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カオス Chaos (2005)

職務停止から復帰し銀行襲撃事件の指揮を任された刑事と同僚達の犯人との駆け引きを描く、主演ジェイソン・ステイサムライアン・フィリップウェズリー・スナイプスヘンリー・ツェニー他共演、監督、脚本トニー・ジグリオによる犯罪アクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:トニー・ジグリオ

製作:マイケル・ダーバス他
脚本:トニー・ジグリオ

撮影:リチャード・グレートレックス
編集:ショーン・バートン
音楽:トレヴァー・ジョーンズ

出演
クエンティン・コナーズ:ジェイソン・ステイサム

シェーン・デッカー:ライアン・フィリップ
ジェイソン・ヨーク(ローレンツ)/スコット・カーティス:ウェズリー・スナイプス
マーティン・ジェンキンス警部:ヘンリー・ツェニー
テディー・ギャロウェー刑事:ジャスティン・ワデル
ビンセント・デュラーノ刑事:ニコラス・リー
カレン・クロス:ジェシカ・スティーン
銀行支店長:ロブ・ラベル
バーニー・カーロ:ジョン・カッシーニ
ブランドン・デックス:デイモン・ジョンソン
ハリー・ヒューム:ポール・ペリ
マーニー・ロリンズ:キーガン・コナー・トレイシー
ジーナ・ロペス:ナターシャ・マルテ
デーモン・リチャーズ:タイ・オルソン
クリス・リー:テリー・チャン

カナダ/イギリス 映画
配給
キャピトル・フィルムズ

ライオンズゲート
2005年製作 106分
公開
北米:未公開
日本:2006年11月4日
製作費 $12,000,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ワシントン州、シアトル、パール・ストリート橋。
カージャック犯ジョン・カーティスが事故を起こし、駆けつけた警察は犯人と人質の女性を銃撃する。

二人は死亡し、犯人の兄スコットも強盗容疑で逃亡中であり、現場で銃撃したジェイソン・ヨークとクエンティン・コナーズ(ジェイソン・ステイサム)両刑事は、過失致死罪を問われる可能性が出てくる。

その後、コナーズは職務停止となりヨークは懲戒免職となる。

シアトル・グローバル銀行。
ローレンツ(ウェズリー・スナイプス)をリーダーとする5人の武装した男達がその場を襲撃し、行員や客を人質に取る。

金庫は爆破され、その瞬間に警報ボタンを押した行員は射殺される。

マーティン・ジェンキンス警部(ヘンリー・ツェニー)が部屋を出た後、彼と愛人関係にある部下のテディー・ギャロウェー刑事(ジャスティン・ワデル)は、銀行襲撃の報せを受けて現場に向かう。
...全てを見る(結末あり)

駆けつけたバーニー・カーロ刑事(ジョン・カッシーニ)は、SWATを手配しマスコミを追い払うよう指示する。

ローレンツからの電話を受けたカーロは、犯人の要求を聞く。

コナーズの家に向かったジェンキンスは、転属してきた若いシェーン・デッカー(ライアン・フィリップ)を紹介する。

デッカーに興味を示さないコナーズは、銀行襲撃事件の犯人が自分としか話さないと言っていることをジェンキンスから知らされる。

ジェンキンスから、デッカーを相棒にすることを条件に職務復帰を言い渡されたコナーズは現場に向かう。

ビンセント・デュラーノ刑事(ニコラス・リー)やギャロウェーと顔を合わせたコナーズは、その場の指揮を任せるとジェンキンスに言われる。

人質を殺したばかりだと言って意見するカーロは、パール・ストリート橋の事件で証人になったことで因縁のあるコナーズを毛嫌いする。

カーロを黙らせたジェンキンスは、SWATもコナーズの指揮下に置く。

事件を解決し、世間の評価が間違っていたということを証明するよう、コナーズはジェンキンスに命ぜられる。

そしてジェンキンスは、コナーズに不審な点があれば報告するようデッカーに伝えてその場を去る。

犯人に電話したコナーズは、ローレンツと名乗るリーダーらしき男と話し、人質約40名の内、1人が殺されたことを知らされる。

相手が行き詰っていると考えたコナーズは、SWATの隊長を呼び、電力をシャットダウンして11時に突入する指示を出す。

電力が切れて緊急用の発電機が作動するまでには3~6分しかなく、その間に行動することになる。

そして、電力を切り突入を指示したコナーズだったが、ローレンツらは人質の2人を窓際に宙づり状態にする。

罠だと気づいたコナーズは突入を中止させるが、SWATの隊長はそれを無視して行動を開始する。

入り口は爆破され、路上に止めてあった犯人の車も爆破される。

人質が建物から出てきたため内部を調べたコナーズらは、犯人が逃げたことを確認する。

被害状況を知らされたコナーズは、人質の中に犯人がいる可能性があるためにそれをチェックさせる。

防犯カメラの映像では何も分からず、マスコミのカメラに犯人の逃走の手掛かりが映っていかをコナーズは調べさせる。

FBIが現れ、現金は奪われていないことから、敵の多い中東の王子の貸金庫が狙われたことが考えられる。

現場に戻ったジェンキンスに責められ無能呼ばわりされたコナーズは、デッカーと共にダイナーに向かう。

ローレンツとの会話の録音を聴き直したデッカーから、その中には暗示があることをコナーズは知らされる。

”カオスの中にも秩序がある”というローレンツの言葉が気になったデッカーは、カオス理論を知っているかをコナーズに尋ねるが、まともに聞いてもらえない。

テレビ・レポーターのカレン・クロス(ジェシカ・スティーン)のカメラマンが撮った映像に、2年前に強盗未遂で逮捕したデーモン・リチャーズ(タイ・オルソン)が映っていることを、コナーズはデュラーノから知らされる。

デーモンの女ジーナ・ロペス(ナターシャ・マルテ)のアパートに向かったコナーズらは、その場にいたデーモンに発砲される。

コナーズは腕を撃たれるもののジーナは捕らえられ、逃走したデーモンをデッカーがバイクで追う。

デッカーは転倒してしまうが、パトカーで追ったコナーズがデーモンの車に体当たりして彼を捕える。

現場に戻り傷の手当てを受けたコナーズは、デッカーの父親が知人である優秀な警官だったことを知る。

コナーズとデッカーは鑑識のマーニー・ロリンズ(キーガン・コナー・トレイシー)から、ジーナが旅行の支度をしていたことと5万ドルが詰まったバックを見せられる。

現金はグローバル銀行のものではなく、襲われた投資会社の帯封がされていた。

押収時につけられた紙幣の香りを確認したマーニーは、それが警察の証拠保管庫の現金だと伝え、投資会社襲撃事件の担当がカーロだということをコナーズはギャロウェーから知らされる。

デッカーの父親を警官として尊敬していたコナーズは、彼に対する考えが変わる。

ジーナを尋問したコナーズは彼女が何も知らないと判断し、それをデッカーに伝えて証拠保管庫に向かう。

その場の管理主任ハリー・ヒューム(ポール・ペリ)が対応し、カーロが保管庫から43万3000ドルを持ち出したことを確認したコナーズは、ジェンキンスの元に向いそれを報告する。

ジェンキンスはカーロが事件に絡む理由を考えるが思い当たらず、銀行襲撃事件の仲間だとしたら交渉役に指名されたはずだとデッカーが指摘する。

その後、カーロが自宅で死亡しているのが発見され、銀行の見取り図や王子に関する資料も見つかる。

そこにローレンツからの電話が入りメッセージが録音され、その場にいるはずのコナーズを挑発する。

王子が貸金庫の中身をすべて回収し、犯人が銀行から何も奪っていないことから、手掛かりは銀行にあることをデッカーは考える。

再度、防犯カメラの映像を調べたコナーズらは、犯人がカメラのアングルを変えたことに気づき、その場のパソコンのキーボードの指紋を確認する。

コナーズは同僚らを食事に誘い、カーロの家の前で呟いていたことをデュラーノから聞かれたデッカーは、迷った時は最初に戻って道を探せというブッダの教えを語る。

席を外したコナーズを有能な警官だと言うデュラーノの言葉を聞いたギャロウェーは、かつて付き合っていたコナーズの元に向い自分が間違っていたことを伝える。

ギャロウェーがジェンキンスのような男と関係を持っていることを知っていたコナーズは、手遅れだと言って彼女を突き放す。

調べていた指紋が、かつて逮捕したハッカーのクリス・リー(テリー・チャン)のものであることをコナーズはデッカーから知らされる。

自分とヨークが事件を担当したのだが、パール・ストリート橋の件で騒がれている時に証拠捏造でクリスに訴えられ、自分達が敗訴して彼が釈放されたことをコナーズは話す。

クリスはローレンツに殺され、その場に到着して銃声を聞いたコナーズとデッカーは家に押入る。

コナーズはクリスの死体を見つけ、何者かに襲われそうだったデッカーを救うものの相手には逃げられる。

意識を失っていたデーモンが目覚め、コナーズと病院に向かったデッカーは、デーモンを脅して情報を入手する。

デーモンの供述で、ローレンツはパール・ストリート橋事件で射殺されたジョンの兄である強盗犯スコット・カーティスだと分かる。

カーティスが共犯者を一人ずつ始末していくだろうと、ジェンキンスはコナーズらに伝える。

犯人らが集まることになっている現場で張り込みするコナーズらだったが、相手に気づかれて銃撃戦となる。

コナーズらは現場に踏み込み、ギャロウェーとデュラーノはコナーズに関する大量の資料を発見する。

一人を射殺したギャロウェーは爆弾を見つけ、外に出るよう叫ぶ。

小規模の爆破が起き、犯人の一人を叩きのめしたコナーズだったが、家全体の爆発が起きる。

それを確認したカーティスはその場を去る。

コナーズの死が確認され、駆けつけたジェンキンスが彼を侮辱したため、ギャロウェーは彼を批判してその場を去る。

署に戻ったデッカーは、技術班のブランドン・デックス(デイモン・ジョンソン)から、犯人がコンピューターにウィルスを入れて、複数の口座から犯人の口座に少額を振り込ませる大量の取引記録を見せる。

史上最大の銀行強盗だと言うデックスは、口座を特定できない仕組みになっていることをデッカーに伝える。

今も取引は行われ0億ドルもの現金が奪われる事件に発展したため、デッカーは自分達の管轄を離れたと考える。

署を離れようとしたデッカーはカーティスからの電話を受け、価値のない男のカーロやコナーズは死んで当然だと言われ、必ず逮捕すると答えて再びオフィスに戻り資料を調べる。

カーロが価値のない男のはずがないため、それが気になるデッカーだったが、その件をジェンキンスに伝えても興味を示さない。

保管庫のハリーを呼び出したデッカーは、カーロを憎む彼が記録に細工したことを問い詰めて確認する。

真相が見えないデッカーは、犯人がコナーズを知り尽くしているとハリーに言われ、カーティスがローレンツでないことに気づく。

パール・ストリート橋で酷い仕打ちを受けた者、つまり、コナーズの相棒だった懲戒免職となったヨークが犯人であることが分かったデッカーは、全ての謎を解く。

橋で人質を撃ってしまったのはヨークで、反撃しようとした犯人をコナーズが射殺したのだった。

必ず事件を解決させると言うデッカーは、ヨークの居場所を突き止める。

ダイナーから出て来たヨークに銃を向けたデッカーとギャロウェーは、反撃してきたヨークと撃ち合いになる。

ウエイトレスに銃を向けて抵抗するヨークは、ギャロウェーを銃撃してその場から逃げ去る。

ギャロウェーとウエイトレスの無事を確認したデッカーは、港に向かったヨークを追う。

余裕を見せるヨークはデッカーに襲いかかり、二人は格闘になる。

銃を手にしたデッカーに銃撃されたヨークは海に落ちる。

ダイナーでギャロウェーと話したデッカーは、彼女がコナーズと愛し合っていた話などを聞く。

ウエイトレスに代金は要らないと言われたデッカーは、財布の紙幣の香りに気づく。

朝、ダイナーでコナーズに嫌みを言われたため、彼が支払った紙幣を財布に入れて自分で払ったことと、鑑識のマーニーの話をデッカーは思い出す。

コナーズの家に向かい内部を調べたデッカーは、”ジェームズ・グリック”のカオス理論に関する著書があることに気づく。

ダイナーでコナーズは興味を示さなかったにも拘らず、著書はマーカーで細かくチェックされていた。

飛行機の搭乗名簿を調べたデッカーは空港に向かう。

コナーズからの電話を受けたデッカーは、完璧に行ううはずの計画に手落ちもあったことを認める彼の話を聞く。

爆破寸前に地下から逃げたコナーズは、他の死体を自分に見せかけて、爆発後に消防士に扮してその場から離れた。

空港内でコナーズを捜すデッカーだったが、もうその場にはいないと言われて電話を切られる。

小型ジェットをチャーターしたコナーズは、悠然とそれに乗り込み旅立つ。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ワシントン州、シアトル
ある事件で犯人と共に人質を殺してしまった刑事クエンティン・コナーズは職務停止となる。
その後、銀行襲撃事件が起き、犯人グループのリーダー、ローレンツから交渉役に指名されたコナーズは、移動してきた若い刑事デッカーを相棒にすることを条件に、上司上司のジェンキンスから復帰を言い渡される。
現場に向い指揮をしたコナーズは、SWATと共に突入を試みるが、犯人ローレンツらの罠だと分かる。
次の瞬間に爆発が起き人質は解放されるが、犯人達は姿を消す。
銀行内からは何も奪われていない状況で、犯人達の狙いは何だったのか・・・。
”カオスの中にも秩序がある”というローレンツの電話の言葉が気になったデッカーだったが、コナーズはそれに興味を示さない・・・。
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カナダイギリス映画でもあり、北米では劇場公開されずDVDリリースだけに終わった作品。

ジェイソン・ステイサム他個性派スターの魅力を生かした作品で、中盤以降に大きく動く展開と予測がつかないストーリーに引き込まれる。

B級作品に急に近いのかと考えながら観ていたのだが、トニー・ジグリオの軽快な演出と彼自身による細部まで気を遣った脚本で最後まで飽きさせない。

完璧な知能犯を思わせるウェズリー・スナイプスが、終盤で追い込まれる場面では単なるチンピラに近い男に変貌する理由が、クライマックスで、全て主人公の指示の下で動いていた行動だったためと分かる巧みな演出なども見逃せない。

他を圧倒する雰囲気のある主人公を演じ、終盤で姿を消すものの、驚きの存在としてクライマックスに登場してラストを締めくくるジェイソン・ステイサムと、若いが堅実な行動と考えで事件を解決しようとするライアン・フィリップの好演が印象に残る。

見せかけの犯人のリーダー格を演ずるウェズリー・スナイプス、事件を指揮する警部ヘンリー・ツェニー、愛人でもある部下ジャスティン・ワデルニコラス・リー、テレビ・レポーターのジェシカ・スティーン、銀行支店長ロブ・ラベル、刑事ジョン・カッシーニ、警察の技術班デイモン・ジョンソン、押収品保管庫の管理者ポール・ペリ、鑑識のキーガン・コナー・トレイシー、犯人の一人タイ・オルソンと愛人のナターシャ・マルテなどが共演している。


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