監督スタンリー・ドーネン、主演ケーリー・グラント、オードリー・ヘプバーン、ウォルター・マッソー、ジョージ・ケネディ、ジェームズ・コバーン共演によるコミカルでロマンチックなサスペンス・ミステリーの傑作。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:スタンリー・ドーネン
製作:スタンリー・ドーネン
原作
ピーター・ストーン
マルク・ベーム
脚本:ピーター・ストーン
撮影:チャールズ・ラングJr.
編集:ジム・クラーク
音楽:ヘンリー・マンシーニ
作詞:ジョニー・マーサー”Charade”
タイトル・デザイン:モーリス・ビンダー
出演
ブライアン・クラクシャンク/ピーター・ジョシュア/アレキサンダー・ダイル/アダム・キャンフィールド:ケーリー・グラント
レジーナ・ランバート:オードリー・ヘプバーン
ハミルトン・バーソロミュー:ウォルター・マッソー
ハーマン・スコビー:ジョージ・ケネディ
テックス・ペンソロー:ジェームズ・コバーン
レオポルド・ギデオン:ネッド・グラス
エドゥアード・グランピエール警部:ジャック・マリン
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1963年製作 113分
公開
北米:1963年12月5日
日本:1963年12月21日
製作費 $4,000,000
■ アカデミー賞 ■
第36回アカデミー賞
・ノミネート
歌曲賞”Charade”
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
スキー旅行中のレジーナ・ランバート(オードリー・ヘプバーン)は、ピーター・ジョシュア(ケーリー・グラント)という男性に出会い、簡単な会話を交わす。
夫との離婚を決意し、旅行からパリに戻ったレジーナだったが、自分のアパートの家具調度品などが、全て持ち出されていた。
どの部屋も空なのに驚くレジーナは、現れたエドゥアード・グランピエール警部(ジャック・マリン)に、警察署に連れて行かれる。
夫の死を知らされショックを受けるレジーナは、夫が家具をオークションにかけて25万ドルを受けとるものの、それが紛失した事実を知らされる。 更に遺品を見せられたレジーナは、手帳や切手の貼ってある封筒の夫からの手紙、そして何冊ものパスポートを見せられる。 その後、アパートに戻ったレジーナの元に、旅先で出合ったピーターが現れる。 警察が自分を疑っていることをピーターに伝えたレジーナは、彼と一緒にアパートを出る。 夫の葬儀の際、身に覚えのない男達、レオポルド・ギデオン(ネッド・グラス)、テックス・ペンソロー(ジェームズ・コバーン)、ハーマン・スコビー(ジョージ・ケネディ)らが現れ、遺体を確認して引き上げたため、レジーナは不安を感じる。 その際レジーナは、アメリカ大使館からの呼び出しを受け、CIAの管理者だと言うハミルトン・バーソロミュー(ウォルター・マッソー)に面会する。 そこでレジーナは、第二次大戦中に夫と軍で一緒に過ごした葬儀の三人が、25万ドルを狙っていると言うことを知らされる。 それは、政府から盗んだ金だとも言い張るバーソロミューは、レジーナが持っているはずの25万ドルを捜すよう指示する。 その後、困惑するレジーナをピーターは励まし、彼女をナイトクラブに誘う。 レジーナの心は和み、そして彼女は次第にピーターに惹かれていくのだが、その場にギデオンやペンソローが現れ脅されてしまう。 ピーターは、怯えるレジーナから理由を聞き出そうとするが、危険を感じている彼女は何も語らずアパートの部屋に戻る。 しかし、部屋にはスコビーがいて、レジーナはピーターを呼び寄せ、二人の男は格闘となる。 逃げるスコビーを窓づたいに追ったピーターは、違う部屋に入り、そこにいたペンソローら三人と平然と会話を始める。 レジーナに信用されているので、自分に任せるよう三人に伝えたピーターは、彼女の部屋に向かう。 ピーターに25万ドルのことを話したレジーナは、それを見つけなければと殺されるということを彼に伝える。 自分が守ると言って、ピーターはレジーナを安心させるのだが、彼女は、”目の前のダイルに用心しろ”という、スコビーからの電話を受ける。 レジーナは、ピーターがダイルで、三人と通じている仲間だと気づき、バーソロミューに連絡して会うことにする。 隣の部屋を取っていたピーターは、レジーナが部屋を出たのに気づき後を追う。 バーソロミューと会ったレジーナは、夫とダイルらの関係を知らされる。 1944年、第二次大戦中、三人とダイルそしてレジーナの夫は、OSS(戦略諜報局)に所属していた。 彼らは、フランスのレジスタンスに運ぶはずの25万ドルの金塊を横領し、山分けせずに独り占めしたレジーナの夫が命を奪われたことを、バーソロミューはレジーナに話して聞かせる。 レジーナは、バーソロミューから、ピーターを調べるよう要請され、彼を尾行して電話で正体を白状させる。 ダイルは自分の兄で、盗んだ金塊のことを密告しようとして殺されたと、ピーターはレジーナに言い残し姿を消す。 その後、スコビーに襲われたピーターは、金の在り処を追求され格闘となり、傷を負いながらもその場を逃れる。 ピーターはアパートに戻り、レジーナに傷の手当てをしてもらい、改めて自分がアレキサンダー・ダイルだということを伝えて誤解は解ける その時、レジーナはペンソローからの電話を受け、友人の子供を人質にとられ、彼の部屋に呼び出される。 同行したピーターは、金はレジーナではなく、この場にいる誰かが隠しているのではと疑い、手がかりを探すために、互いの部屋を調べ始める。 やがて、ピーターの部屋の浴室でスコビーが殺害されるが、犯人が分からないまま、ピーターとレジーナは、その件についてグランピエール警部に追求される。 バーソロミューからアパートに戻ったレジーナに、”ダイル”には兄弟がいないという連絡が入り、またしても彼女はピーターを疑う。 レジーナは、ピーターを警戒しながら食事に出かけるが、今度は自分が泥棒に近い存在の”アダム・キャンフィールド”だと彼は言い出す。 ピーターの心を刺激する言葉に、レジーナは胸が一杯になり、セーヌの遊覧船のロマンチックなムードも手伝い、二人は甘い一時を過ごす。 その夜、エレベーターでギデオンが殺されてしまい、ピーターとレジーナはペンソローが犯人だと確信する。 しかし、ペンソローからの電話で、彼がまだ金を手に入れていないことを知ったピーターは、やはりレジーナの元に金があると考える。 レジーナの夫の遺品をもう一度調べた二人だったが、何も手掛かりをつかめなかった。 翌日、遺品の中に手帳がないことに気づいたピーターは、それをレジーナに伝え、彼女はそれに予定が書かれていたことを思い出す。 二人は、手帳に書かれていた”シャンゼリゼ公園”に向かい、ピーターはその場でペンソローを目撃して彼を追う。 彼らは、その場で開かれていた切手市をヒントに、レジーナの夫の手紙の切手が、25万ドルの価値があることに気づく。 レジーナの部屋に向かった二人は、既に切手がはがされていることに気づく。 同じ頃、レジーナも友人の子供にあげた切手の価値に気づき、切手を交換した収集家の元に向かう。 レジーナは、歴史的価値のある高価な切手のことを収集家から聞き、それを返品してもらう。 アパートに戻ったレジーナは、ペンソローが殺されているのを知り、殺人現場には彼が書いた”ダイル”という文字が残されていた。 バーソロミューにその件を話したレジーナは、夫の封筒の切手が25万ドルだったことも知らせる。 バーソロミューは、切手を持っているのが危険だとレジーナに告げ、彼女を”パレ・ロワイヤル”に呼び出す。 アパートを出ようとしたレジーナに、現れたピーターがダイルは別人だと伝えるが、彼女はその場から逃げ去りメトロに向かう。 レジーナは、不安と恐怖を抑えながらピーターの追跡を逃れるが、”パレ・ロワイヤル”で追い詰められる。 ピーターは、バーソロミューがカーソン・ダイルだとレジーナに知らせる。 しかし、バーソロミューがそれを否定したためレジーナは混乱してしまう。 ついにバーソロミューは自分の正体をダイルだと明かし、25万ドルが自分のものであると主張する。 そして、劇場に逃げ込んだダイルを、それを追ったピーターが倒し、彼はレジーナを助け出す。 翌日、ピーターとレジーナは、切手を持参してアメリカ大使館に向かう。 二人は、入り口で財務担当のクラクシャンクに会うよう言われ、レジーナが一人で切手を渡そうとする。 オフィスに案内されたレジーナは、そこにピーターがいたので驚いてしまう。 実はピーターこそ、大使館の財務省局員で、この事件を追っていたブライアン・クラクシャンクだったのだ。 同じオフィスにいたダイルは、昼休みを利用して大使館員に扮していた。 何人もの人物に成りすましていた自分を、なかなか信用しないレジーナに、クラクシャンクは結婚を約束し、彼女を納得させる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
スキー旅行からパリに帰ったレジーナ・ランバートは、夫の死と彼が所持していたと思われる25万ドルの紛失を知らされ、警察に疑いをかけられてしまう。
旅行中に出会ったピーター・ジョシュアに再会して、励まされたレジーナだったが、正体不明の三人の男達が彼女の前に現れる。
その後、アメリカ大使館のCIAの管理者バーソロミューに呼び出されたレジーナは、三人と彼女の夫が、戦争中に政府の25万ドルを横領したことを知らされる。
そして、その金を独り占めにしようとした夫が殺され、彼らはそれを狙っていることが分かる。
レジーナは三人に脅されながら、ピーターの協力で夫の25万ドルを捜そうとするのだが・・・。
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若くして、「踊る大紐育」(1949)や「雨に唄えば」(1952)など、ミュージカルの名作を手がけたスタンリー・ドーネンが監督した作品。
ケーリー・グラントの出演とストーリー展開が、ヒッチコック作品を彷彿させる作りとなっているが、主演二人のとぼけた雰囲気が実に楽しく、どんでん返しの連続など、スタンリー・ドーネンの巧みな演出は冴える。
第36回アカデミー賞では、歌曲賞にノミネートされた。(”Charade”)
”007シリーズ”のタイトル・デザインを14作も担当した、モーリス・ビンダーのオープニング・タイトルと、何度も名前を変えた主人公ケーリー・グラントを、一度に登場させるエンディングもなかなか洒落ている。
アカデミー歌曲賞候補にもなった、ヘンリー・マンシーニのテーマ曲、ロマンチックなムードを盛上げるジョニー・マーサーの作詞による主題歌も素晴しい。
ケーリー・グラントの気の利いたジョーク、60歳直前とは思えない若々しさ、清潔感溢れる紳士的な振る舞い、また時々見せる茶目っ気など、彼の魅力は健在だ。
お姫様のようなイメージを変えようとしていたオードリー・ヘプバーンも、30代半ばということもあり、大人の魅力漂うエレガントな女性を好演している。
特に、登場する度に替わる、ジバンシィの素晴しい衣装は注目だ。
その後スターになっていく、殺人の黒幕ウォルター・マッソー、25万ドルを狙う巨体のジョージ・ケネディ、針金のようにスリムなジェームズ・コバーン、アレルギー持ちのネッド・グラス、無表情な警部ジャック・マリンなど、多彩なキャラクターが作品を盛上げる。