2000年に発表された、フランク・W・アバグネイルJr.の自伝的同名著書の映画化。 小切手詐欺を始めた少年が社会的信用のあるパイロット、医者、弁護士などに成りすましながらFBIの追跡を巧みにかわす逃亡生活を描く、製作、監督スティーヴン・スピルバーグ、主演レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス、クリストファー・ウォーケン、マーティン・シーン、エイミー・アダムス他共演の犯罪ドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作総指揮
バリー・ケンプ
マイケル・シェーン
ローリー・マクドナルド
アンソニー・ロマーノ
製作
スティーヴン・スピルバーグ
ウォルター・F・パークス
原作:フランク・W・アバグネイルJr.
脚本:ジェフ・ナサンソン
撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演
レオナルド・ディカプリオ:フランク・Wア・バグネイルJr.
トム・ハンクス:カール・ハンラティ
クリストファー・ウォーケン:フランク・アバグネイルSr.
マーティン・シーン:ロジャー・ストロング
ナタリー・バイ:ポーラ・アバグネイル
エイミー・アダムス:ブレンダ・ストロング
ジェームズ・ブローリン:ジャック・バーンズ
ジェニファー・ガーナー:シェリル・アン
ブライアン・ハウ:トム・フォクス
アメリカ 映画
配給 ドリームワークス
2002年製作 140分
公開
北米:2002年12月25日
日本:2003年3月21日
製作費 $52,000,000
北米興行収入 $164,435,220
世界 $352,114,310
■ アカデミー賞 ■
第75回アカデミー賞
・ノミネート
助演男優(クリストファー・ウォーケン)
作曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1963年、ニューヨーク州、ニューロシェル。
15歳のフランク・WアバグネイルJr.(レオナルド・ディカプリオ)は、父フランクSr.(クリストファー・ウォーケン)とフランス人の母ポーラ(ナタリー・バイ)と幸せに暮らしていた。
フランクSr.は、脱税などによりチェイス・マンハッタン銀行からの融資を拒否され、アバグネイル一家は屋敷を差し押さえられ、アパートに引っ越すことになる。
フランクの16歳の誕生日、父フランクSr.は、息子に小切手口座を与える。
転校した学校で、フランクは、なんとフランス語の臨時教師に扮し、生徒を相手に1週間授業を行ってしまう。
父フランクSr.は、息子の”逞しさ”に感心するが、母ポーラは、満ちたりない日々が続き、夫の加盟するロータリークラブの会長ジャック・バーンズ(ジェームズ・ブローリン)と浮気をするようになる。
やがて両親が離婚することになり、家を飛び出したフランクは、原始的な小切手偽造に失敗する。 街角でパイロットとスチュワーデスを見かけたフランクは、そのスマートさに惹かれ、パイロットに変装するための準備を始める。 高校の学校新聞の記者に扮したフランクは、パンナム本社に取材に行き、失効した証明書と制服も手に入れてしまう。 フランクには箔がつき、周囲から信頼の目で見られるようになり、小切手偽造の腕も上げ、 パンナムの従業員小切手を大量に作り換金していく。 やがて、乗務員に扮したフランクは、大手航空会社の旅客機に搭乗し各地を飛び回る一方、より精巧な小切手を偽造していく。 ワシントンD.C.、FBI本部。 父フランクSr.に近況を報告したフランクは、ハリウッドに向かうことも父に告げる。 ハリウッドで、偽造小切手が使われたの知ったハンラティは、捜査官トム・フォクス(ブライアン・ハウ)らを伴い現地に向かう。 あるモーテルで小切手を見つけたハンラティは、持ち主の部屋に向かうが、現れたフランクはシークレット・サービスを装い、彼を騙し平然と部屋から逃亡する。 ”空のジェームズ・ボンド”と噂されるようになったフランクは、公開中の”ゴールドフィンガー”を観て研究し、主演ショーン・コネリーと同じスーツを新調し、アストンマーチンDB5まで手に入れてしまう。 フランクは、モデルのシェリル・アン(ジェニファー・ガーナー)との一夜を、ジェームズ・ボンドのように手に入れてしまう。 ハンラティの連絡先を探り当てたフランクは、彼に電話をかけるが、彼は孤独なフランクの心理を見抜いてしまう。 ある日ハンラティは、フランクが、コミックに出てくる主人公の”バリー・アレン”を偽名にしていることを知り、彼が子供であるために、犯罪記録が無いことに気づく。 さらにフランクが、ヤンキースの話しをしたことを思い出し、ニューヨークの未成年の家出人をハンラティは警戒させる。 フランクの母親に会ったハンラティは、高校の写真から、自分がハリウッドで会った青年がフランクだと確信して、捜査を進める。 ジョージア州、アトランタ。 医師免許を偽造したフランクは、ブレンダの病院に勤務することになり、彼女と親密な関係になっていく。 フランクSr.にも会ったハンラティは、フランクからの手紙を見つけ、彼がアトランタにいることを知る。 2年前に中絶を経験し、家族から勘当されていたブレンダのために、フランクは婚約して彼女の両親に伝えにいこうとする。 検事であるブレンダの父ロジャー(マーティン・シーン)に、自分が法律家でもあると偽ったフランクだったが、彼はその嘘を見抜かれてしまう。 しかし、フランクはロジャーに気に入られ、彼の法律事務所で検事補として働くことになる。 ブレンダの家での平穏な生活が始まり、父フランクSr.に会いたくなったフランクは、父の元に向かう。 フランクは、父にブレンダとの婚約パーティーの招待状を渡すが、母ポーラがバーンズと再婚したのを知り、これを機会に詐欺人生に終止符を打とうとする。 フランクSr.はそれが出来ないと断言し、フランクはその場を立ち去ってしまう。 ハンラティに電話をしたフランクは、彼に足を洗うことを伝えるが、ハンラティは、フランクを必ず逮捕することを伝え、使われた小切手を頼りに、彼はルイジアナ州向かう。 婚約パーティーの席上、ハンラティが現れたことに気づいたフランクは、ブレンダと2日後にマイアミで落ち合う約束をして姿を消す。 2日後、フランクはマイアミ国際空港に現れたブレンダを確認するが、彼女が尾行されていたことを知り、その場から逃亡する。 地元の大学の女子学生から、客室乗務員の体験者を募集し、その中に混じり、空港に侵入したフランクは、自分の囮も用意して逃げ延びてしまう。 7ヵ月後。 フランクの母親がフランス人だと知ったハンラティは、彼女の出身地”モントリシャール”に向かう。 1967年、クリスマス、モントリシャール。 1969年。 母ポーラの元に向かったフランクは、彼女が女の子を産んだことを知り、駆けつけたハンラティに逮捕されてしまう。 フランクは起訴され、懲役12年を言い渡されて、アトランタ刑務所に収監される。 翌年のクリスマス、フランクと面会をしたハンラティは、次の小切手偽造の捜査の話になり、小切手についての並外れた知識を持つ彼の助言を受ける。 ハンラティは、そのフランク才能を上司に伝え、彼はFBIの金融犯罪課にスカウトされる。 自由は手に入れたものの、空虚な毎日が続くフランクは、再び逃亡を謀る。 パイロットに扮したフランクを追ったハンラティは、彼が週明けに戻ることを確信して、そのまま泳がせる。 週が明けても戻らないフランクに焦るハンラティだったが、やがて彼は姿を現す。 ハンラティはフランクに、ルイジアナ州の司法試験をパスした手口を尋ねる。 フランクは、”2週間勉強したら受かった”と答え、引き続き捜査に協力する。 その後もフランクは仕事を続け、小切手偽造と銀行詐欺の権威となる。 フランクは、偽造防止小切手を考案し、銀行や大企業がそれを使用し、年間数百万ドルの報酬を受け取っている。 そして、フランクとハンラティの友情も続く。
...全てを見る(結末あり)
銀行詐欺に精通する、捜査官のカール・ハンラティ(トム・ハンクス)は、フランクの偽造小切手の捜査を始めていた。
病院の看護師ブレンダ・ストロング(エイミー・アダムス)と知り合ったフランクは、今度は医者になることを父フランクSr.に知らせる。
世界の各地でフランクの偽造小切手が見つかり、ハンラティは、ヨーロッパのどこかでフランクが大量に小切手を印刷していると確信する。
フランス当局の協力で、ハンラティはついにフランクを逮捕することになるが、彼は警察に連行されてしまう。
ようやくフランクの身柄を引き取ったハンラティだったが、帰国する機内で、彼は父親が亡くなったことを知らされ、着陸寸前に機内から脱出して逃亡する。
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*(簡略ストー リー)
高校生フランク・WアバグネイルJr.は、両親の離婚をきっかけに家出する。
小切手偽造に失敗したフランクは、パイロットのスマートさに憧れを抱き、それに扮するためパンナム本社に潜り込み、証明書や征服を手に入れる。
客室乗務員に扮したフランクは、各地を飛び回る一方、小切手偽造の腕も上げていく。
やがて、銀行詐欺の専門家である、FBI捜査官カール・ハンラティが、フランクの偽造小切手の捜査を始める。
ハリウッドで、偽造小切手が使われたのを知ったハンラティは現場に向かうのだが、そこに現れたのは、シークレット・サービスに扮したフランクだった・・・。
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スティーヴン・スピルバーグ及び彼とコンビを組む製作スタッフ、レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクスらの、ビッグネームの共演が話題になった痛快作。
10代後半の少年が、孤独や寂しさを紛らすために考え出した、巧妙な詐欺や逃亡の手口を、スピーディー且つシャープに描く、スピルバーグの演出は見応え十分。
1960年代の街並みやセット、または小道具やその時代の文化を、細部までこだわって映像化しているところも実に興味深い。
第75回アカデミー賞では、助演男優(クリストファー・ウォーケン)と、雰囲気抜群の音楽で楽しませてくれるジョン・ウィリアムズが、作曲賞にノミネートされた。
アイドル・スターから脱皮しつつあったレオナルド・ディカプリオは、あどけなさを残しながら、逞しく生き抜く世渡りのうまい青年を好演し、実力派俳優の才能を十分に発揮している。
主役の邪魔にならぬよう、控えめにFBI捜査官を演ずるトム・ハンクス、息子に、犯罪の才能を開花させるきっかけを作り、それを頼もしく思い、また温かく見守る主人公の父親クリストファー・ウォーケン、一見堅物のように見えるが、主人公を気に入る恋人の父親マーティン・シーン、主人公の母親ナタリー・バイ、公開当時はそれほど印象に残らなかったが、今観ると気になる、主人公の婚約者役エイミー・アダムス、母の愛人ジェームズ・ブローリンやジェニファー・ガーナーも共演している。