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ブロードウェイと銃弾 Bullets over Broadway (1994)

1920年代のブロードウェイの舞台裏を描く、監督、脚本ウディ・アレン、主演ジョン・キューザックダイアン・ウィーストジェニファー・ティリーチャズ・パルミンテリメアリー=ルイーズ・パーカージャック・ウォーデンジム・ブロードベント他共演のコメディ・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(コメディ)

ウディ・アレン / Woody Allen 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:ウディ・アレン

製作:ロバート・グリーンハット
製作総指揮
ロバート・グリーンハット

レッティ・アロンソン
J・E・ボーケア
ジーン・ドゥーマニアン
チャールズ・H・ジョフィ
ジャック・ロリンズ
脚本
ウディ・アレン

ダグラス・マクグラス
撮影:カルロ・ディ・パルマ
編集:スーザン・E・モース
美術・装置
サント・ロクアスト

スーザン・ボーデ
衣装デザイン:ジェフリー・カーランド

出演
デヴィッド・シェーン:ジョン・キューザック

ヘレン・シンクレア:ダイアン・ウィースト
オリーヴ・ニール:ジェニファー・ティリー
チーチ:チャズ・パルミンテリ
エレン:メアリー=ルイーズ・パーカー
ジュリアン・マークス:ジャック・ウォーデン
ニック・ヴァレンティ:ジョー・ヴィテレッリ
シェルドン・フレンダー:ロブ・ライナー
イーデン・ブレント:トレイシー・ウルマン
ワーナー・パーセル:ジム・ブロードベント
シド・ルーミス:ハーヴェイ・ファイアスタイン
ヴァイオレット:デビ・メイザー

アメリカ 映画
配給 ミラマックス

1994年製作 98分
公開
北米:1994年10月14日
日本:1995年7月15日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $13,383,750


アカデミー賞 ■
第67回アカデミー賞
・受賞
助演女優賞(ダイアン・ウィースト
・ノミネート
監督
助演男優賞(チャズ・パルミンテリ
助演女優賞(ジェニファー・ティリー
脚本・美術・衣裳デザイン賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1928年、ニューヨーク
ブロードウェイの劇作家デヴィッド・シェーン(ジョン・キューザック)は、プロデューサーのジュリアン・マークス(ジャック・ウォーデン)から資金不足を理由に舞台の上演を許可されず苦悩する。

クラブにいたギャングのボス、ニック・ヴァレンティ(ジョー・ヴィテレッリ)は、4人を殺したことを手下から報告される。

愛人のダンサー、オリーヴ・ニール(ジェニファー・ティリー)からコーラスで踊るのはこりごりだと言われたヴァレンティは、まともな舞台に立てるよう夢は叶えることを彼女に約束する。

恋人のエレン(メアリー=ルイーズ・パーカー)と過ごしていたシェーンは、スポンサーが現れたという連絡をマークスから受ける。
...全てを見る(結末あり)

スポンサーの愛人である、役者としては素人のオリーヴを起用することに反対するシェーンだったが、辛い立場のマークスに頼まれて会ってみることになる。

マークスは、最近ヒット作に恵まれない大女優ヘレン・シンクレア(ダイアン・ウィースト)を主演にする考えをシェーンに伝える。

無名の演出家の芝居の出演を拒むヘレンだったが、エージェントのシド・ルーミス(ハーヴェイ・ファイアスタイン)に説得されてシェーンと打ち合わせをする気にはなる。

主役でないことに納得できないオリーヴは、ヴァレンティに不満を訴える。

そこにシェーンとマークスが現れ、ヴァレンティとオリーヴは二人を歓迎する。

ヘレンの名前も知らないオリーヴに呆れるシェーンは気分が落ち込み、ヴァレンティの”仕事”が気になり落ち着かない。

動揺するシェーンはその場を去り、この話は絶対に断るとマークスに伝える。

これが現実だと言ってマークスに説得されるシェーンだったが、悪夢でうなされてしまう。

夜中に飛び起きたシェーンはマークスに電話し、名優のワーナー・パーセル(ジム・ブロードベント)が出演すれば、全く使えそうもないオリーヴの穴埋めができるかもしれないと伝える。

過食症のワーナーの配役に気が進まないマークスだったが、シェーンは絶対に譲らないと言って彼の意見を聞かない。

ヴァレンティは、手下のチーチ(チャズ・パルミンテリ)にリハーサルが始まる芝居の監視をさせる。

劇場の準備とリハーサルは始まり、ワーナーとイーデン・ブレント(トレイシー・ウルマン)らの役者に加えて、騒がしいオリーヴと付き添いのチーチが現れる。

30分遅刻してヘレンが現れ、共演者達と顔を合わせる。

初日だったために軽い台本の読み合わせでその日は終わり、シェーンはヘレンに誘われてバーに向かう。

ワーナーが痩せていてオリーヴが役者としては最悪だという話題から始まり、ヘレンは女を理解するシェーンを気に入る。

女優にはなりたいオリーヴだったが、セリフを覚えなければならない彼女は頭を抱え、それに付き合わなければならないチーチもヴァレンティに不満を訴える。

ヴァレンティに殺人を命ぜられたチーチは、それを済ませた後でオリーヴの台本読みに付き合う。

シェーンの書き直した台本でリハーサルは1週間進むが、ヘレンがイーデンのやること全てに意見して揉め始める。

セリフを調整されたたオリーヴは、チーチと共にシェーンに噛みつく。

ワーナーだけはトラブルを起こさなかったが、次第に口にするものが増え始めて肥満が気になる。

ヘレンのアパートに招かれたシェーンは、酷い演技のオリーヴを降板させる気はないのかと聞かれ、無理だと答える。

次回は自分のために台本を書いてほしいとシェーンに頼んだヘレンは、今回の手直しを提案して受け入れられる。

翌日もオリーヴが不満を言い始め、チーチがシェーンの台本にケチをつける。

ヘレンにも妥協するよう言われたシェーンは、納得いかずにその場を去ってしまう。

苛立つシェーンを散歩に誘い落ち着かせたヘレンは、自分と一緒なので耐えられると彼から好意を示されるが冷静に受け止める。

エレンがリハーサルを見学に来た日に、暫くは平穏に時間が過ぎたのだが、オリーヴとイーデンのセリフのことで中断する。

チーチが提案したその場面の展開を、シェーン以外の者が気に入ってしまう。

シェーンは納得できず、降りると言ってその場を去る。

オリーヴとワーナーはお互いが意識し合っていることを確認し、チーチがいない隙に楽屋で愛し合う。

再びエレンと散歩に出かけたシェーンは、彼女から誕生日プレゼントを受け取る。

シェーンから思いを伝えられたヘレンは、気持ちを抑えるよう彼を落ち着かせる。

エレンとマークス夫妻とでクラブで誕生日を祝っていたシェーンは、チーチがいることに気づく。

アイデアを聞いた際に冷静さを失ったことでチーチに謝罪したシェーンは、彼の恋人ヴァイオレット(デビ・メイザー)を紹介される。

他のアイデアもチーチから聞かされたシェーンは、結局は台本を書き直さなければならないとも言われ、彼の考えに納得してしまう。

その後、書き直した台本は好評で、リハーサルがスムーズに進むようになり、マークスはヒットを確信する。

それでも自信のないシェーンはチーチに意見を求め、台本は彼によって書き直される。

ヘレンにその内容を絶賛されたシェーンは、複雑な思いで再び彼女に気持を伝え受け入れられる。

その後もリハーサルは順調で、ヘレンはイーデンと和解し、オリーヴと太ってきたワーナーの関係も良好だった。

チーチの発想に驚きながら台本を書き直したシェーンは、彼の文才を認め仕事を変えてはどうかと提案しながら、人を殺した際の気持ちなどを尋ねる。

ヘレンのパーティーが開かれ業界の大物が集まり、部屋に閉じ篭ったシェーンとヘレンは愛し合う。

オリーヴのことでチーチに脅されたワーナーは、ストレスで過食症となる。

ボストン
初日公演でオリーヴが見違えるような演技を見せ、舞台は絶賛される。

オリーヴに迫られたワーナーは焦り、そこにヴァレンティが現れたため彼はクローゼットに隠れる。

何んとかやり過ごしたオリーヴは、ワーナーを窓から逃がす。

シェーンとチーチは初日のことを話し合い、オリーヴが芝居をぶち壊していると言ってチーチが彼女をクビにしろと迫るが、シェーンにそれができるはずがなかった。

ニューヨークの初日が近づき役者達の緊張が高まり、ドッグフードまで盗んで食べようとしたワーナーをイーデンが責める。

その後も舞台は好評だったため、シェーンは今がヴァレンティとオリーヴから縁を切るチャンスだとマークスに提案する。

しかし、死体になることを恐れるマークスは、今回は我慢するようにと言ってシェーンを説得する。

成功を確信するヘレンに、自分達のことをエレンに話すと言うシェーンだったが、それがゴシップ記事として報道されてしまう。

その件をエレンに追及されたシェーンは、誤解だと言うしかなかった。

問題を抱え夜も眠れなコなったシェーンは、作家仲間のシェルドン・フレンダー(ロブ・ライナー)に相談するが、解決策は見つからない。

ヴァレンティから、ニューヨークではオリーヴのセリフを増やせと強要されたマークスは逆らえなうい。

芝居の質を落とすオリーヴに我慢できないチーチは、彼女を殺害してしまう。

初日を翌日に控えるものの、オリーヴがリハーサルに現れず代役が当てられ、ワーナーとシェーンは彼女が殺されたことを知らされる。

チーチの仕業だと悟ったシェーンは彼の行為を批判するが、芝居のためだと言われて相手にされない。

ヘレンのことをエレンに告白したシェーンだったが、彼女がフレンダーと深い関係であることを知り驚く。

初日を迎え、シェーンはヘレンの楽屋に向い舞台に備え、そして幕は開く。

チーチを呼んだヴァレンティンはオリーヴのことで探りを入れ、手下の情報を信じ彼を始末することを命ずる。

劇場に向かったチーチは再びシェーンに非難されるが、そこにヴァレンティの手下が現れる。

舞台裏で銃撃がありチーチは撃たれ、駆けつけたシェーンに最後のセリフの指示をして息を引き取る。

舞台は絶賛され、銃声までもが効果音として評価されてしまい、エレンとマークスは満足する。

打ち上げに顔を出さなかったシェーンはフレンダーの元に向い、愛したのはアーティストか中身かをその場にいたエレンに聞く。

エレンは両方だと答え、考えた末にシェーンの元に戻る。

シェーンはエレンに愛を伝えてプロポーズし、自分が成功者でもアーティストでもないことを伝える。

エレンは結婚を承諾し、シェーンは彼女を抱き寄せてその場を去る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1928年、ニューヨーク
ブロードウェイの劇作家デヴィッド・シェーンは、資金難のため芝居を上演できず苦悩する。
プロデューサーのマーカスから、スポンサーが見つかったことを知らされ喜んだシェーンだったが、ギャングのボス、ヴァレンティの愛人である単なるダンサーのオリーヴを起用することに反対する。
仕方なくオリーヴに会うことにしたシェーンは、大女優のヘレン・シンクレアを主演にするとマーカスに言われる。
素人のオリーヴに会い絶望したシェーンだったが、資金とヴァレンティの脅しで断れないマーカスは何んとか彼を説得する。
その後、過食症が問題の名優ワーナーや女優イーデン、そしてヘレンらが顔を揃えてリハーサルが始まる。
そこに、監視役をヴァレンティに命ぜられた殺し屋チーチに伴われたオリーヴが現れ、シェーンは今後を心配しながらリハーサルを始めるのだが・・・。
__________

ウディ・アレン独特の洒落たジョークやどぎつい皮肉などを散りばめた、彼の盟友やお馴染のスタッフと共に製作した。

欲を追及する者の傲慢さや、複雑な人間関係、ちょっとしたことがチャンスに変わる運命の皮肉、人生の楽しさなどを絶妙のタッチで見せてくれる、ウディ・アレンの演出と脚本が光る快作に仕上がっている。

1920年代のブロードウェイが舞台ということで、ギャング全盛の時代背景がポイントでもあり、彼らのビジネスである抗争に明け暮れる残虐性とせわしない展開が、なんとも言えないいい雰囲気を醸し出している。

第67回アカデミー賞では、助演女優賞(ダイアン・ウィースト)を受賞した。
・ノミネート
監督
助演男優賞(チャズ・パルミンテリ
助演女優賞(ジェニファー・ティリー
脚本・美術・衣裳デザイン賞

アーティストとして妥協を許さない、苦悩する劇作家を熱演するジョン・キューザック、彼との関係を深める雰囲気ある大女優を好演しオスカーを獲得したダイアン・ウィースト、ギャングのボス(ジョー・ヴィテレッリ)の愛人である、彼女のための芝居でもあったダンサーのジェニファー・ティリー、彼女の監視役で、その才能によるアドバイスで芝居が成功する殺し屋のチャズ・パルミンテリ、主人公の恋人メアリー=ルイーズ・パーカー、何んとか芝居を上演させようと苦労するプロデューサーのジャック・ウォーデン、主人公の作家仲間ロブ・ライナー、女優トレイシー・ウルマン、過食症の男優を楽しく演ずるジム・ブロードベント、ヘレン(ダイアン・ウィースト)のエージェント、ハーヴェイ・ファイアスタイン、チーチ(チャズ・パルミンテリ)の恋人デビ・メイザーなどが共演している。


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