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バーン・アフター・リーディング Burn After Reading (2008)

辞職したCIA局員の機密情報の流出を発端に巻き起こる騒動を描く、製作、監督、脚本、編集コーエン兄弟、主演ジョージ・クルーニーフランシス・マクドーマンドブラッド・ピットジョン・マルコヴィッチティルダ・スウィントンリチャード・ジェンキンス他共演のコメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ

コーエン兄弟 / Joel Coen, Ethan Coen 作品一覧
ジョージ・クルーニー / George Clooney 作品一覧
フランシス・マクドーマンド / Frances McDormand / Pinterest
ブラッド・ピット / Brad Pitt 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督
イーサン・コーエン

ジョエル・コーエン
製作総指揮
ロバート・グラフ
ティム・ビーヴァン

エリック・フェルナー
製作
イーサン・コーエン

ジョエル・コーエン
脚本
イーサン・コーエン

ジョエル・コーエン
撮影:エマニュエル・ルベツキ
編集:ロデリック・ジェインズ
音楽:カーター・バーウェル

出演
ハリー・ファラー:ジョージ・クルーニー

リンダ・リツキ:フランシス・マクドーマンド
チャド・フェルドハイマー:ブラッド・ピット
オズボーン・コックス:ジョン・マルコヴィッチ
ケイティ・コックス:ティルダ・スウィントン
テッド・トレフォン:リチャード・ジェンキンス
サンディ・ファラー:エリザベス・マーヴェル
パーマー(CIA):デヴィッド・ラッシュ

CIAの上官:J・K・シモンズ
クラプキン:オレク・クルパ
アラン:マイケル・カントリーマン
整形外科医:ジェフリー・デマン

”Coming Up Daisy”の出演者:ダーモット・マローニー
”Coming Up Daisy”の出演者:クレア・デインズ

アメリカ 映画
配給 フォーカス・フィーチャーズ

2008年製作 96分
公開
北米:2008年9月12日
日本:2009年4月24日
製作費 $37,000,000
北米興行収入 $60,355,350
世界 $163,720,070


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ヴァージニア州、タングレーCIA本部。
情報分析官オズボーン・コックス(ジョン・マルコヴィッチ)は、上官のパーマー(デヴィッド・ラッシュ)から飲酒問題を追求され左遷され辞職してしまう。

医師である妻ケイティ(ティルダ・スウィントン)は、それを聞いて驚くのだが、オズボーンは、コンサルタントになることを彼女に伝え、回顧録の執筆も始めようとする。

密かに離婚を考えるケイティは、オズボーンの財産や保有するパソコンのデータなどの情報を、弁護士の勧めで収集しようとする。

財務省警護官ハリー・ファラー(ジョージ・クルーニー)と不倫関係のケイティは、帰宅してオズボーンがいないことを確認し、彼のパソコンからCIAの機密情報を抜き出す。

美容整形に命をかける、スポーツジム”ハードボディーズ”のスタッフ、リンダ・リツキ(フランシス・マクドーマンド)は、整形外科医(ジェフリー・デマン)に無理難題の注文を出す。

そんなリンダは、ジムの同僚で、インストラクターのチャド・フェルドハイマー(ブラッド・ピット)に励まされながら、理想の男性を”デート・サイト”などで探そうとする。
...全てを見る(結末あり)

ある日、ローカールームでCD-ROMを拾ったチャドは、内容がCIAの機密情報だと知り、それをマネージャーのテッド・トレフォン(リチャード・ジェンキンス)に報告する。

元神父だったテッドは、CDを処分するようにチャドに指示するが、彼はその情報の持ち主”オズボーン・コックス”の名前と電話番号まで特定してしまう。

謝礼を手に入れようとして、リンダに相談したチャドは、彼女のアパートからオズボーンに電話をかける。

しかし、調子ばかりいいチャドは、動じないオズボーンに逆に脅されてしまい、見かねたリンダが強気に出て電話を切るよう彼に指示する。

ケイティは弁護士と離婚準備を進めていたが、預けたCDデータを、秘書がリンダ達のジムで紛失していたことに気付いていなかった。

リンダは”デート・サイト”でハリーと知り合い、意気投合して交際を始める。

チャドはオズボーンに5万ドルを要求し、彼と街中で接触するが、再びオズボーンに脅されてしまう。

役に立たないチャドを車で拾い、リンダはオズボーンを威嚇してロシア大使館に向かい、職員クラプキン(オレク・クルパ)に情報を売ろうとする。

愛人のケイティから、夫オズボーンとの離婚を決意をしたと聞かされたハリーは戸惑ってしまう。

リンダとデートを重ねていたハリーが、ケイティに焦る必要がないことを伝えたため、二人の間がギクシャクしてしまう。

オズボーンはリンダとチャドを私立探偵に尾行させ、彼らがロシア大使館に行ったことを知るが、離婚訴訟の召喚状を受け取り自宅から追い出されてしまう。

チャドは、オズボーンの家を探るようにリンダに言われ、そこに侵入して他の機密情報を確認する。

そこに、絵本作家の妻サンディ(エリザベス・マーヴェル)が出張していたために、その家に滞在していたハリーが現われる。

衣装棚に隠れていたチャドはハリーに見つかり、驚いた彼はチャドを射殺してしまう。

CIAのパーマーは、上官(J・K・シモンズ)にオズボーンの所持していた情報がロシアに流れた経緯と、それに関与したリンダやハリー、そして死亡者が出たことを報告する。

訳のわからない事件と、機密情報のアクセスレベルが低いことを知った上官は、パーマーに関係者の監視だけを続ける指示を出す。

リンダに好意を持つテッドは、姿を現さないチャドを案ずる彼女の様子を心配する。

殺したチャドをスパイだと思い込んだハリーは、遺体を処分したものの気が滅入る日々を送る。

ハリーは、自分を監視していた男が、離婚を考えている妻サンディの雇った、法律事務所の調査員だと知りショックを受ける。

リンダは、ロシア大使館のクラプキンに、チャドの行方が2日間不明だと伝えようとするが、待たされた挙句にCDを返されてしまう。

テッドに事情を説明しても、らちが明かないリンダは、気落ちするハリーにチャドのことを話し、彼を探す協力を約束される。

自分の預金をケイティに引き出されたオズボーンは、鍵が開かない自宅の入り口を叩き壊して侵入する。

リンダから、チャドがオズボーンの家に向かい不明になったことを知らされたハリーは、突然、彼女をCIAの諜報員か安全保障局員か疑い始める。

そしてハリーは、周囲の人間が自分を監視していると思い込み、リンダの前から走り去ってしまう。

オズボーンは、自宅でケイティの宝石などを持ち出そうとしていたが、人の気配を感じて地下室でテッドを見つける。

テッドを罵り銃撃したオズボーンは、逃げ出した彼を路上で痛めつける。

CIAのプラマーは、ハリーがベネズエラに逃亡しようとして拘留されたことを上官に伝える。

プラマーは、ハリーをそのままベネズエラに向かわせる指示を受け、テッドの遺体を処分したことも報告する。

テッドを路上で襲ったオズボーンは、捜査官に撃たれ昏睡状態で危篤となり、事件に関与した者はリンダ一人になる。

リンダはCIAに拘束されていたが、全身整形費用と交換に協力するということを、プラマーは上官に合わせて報告する。

上官は、リンダの要求を呑むようプラマーに伝え、ややこしい事件の捜査を終了させる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
CIA局員オズボーンは、アル中が原因で左遷されたため、その後、辞職してしまう。
オズボーンの妻ケイティは、それと、彼の回顧録(暴露本)の執筆を聞いて驚いてしまう。
財務省警護官ハリーと不倫中のケイティは、密かに離婚を考え、オズボーンの財産などの情報を、弁護士の勧めで収集しようとする。
しかし、その中にあった機密情報が、ひょんなことからスポーツジムのスタッフ、チャドに渡ってしまう。
チャドは、美容整形マニアの同僚リンダに触発され、オズボーンを脅して金を巻き上げようとするのだが・・・。
__________

CIA局員が、左遷された腹いせに書き始めた回顧録(暴露本)執筆に端を発して、関係者が微妙に絡み合い、殺人事件にまで発展してしまうという、傍観者(観客)には解り易いが、当事者や捜査をする者達には複雑怪奇な事件を、巧みな構成とストーリー展開で、いかにもコーエン兄弟らしく描いた、サスペンス・ブラック・コメディ。

全編がドタバタ・コメディに近い雰囲気の中で、ブラッド・ピットが突然射殺されるシーンの衝撃や、その描写などは、コーエン兄弟のシリアス作品を見ているようで、得意技の見せ場は心得ているというところだろうか。

「オー・ブラザー!」(2000)、「ディボース・ショウ」(2003)に続く、コーエン兄弟作品出演のジョージ・クルーニーをはじめ、豪華スター競演が話題を呼び、兄弟の作品としては、前作「ノーカントリー」(2007)を凌ぐ興行収入を上げた。

北米興行収入 $60,355,350
世界 $163,720,070

例によって製作、監督、脚本、そして編集(ロデリック・ジェインズ名)をコーエン兄弟が兼任している。

バートン・フィンク」(1991)以来、コーエン兄弟作品の撮影を担当し続けていたロジャー・ ディーキンスからエマニュエル・ルベツキに代わったところも注目で、音楽は兄弟作品全てを手がける、お馴染みカーター・バーウェル

女好きの元警護官で、結局は妻に裏切られ、半狂乱で出国しようとするジョージ・クルーニー、美容整形マニアで、その資金調達のために強行手段に出る、ジョエル・コーエンの妻フランシス・マクドーマンド、能天気で軽薄な若者を怪演するブラッド・ピット、利己的な元CIA分析官ジョン・マルコヴィッチ、ヒステリックなその妻ティルダ・スウィントン、元神父らしい心穏やかで冒険を嫌うジムのマネージャー、リチャード・ジェンキンス、ハリー(G・クルーニー)の妻エリザベス・マーヴェル、オズボーン(J・マルコヴィッチ)の元上官デヴィッド・ラッシュ、その上官J・K・シモンズ、整形外科医ジェフリー・デマン、映画の出演者でダーモット・マローニークレア・デインズも共演している。


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