1957年に発表された、メリアム・モデルの同名小説”Bunny Lake Is Missing”の映画化。 4歳の幼児失踪を発端にある兄妹の意外な事実が判明していく・・・ 製作、監督オットー・プレミンジャー、主演ローレンス・オリヴィエ、キャロル・リンレイ、キア・デュリア、ノエル・カワード他共演サスペンス・ミステリーの秀作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:オットー・プレミンジャー
製作:オットー・プレミンジャー
原作:メリアム・モデル
脚本
ジョン・モーティマー
ペネロープ・モーティマー
撮影:デニス・クープ
編集:ピーター・ソーントン
タイトルデザイン:ソウル・バス
音楽 :ポール・グラス
出演
ニューハウス警視:ローレンス・オリヴィエ
アン・レーク:キャロル・リンレイ
スティーブン・レーク:キア・デュリア
エイダ・フォード:マティタ・ハント
アンドリュース巡査部長:クライヴ・レヴィル
ホレイショ・ウィルソン:ノエル・カワード
エルヴィラ・スモーレット:アンナ・マッセイ
本人(テレビ出演他):ザ・ゾンビーズ
イギリス 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1965年製作 106分
公開
イギリス:1965年10月3日
北米:1965年10月3日
日本:1966年7月9日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロンドン。
この地に移り住むことになったアメリカ人のシングルマザー、アン・レーク(キャロル・リンレイ)は、保育所預けてある4歳の娘フェリシア(バニー)を迎えに行くが、見当たらず自宅に戻る。
自宅で荷物の片づけをするアンの部屋に、大家のホレイショ・ウィルソン(ノエル・カワード)が現れる。
忙しい最中でウィルソンの相手もしていられず、アンは買物に出かけて再び保育所に向かう。
しかし、娘のバニーは見つからず、アンはジャーナリストの兄スティーブン(キア・デュリア)を保育所に呼び出す。
スティーブンは、保育所の職員のエルヴィラ・スモーレット(アンナ・マッセイ)に激しく言い寄る。 その後、アンとスティーブンは、保育所を虱潰しに調べることにする。 保育所の共同経営者であり、引退していたエイダ・フォード(マティタ・ハント)の協力を得たものの、心配が募るアンとスティーブンは警察に連絡を入れる。 到着したニューハウス警視(ローレンス・オリヴィエ)は、施設内外を隈なく捜査し始める。 職員と噛み合わないアンの証言に、ニューハウスは迷いながらバニーの写真を提供してもらおうとする。 スティーブンが、アンドリュース巡査部長(クライヴ・レヴィル)とアンのアパートの写真を取りに行き、彼女はニューハウスと共に警察署に向かう。 アンドリュースから、アパートのバニーの物がなくなっているとの連絡を受けたニューハウスは、その場に急行する。 家を出る前に整理した、バニーの日用品などがなくなっているのを知ったアンは、ショックを受ける。 ニューハウスはロンドンに着いてから、バニーを見た人物を思い出すようアンに冷静に話しかける。 バニーの存在自体をニューハウスが疑っていると思い込んだアンは動揺する。 しかし、アンはバニーと買ったキャンディのことを思い出し、スティーブンがそれをニューハウスに見せようとする。 さらにアンは、保育所に向かう途中の多数のバスの乗客が、バニーを見ているはずだとスティーブンに伝える。 保育所のフォード夫人に面会したニューハウスは、アンには想像上の友達”バニー”がいたというスティーブンの話を聞き、変わったところがあるという彼の性格に興味を抱く。 スティーブンが届けたキャンディの箱も証拠にならず、既に調べたバスの目撃者もなかった。 そして、スティーブンが行ったバニーの入園料支払いと手続き書類も届いていないことがわかる。 自分やアンに、疑いをかけているようなニューハウスの態度に腹を立てたスティーブンは、報道に訴えると彼に言い寄る。 しかし、冷静なニューハウスは、スティーブンとアンの関係をさらに深く探ろうとする。 ニューハウスはスティーブンの話を聞き、フォード夫人の元に連れて行き、孤独に育った子供(アン)が、妄想で友達を作ったという、ほぼ決め付けた意見をスティーブンにぶつける。 開き直ったスティーブンは、フォード夫人に話したのはアンのことではないと言い出し、バニーは自分で見つけると言張りその場を立ち去る。 その頃アパートでは、アンが大家のウィルソンに言い寄られていたが、そこにニューハウスらが現れ、彼を部屋の外へ追いやる。 ニューハウスは、何も食べようとしないアンをパブに連れて行き落ち着かせ、子供時代の空想の友達の話などを聞きだす。 そこにスティーブンが現れ怒りを露にするが、ニューハウスは争いを嫌いその場を立ち去る。 アパートに戻ったアンは、バニーの人形を修理したことを思い出し、その店に向かう。 航路でイギリスにやってきたというアンとバニーが、船の乗客リストに載っていないことをニューハウスは知る。 しかしニューハウスは、アンとスティーブンとでロンドンに滞在している日数が食違っていることに気づき、他の船の乗客名簿を調べる。 人形の修理屋で人形を見つけたアンは、現れたスティーブンに人形を渡し、彼女は店の主人に支払いを済ませに行く。 しかし、スティーブンは人形に火を放ち、戻ったアンを殴り、気絶させて車で連れ去ってしまう。 スティーブンはアンを病院に運び、空想の子供がいなくなったと言い、半狂乱だったと医師に説明する。 病院を抜け出したアンはスティーブンの家に向かい、彼がバニーの物を処分し、彼女を車のトランクから出し、絞め殺そうとしているのを知る。 アンはスティーブンに歩み寄り、バニーを救おうと彼をなだめて、スティーブンとかくれんぼを始める。 スティーブンと遊ぶ振りをして、隙を見て逃げようとするアンだったが、彼はバニーを捕まえ殺そうとする。 アンは再びスティーブンを遊びに誘い、それに応ずる彼だったが、そこにニューハウスらが現れスティーブンを逮捕する。 ニューハウスは、船の乗客リストでアンとバニーを確認し、スティーブンの嘘を見破っていた。 そして、アンに優しく声をかけたニューハウスは、スティーブンを連行する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ロンドンに越してきた、アメリカ人のシングルマザー、アン・レークの4歳の娘フェリシア(バニー)が行方不明になる。
ジャーナリストの兄スティーブンを呼び出し、アンは、バニーを預けてあった保育所を虱潰しに捜す。
しかしバニーは見つからず、アンとスティーブンは警察に連絡を入れ、ニューハウス警視が捜査を始める。
ニューハウスはその段階で、アンには子供時代に空想癖があることを知り、彼女の話に疑問を抱き、子供の存在自体を疑う。
そしてニューハウスは、アンとスティーブン兄妹の関係を調べるうちに、意外な事実に気づく・・・。
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ジョディ・フォスター主演の「フライトプラン」(2005)などの他、度々映画では登場する謎の失踪劇をテーマに、鬼才オットー・プレミンジャーが放つ異色のサスペンス。
全く平凡に見える兄妹が、時間の経過と共に二重人格者に変貌していく怖さと、乱れぬペースで捜査を続ける主人公の警視の冷静さとの対比が、事件を引き起こす犯人の異常さをより強調されて「描かれる、見事な演出となっている。
オットー・プレミンジャー作品には欠かせない、ソウル・バスの、洗練されたタイトルデザイン。
特に、小さな子供または人形にかたどられた切抜きが閉じられて終わるエンディングのアイデアは、シンプル且つインパクトのある、彼独特のセンスで表現されている。
地味だが、沈着冷静で的確な捜査を続ける、警視ローレンス・オリヴィエの、説得力ある重厚な演技は、いつもながら素晴らしく、その物腰や語り口、さらには自然な眼差しなど、どれをとっても、最高の演技者の風格が漂う名演を見せてくれる。
「枢機卿」(1963)に続き、大役を見事にこなし熱演するキャロル・リンレイ、その兄で狂人へと変貌するキア・デュリア、保育所の共同経営者マティタ・ハント、警視の部下役、後に「スター・ウォーズE5:帝国の逆襲」(1980)で皇帝パルパティーンの声を担当するクライヴ・レヴィル、怪演を見せる大家のノエル・カワード、名優レイモンド・マッセイの娘アンナ・マッセイが保育所職員で、また当時の人気バンド、ザ・ゾンビーズがテレビ映像他で登場する。