせて、国内の現状を探らせる。
現地を視察したウィルソンは、アフガニスタン難民の悲惨な現状を見て驚き絶句してしまう。
現地のCIA局長が、ソ連の撃退に消極的な姿勢を見せる中、ウィルソンは、CIAのはみ出し局員ガスト・アヴラコトスや武器の専門家マイク・ヴィッカーズの協力を得る。
そして、ウィルソンは、ソ連軍に対抗するための、支援歳出額を増やす計画を実行していくのだが・・・。
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豪華スタッフ・キャストの共演にも拘らず、内容を見て日本ではヒットが見込めずに、軽いノリのコメディ作品のイメージに仕立て、集客しようという、予告を含めた宣伝活動は、いささか幼稚で呆れてしまう。
作品自体は、コミカルなシーンはあるものの、極めてシリアスな社会派ドラマである。
かと言って内容が素晴らしい訳でもなく、残念ながら、マイク・ニコルズの演出にしては、ややパンチが足りずに物足りない、彼にしては平凡な作品とも言える。
大地に広がるアフガニスタンの難民キャンプや、ソ連軍ヘリコプターの攻撃シーンなど、リチャード・エドランドも参加する特殊効果はなかなかの迫力ではある。
北米興行収入では製作費を回収できなかったが、全世界では約1億1900万ドルのまずまずのヒットとなった。
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制作費 $75,000,000
北米興行収入 $66,636,390
第80回アカデミー賞では、助演男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)にノミネートされた。
トム・ハンクスは、議員の資質を疑ってしまうような実在の政治家チャーリー・ウィルソンを無難に演じている。
ウィトな演技で笑わせてもくれるし貫禄も十分だ。
アカデミー助演賞にノミネートされた、実在のCIA局員ガスト・アヴラコトス役のフィリップ・シーモア・ホフマンの熱演が、本作では群を抜いている。
彼の才能と熱意をウィルソンの理想に活かそうとする姿は、ドラマの中では最高の見せ場だ。
セリフにもあるが、見かけがあまりCIAの局員らしくないところなども現実味がある。
逆に全てが老け込んで見える、マネキンのようなジュリア・ロバーツは、個人的に全く魅力を感じない。
*実在のジョアン・ヘリングは、ドラマの冒頭で既に50歳を過ぎている設定。
当然ではあるが、直前に公開された「魔法にかけられて」(2007)の時とは、全く違うイメージのエイミー・アダムスが、実直な議員補佐役を好演している。
遅咲きだが、好感度抜群だった彼女の今後が非常に楽しみだ。
主人公の関る委員会議長のドク・ロングのネッド・ビーティ、主人公に迫られる若い女性で、端役出演のエミリー・ブラント、主人公の秘書他レイチェル・ニコルズ、メアリー・ボナ・ベイカー、シリ・アップルビー、ウィン・エヴェレット、アフガニスタンのCIA局長のデニス・オヘア、主人公に協力する局員のマイク・ヴィッカーズのクリストファー・デナム、ジア大統領のオム・プリなどが共演している。