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海賊キッド Captain Kidd (1945)

国王の財宝を奪おうとする海賊船の船長”キャプテン・キッド/ウィリアム・キッド”の謀略を描く、監督ローランド・V・リー、主演チャールズ・ロートンランドルフ・スコットバーバラ・ブリトンジョン・キャラダインギルバート・ローランド他共演のアドベンチャー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト
監督:ローランド・V・リー

製作:ベネディクト・ボジャース
原作:ロバート・N・リー
脚本:ノーマン・ライリー・レイン
撮影:アーチー・スタウト
編集:チャールズ・オッズ
音楽:ウェルナー・ジャンセン

出演
ウィリアム・キッド船長:チャールズ・ロートン
アダム・マーシー:ランドルフ・スコット
レディ・アン・ダンスタン:バーバラ・ブリトン
オレンジ・ポヴィー:ジョン・キャラダイン
ホセ・ロレンゾ:ギルバート・ローランド
バーソロミュー・ブラヴィンズ:ジョン・クォーレン
シプリアン・ボイル:シェルドン・レナード
ローソン船長:ウィリアム・ファーナム
ウィリアム3世ヘンリー・ダニエル
キャリーシャドウェル:レジナルド・オーウェン
セオドア・ブレイド:アブナー・ビーバーマン
刑務所の看守:ハリー・コーディング
マイケル・オショーン:レイ・ティール
フォールズワース卿:ラムスデン・ヘイア
ランダーズ刑務所長:フレデリック・ウォーロック

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1945年製作 90分
公開
北米:1945年11月22日
日本:1948年5月11日
製作費 $1,500,000


アカデミー賞
第18回アカデミー賞

・ノミネート
音楽賞(ドラマ・コメディ)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
マダガスカル付近。
海賊のウィリアム・キッド船長(チャールズ・ロートン)は、ブレイン卿のイギリスガレオン船”十二使徒”などを襲い、財宝を奪って島に向かう。

キッドは、オレンジ・ポヴィー(ジョン・キャラダイン)ら4人と共に財宝を埋めようとする。

自分が宝を独り占めにしようとしていると疑う1人を射殺したキッドは、その死体と共に財宝を埋める。

1699年、ロンドン
キッドは、国王ウィリアム3世ヘンリー・ダニエル)に気に入られるために、上品な振る舞いを身につけようと考え、キャリーシャドウェル(レジナルド・オーウェン)を雇う。

ハンプトン・コート宮殿
マダガスカル航海の危険について話し合われる宮廷会議が開かれる。

国王ウィリアム3世は、フォールズワース卿(ラムスデン・ヘイア)の船を護衛させて、マダガスカルを通過させるつもりのキッドを呼ぶ。

キッドは、海賊船になった”十二使徒”のブレイン卿に騙されたことを国王に話し、任務が果たせた場合には、彼の領地と城を与えてほしいと伝える。

衛兵長に侮辱されたキッドは、彼と剣を交えて懲らしめ、国王に認められる。

キッドが気に入った国王は、インドから財宝を運ぶフォールズワース卿の船”クイダ”と合流し、護衛してマダガスカルを通過することを彼に命ずる。

キッドは、死刑宣言を受けた元海賊を部下にしたいことを国王に伝えて、それが許可される。

刑務所の囚人アダム・マーシー(ランドルフ・スコット)は、食事にケチをつけて騒ぎを起こす。
...全てを見る(結末あり)

そこに、ランダース所長(フレデリック・ウォーロック)と共にキッドが現れ、軍艦に捕らえられた海賊のマーシーに目をつける。

キッドは、部下のシプリアン・ボイル(シェルドン・レナード)とホセ・ロレンゾ(ギルバート・ローランド)をランダースに紹介する。

囚人たちに話しかけたキッドマダガスカルを知るものを探し、声を上げたマーシーをランダースに解放させる。

キッドに雇われるために囚人たちは船員に志願し、海賊にしては高貴な雰囲気を漂わせるマーシーは砲手長に任命され、彼の友人バーソロミュー・ブラヴィンズ(ジョン・クォーレン)も乗船することになる。

マーシーと共に風呂に入ったバーソロミューは、彼の身分が知られぬよう、首からかけているメダルを裏返しにする。

そこに、キッドバハマで見捨てられたポヴィーが現れる。

焦ったキッドは、真相を話せばすべて終わると言うポヴィーの話を聞き入れる。

キッドは、ボイルとロレンゾは間抜けなので、2人で財宝は山分けできると言って、ポヴィーを仲間に引き入れる。

ポヴィーは、過去のことを手紙に書き友人に渡してあることをキッドに話し、彼を牽制する。

計画が狂ったキッドは、隠してある秘密の手帳に、一度消したポヴィーの名前を書き、殺害者リストに入れる。

キッドは、国王に気に入られて貴族になることが夢だったが、国王を嫌うマーシーは、敬意を払おうとしない。

マーシーを警戒するキッドは、国王のスパイである可能性も考え、シャドウェルに、風格がある彼のことを探らせる。

マーシーを貴族だと見抜いていたシャドウェルは、協力することを約束してキッドの考えを伝える。

シャドウェルから、キッドは商船の船長だと言われたマーシーは、彼が自分を恐れることを不思議に思う。

キッドの元に戻ったシャドウェルは、マーシーが仕えた主人から作法などを学んだのだろうと伝える。

キッドは、埋めた財宝を気にするロレンゾとボイルに、インドから運ばれる50万ポンドの財宝のことを話し、護衛すると見せかけてそれを奪う計画をポヴィーにも伝える。

帆を落下させて事故に見せかけたキッドは、甲板にいたボイルを殺害し、手帳の名を消す。

翌日、ボイルを海中に埋葬したキッドは、彼の代役をマーシーに任せる。

シャドウェルと話したマーシーは、キッドが名門ブレイン家の紋章を写すのを見たことを知る。

キッドの部屋を調べたマーシーは、手帳と海賊の旗、ブレイン卿の指輪などを見つける。

キッドに見つかったマーシーは、”十二使徒”のことなど悪事の証拠を示すものの、国王のスパイに扮して仲間になろうとする。

キッドを納得させたマーシーは、自分に何かあった場合はロンドンにすべてを伝えるよう、バーソロミューに指示する。

マーシーことをロレンゾとポヴィーに話したキッドは、”十二使徒”にこだわるマーシーの考えを探ろうとしながら、手帳に彼の名前を書く。

その後、クイダを確認したキッドは近づき、マーシーらと共にボートで船に向かう。

クイダのローソン船長(ウィリアム・ファーナム)に迎えられたキッドは、フォールズワース卿に護衛することを伝える。

キッドは、海賊船2隻に遭遇して火薬を使い果たしたため、補給したいことをローソンに伝えて許可され、それをロレンゾに任せる。

火薬庫に向かったロレンゾは、ロウソクを使った破壊工作の準備をする。

フォールズワース卿の娘レディ・アン・ダンスタン(バーバラ・ブリトン)は、マーシーに見覚えがあったものの思いだせない。

キッドは、安全のためにフォールズワース卿とアンを自分の船に乗せることを提案し、ローソンは、100万ポンドの財宝も持参することを勧める。

財宝を確認したキッドは、ロレンゾに作業を終わらせるよう指示する。

ロウソクに火を点けたロレンゾは、美しいアンに惹かれてしまう。

船に戻ったキッドは、シャドウェルにアンのことを任せ、クイダが爆発したために戻ろうとするフォールズワース卿を殺害する。

父の死を知ったアンはキッドらのことを疑い、シャドウェルから、彼らが海賊船と戦っていないことを知らされる。

父が殺されたことを確信したアンは、マーシーが信用できる人物だとシャドウェルから知らされ、彼と話をしようとする。

アンのことをキッドと話したロレンゾは、彼女を手に入れられれば、分け前は半分でいいと伝える。

アンを利用するつもりのキッドは、ロレンゾの話を聞くつもりはなかった。

マーシーと話したアンは、彼がブレイン卿の息子であることを知り、見覚えがあった理由が分かる。

海賊に扮して真実を探っていたと言うマーシーは、父がキッドに殺されたことを知り悲しむアンに、船長と親しげに接すれば安全だと伝える。

マーシーは、ロンドンに着いたら国王に真実を話すようアンに指示する。

キッドは、アンのことを心配するポヴィーに、彼女と共に国王の元に戻れば信用され、フォールズワース卿の領地も与えられるだろうという考えを話す。

アンがロレンゾに襲われていることに気づいたマーシーは、その場に向かい、彼と剣を交える。

それを知ったキッドは、どちらが死んでも好都合だとポヴィーに伝える。

激しい戦いの末に、ロレンゾは窓を突き破り海に落下する。

マーシーに感謝したキッドは、彼がその場に落とした、ブレイン家のメダルを見つける。

メダルをなくしたと言うマーシーが、ブレイン卿の息子だと知ったシャドウェルは、彼からアンのことを任される。

キッドは、明日、マーシーと共に島に向かい、埋めてある財宝を見せて探りを入れることをポヴィーに話し、手帳のロレンゾの名前を消す。

翌日マーシーは、キッドとポヴィーと共に島に上陸して洞窟に向かい、財宝を掘り起こして頭蓋骨を見つける。

”十二使徒”の財宝を確認したマーシーは、ブレイン家のものだと知り、キッドからメダルを見せられる。

海賊と交換したと言うマーシーは、国王を裏切ったブレイン卿は海賊になっていたと話すキッドに襲いかかる。

ポヴィーに背後から殴られたマーシーは、海に落下する。

船に戻ったキッドは、マーシーが崖から落ちたことをアンに伝える。

ショックを受けたアンは、気分が悪くなり部屋に戻る。

バーソロミューとシャドウェルは、無事だったマーシーが戻ったことに気づく。

マーシーはバーソロミューにボートを用意させて、シャドウェルと共にアンの部屋に向かう。

ボートで島に行くことをアンに伝えたマーシーは、海賊の友人の助けを借りてイングランドに向かうことを話す。

マーシーとアンは、バーソロミューが用意したボートに乗って島に向かう。

それに気づいたキッドは、ボートを砲撃するよう指示する。

妨害しようとしたシャドウェルはキッドに射殺され、放たれた砲弾はボートを破壊する。

バーソロミューは命を落とし、無事だったマーシーはアンを助けて島に向かう。

壊れたボートを確認したキッドは、マーシーとアンは死んだと考える。

手帳のマーシーの名前を消したキッドは、ポヴィーを始末する方法を考え、彼から例の手紙があると言われても気にしなかった。

ロンドンハンプトン・コート宮殿
旅を終えたキッドは、得意げに国王の元に向かう。

航海の話をキッドから聞いた国王は、マーシーとアンの関係を尋ね、逃亡した2人を殺害したことを知る。

クイダの財宝のことを訊かれたキッドは、船が爆発して沈んだとことを伝える。

ブレイン卿のことを訊かれたキッドは、罪を感じて船と共に沈んだのだろうと答える。

国王からブレイン家の財宝を見せられたキッドは戸惑い、自分の船で見つけたことを知り、ポヴィーに罪を被せようとする。

ポヴィーが3日前に殺されたことを話し、キッドのウソを暴いた国王は、無事に戻ったマーシーとアンを招き入れる。

キッドは驚き、マーシーは、海賊行為と殺人で彼を告発する。

国王は、キッドを監獄に入れて生死を決める裁きを受けさせるよう指示する。

テムズ川
キッドは絞首刑となる。

国王からキッドの死を知らされたマーシーは、ブレイン卿に対する嫌疑の詫びとして、アメリカに向かう50門の戦艦の名を”レディ・アン”とすることを知らされる。

国王は、それをアンとの結婚祝いにすることをマーシーに伝えて、国王と国への忠誠に感謝する。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1699年、ロンドン
海賊船の船長ウィリアム・キッドは正体を隠し、国王ウィリアム3世から、インドから財宝を運ぶ船の護衛を任される。
海賊の囚人マーシーらを船員として雇ったキッドは、彼らを利用して国王の船の財宝を奪おうとする。
実は貴族だったマーシーは、キッドが父ブレイン卿を殺し財宝を奪ったことを知り、協力すると見せかけて彼の悪事を暴こうとするのだが・・・。
__________

サイレント時代に俳優として活躍し、監督、脚本家、製作者に転向して数々のキャリアを重ねたローランド・V・リーの、監督としては最後の作品。

国王ウィリアム3世に気に入られながら、国家の財宝を奪おうと考える海賊船の船長”キャプテン・キッド/ウィリアム・キッド”を好演するチャールズ・ロートンと、彼に父を殺され、その真相を探ろうとする貴族を演ずるランドルフ・スコットの熱演の他、個性派を揃えた共演陣も注目のアドベンチャー作品。

第18回アカデミー賞では、音楽賞(ドラマ・コメディ)にノミネートされた。

主人公のウィリアム・キッドが、仲間を裏切りながら、富と名声を独り占めにするために着々と計画を進めていく展開が興味深く描かれ、その陰謀に気づき悪事を暴こうとする側との対決の末、正義が勝つという痛快な結末もいい。

国王の特使である父(ラムスデン・ヘイア)を殺される貴族の令嬢バーバラ・ブリトン、主人公の仲間であるものの裏切られるジョン・キャラダインギルバート・ローランドシェルドン・レナード、マーシー(ランドルフ・スコット)の友人ジョン・クォーレン、国王の財宝を運ぶ船の船長ウィリアム・ファーナム、国王ウィリアム3世ヘンリー・ダニエル、主人公に雇われながらマーシーに協力するレジナルド・オーウェン、刑務所の看守ハリー・コーディング、刑務所長フレデリック・ウォーロック他、アブナー・ビーバーマンレイ・ティールなどが共演している。


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