シカゴの伝説的ブルース・レーベル”チェス・レコード”を設立したレナード・チェスとスタジオを支えた世界的なアーチスト達の栄光と挫折を描く、主演エイドリアン・ブロディ、ジェフリー・ライト、ビヨンセ・ノウルズ、コロンバス・ショート他共演、監督、脚本ダーネル・マーティンによるドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ダーネル・マーティン
製作総指揮
ビヨンセ・ノウルズ
マーク・レヴィン
ペトラ・ホーベル
脚本:ダーネル・マーティン
撮影:アナスタス・N・ミチョス
編集:ピーター・C・フランク
音楽
テレンス・ブランチャード
スティーヴ・ジョーダン
出演
レナード・チェス:エイドリアン・ブロディ
マディ・ウォーターズ:ジェフリー・ライト
エタ・ジェームズ:ビヨンセ・ノウルズ
リトル・ウォルター:コロンバス・ショート
チャック・ベリー:モス・デフ
レヴェッタ・チェス:エマニュエル・シュリーキー
ウィリー・ディクソン:セドリック・ジ・エンターテイナー
ジェニーヴァ・ウェイト:ガブリエル・ユニオン
ハウリン・ウルフ:イーモン・ウォーカー
イザベル・アレン:タミー・ブランチャード
フェダー:J・O・サンダース
アメリカ 映画
配給 トライスター・ピクチャーズ
2008年製作 109分
公開
北米:2008年12月5日
日本:2009年8月15日
製作費 $12,000,000
北米興行収入 $8,134,220
世界 $8,880,050
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ポーランド移民の貧しい青年レナード・チェス(エイドリアン・ブロディ)は、同胞のフェダー(J・O・サンダース)に娘との交際を認められず落胆する。
しかし、チェスは必ず成功してみせると心に誓う。
ミシシッピ州、ローリングフォーク。
農場で育ったマディ・ウォーターズ(ジェフリー・ ライト)は、自分の音楽の才能を発見し故郷を旅立つ。
シカゴ。 1947年。 演奏中、騒ぎを起こしたマディとリトルは店を追い出されるが、チェスはマディの才能を買って彼を探しレコーディングをする。 妻レヴェッタ(エマニュエル・シュリーキー)に暫しの別れを告げたチェスは、マディの曲を売り込むために、キャデラックで南部への旅に出る。 マディの曲は評判となり、チェスは彼と正式な契約を交わし、キャデラックを譲る。 ある日、無人だったチェスのクラブが火災を起こし、彼は保険金で録音スタジオ”チェス・レコード”を設立する。 しかし、ローン漬けのチェスの生活を、妻レヴェッタは心配するばかりだった。 1952年。 ソングライターのウィリー・ディクソン(セドリック・ジ・エンターテイナー)と知り合ったチェスは、マディの曲に変化を与え、彼の人気は勢いを増す。 リトルの人気も急上昇し、チェスそしてマディは金回りも良くなり、彼らは有頂天となる。 酒や女に溺れるマディに影響された、リトルの生活も乱れ始める。 その頃、ブルース・シンガーのハウリン・ウルフ(イーモン・ウォーカー)もスタジオと契約し、頭角を現してくる。 その後、トラブル続きのリトルは、チェスやマディの忠告を聞き入れず、彼らの元を去って行く。 やがてチェスは、チャック・ベリー(モス・デフ)の才能に目を付け彼を売り出す。 チャックの音楽は、それまで隔たりのあった白人とアフリカ系の壁を突き破り革命を起こす。 しかし、チェスとマディは、チャックの稼ぎで贅沢な生活をしているだけで、スタジオの経営は良くない状態が続いていた。 スターにはなったものの、生活は質素なチャックは、唯一女癖だけが悪かった。 チェスも旅先で紹介された女に手を出していたが、ある日、その一人のエタ・ジェームズ(ビヨンセ・ノウルズ)の歌唱力に引かれる。 早速、エタの曲をレコーディングしたチェスは、母親から、有名なプール・プレイヤー”ミネソタ・ファッツ”の娘だと言われている彼女を気にかける。 そんな時、チャックが未成年買春行為で逮捕されてしまい、同じ頃、”ビーチ・ボーイズ”や、イギリスから”ローリング・ストーンズ”そして”ビートルズ”などが旋風を巻き起こす。 チェスは、スタジオの稼ぎ頭が獄中だったことで、昔の仲間リトルも呼び戻す。 ヒット曲は出すものの、クスリに溺れるエタはトラブルを起こし、彼女と親密になっていたチェスは、何とかエタを立ち直らせようとする。 やがてチャックは釈放されるが、チェスが、アフリカ系の者から搾取しているように見られ、乱暴などを受ける。 そして、”白人のキング”として、”エルビス・プレスリー”が登場し人気は最高潮となる。 喧嘩で負った怪我がもとで、リトルが37歳の若さで死亡し、彼を可愛がっていたマディと妻ジェニーヴァはその死を悼む。 その後、チェスは引退を決意しスタジオを売ろうとするが、彼は心臓発作で死亡する。 もしもの時のために、チェス名義にしてあったエタの家は彼女の元に戻る。 マディはヨーロッパに招かれ、ディクソンと共にロンドンに向い、マスコミの歓迎を受ける。 そして、”チェス・レコード”で活躍したアーチスト達は、チェスと共に各殿堂入りを果たし、その名は永遠にファン達の心に刻まれる。
ジェニーヴァ・ウェイト(ガブリエル・ユニオン)と出会い、同居を始めたマディは、ハーモニカの天才リトル・ウォルター(コロンバス・ショート)と知り合う。
...全てを見る(結末あり)
リトルと組んだマディは、チェスのクラブ”マコンバ”で演奏するようになる。
シカゴ一のスタジオ・オーナーになったチェスは、リトルにもキャデラックを贈る。
*(簡略ストー リー)
野心家であったレナード・チェスは、クラブ・オーナーからレコード・スタジオの”チェス・レコード”を設立する。
やがてチェスは、ミシシッピ州からやって来たギタリストのマディ・ウォーターズや、彼と組むブルース・ハーモニカ奏者リトル・ウォルター、チャック・ベリー、エタ・ジェームズらを招き、全米屈指のブルース・レーベルとなる。
順風満帆のように見えたスタジオだったが、ヒット・メイカーが、他のアーチストを支える経営状態に加え、チェスはアフリカ系からの搾取だと言われ、各方面から追求を受けてしまう・・・。
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当時、”レイス・ミュージック”として差別されていた音楽に注目し、世界的な影響を与える、何人ものアーチストを輩出した、”チェス・レコード”の設立者レナード・チェスを中心に描かれたドラマ。
チェスの元に集結する、後にアメリカの至宝とも言える超豪華なアーチストの浮き沈みが、やや断片的にしか描かれていないのが気になるものの、多くのビックネームの登場に圧倒される、ファンであれば満足のいく作品と言える。
幅広い役柄をこなすエイドリアン・ブロディは、野心家の主人公を演じてはいるが、共演者を立てているような、控えめな演技を見せている。
または、定評ある彼の”メソッド演技”を堪能できるとも言える。
マディ・ウォーターズ役のジェフリー・ライトは、主役と肩を並べる程の熱演を見せ、製作にも参加するビヨンセ・ノウルズは、1時間経過したところでようやく登場し、後半のドラマを盛り上げる。
リトル・ウォルター役のコロンバス・ショート、チャック・ベリーのモス・デフ、チェスの妻役のエマニュエル・シュリーキー、ウィリー・ディクソンのセドリック・ジ・エンターテイナー、マディを支える妻役のガブリエル・ユニオン、ハウリン・ウルフ役のイーモン・ウォーカー、他、タミー・ブランチャード、J・O・サンダースなどが共演している。