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キャロル Carol (2015)

1952年に発表された、パトリシア・ハイスミスの小説”The Price of Salt”を基に製作された作品。
離婚を控える富豪夫人と写真家志望の女性の禁断の恋を描く、監督トッド・ヘインズ、主演ケイト・ブランシェットルーニー・マーラサラ・ポールソンカイル・チャンドラー他共演の恋愛ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)


スタッフ キャスト
監督:トッド・ヘインズ
製作
エリザベス・カールセン
スティーヴン・ウーリー
クリスティン・ヴェイコン
製作総指揮:テッサ・ロス
原作:パトリシア・ハイスミスThe Price of Salt
脚本:フィリス・ナジー
撮影:エドワード・ラックマン
編集:アフォンソ・ゴンサウヴェス
音楽:カーター・バーウェル

出演
キャロル・エアード:ケイト・ブランシェット
テレーズ・ベリベット:ルーニー・マーラ
アビー・ゲルハルト:サラ・ポールソン
ハージ・エアード:カイル・チャンドラー
リチャード・セムコ:ジェイク・レイシー
トミー・タッカー:コーリー・マイケル・スミス
ダニー・マッケルロイ:ジョン・マガロ
ジュヌヴィエーヴ・キャントレル:キャリー・ブラウンスタイン
ジャック・タフト:トレント・ローランド

イギリス/アメリカ 映画
配給
ワインスタイン・カンパニー
スタジオカナル
2015年製作 118分
公開
イギリス:2015年11月27日
北米:2015年11月20日
日本:2016年2月11日
製作費 $11,800,000
北米興行収入 $12,711,490
世界 $40,272,140


アカデミー賞
第88回アカデミー賞

・ノミネート
主演女優(ケイト・ブランシェット
助演女優(ルーニー・マーラ
脚色・撮影・衣裳デザイン・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1953年、ニューヨークマンハッタン、”リッツ”。
キャロル・エアード(ケイト・ブランシェット)とレストランで同席していたテレーズ・ベリベット(ルーニー・マーラ)は、その場に現れた友人のジャック・タフト(トレント・ローランド)から声をかけられる。

紹介されたキャロルに挨拶したジャックは、友人達のパーティーに行くことをテレーズに確認する。

会食の前に電話をしなければと言って席を立ち、テレーズの肩に触れたキャロルは、ジャックに挨拶してその場を去る。

キャロルを気にしながら、テレーズは友人達の車に乗りパーティーに向かう。

写真家志望であり、デパート”フランケンバーグ”のおもちゃ売り場で働いていたテレーズは、美しい富豪婦人キャロルが目に留まった時のことを思い出す。
__________
...全てを見る(結末あり)

1952年12月。
テレーズは、同じデパートで働くボーイフレンドのリチャード・セムコ(ジェイク・レイシー)とのフランスへの船旅を計画していた。

クリスマス商戦のため活気づくデパートの売り場で、キャロルを見つめていたテレーズは彼女と目が合う。

その後、声をかけて来たキャロルから、娘に贈る人形を探してほしいと言われたテレーズは、在庫切れだと伝える。

キャロルに他の商品を勧めようとしたテレーズは、4歳の頃、好きだった人形は何かと訊かれる。

人形はあまり持っていなかったと答えたテレーズは、タバコに火を点けようとしたキャロルに禁煙だと知らせる。

謝罪するキャロルから買い物は緊張すると言われたテレーズは、売る仕事も同じだと伝える。

娘リンディの写真を見せたキャロルは、4歳の時に欲しかったものをテレーズに尋ね、列車セットだと言われる。

それを熱心に勧めるテレーズから、2~3日で配達して組み立てもすると言われたキャロルは購入を決める。

伝票に住所などを記入してその場を去ったキャロルを見つめるテレーズは、彼女が手袋を忘れたことに気づく。

仕事帰りに、リチャードと”ニューヨーク・タイムズ”の記者ダニー・マッケルロイ(ジョン・マガロ)と兄フィルと共にバーに向かったテレーズは、楽しい時間を過ごす。

ダニーから、職場に来れば編集部の写真担当助手を紹介すると言われたテレーズは喜ぶ。

アパートに戻ったテレーズは、リチャードが酔って眠ってしまったため、キャロルの手袋と伝票を見つめる。

離婚を控える夫ハージ(カイル・チャンドラー)がリンディを迎えに来たため話をしたキャロルは、アビー・ゲルハルト(サラ・ポールソン)と会っていることを知った彼の表情を気にする。

手袋が届いたというキャロルからの電話を職場で受けたテレーズは、彼女から感謝されて明日のランチに誘われる。

それを約束したテレーズは、翌日、待ち合わせたレストランに向かう。

席に着いたテレーズはキャロルと同じものを注文し、彼女からタバコを勧められる。

”ベリベット”はチェコが語源であることなどを話したテレーズは、キャロルが夫のハージと離婚することを知る。

ボーイフレンドのリチャードは結婚したがっているが、自分は決めかねていると伝えたテレーズは、キャロルから、日曜日に暇があれば訪ねてきてもいいと言われる。

それを有難く思うテレーズは訪ねることを約束し、食事を済ませた彼女は、キャロルが迎えに来た女性(アビー)の車に乗る姿を見つめながら手を振る。

ハージの実家のパーティーに向かうキャロルは、アビーからテレーズのことを訊かれ、手袋を送り返してくれたとだけだと話す。

その後テレーズは、キャロルと約束した予定を、手帳の日曜日のページに書く。

パーティーに出席したキャロルは、義母の目を気にしながら過ごし、友人のジャネットからクリスマスの予定を訊かれ、数日、旅行に行くかもしれないと伝える。

ニューヨーク・タイムズ”のダニーの職場を訪ねたテレーズは、話をして彼に迫られ、それを拒みその場を去る。

キャロルを送ったハージは、クリスマスは自分の実家で過ごすことを提案する。

一人にしたくないと言われたキャロルは、リンディやアビーがいると伝える。

未だにアビーと頻繁に会っていることを気にするハージに、破局する前に彼女とは終わっていると伝えたキャロルは、イヴの4時にリンディを迎えに来ることを約束する。

こんな状況は間違っていると言われたキャロルは、その通りだとハージに伝えて家に入る。

リンディを寝かせたキャロルは、届けられた列車セットを動かしながら、テレーズのことを考える。

日曜日、ニュージャージーに向かうことをリチャードに伝えたテレーズは、車で迎えに来たキャロルに彼を紹介する。

ツリーを買いに行ったキャロルに、テレーズはカメラを向ける。

屋敷に着いたキャロルはリンディとツリーを飾り、”テディ・ウィルソン”の曲をピアノで弾くテレーズに寄り添う。

写真家が夢なのかと訊かれたテレーズは、才能があるならと答え、キャロルは、それは他人が決めることで努力し続ければいいと伝える。

キャロルから作品を見せてほしいと言われたテレーズは、カメラは安物であり、売るために見せたこともない写真は、アパートのシンクの下に入れてあると話す。

アパートに招待してほしい伝えたキャロルは、ハージが現れたために驚き、彼はテレーズに気づく。

イヴにリンディを連れて行くはずだったハージは、急遽フロリダに向かうことになったため、母の意見だとキャロルに伝える。

キャロルと口論になったハージは、妻とどこで知り合ったのかをテレーズに問う。

テレーズからデパートの店員だと言われたハージは、ギフトを注文した際に忘れた手袋を届けてくれたことをキャロルから知らされる。

余計なことをしたとハージから言われたテレーズは、何をすればいいのかとキャロルに尋ねる。

キャロルは、構わないでほしいとテレーズに伝える。

リンディを車に乗せて別れを惜しんだキャロルは、一緒に来るようにと言うハージと再び口論となる。

自分を罵倒するハージが去った後、キャロルは、気遣うテレーズを駅まで送る。

電車に乗ったテレーズは、悲しくなり涙する。

アパートに戻り、キャロルからの電話を通路で受けたテレーズは、彼女から謝罪される。

訪ねて行ってもいいかと訊かれたテレーズは、もちろんだと答え、キャロルに質問しようとするものの、何人かの人が現れたために電話を切る。

翌日、弁護士に呼ばれたキャロルは、共同親権から単独に変えたハージの考えを知らされ、審問までリンディに会えないことを知らされる。

ハージが永久親権を求めていると言われたキャロルは、アビーなど同性との親交関係を不道徳と判断され、妻として戻らなければリンディは渡してもらえない相手の考えに気づく。

審問は4月以降になり、それまでリンディに会えないことを知ったキャロルは、娘と引き離すことこそ不道徳だと考える。

動揺しながら建物を出たて、落ち着くためにタバコを吸ったキャロルは、ショーウィンドウのカメラを見つめる。

キャロルに贈るレコードを買ったテレーズは、リチャードから、クリスマスに家に来るよう誘われる。

クリスマスは家族で過ごすものだと言うテレーズは、ポートフォリオを作ろうと思っていることをリチャードに伝える。

旅行のことを訊かれたテレーズは、付き合った相手や同性に恋した経験があるかをリチャードに尋ねる。

誰にでも起きる可能性があると言われたリチャードは、女に恋したのかとテレーズに尋ねる。

それを否定するテレーズは、リチャードから、自分と人生を過ごすためにフランスに旅行して結婚もしたいと言われる。

心の準備ができないので決められないと伝えたテレーズは、アパートに戻る。

アビーと会ったキャロルは、リンディの件などを話し、審問までの間、テレーズと西に旅行することを伝える。

訪ねて来たキャロルから高級カメラを贈られたテレーズは驚き、自分が撮った写真を見せる。

リンディのことで悲しむキャロルの話を聞いたテレーズは、力になれない自分を情けなく思う。

自分とは関係ないことだと言われたテレーズは、キャロルから、西に旅するので一緒に行かないかと誘われ、是非、行きたいと伝える。

それを知らされたリチャードは、テレーズの考えを理解できない。

キャロルへのプレゼントを持参したテレーズは、彼女と共に車で旅立つ。

二人はダイナーに寄り、テレーズは、屋敷のピアノで弾いた”テディ・ウィルソン”と”ビリー・ホリデイ”のレコードをキャロルに贈る。

感謝するキャロルは、自分を写真に撮るテレーズにリチャードのことなどを尋ね、忘れていたと言われる。

訪ねて来たハージから、クリスマスを母と過ごしたいリンディのためにキャロルを連れに来たと言われたアビーは、ここにはいないと伝えて協力を拒む。

モーテルの部屋でテレーズは、キャロルのスーツケースの中の拳銃に気づく。

二人は車で次の町に向かい、自分と一緒にいて安心できるかとキャロルに尋ねたテレーズは、何かに怯えているなら力になると伝える。

キャロルは、怯えてなどいないと答える。

二人は次のモーテルに泊まり、氷を取りに行ったテレーズは、宿泊客のトミー・タッカー(コーリー・マイケル・スミス)に手伝ってもらう。

キャロルに贈ったレコードの曲”ビリー・ホリデイ”の”Easy Living”を聴きながら、テレーズはキャロルと共に楽しい時を過ごす。

翌朝、食堂でトミーから話しかけられたテレーズは、彼が小間物を売るセールスマンだと知る。

そこに現れたキャロルは、テレーズに紹介されたトミーから、シカゴに向かう近道を教えてもらう。

シカゴ
ホテルに宿泊したキャロルは、ハージに電話をするものの切ってしまい、テレーズはリチャードからの手紙を受け取る。

アイオワ州、ウォータールー
モーテルに宿泊して新年を祝ったキャロルとテレーズは、ベッドで愛し合う。

翌朝、チェックアウトしようとしたキャロルは電報を受け取り、その内容を見て驚いた彼女は拳銃を手にして、宿泊していた隣の部屋に向かう。

その場にいたのは探偵だったトミーで、自分達の会話などを盗聴していたことを知ったキャロルは、テープを渡すようにと伝える。

テープは既にハージに送られたことを知ったキャロルは、トミーに銃を向けるものの、弾がないことに気づく。

電報をくれたアビーに電話をしたキャロルは動揺し、車に乗ったテレーズは、自分が身勝手だったと伝える。

車を停めたキャロルは、あなたのせいではないと言って、涙するテレーズを慰める。

次のモーテルで再びアビーに電話をしたキャロルは、彼女に励まされる。

テレーズを自分のベッドに呼び寄せたキャロルは、彼女と愛し合う。

翌朝、アビーが部屋にいることに気づいたテレーズは、キャロルが発ったことを知る。

アビーから、キャロルが戻ってこないと言われたテレーズは責任を感じる。

ダイナーで朝食を取りながら、なぜ自分を恨むのかとアビーに尋ねたテレーズは、大陸を半分も横断してきたのが、そんな理由だと思うのかと言われる。

自分とキャロルに何があったかを訊かれたアビーは、10歳の時からの付き合いで、5~6年前に関係を持ったことをテレーズに話す。

考えは変わるものだと言うアビーは、キャロルからの手紙をテレーズに渡す。

”ハージは必ず自分達を見つけだしていた。
元に戻る運命なら早い方がいい、若いので悩むだろうが、いずれ理解できることが来る。
その時には、あなたを心から迎え入れる。
自分達の人生には、永遠の夜明けが待つ。
それまでは互いに連絡し合わないことにするが、幸せになるなら何でもする。
自分にできる唯一のこととして、あなたを解放する・・・”

苦しみながらアパートに戻ったテレーズは、旅で撮った写真を現像する。

テレーズからの電話を受けたキャロルは、彼女の気持ちを察する。

電話を切られたテレーズは、たまらなく会いたいと呟く。

ダニーから、キャロルの写真がどれもよく撮れていると言われたテレーズは、練習用だと伝えてしまってしまう。

ポートフォリオを作ることを提案されたテレーズは、同僚に紹介すると言うダニーから、キャロルとの旅行のことを訊かれ、話したくないと答える。

自分が迫ったことを気にして不安に思うなら、その心配はないとダニーから言われたテレーズは、それを否定する。

いずれにしても、ポートフォリオを作ることをダニーはテレーズに勧める。

ハージの両親と食事をしたキャロルは、戻ってきたリンディを抱き寄せる。

デパートを辞めてリチャードと別れたテレーズは、写真を選びポートフォリオを作る準備を始める。

リンディと別れて暮らす生活に耐えられないとアビーに話したキャロルは、テレーズのことを訊かれる。

1か月以上前に電話があったきりで何も連絡がないと伝えたキャロルは、テレーズが”ニューヨーク・タイムズ”で働き始めたことを知らされる。

待っていてほしいとテレーズに言うべきだったと後悔するキャロルを、アビーは慰めるしかなかった。

タクシーに乗っていたキャロルは、街でテレーズを見かける。

親権争いの協議の場に向かったキャロルは、幸せになってほしいとハージに伝え、かけがえのない二人への贈り物であるリンディを、なぜ互いから引き離そうとするのかを問う。

テレーズのことは自分が望んだことであり、否定はしないと言うキャロルは、娘の将来を台無しにするとしたら後悔し、そうなったら辛過ぎると伝える。

正しい決断を下す必要があると言うキャロルは、リンディの親権はハージが持つべきであり、そうしないと耐えられないと伝えて、面会権だけを求める。

監視されてもいいので定期的に会いたいと言うキャロルは、面会権以外は要求しないが、交渉には応じないので、拒否するなら裁判に持ち込むと伝えて、涙しながらその場を去る。

職場にいたテレーズは、6時半に”リッツ”で待つというキャロルからの手紙を受け取る。

リッツ”。
電話をかけていたキャロルは、その間にテレーズが席についていたために嬉しく思う。

再会を喜ぶキャロルは、自分を憎んでいるかを問い、それを否定する、仕事で忙しそうな彼女に美しくなったと伝える。

屋敷は売ることにしたと言うキャロルは、マディソン街に部屋を借りて、家具のバイヤーとして働くことにしたと話す。

テレーズからリンディのことを訊かれたキャロルは、何度か会い、今はハージと暮らしていると伝える。

部屋は広いので一緒に暮らしてほしいと言われたテレーズは、それはできないと答える。

オークルームの会食に誘われたテレーズが返事をしないため、彼女の気持ちを察したキャロルは、愛していると伝える。

そこに現れた友人のジャックから声をかけられたテレーズは、彼にキャロルを紹介する。

ジャックはテレーズがパーティーに行くことを確認し、それに誘われたキャロルは、会食の前に電話をしなければならないと言って席を立つ。

テレーズの肩に触れたキャロルは、ジャックに挨拶してその場を去る。

動揺しながらパーティに向かったテレーズは、女性とダンスするリチャードに気づく。

誰も相手がいないテレーズは、話しかけてきたジュヌヴィエーヴ・キャントレル(キャリー・ブラウンスタイン)と簡単な会話を交わす。

その場を去ったテレーズは、”リッツ”に戻りオークルームに向かいキャロルを捜す。

自分を見つめるテレーズに気づいたキャロルは、微笑みかける表情で彼女の気持ちを理解する。


解説 評価 感想
*(簡略ストー リー)
1952年、クリスマス・シーズン、ニューヨークマンハッタン
離婚控える富豪夫人キャロル・エアードは、デパートのおもちゃ売り場で働くテレーズの目に留まる。
互いを意識した二人は、キャロルが忘れた手袋をテレーズが送り返したことで親しくなり、プライベートで会うことになる。
夫ハージと離婚するつもりだったキャロルは、そのきっかけともなった親友アビーと関係した過去がありながら、写真家志望のテレーズに心奪われてしまう。
それを知ったハージは、娘リンディの親権を奪おうと考え、娘に会えないキャロルは悲しむ。
テレーズに心の拠り所を求めたキャロルは、彼女を旅行に誘い、二人は関係を深めながら旅を続けるのだが・・・。
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パトリシア・ハイスミスの原作をトッド・ヘインズが演出した作品。

ダグラス・サーク作品へのオマージュ的作品である「エデンより彼方に」(2002)を演出したトッド・ヘインズが、同作と同じく1950年代を舞台にした、女性同士の切ない恋を描くドラマ。

当時の雰囲気を伝えるセットや衣装などは見事であり、禁断の恋を深く描くトッド・ヘインズの演出手腕が見どころの作品である。

主人公の富豪夫人を演ずるケイト・ブランシェットの高貴な雰囲気と妖艶な魅力は際立ち、彼女に魅了される写真家志望の女性を好演するルーニー・マーラの、言葉少なげに表情で演ずる演技は秀逸だ。

舞台となる1952~1953年ということを考えると、「ローマの休日」(1953)で世界的なスターになったオードリー・ヘプバーンを意識したと考えられる、ルーニー・マーラのメイクや仕草なども注目したい。

主人公二人の思いを伝える、カーター・バーウェルのシンプルな音楽が非常に印象に残る。

第88回アカデミー賞では、主演女優(ケイト・ブランシェット)、助演女優(ルーニー・マーラ)、脚色、撮影、衣裳デザイン、作曲賞にノミネートされた。

第68回カンヌ国際映画祭ではパルムドールにノミネートされ、ルーニー・マーラ(女優賞)とクィア・パルムを受賞した。

主人公の親友であり、かつて彼女と関係を持った女性サラ・ポールソン、主人公の夫カイル・チャンドラー、主人公のボーイフレンド、ジェイク・レイシー、主人公の夫に雇われる私立探偵のコーリー・マイケル・スミス、その友人である”ニューヨーク・タイムズ”の記者ジョン・マガロ、テレーズ(ルーニー・マーラ)とパーティで話すキャリー・ブラウンスタイン、テレーズの友人トレント・ローランドなどが共演している。


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