ラスベガスを作ったギャング、ベンジャミン”バグジー”シーゲルの野望を描く、製作、監督バリー・レビンソン、主演ウォーレン・ベイティ、アネット・ベニング、ベン・キングスレー、ハーヴェイ・カイテル他共演のドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:バリー・レビンソン
製作
マーク・ジョンソン
バリー・レビンソン
ウォーレン・ベイティ
脚本:ジェームズ・トバック
撮影:アレン・ダビュー
編集:ステュー・リンダー
美術・装置
デニス・ガスナー
ナンシー・ヘイ
衣装デザイン:アルバート・ウォルスキー
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演
ベンジャミン・シーゲル:ウォーレン・ベイティ
ヴァージニア・ヒル:アネット・ベニング
マイヤー・ランスキー:ベン・キングスレー
ミッキー・コーエン:ハーヴェイ・カイテル
ハリー・グリーンバーグ:エリオット・グールド
ジョージ・ラフト:ジョー・マンテーニャ
チャーリー・ルチアーノ:ビル・グレアム
ジャック・ドランガ:リチャード・C・サラフィアン
エスタ・シーゲル:ウェンディー・フィリップス
フラッソ伯爵夫人:ビビ・ニューワース
アメリカ 映画
配給 トライスター・ピクチャーズ
1991年製作 136分(特別編149分)
公開
北米:1991年12月13日
日本:1992年2月
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $49,114,020
■ アカデミー賞 ■
第64回アカデミー賞
・受賞
美術・衣装デザイン賞
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ウォーレン・ベイティ)
助演男優(ハーヴェイ・カイテル/ベン・キングスレー)
脚本・撮影・作曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1940年代初頭、ニューヨーク。
ベンジャミン”バグジー”シーゲル(ウォーレン・ベイティ)は、 家族思いの、その温和な姿とは裏腹に、暗黒街の大物マイヤー・ランスキー(ベン・キングスレー)の右腕であり、手荒な男として知られていた。
勢力拡大のためハリウッドに向かったバグジーは、幼馴染 の映画スター、ジョージ・ラフト(ジョー・マンテーニャ)に会う。
スタジオに出向いたバグジーは、新人女優ヴァージニア・ヒル(アネット・ベニング)と出会い一目惚れしてしまう。
その後バグジーは、ロサンゼルスを牛耳るマフィアの大物ジャック・ドランガ(リチャード・C・サラフィアン)と、強引に手を組み、ヴァージニアをモノにするために、ハリウッドに居座る。 ヴァージニアはバグジーを避けるが、ここでも強引な彼の手法に、ついに彼女も恋に落ちてしまう。 地元のギャング、ミッキー・コーエン(ハーヴェイ・カイテル)とも手を組んだバグジーは、彼からヴァージニアの悪評を聞かされる。 ヴァージニアに探りを入れたバグジーは、勝気な彼女に逆に言いくるめられてしまう。 しかし、直後に現れたドランガには、裏切りを責めて、土下座させて服従を誓わせる。 その様子を部屋の外で聞いていたヴァージニアは、バグジーの異状さと野性味の虜になってしまう。 ある日バグジーは、カジノを仕切るためにヴァージニアとミッキーを伴いラスベガスに向かう。 目的の薄汚い店は閉鎖することにしたバグジーだったが、 帰り道の砂漠で神のお告げを聞く。 バグジーは仕事の傍ら、ヒトラーと共にヨーロッパを支配しようとするムッソリーニを倒そうという計画を実行すべく、彼と面識のあるフラッソ伯爵夫人(ビビ・ニューワース)に接近する。 それを知ったヴァージニアは、バグジーに愛想を尽かしてしまう。 その後バグジーは、ボスのチャーリー・ルチアーノ(ビル・グレアム)が、友人のハリー・グリーンバーグ(エリオット・グールド)の裏切りで逮捕されたため、ニューヨークに向かう。 ランスキーから、ラスベガスのカジノを閉めたことを責められたバグジーは、そこに、巨大ホテル”フラミンゴ”を建設して、アメリカの夢を実現する計画を語り始める。 フラミンゴの話には乗る気になったランスキーだったが、バグジーのムッソリーニ暗殺計画を聞き、正気の沙汰ではないと彼を戒める。 ランスキーとの話し合いで、娘の誕生日が台無しになった バグジーは、幸か不幸か、妻のエスタ(ウェンディー・フィリップス)から離婚話を切り出される。 バグジーはヴァージニアと寄りを戻し、フラミンゴ計画を実行に移す。 しかし、予定の変更が相次ぎ、予算が、当初の2倍の200万ドルに達し、さらにそれが膨らんでしまう。 そんな時、行き場所がなく、旧友のバグジーを頼って来たハリーだったが、バグジーは友を上辺では受け入れ、已む無く抹殺する。 そんなバグジーの一つの夢”ムッソリーニ暗殺”は果たされず、彼は処刑され、やがて日本も降伏して第二次大戦が終結する。 バグジーは正式にエスタと離婚するが、ハリー殺害容疑で逮捕されてしまう。 その後、保釈されたバグジーだったが、600万ドルに達したフラミンゴの建設費用のうち、ランスキーが100万ドルを提供して彼と縁を切る。 1946年。 ルチアーノ他が出席た組織の幹部会議で、その件が話し合われ、とりあえずフラミンゴのオープンを待ち、それが失敗に終わった場合は、ランスキーがバグジーを始末することが決まる。 そして、フラミンゴはオープンするものの散々な結果となり、一時閉鎖を余儀なくされる。 ランスキーに、ロサンゼルスに行くよう指示されたバグジーの元に、200万ドルを持参したヴァージニアが現れるが、彼はそれを受け取らなかった。 そして、自宅に戻ったバグジーは、銃撃を受け抹殺され、フラミンゴはランスキーが取り仕切ることになる。 そして、バグジーの死を知らされたヴァージニアは、呆然とフラミンゴの前で立ち尽くす。 ヴァージニアは、1週間後にランスキーに金を返して、その後ヨーロッパに渡り、1966年にオーストリアで自殺した。 600万ドルをかけたバグジーの壮大な夢は、1991年までに1000億ドルの収入をもたらすビッグビジネスとなっている。
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クリスマスのオープンを控えたフラミンゴは完成間近となるが、ヴァージニアがスイスの銀行に200万ドルを隠していた疑惑が発覚し、彼女はバグジーの元から去っていく。
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1940年代初頭、ニューヨーク。
ベンジャミン”バグジー”シーゲルは、暗黒街の大物ランスキーの右腕として、勢力を拡大するためにハリウッドに向かう。
バグジーは、スタジオで、新人女優ヴァージニア・ヒルと出会い一目惚れして、彼女をものにしようとする。
ヴァージニアはバグジーを敬遠するが、彼の強引さに押され恋に落ちる。
ある日バグジーは、ラスベガスのカジノを閉鎖した帰り道、砂漠で神のお告げを聞く。
その後バグジーは、ヒトラーと共にヨーロッパを支配しようとする、ムッソリーニ暗殺計画を真剣に考え、それを知ったヴァージニアは彼に愛想を尽かしてしまう。
ボスのルチアーノが、友人のハリーの裏切りで逮捕されたために、ニューヨークに戻ったバグジーは、ラスベガスに、巨大ホテル”フラミンゴ”を建設して、アメリカの夢を実現する計画をランスキーに語る。
妻に離婚を迫られたバグジーは、ヴァージニアと寄りを戻し、フラミンゴ計画を実行に移す。
しかし、予算が当初の2倍の200万ドルに達して、さらにそれが膨らんでしまう。
そして、暴走する一方のバグジーを、組織はお荷物と感じ始めて、ランスキーは彼と縁を切ってしまう・・・。
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「グッドモーニング, ベトナム」(1987)、「レインマン」(1988)などに続く、アカデミー賞監督バリー・レビンソンの、力強く歯切れのいい演出が光るヒューマン・ドラマ。
舞台となるハリウッドや、砂漠の真ん中に建設された初代の”フラミンゴ”のセットなどは、当時の雰囲気を見事に再現し、実際にファッションに拘ったバグジーやハリウッド・スター、またギャング達の衣装なども見所の一つだ。
ゆったりとした、エンニオ・モリコーネの音楽も実に心地よい。
第64回アカデミー賞では、美術・衣装デザイン賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ウォーレン・ベイティ)
助演男優(ハーヴェイ・カイテル/ベン・キングスレー)
脚本・撮影・作曲賞
「ゴッドファーザー」(1972)のクライマックスで、コルレオーネ・ファミリーに抹殺される”モー・グリーン”は、本作のベンジャミン・シーゲルがモデルで、組織を裏切るエリオット・グールド演ずるハリー・グリーンバーグは、ファミリーのドン、ヴィトー・コルレオーネの忠実なヒットマンとして登場する、”ルカ・ブラージ”に似ているキャラクターだ。
また、組織の大物幹部マイヤー・ランスキーは、同じく「ゴッドファーザーPARTII」(1974)で、コルレオーネ・ファミリー壊滅を企てる、ドラマのキーマン”ハイマン・ロス”のモデルだ。
温和なファミリーマン、冷酷な暗殺者、ファシスト暗殺計画などの奇想天外な発想と壮大な夢を持った男、ベンジャミン”バグジー”シーゲルを演じたウォーレン・ベイティの、メリハリある熱演は素晴らしいの一言。
本作をきっかけに、翌年ウォーレン・ベイティと結婚するアネット・ベニングも、21歳の年の差を感じさせない大胆な演技を見せてくれる。
バグジーを支え、見守る組織の幹部マイヤー・ランスキー役のベン・キングスレー、ミッキー・コーエン役のハーヴェイ・カイテル、両者の円熟の演技も見もので、二人は揃ってアカデミー助演賞候補になった。
実際に暗黒街とのつながりを持ったジョージ・ラフト役のジョー・マンテーニャ、主人公の友人ハリー・グリーンバーグ役のエリオット・グールド、マフィア最大の大物であるチャーリー”ラッキー”ルチアーノ役のビル・グレアム、バグジーの妻役ウェンディー・フィリップス、伯爵夫人役のビビ・ニューワースなどが共演している。