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コール・ミー・マダム Call Me Madam (1953)

1950年にブロードウェイで上演された、ハワード・リンゼイラッセル・クルース脚本、アーヴィング・バーリン作詞、作曲によるミュージカル”Call Me Madam”の映画化。
ヨーロッパの小国の大使に任命された社交界の名士の奮闘を描く、監督ウォルター・ラング、主演エセル・マーマンドナルド・オコナーヴェラ=エレンジョージ・サンダースビリー・デ・ウルフ他共演のミュージカル・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ミュージカル)


スタッフ キャスト
監督:ウォルター・ラング

製作:ソル・C・シーゲル
原作:
Call Me Madam
ハワード・リンゼイ
ラッセル・クルース
脚本:アーサー・シークマン
撮影:レオン・シャムロイ
編集:ロバート・L・シンプソン
衣裳デザイン:アイリーン・シャラフ
音楽
アーヴィング・バーリン
アルフレッド・ニューマン

出演
サリー・アダムス:エセル・マーマン
ケネス・ギブソン:ドナルド・オコナー
マリア公女:ヴェラ=エレン(歌:キャロル・リチャーズ
コズモ・コンスタンティン将軍:ジョージ・サンダース
ペンバートン・マクスウェル:ビリー・デ・ウルフ
ヒューゴ王子:ヘルムート・ダンティーヌ
オーガスト・タンティニン:ウォルター・スレザック
セバスチャン首相:スティーヴン・ゲレイ
オットー大公:ルートヴィヒ・シュトッシェル
ソフィー大公妃:リリア・スカラ
ブロックウェイ上院議員:チャールズ・ディングル
チャーリー・ギャラガー上院議員:エモリー・パーネル
ウィルキンス上院議員:パーシー・ヘルトン

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1953年製作 114分
公開
北米:1953年3月4日
日本:未公開
製作費 $2,460,000


アカデミー賞
第回26アカデミー賞

・受賞
ミュージカル音楽賞
・ノミネート
衣裳デザイン賞(カラー)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ワシントンD.C.
社交界の名士であるサリー・アダムス(エセル・マーマン)は、政界ともつながりがあり、親友のトルーマン大統領からヨーロッパの小国リヒテンブルグのアメリカ大使に任命される。

サリーに取材したジャーナリストのケネス・ギブソン(ドナルド・オコナー)は、辞職して彼女の報道官になることを希望するものの断られる。

しかし、何の資格も経歴もないサリーは、自分をサポートしてくれそうなケネスが気に入り、報道官としてリヒテンブルグに同行させることにする。

リヒテンブルグ。
アメリカ大使館の代理大使ペンバートン・マクスウェル(ビリー・デ・ウルフ)は、先に到着したケネスから、サリーが間違えて他国に向かってしまったことを知らされて苛立つ。

オットー大公(ルートヴィヒ・シュトッシェル)とソフィー妃(リリア・スカラ)は、姪のマリア公女(ヴェラ=エレン)と隣国ミッテルドルフのヒューゴ王子(ヘルムート・ダンティーヌ)との婚姻について話し合っていた。
...全てを見る(結末あり)

財政難のリヒテンブルグは持参金の問題を抱えていたため、アメリカに貸付を求めることを考えていた。

そこにサリーが到着し、堅物のマクスウェルに迎えられた彼女は、現れたセバスチャン首相(スティーヴン・ゲレイ)とオーガスト・タンティニン財務大臣(ウォルター・スレザック)に挨拶する。

タンティニンから早速、貸付金の話をされたサリーは、それを断り彼らを失望させる。

2人は去り、サリーは、不躾なマクスウェルに、自分を”マダム”と呼ぶよう指示する。

そこに外務大臣であるコズモ・コンスタンティン将軍(ジョージ・サンダース)が現れ、サリーは彼に惹かれてしまう。

サリーは、貸付金の件を検討する気になるものの、リヒテンブルグの自立を考えるコズモは、それを考えてはいなかった。

コズモは、宮殿に向かえる秘密の通路の隠し扉があることをサリーに知らせる。

サリーは、大公主催の舞踏会が開かれることを知り、貸付金の話でコズモの気を引こうとする。

政略結婚に興味がないコズモは、愛のある結婚を望んでいることをサリーに伝えてその場を去る。

ケネスは、舞踏会用の帽子を買うために街に向かい、その場に流れるレコードの曲が気になる。

売り場にいたマリアは、曲についてケネスに質問する。

マリアが公女だと知ったケネスは驚き、ダンサーか女優だと思ったと正直に話し、自己紹介して意気投合する。

舞踏会が開かれ、ヒューゴと踊るマリアは、アメリカ大使と共に職員が来ること話し、街で出会ったケネスのことが気になる。

大公が到着し、サリーは、マクスウェルとケネスを従えて、謁見するために大公に近づくものの尻もちをついて転んでしまう。

立ち上がったサリーは大公に信任状を渡し、意味不明な話を始める。

それをジョークだと思った大公はサリーが気に入り、ケネスを紹介される。

その場にいたマリアはケネスに会釈し、ダンスが始まったために彼と踊る。

コズモと踊っていたサリーは、代わった大公からアメリカ式の楽しみ方を訊かれる。

サリーは、”アーヴィング・バーリン”の”That International Rag”を熱唱する。

その場は大いに盛り上がり、宮殿の中庭に出たマリアとケネスは踊り、惹かれ合う2人はキスしてしまう。

ヒューゴは、ホールに戻ったマリアとケネスのことが気になる。

コズモと楽しい時間を過ごしたサリーは、マクスウェルから、コズモは貸付金がいらないフリをしているだけで、近づいているのは戦略だと言われて戸惑う。

大使館に戻ったサリーは、コズモとの約束をキャンセルすることをケネスに伝える。

ケネスがマリアに惹かれ、叶わぬ恋で悩んでいることを知ったサリーは、彼を励ます。

その後、盛大な祭りが開かれ、マリアが踊るショーが始まり、会場は盛り上がる。

セバスチャンと共にサリーを待つタンティニンは、到着した彼女と話しをして迫り、コズモと同じ手を使ったと言われて非難される。

コズモに声をかけられたサリーは、警戒しながら彼と過ごす。

ケネスがマリアと話していることに気づいたヒューゴは、リヒテンブルグを去るよう彼に忠告する。

マリアからも無礼な態度だと言われたケネスはショックを受け、彼女のことを考えながら酒場で酔い、騒ぎを起こしてしまう。

翌日サリーは、その件でケネスに注意はするものの処分はせず、口出しするマクスウェルの意見を聞こうとしない。

マリアと電話で話したサリーはケネスを呼び、秘密の通路から宮殿に向かうよう指示する。

それに従ったケネスは途中でマリアと出くわし、彼女がヒューゴと結婚しないつもりであることを知る。

アメリカの援助がなければ持参金を払えないと言うマリアからキスを求められたケネスは、彼女の指示に従いその場で踊る。

コズモを夕食に招き恥をかかせようとしたサリーは、大統領からの電話を受けて、外務大臣に騙されそうになったことを伝える。

そこにコズモが現れ、彼に会った瞬間にサリーは気が変わってしまい、楽しい時間を過ごそうとする。

マクスウェルを追い払ったサリーは、互いの気持ちを確認してコズモとキスする。

コズモが帰った後でサリーは、大統領に電話をして、リヒテンブルグに1億ドルの援助ができるか尋ねる。

その後、ワシントンD.C.から派遣された3人の上院議員ブロックウェイ(チャールズ・ディングル)、チャーリー・ギャラガー(エモリー・パーネル)、ウィルキンス(パーシー・ヘルトン)が到着し、マクスウェルに迎えられる。

マクスウェルは、3人がサリーの件で来たと思っていたが、貸付金の審査だと知り驚く。

セバスチャンとタンティニンは3人に挨拶するが、サリーからコズモと交渉してほしいと言われいることを知り戸惑う。

その夜パーティーが開かれ、コズモは、セバスチャンが退任したために、自分が新首相に任命されたことを知る。

3人の上院議員に会ったコズモは、貸付金の話をされて感謝するものの、財政難の時こそ改革が必要だと言って支援を断る。

各国を回りどの国もアメリカの支援を求める中、初めて立派な政治家に会ったと言われたコズモは、アメリカ側から2億ドルの貸し付けを約束される。

自分の考えに相反する事態だと判断したコズモは、辞職して国会の召集を要求すると言って、その場を去る。

今回の件を進めたサリーを批判するコズモは、リヒテンブルグを救おうと思ったと言う彼女の話を聞こうとせず、信念は曲げないと伝えて立ち去る。

貸付金が承認されたことをケネスから知らされたマリアは、身分が違うと言う彼との恋は諦め、ヒューゴと結婚をするしかないと考える。

コズモを傷つけてしまったサリーとマリアを諦めたケネスは、慰め合う。

今回の件についてセバスチャンからの報告を受けた大統領は、サリーを帰国させる。

社交界に戻ったサリーは、あるパーティーの席で、コズモがアメリカ大使になったことをケネスから知らされる。

サリーは、コズモがリヒテンブルグから女性を連れてきていることも知りショックを受ける。

コズモと再会したサリーは、彼の同伴者がマリアだったために驚く。

サリーは、ケネスがバルコニーにいることをマリアに伝える。

コズモは、リヒテンブルグを代表してサリーに勲章を授与する。

マリアに話しかけられたケネスは驚き、家名のハメンシュラフンを名乗る彼女は、公位を捨てて結婚することをケネスに伝える。

大使赴任を歓迎されたコズモは、サリーとの愛を確認して、ケネスとマリアと共に歌い踊る。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
ワシントンD.C.
社交界の名士であるサリー・アダムスは、親友のトルーマン大統領から、ヨーロッパの小国リヒテンブルグのアメリカ大使に任命される。
現地の大使館に到着したサリーは、代理大使マクスウェルに歓迎される。
財政難のリヒテンブルグは、隣国のヒューゴ王子とマリア公女の政略結婚を考え、持参金をアメリカからの貸付金でまかなおうとしていた。
当初からそれを断るつもりだったサリーは、外務大臣のコズモに惹かれてしまい、考えを変えて支援することを検討するのだが・・・。
__________

ブロードウェイで上演された、アーヴィング・バーリン作詞、作曲による大ヒット・ミュージカル”Call Me Madam”の映画化。

ヨーロッパの小国の大使に任命された、社交界の名士の奮闘を描くミュージカル・ドラマ。

舞台でも主演したエセル・マーマンの当たり役であり、圧倒的な歌唱力と迫力を感じさせる彼女の存在感、ウォルター・ラングらしい華やかなミュージカル・パフォーマンスが楽しめる快作に仕上がっている。

物語は、ソーシャライトとして知られたパール・メスタが、1949-1953年まで、実際にルクセンブルグ大使を務めたことを題材にしている。

第回26アカデミー賞ではアルフレッド・ニューマンがミュージカル音楽賞を受賞し、アイリーン・シャラフが衣裳デザイン賞(カラー)にノミネートされた。
エセル・マーマンは、ゴールデングローブ賞の主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞した。

記者を辞めて主人公の報道官となり、公女と愛し合う仲になるドナルド・オコナー、彼と惹かれ合うリヒテンブルグの公女ヴェラ=エレン(歌:キャロル・リチャーズ)、主人公と愛し合うようになるリヒテンブルグの外務大臣である将軍ジョージ・サンダース、主人公の補佐となる堅物の代理大使ビリー・デ・ウルフ、リヒテンブルグ公女との政略結婚を考える隣国の王子ヘルムート・ダンティーヌ、リヒテンブルグの財務大臣ウォルター・スレザック、首相のスティーヴン・ゲレイ、リヒテンブルグ大公ルートヴィヒ・シュトッシェル、舞台にも出演した大公妃のリリア・スカラ、リヒテンブルグに派遣される上院議員のチャールズ・ディングルエモリー・パーネルパーシー・ヘルトンなどが共演している。


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