サイトアイコン That's Movie Talk!

カリートの道 Carlito’s Way (1993)

足を洗い高飛びを考える元麻薬王が愛する女性のために命懸けで生き抜こうとする姿を描く、監督ブライアン・デ・パルマアル・パチーノショーン・ペンペネロープ・アン・ミラー他共演の犯罪ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

アル・パチーノ / Al Pacino / Pinterest
ショーン・ペン / Sean Penn / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ブライアン・デ・パルマ

製作総指揮
オートウィン・フレイヤームス
ルイス・A・ストローラー
製作
マーティン・ブレグマン
マイケル・スコット・ブレグマン
ウィル・ベアー
原作:エドウィン・トレス
脚本:デヴィッド・コープ
撮影:スティーブン・H・ブラム
編集
クリスティナ・ボーデン
ビル・パンコー
音楽:パトリック・ドイル

出演
アル・パチーノ:カリート“チャーリー”ブリガンテ
ショーン・ペン:デヴィッド・クラインフェルド
ペネロープ・アン・ミラー:ゲイル
ジェームズ・レブホーン:ノーウォーク
ルイス・ガスマン:パチャンガ
ジョン・レグイザモ:ベニー・ブランコ
ジョセフ・シラーヴォ:ヴィニー・タグリアルッチ
フランク・ミヌッチ:トニー・タグリアルッチ
エイドリアン・パスダー:フランキー・タグリアルッチ
ホルヘ・ポーセル:サッソ
ヴィゴ・モーテンセン:ラリーン

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2000年製作 143分
公開
北米:1993年11月10日
日本:1994年4月
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $36,948,320
世界 $63,848,320


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1975年、ニューヨーク
元麻薬王カリート・ブリガンテ(アル・パチーノ)は、巧みな話術と、お抱え弁護士デヴィッド・クラインフェルド(ショーン・ペン)の助力により30年の刑を5年で釈放される。

足を洗いバハマで車のレンタル業を始める考えがあったカリートは、かつての縄張りで、従兄弟が絡む麻薬取引の資金を奪って逃走してしまう。

クラインフェルドには、貸しを取り戻したと話したカリートは、用心棒を探す彼に昔の仲間パチャンガ(ルイス・ガスマン)を紹介する。

カリートは、旧友サッソ(ホルヘ・ポーセル)と手を組み、奪った金をつぎ込み資金を増やそうとする。

サッソのクラブに出入りする、界隈で名を上げ始めている、ブロンクスの売人ベニー・ブランコ(ジョン・レグイザモ)がカリートに接触するが、彼はブランコをチンピラ扱いする。
...全てを見る(結末あり)

ある日カリートは、かつて、傷つけてしまった元恋人でダンサーのゲイル(ペネロープ・アン・ミラー)と再会する。

クラインフェルドは、依頼人である服役中の囚人トニー・タグリアルッチ(フランク・ミヌッチ)に脅迫されて、脱獄を手助けすることを強要される。

ある日、カリートの前に、昔の仲間ラリーン(ヴィゴ・モーテンセン)が現れる。

しかしラリーンは、ノーウォーク検事(ジェームズ・レブホーン)の送り込んだイヌだった。

カリートは、ミュージカルのダンサーだと思っていたゲイルが、ストリッパーだと知りショックを受けるが、話はしたものの、私生活に干渉されたくない彼女は、すぐにカリートの元を去る。

のし上がってきたブランコと、カリートはクラブでトラブルになり、カリートは、ブランコを袋叩きにして店から放り出す。

パチャンガはブランコを殺そうとするが、殺しに手を染める気のないカリートは、彼を痛めつけただけで解放する。

クラインフェルドから、タグリアルッチの脱獄の手助けを頼まれたカリートは、それを渋々承知する。

カリートはゲイルと寄りを戻し、バハマの話に彼女もその気になる。

ゲイルは、カリートがクラインフェルドと危ない橋を渡ろうとしていること知り、それを止めようとする。

しかし、カリートは恩人のクラインフェルドを見捨てることはできなかった。

カリートとクラインフェルドは、タグリアルッチを脱獄させるため、彼の息子フランキー(エイドリアン・パスダー)と共に、川沿いの刑務所にボートで向かう。

予定通り、タグリアルッチを見つけたクラインフェルドは、彼と息子フランキーを殺し、川に遺体を捨ててしまう。

クラインフェルドが、タグリアルッチの賄賂を横領したこと知ったカリートは、借りを返したと言わせて彼を見限り、その場を立ち去る。

サッソから、パチャンガがブランコに寝返ったと知らされたカリートは、一線を越えてしまった自分の命が危ういことを察する。

イタリアン・マフィアのボス、タグリアルッチと息子を殺して、それを隠し通せる訳もなく、クラインフェルドは報復により胸を指されてしまう。

クラインフェルドは一命を取り留めるが、カリートは警察に連行される。

カリートはノーウォーク検事から、クラインフェルドがあらゆる悪に手を染めたことを聞かされる。

クラインフェルドが、自分を裏切った証拠となるテープを聞かされたカリートは、タグリアルッチ親子殺害の件も追求される。

ノーウォークは、協力と引き換えにカリートを釈放し、バハマに行かせることを約束するが、彼は白を切る。

ゲイルは、助かる道はノーウォークへの協力しかないとカリートを説得するが、彼はそれを聞き入れずバハマに2人で逃亡しようとする。

そしてカリートは、クラインフェルドの真意を探りに病院に向かう。

クラインフェルドの裏切りを確信したカリートだったが、警官に扮したタグリアルッチの息子ヴィニー(ジョセフ・シラーヴォ)が、報復の一撃をクラインフェルドに放つ。

カリートは、パチャンガにゲイルとの逃亡に手を貸すよう指示を出し、クラブの金庫の7万ドルを取りにに行く。

タグリアルッチの件で探りを入れてきたマフィアとヴィニーがクラブに現れ、カリートの命を狙う。

クラブを抜け出したカリートは、地下鉄で、ゲイルの待つグランド・セントラル駅に向かい、ヴィニー達の追撃をかわしてホームに向かう。

ゲイルの元にたどり着いたカリートだったが、パチャンガの裏切りにより、待ち伏せしていたブランコに銃撃される。

そしてカリートは、ゲイルに7万ドルを渡して街を出ることを指示し、病院に運ばれる途中、静かに息を引き取る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1975年、ニューヨーク
元麻薬王カリート・ブリガンテは、お抱え弁護士クラインフェルドの助力により、30年の刑を5
年に減刑され出所する。
カリートは、足を洗いバハマに移住するために資金を作り、高飛びの準備を始め、元恋人でダンサーのゲイルに再会する。
そんな時、苦楽を共にしたクラインフェルドが、依頼人の服役囚の脱獄を助けることになる。
カリートは、恩人のために、その手助けをすることになるのだが・・・。
__________

1975年に発表された、ニューヨーク州最高裁元判事エドウィン・トレスの同名著書と続編”After Hours”を基に製作された作品。

ブライアン・デ・パルマとは「スカーフェイス」(1983)以来10年振りのコンビとなる、前年「セント・オブ・ウーマン」(1992)で念願だったオスカーを獲得したアル・パチーノの顔合わせということで大いに話題になった作品。

残念ながら、興行的に突出した成績を残せた作品ではないが、後年、評価が高まり、やや浮き沈みが激しかったブライアン・デ・パルマは、次回作の「ミッション:インポッシブル」(1996)を大ヒットさせる。

アル・パチーノの演技の邪魔をしないように、あえてデ・パルマらしい映像表現を抑えていたようにも思える作風だが、クライマックスの地下鉄からグランド・セントラル駅の追跡劇は、いかにも彼らしい三次元的な映像であり印象に残る。

50歳を過ぎ、円熟期を迎えたアル・パチーノの重厚な演技は、親子ほどの年の差の共演陣を見事にコントロールしているような、優雅さすら感じる。
アップで捉える、目だけで演ずるラストの彼の演技も素晴らしい。

やや道化的な役を演ずる、ショーン・ペンの確かな演技も見もので、本作をきっかけに、ハリウッドを代表する演技者として飛躍していく、彼の才能が窺える。

主人公の恋人で、体当たりの熱演を見せるペネロープ・アン・ミラー、検事のジェームズ・レブホーン、主人公の用心棒ながら、結局は裏切るルイス・ガスマン、チンピラの売人からのし上がっていくジョン・レグイザモ、父と兄を殺されるマフィア、ジョセフ・シラーヴォ、さらにヴィゴ・モーテンセンが、短いながらも印象に残る役で登場する。


モバイルバージョンを終了