実在のギャング、ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの犯行と逃亡生活を描く、監督ジョージ・ロイ・ヒル、主演ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロス共演によるコメディ・タッチのアクション・ウエスタンであり、アメリカン・ニューシネマの代表作。 |
・西部劇
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
製作総指揮:ポール・モナシュ
製作:ジョン・フォアマン
脚本:ウィリアム・ゴールドマン
撮影:コンラッド・L・ホール
編集
ジョン・C・ハワード
リチャード・C・マイヤー
音楽
バート・バカラック
主題歌”Raindrops Keep Fallin’ on My Head”
歌:B・J・トーマス
出演
ブッチ・キャシディ:ポール・ニューマン
サンダンス・キッド:ロバート・レッドフォード
エッタ・プレイス:キャサリン・ロス
パーシー・ガリス:ストローザー・マーティン
自転車のセールスマン:ヘンリー・ジョーンズ
ブレッドソー保安官:ジェフ・コーリー
ウッドコック:ジョージ・ファース
アグネス:クロリス・リーチマン
ハーヴェイ・ローガン:テッド・キャシディ
鼻ぺちゃカリー:チャールズ・ディアコップ
連邦保安官:ケネス・マーズ
メイコン:ドネリー・ローズ
カード・プレーヤー:サム・エリオット
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1969年製作 112分
公開
北米:1969年9月23日
日本:1970年2月21日
製作費 $6,000,000
北米興行収入 $102,308,890
■ アカデミー賞 ■
第42回アカデミー賞
・受賞
脚本・撮影・作曲
歌曲賞”Raindrops Keep Fallin’ on My Head”
・ノミネート
作品・監督・録音賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1890年代末、ワイオミング、ジョンソン郡。
”Hole-in-the-Wall”の隠れ家に着いた二人組みのギャング、ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)とサンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)は、仲間のハーヴェイ・ローガン(テッド・キャシディ)が、列車強盗を考えていることを知る。
リーダーの自分をさて置き、図体だけでかいハーヴェイのたわ言に付き合っていられないブッチは、勝負をつけると言って彼を簡単に叩きのめす。
しかし、列車を行きと帰りの両方狙うという、ハーヴェイの計画が気に入ったブッチは、それを実行することにする。
早速、”ユニオン・パシフィック鉄道”の列車を襲ったブッチらは、車両内で金庫を守る社員のウッドコック(ジョージ・ファース)を脅す。
その直後に車両を爆破したブッチは、ウッドコックの怪我を気遣いながら金庫を開けるが、大した収穫はなかった。
町の買春宿に向ったブッチとサンダンスは、連邦保安官(ケネス・マーズ)が、自分達の捜索隊を招集する様子を見物する。
連邦保安官の熱弁にも拘らず、人々は冷めた目でそれを聞き、自転車のセールスマン(ヘンリー・ジョーンズ)が、その場で商売を始めてしまう。
その後サンダンスは、恋人で教師のエッタ・プレイス(キャサリン・ロス)の家に向かい愛し合う。 エッタは、気の合うブッチとも親交を深め、サンダンスも細かいことは言わなかった。 その後、再びウッドコックの護衛する列車を襲ったブッチだったが、前の事件で会社側は金庫を頑丈にしてあった。 ブッチは、大量の爆薬を仕掛けて金庫を爆破してしまい、結局は、車両ごと吹き飛び、現金は散乱してしまう。 そこに汽車が現れ、ブッチらは、それに乗っていた追跡隊に追われることになる。 仲間の何人かは殺され、ブッチとサンダンスは町に向かい、買春宿に身を潜め、娼婦アグネス(クロリス・リーチマン)と楽しもうとするが、結局は見つかり再び逃亡を始める。 その後も追跡は続き、ブッチとサンダンスは、その執念深さに、相手が何者かが気になり焦り始める。 昔馴染みのカーボン郡の保安官ブレッドソー(ジェフ・コーリー)の元に向った二人だったが、協力は得られなかった。 どこまで逃げても追われる二人は、追っ手の中に、手強い案内人の先住民と、冷酷な法の執行官ジョー・レフォーズがいるのではないかと考える。 山岳地帯に逃げ込み、川の絶壁に追い込まれたブッチは、泳げないと言うサンダンスと共に、その場から身を投げる。 エッタの家にたどり着いた二人は、追っ手が、レフォーズと先住民で、”ユニオン・パシフィック”の社長E.H.ハリマンが、プロを集めて追跡させのだった。 追っ手が、自分達を殺すまで諦めないことを知った二人は、話し合った結果、ボリビアに向うことを決める。 サンダンスはエッタを誘い、彼女もそれに同意して、三人は旅立つことになる。 東海岸に向かい、ニューヨークなどで時を過ごした三人は、南米行きの船に乗り、優雅な船旅を楽しむ。 ボリビア。 さらに、スペイン語が分かると言っていたブッチが、全くそれを理解できないため、スペイン語が堪能なエッタに習い始める始末に、サンダンスは呆れてしまう。 銀行強盗に必要な言葉だけをエッタに教わったブッチとサンダンスは、何とか計画を実行して、その後、犯行を繰る返す。 やがて、二人はお尋ね者になるが、それを逃れエッタと共に優雅な生活を続ける。 しかし、ブッチが町でレフォーズを見かけたと言い出し、三人は山奥に身を潜める。 ブッチとサンダンスは、まともな仕事をしようと考え、鉱山の管理人パーシー・ガリス(ストローザー・マーティン)に、給料運搬の護衛に雇われる。 かつて襲った銀行で金を受取り、パーシーとそれを運んだ二人だったが、途中で山賊に襲われる。 パーシーは命を落とし、二人は、現金を残して逃亡したように見せかけてその場に戻る。 現金を取り戻すために、山賊を銃撃しようとした二人だったが、ブッチは人を撃ったことがないことをサンダンスに伝える。 山賊が抵抗したため、二人は彼らを射殺し、足を洗おうとした二人は、再び強盗に戻るかで悩み、エッタは先に帰国することになる。 その後、山賊を襲う生活をしていた二人は、ある村で、ラバの焼印に気づいた少年の通報で正体を知られて警察と銃撃戦になる。 弾薬を確保のために、ブッチがラバに向かいサンダンスが援護するが、激しい撃ち合いで二人は銃弾を浴びてしまう。 そこに兵士が現われて周辺を包囲し、ブッチは、次の行き先がオーストラリアだとサンダンスに伝え、逃亡するためにラバの元に向おうとする。 そして、二人は銃を構えて建物を飛び出すが、兵士の一斉射撃が始まる。
...全てを見る(結末あり)
何もない田舎町に到着した三人だったが、サンダンスはそれが気に食わない。
*(簡略ストー リー)
19世紀末、牛泥棒から銀行強盗となり、仲間達と犯行を繰り返していたギャング、ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドは、列車を行き帰りに襲う計画実行をする。
犯行は中途半端な形で終わるが、”ユニオン・パシフィック鉄道”の社長ハリマンは激怒し、プロの追跡者レフォーズらを雇い、ブッチとサンダンスを執拗に追跡する。
逃げ切れないことを悟った二人は、ボリビアに向うことを決めて、サンダンスの恋人エッタ・プレイスと共に旅立つ。
三人は、そこでも強盗を繰り返してお尋ね者になるが、優雅な暮らしをしていた。
そんな時、ブッチがレフォーズを見かけたと言い出し、三人は山に潜み足を洗うことも考えるのだが・・・。
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自由を追い求めて、人生を駆け抜けた二人の行動は、1960年代後半の若者達の思いを投影させ、その斬新な映像感覚などとともに、今観ると一段と郷愁を誘う、ジョージ・ロイ・ヒルの、快心とも言える小気味い演出が光る作品。
個人的な意見だが、正統派西部劇ファンの”偏った”目で観るのではなく、西部劇をベースにした青春映画タッチのコメディ・アクションと考えると、当時の作品としては画期的だったことには間違いない。
作品は、当時としては驚異的な大ヒットとなり、北米興行収入だけで1億ドルを突破した。
2003年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。
第42回アカデミー賞では、脚本・撮影・作曲・歌曲賞を受賞した。
主題歌”Raindrops Keep Fallin’ on My Head”
・ノミネート
作品・監督・録音賞
余りにも有名な、バート・バカラック作曲、B・J・トーマスが歌う”Raindrops Keep Fallin’ on My Head”が心に沁みる。
主人公二人の掛け合いも抜群に楽しい、ウィリアム・ゴールドマンの脚本、コンラッド・L・ホールの撮影も、ため息が出るほど美しい。
ギャングのボスではあるが、口が達者な割にはドジなところもある、人間味溢れる男(ブッチ・キャシディ)を怪演するポール・ニューマン、対する、拳銃の腕も立つニヒルなガンマン(サンダンス・キッド)、若き日のロバート・レッドフォード、両者の、息の合った愛すべきキャラクターも出色だ。
サンダンス・キッドの恋人ではあるが、ブッチ・キャシディとのスリー・ショットでの存在感が、実にいい雰囲気を醸し出す、エッタ・プレイス役のキャサリン・ロス、鉱山の管理人役ストローザー・マーティン、自転車のセールスマンのヘンリー・ジョーンズ、主人公達とは旧知の間柄の保安官ジェフ・コーリー、列車の金庫車両の護衛ジョージ・ファース、娼婦クロリス・リーチマン、主人公の仲間でハーヴェイ・ローガンを演ずる、巨漢のテッド・キャシディ、同じく仲間のチャールズ・ディアコップ、連邦保安官のケネス・マーズ、そして、エキストラ程度の役(ポーカーの男)ながら、デビュー作となるサム・エリオットも出演している。