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銀色の月明かりの下で By the Light of the Silvery Moon (1953)

1951年に公開されたヒット作「ムーンライト・ベイ」の続編。
銀行家一家が巻き起こす騒動と婚約している男女に生じる問題を描く、監督デヴィッド・バトラー、主演ドリス・デイゴードン・マクレービリー・グレイレオン・エイムズローズマリー・デキャンプメアリー・ウィックス他共演のミュージカル・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ミュージカル)

ドリス・デイ / Doris Day / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:デヴィッド・バトラー

製作:ウィリアム・ジェイコブス
原作:ブース・ターキントンPenrod
脚本
アーヴィング・エリンソン
ロバート・オブライエン
撮影:ウィルフリッド・M・クライン
編集:アイリーン・モラ
音楽
ガス・エドワーズ
マックス・スタイナー

出演
マージョリー・ウィンフィールド:ドリス・デイ
ウィリアム”ビル”シャーマン:ゴードン・マクレー
ウェズリー・ウィンフィールド:ビリー・グレイ
ジョージ・ワズワース・ウィンフィールド:レオン・エイムズ
アリス・ウィンフィールド:ローズマリー・デキャンプ
ステラ:メアリー・ウィックス
チェスター・フィンリー:ラッセル・アームズ
ルネ・ラルー:マリア・パーマー
ジョン・H・ハリス:ハワード・ウェンデル
ロナルド”ピーウィー”ハリス:ウォルター・フラナリー

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1953年製作 101分
公開
北米:1953年3月26日
日本:未公開
北米興行収入 $2,125,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
第一次世界大戦後、インディアナ州。
銀行の副頭取で町興し運動の責任者であるジョージ・ワズワース・ウィンフィールド(レオン・エイムズ)は、妻アリス(ローズマリー・デキャンプ)、野球から車いじりに熱中し始めた娘マージョリー(ドリス・デイ)、弟でやんちゃなイタズラっ子ウェズリー(ビリー・グレイ)、そして家政婦のステラ(メアリー・ウィックス)と共に平穏に暮らしていた。

マージョリーは、戦地から戻る隣人のウィリアム”ビル”シャーマン(ゴードン・マクレー)と婚約していた。

ウェズリーは、愛犬マックスと共に七面鳥のグレゴリーも可愛がっていた。

新聞でビルが帰郷することを知ったジョージは、彼がマージョリーと結婚する日を楽しみにいていた。
...全てを見る(結末あり)

アリスは、まだ18歳のマージョリーの結婚は早過ぎると考える。

ビルが戻ってくることを知り喜ぶマージョリーは、訪ねて来たウェズリーのピアノ教師チェスター・フィンリー(ラッセル・アームズ)を迎え、自分に惹かれる彼の気持ちは理解するものの、受け入れる気はなかった。

その後、アリスのウェディングドレスを見せてもらったマージョリーは喜び、ビルの帰郷に備える。

列車で町に近づくジョンは、結婚には責任が伴い、仕事を探し経済的に自立してからにすることを同僚に話す。

チェスターのレッスンを終えたウェズリーは、ビルが戻ったことを知り、両親と共に喜ぶ。

ビルを紹介されたチェスターは、挨拶するものの立ち去る。

ジョージと結婚の話題になり戸惑うビルは、マージョリーがウェディングドレスを着て現れたために驚く。

ビルは、マージョリーが結婚を急いでいるように思えて動揺する。

その夜、マージョリーと共にダンスを楽しむビルは、仲間から結婚のことを訊かれ、いろいろ考えた結果、延期すると答えてしまう。

ショックを受けたマージョリーは、仕事を見つけて、貯えができたら結婚するつもりだと言うビルに失望する。

帰りの車の中でビルの話を聞き、一応、納得したマージョリーは、彼と将来について語り合う。

車が故障してしまい、それを直したマージョリーは、自分が働けば早く結婚できると考えるが、それに反論するビルと口論になり、彼を置き去りにして走り去る。

泣きながら帰宅したマージョリーは、理解がないビルのことを両親に話し、結婚の危機を伝える。

翌朝、マージョリーのことが心配なジョージは、頭取のジョン・H・ハリス(ハワード・ウェンデル)に、ビルに仕事がないか訊いてみるとアリスに伝える。

アリスは、年頃の子にはよくあると思い、マージョリーのことを心配していなかった。

そこにグレゴリーを追うウェズリーが現れ、ジョージは、グレゴリーが感謝祭の料理になる現実を彼に理解させるために、自分で肉屋に持っていかせようとする。

マージョリーは、訪ねて来たチェスターから結婚の延期の話をされ、希望が持てたと言う彼から、愛の曲をプレゼントされる。

そこにビルが現れ、昨夜のことで謝ってほしいと言われたマージョリーは戸惑うが、彼の気持ちを理解する。

徹夜して作曲したために眠っているチェスターを起こしたマージョリーは、テンポを早くして歌ってもらい、その間にビルとポーチに向かう。

それに気づいたチェスターは、気分を害して帰ってしまう。

ウェズリーと話をしたジョージは、明日の感謝祭のために、グレゴリーを肉屋に連れて行くよう指示する。

納得いかないウェズリーは、遊びに来たハリスの息子ロナルド”ピーウィー”(ウォルター・フラナリー)から、家に七面鳥がいるという話を聞く。

あることを思いついたウェズリーは、ピーウィーにマックスと遊んでいるようにと指示し、グレゴリーを連れて出かける。

ウェズリーは、ハリス家の七面鳥を肉屋に持っていき、グレゴリーを近くに隠して家に戻る。

仕事中のジョージはハリスと話し、銀行が管財人である教会が所有するオペラハウスを借りたいという、フランス人女優ルネ・ラルー(マリア・パーマー)のチラシを見せて、その内容を調べるために彼女に会うことを伝える。

妻エミリーからの電話を受けたハリスは、七面鳥が盗まれたことを知り、用意できないと言われて戸惑うが、ジョージの家の夕食に招待される。

帰宅したジョージは、料理の準備をするアリスにウェズリーのことを尋ね、グレゴリーが調理された際の彼の反応が心配になる。

ハリス一家を迎えて感謝祭の食事が始まるが、ステラは、ウェズリーのことを思うと七面鳥を食卓に運べなかった。

ビルが七面鳥を運び、ウェズリーは、動揺しながらジョージが切り分ける様子を見守る。

その後デザートを食べながら、ビルは、雇ってくれたハリスに感謝する。

ハリス家の七面鳥泥棒は厳しく罰せられなくてはならないと話すジョージは、ウェズリーの今日の行動を誇りに思う。

そこにグレゴリーが飛び込んできたために騒ぎになり、自分の部屋に逃げ去ったウェズリーが七面鳥泥棒だと知ったジョージは憤慨する。

まだ子供だと言ってウェズリーをかばうアリスに説得されたジョージは、来年はアメリカ一の太った七面鳥を食べられると言って、仕方なく納得する。

ルネに会うために、身なりを整えて出かけるジョージの姿を見たウェズリーは、自分を主人公にした悪党を相手にする物語を考える。

魅力的なルネの話を聞いたジョージは、彼女に好印象を抱いてその場を去る。

翌朝マージョリーは、ウェズリーが見つけた父の服のポケットに入っていたラブレターのようなメモを確認する。

父がそれを取りに来たために焦ったマージョリーは、母には秘密にするようにとウェズリーとステラに伝える。

母を裏切った父を恨むマージョリーは、母が、明日の結婚記念日に父のために懐中時計をプレゼントすることを知り、スケートをした池で結婚を決めた時の話などを聞く。

マージョリーは、ビルと共に御者のヒッキーの元に向かい、両親のために、プロポーズをしたソリを借りて、明日の記念日に2人を驚かせようとする。

マージョリーとビルは、ソリに座り愛を確かめる。

帰宅したジョージは、子供たちとステラの自分に対する態度が気になる。

ジョージが再びルネに会うことを知ったウェズリーは、それをマージョリーとステラに知らせる。

自分が行くと言うマージョリーに、ジョージは町の外れだと伝える。

どうしてもと自分が行くと言うウェズリーに任せることにしたジョージは、リース契約の他に例のメモを出して、上記を”削除”して欲しいという文章を付け足して彼に渡す。

”削除”の意味をアリスに尋ねたウェズリーは、”外に出すこと”と言われても理解できないまま、マージョリーに、今朝のメモも持参するように父に指示されたと伝える。

メモが気になっていたマージョリーは、ルネを”外に連れ出す”つもりらしいと言うウェズリーの話を聞いて驚く。

マージョリーは、メモは渡さずに焼いてしまうようウェズリーに指示する。

ルネが銀行の金庫も狙っていると考えたウェズリーは、契約書とメモをジョージから受け取り出かける。

約束してあったビルが現れ、マージョリーは、すぐに結婚するために、彼が銀行から借金したことを知らされる。

両親のことで混乱していたマージョリーは、考える時間が必要だと言って、すぐに結婚する気になれないとビルに伝える。

マージョリーに失望したビルは、苛立ちながら去ろうとする。

ジョージに呼び止められたビルは、結婚式の招待状の件について訊かれ、マージョリーの相手が誰か知りたいので、自分にも送ってほしいと伝えてその場を去る。

マージョリーは、心配してくれる母に、ビルはすぐに結婚するつもりなのだが、今は家族と離れたくないと言って理解してもらう。

ステラもマージョリーのことを心配し、父のことが気になる状況で母と離れたくないと言われ、何も知らないビルを気の毒に思う彼女に、舞台に立つ予定の舞踏会に行くことを勧める。

ルネの部屋に着いたウェズリーは、彼女が想像した物語の悪女に見える。

預かった契約書を渡したウェズリーは、部屋に招き入れられ、ルネを警戒しながらリンゴやクリームソーダをもらい、毒が入っていると思いながらサインをもらう。

ルネが役で演じたとは知らずに、スパイや強盗なども経験したと言われたウェズリーは彼女を疑い、現れた3人の男性を悪党だと思い、撃退することに失敗してその場から逃げ去る。

家に戻ったウェズリーは、納屋で持ち帰ったリンゴを調べ、ルネに渡さなかったメモを燃やしてしまおうとする。

そこに現れたビルは、メモの火を消して内容を読み、マージョリーが受け取る手紙だと思い込み、誰に渡されたかウェズリーに尋ねる。

秘密なので言えないと答えるウェズリーから聞き出すのを諦めたビルは、マージョリーの元に向かう。

その頃、マージョリー主演でチェスター演出のミュージカルが上演される。

ショーを終えたマージョリーは、現れたビルから他の男性と付き合っていることを追及され、身近にいたのはチェスターだけだと伝える。

ビルとチェスターは、ロッカールームで決着をつけることになる。

メガネを外したチェスターは、誰か分からないまま男性を殴ってしまう。

マージョリーと話したビルはメモを見せるが、それがジョージがルネという女優に書いたメモだと知る。

マージョリーが自分の問題を人のせいにしていると思ったビルは、憤慨してその場を去る。

翌日、帰宅したジョージは、ビルがローンを解約して銀行を辞職し町を出ることをアリスに話す。

それを知ったマージョリーは、ビルとは絶対に結婚しないと強がりを言いながらショックを受け、ウェズリーのレッスンをしていたチェスターは喜ぶ。

ビルがチェスターに嫉妬したことを両親に話したマージョリーは、結婚記念日を忘れていた父に、家族で出かけることを伝えてチェスターも誘う。

ビルに誤解だと知らせるために電報を打とうとしたウェズリーは、トラブルになったのは、父が女優に送ったラブレターが原因だととシモンズ夫妻に話してしまう。

夫から秘密だと言われたものの、シモンズ夫人は電話でその件を友人に話してしまい、噂はたちまち町中に広がる。

ビルを想い悲しむマージョリーを慰めたウェズリーは、許してくれた彼女に手は打ってあると伝える。

ソリが到着し、マージョリーは、家族とチェスターと共にスケートをするために池に向かおうとする。

町に戻りウェズリーから話を聞いたビルは、御者のヒッキーに扮していた。

人々がスケートを楽しむ池に着いたジョージとアリスは、20年前を思い出すものの、自分たちを見つめる皆の視線が気になる。

家族と共に滑り始めたジョージは、町の人々に転倒させられてしまう。

それを気にしないジョージは、パートナーと歌に合わせて滑る時間になりアリスを誘う。

ウェズリーは、チェスターに誘われそうになったマージョリーに、ヒッキーが誘っていることを伝える。

ヒッキーに抱きしめられキスもされたマージョリーは驚くが、それがビルだったことに気づき喜ぶ。

それを知ったチェスターはショックを受け、ステラに連れて行かれる。

そこに、ジョージを捜すルネが現れ、シモンズ夫人らは彼女を軽蔑の眼差しで見つめる。

マージョリーとビルはスケートを楽しみ、スプーン岩にいた両親と共に歌う。

ジョージは、自分を捜すルネから、明日の開演の件でお願いがあると言われ、離婚の件だと知らされる。

メモで納得したはずだと言われたルネは、芝居のセリフのその部分に手を加えて渡したことを知らされる。

離婚と聞いて驚いたマージョリーは、メモが芝居のセリフだったことに気づき、ウェズリーに届けさせたと言うメモをビルから受け取る。

ジョージはビルがメモを持っていることを不思議に思い、マージョリーは、ビルがチェスターからの手紙と思っていたことを父に伝える。

マージョリーがウェズリーに燃やせと指示したことを知ったジョージは、自分のラブレターだと思ったと言われて驚く。

ジョージは、町の人々を含めて、アリス以外が自分とルネとの関係を疑っていたことを知り、大問題だと言いながら、ウェズリーにお仕置きすることを伝える。

カミソリのベルトで叩くと言われたウェズリーは、必要ないので捨てたと父に伝え、結婚記念日のプレゼントである安全カミソリを渡す。

ルネに気を遣うジョージだったが、彼女は笑いだし、家族とその場の人々は納得する。

その後、家族は、思い出のそりに乗りながら家に向かう。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
第一次世界大戦後、インディアナ州。
野球から車いじりに趣味が変わったマージョリー・ウィンフィールドは、銀行の副頭取の父ジョージ、母アリス、イタズラっ子の弟ウェズリー、家政婦のステラと共に平穏な日々を送っていた。
そんなマージョリーは、婚約者のビルが戦地から戻ったことを喜び、ようやく結婚できると思う。
ところが、生活の基盤を作ることを優先したビルは、結婚式を延期することをマージョリーに伝える。
マージョリーは一応納得し、ビルはジョージの銀行で働くことになり、2人が結婚できる日も近いと思われたが、家族の中で思わぬ問題が生じてしまう・・・。
__________

ブース・ターキントンの著書”Penrod”を基に製作され、1951年に公開されたヒット作「ムーンライト・ベイ」の続編。

監督はロイ・デル・ルースからデヴィッド・バトラーに代わり、第一次世界大戦後を舞台に、銀行家一家が巻き起こす騒動と、婚約している男女に生じる問題を描くミュージカル・コメディ。

前作を上回るトラブル続出の内容は実に愉快で、本作のタイトルにもなっている、ガス・エドワーズが作曲した”バイ・ザ・ライト・オブ・ザ・シルヴァリー・ムーン”他も効果的に挿入され、前作同様に評価も高くヒットした作品。

主人公家族の”危機”が描かれる中で、前作以上の活躍を見せる息子役のビリー・グレイの熱演が見どころの作品。
息子が想像力を発展させ過ぎたために起きるトラブルが解決し、すべてが丸く収まり、家族が幸せを実感する様子で終わるラストもいい。

主演のドリス・デイは、結婚の延期と父の”浮気”問題で頭を悩ませる主人公を魅力的に演じ、もちろん見事な歌声も披露してくれる。

戦地から戻るものの、生活の基盤を作るまで主人公と結婚する気になれず問題になるゴードン・マクレー、主人公の弟で、トラブルメーカーとして前作以上に大活躍するビリー・グレイ、その父親で、誤解され浮気問題に巻き込まれるレオン・エイムズ、その妻ローズマリー・デキャンプ、一家の家政婦を愉快に演ずるメアリー・ウィックス、主人公に惹かれるピアノ教師のラッセル・アームズ、主人公の父親との浮気を疑われるフランス人女優マリア・パーマー、銀行の頭取ハワード・ウェンデル、その息子ウォルター・フラナリーなどが共演している。


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