奴隷から解放され自由を求めて旅する黒人達のためにガイドをする男の戦いを描く、監督、主演シドニー・ポワチエ、ハリー・ベラフォンテ、ルビー・ディー、キャメロン・ミッチェル他共演の西部劇。 |
・西部劇
■ スタッフ キャスト ■
監督:シドニー・ポワチエ
製作:ジョエル・グリックマン
原案
ドレイク・ウォーカー
アーネスト・キノイ
脚本:アーネスト・キノイ
撮影:アレックス・フィリップスJr.
編集:ペンブローク・J・ヘリング
音楽:ベニー・カーター
出演
バック:シドニー・ポワチエ
ラザフォード牧師:ハリー・ベラフォンテ
ルース:ルビー・ディー
ディシェイ:キャメロン・ミッチェル
マダム・エスター:ニタ・タルボット
フロイド:デニー・ミラー
保安官:ジョン・ケリー
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1972年製作 102分
公開
北米:1972年4月28日
日本:1972年6月28日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
南北戦争が終わり奴隷制度は廃止されたものの、土地と自由の約束は守られなかった。
多くの元奴隷は、真の自由を求めて西部へと旅立った。
馬車隊で旅する彼らは、西部に詳しい黒人のガイドを雇うが、楽な旅ではなかった。
自然は過酷であり、彼らを農園に連れ戻すため、秘密結社や賞金稼ぎが雇われたのだった。
元兵士で黒人ガイドのバック(シドニー・ポワチエ)に案内されて土地を耕し暮らし始めた黒人達は、秘密結社の白人ディシェイ(キャメロン・ミッチェル)らの襲撃を受け、農場で働くよう強要される。
ディシェイは、バックの居場所を教えない者を容赦なく殺す。
家に戻ろうとしたバックは、デシャイに銃を向けられている妻ルース(キャメロン・ミッチェル)の表情で危険を察知し、彼らの銃撃をかわして逃走する。
馬が弱っていたため、野営していたラザフォード牧師(ハリー・ベラフォンテ)の馬を買おうとしたバックは彼を警戒する。 不審な動きをしたラザフォードを銃で威嚇しながら、バックは馬を奪って走り去る。 バックの馬に乗りある町に着いたラザフォードは、現れたディシェイらに馬の持ち主のこと聞かれる。 馬を奪われたことを伝えたラザフォードは、バックの居場所を知らせたら500ドル渡すとディシェイに言われる。 同胞には故郷に帰れと伝えるよう言われたラザフォードは、それに従う。 その後、馬車隊の野営地に立ち寄ったラザフォードは、その場にいたバックを殴り倒す。 馬を返すと言うバックは、食事をしたら消えろとラザフォードに警告する。 白人の仕事をして代金を得た黒人達が、金を隠していることを知ったラザフォードは、移動し始め彼らに同行する。 金を狙うラザフォードの考えに気づいたバックは、彼を警戒して追い払う。 馬車隊から離れたバックを追っていたラザフォードは、先住民が現れたためにそれを彼に伝える。 先住民と交渉して金を払い通行許可を得たバックは、仕方なくラザフォードを連れて馬車隊に戻ろうとする。 その夜、馬車隊はディシェイらに襲われ、それに追いついたバックは、子供を含めた数人が殺されたことを知る。 1400ドルを隠し持っていた女性は襲われて現金は奪われてしまい、馬車隊がこのまま進むことを確認したバックは、先で落ち合うことにして一行と別れようとする。 もう金はなくなったとラザフォードに伝えたバックは、彼と共に出発する。 コッパースプリングスのディシェイを知っているかをバックに問うラザフォードは、色々と聞かれた連中全員の顔を覚えていることを伝え、二人は一団を追う。 コッパースプリングス。 ディシェイらがマダム・エスター(ニタ・タルボット)の売春宿でカードをしていることを確認したバックとラザフォードは、一気に片を付けることを考える。 ディシェイは、現れたラザフォードからバックの居場所を知っていると言われる。 そこにバックが押し入り、ラザフォードと共にディシェイらを射殺して所持金を奪う。 金額が不足していたため、エスターを脅して金の在りかを聞くバックだったが、保安官らが騒ぎに気づく。 バックとラザフォードはその場から逃れ、保安官とディシェイの手下は二人を追う。 家に戻ったバックは、ルースにラザフォードを紹介して、土地を離れることを伝える。 自由のないこの国にはいたくないと言うルースだったが、食料も金もない馬車隊に戻ることを約束したとバックは伝える。 三人はその場を離れ、その後に現れた保安官らは誰もいないことに気づく。 バックとラザフォードそしてルースは、馬車隊に渡す金を手に入れるために、町に向い銀行を襲うことを考える。 保安官らは戻るものの、バックとラザフォードはルースの協力で銀行を襲い、現金を奪い逃走する。 それに気づいた保安官らは三人を追うが、先住民が現れたために追跡を諦め、彼らが馬車隊に合流すると考える。 バックは先住民に援助を求めるが、白人に土地を奪われた彼らは、その戦いに加担した黒人も同じだと言って弾薬などは渡してもらえない。 分け前を受け取ったラザフォードは、イリノイに向かうための方法を考えるが、今の状況では難しいとバックに言われる。 馬車隊の居場所を先住民から知らされたバックは、案内はするが戦わないと言われる。 単独でその場を離れることをバックに伝えたラザフォードだったが、攻撃を受けて引き返す。 保安官は馬車隊を監視していたが、一行を追い払う考えを変えないディシェイの手下フロイド(デニー・ミラー)に刺殺されてしまう。 馬車隊を確認したバックとラザフォードは、フランクらがそれを襲撃しようと迫ったため、ルースに金を預けてそれを阻止しようとする。 バックとラザフォードは、フロイドらを岩山に誘い込み銃撃戦を繰り広げる。 二人は銃弾を受けるものの、バックがフロイドを倒し先住民の加勢で敵を追い払う。 バックとラザフォードは、先住民に感謝する。 その後、馬車隊は目的地にたどり着き、バックとラザフォードそしてルースは、新たな旅を始める。
...全てを見る(結末あり)
町に着いたディシェイは保安官(ジョン・ケリー)に呼び止められ、黒人の通行は認められているため、暴力沙汰は許さないと警告される。
*(簡略ストー リー)
南北戦争が終わり奴隷制度は廃止され、真の自由を求めた黒人達は西部に向い、元兵士で黒人ガイドのバックは、その案内役として雇われていた。
しかし、白人の秘密結社の一団ディシェイらは、黒人を襲い農地に帰そうとする。
バックはディシェイに追われていたが、出会った牧師ラザフォードの馬を奪ったことで彼と行動を共にすることになる。
その後、馬車隊がディシェイらに襲われ、数人が殺されて現金も奪われる。
目的地に向かうことが難しくなった馬車隊を助けるため、ディシェイらを倒し現金を奪い返そうとしたバックは、ラザフォードと共に一団を追うのだが・・・。
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主演を兼ねるシドニー・ポワチエの初監督作品であり、虐げられる黒人の苦難の旅を描く、黒人及び黒人俳優の地位向上に大きく貢献した彼の意欲が窺える力作でもある。
白人の黒人に対する偏見をストレートに描いた作品ではあるが、先住民の問題も加えた社会性もある内容にユーモアもまじえた展開は、メリハリが効いていて実に小気味よい。
人権問題に真っ向から立ち向かう主人公が、悪党まがいの銀行襲撃をしたり、派手な追跡劇なども見せてくれるアクションとしても楽しめる。
ここまでくると人種の壁を越えているという存在でもある、逞しく勇敢なガイドを貫録の演技で好演するシドニー・ポワチエと、聖職者らしくない強欲な牧師を怪演する同じ歳(1927年生まれ)のハリー・ベラフォンテとの愛称も抜群だ。
主人公の妻ルビー・ディー、秘密結社の一団のリーダー、キャメロン・ミッチェル、その手下デニー・ミラー、売春宿のマダム、ニタ・タルボット、保安官のジョン・ケリーなどが共演している。