サイトアイコン That's Movie Talk!

ブルース・オールマイティ Bruce Almighty (2003)

神を批判したテレビ・レポーターが現れた神からその全能を譲られたために巻き起こる騒動を描く、製作、監督トム・シャドヤック、主演ジム・キャリージェニファー・アニストンモーガン・フリーマンスティーヴ・カレル他共演の大ヒット・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ

モーガン・フリーマン / Morgan Freeman 作品一覧
モーガン・フリーマン / Morgan Freeman / Pinterest
スティーヴ・カレル / Steve Carell / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:トム・シャドヤック

製作
トム・シャドヤック

ジェームズ・D・ブルベイカー
マイケル・ボスティック
ジム・キャリー

マーク・オキーフ
製作総指揮
ロジャー・バーンバウム

ゲーリー・バーバー
脚本
スティーヴ・コーレン

マーク・オキーフ
スティーヴ・オーデカーク
撮影:ディーン・セムラー
編集:スコット・ヒル
音楽:ジョン・デブニー

出演
ブルース・ノーラン:ジム・キャリー

グレース・コネリー:ジェニファー・アニストン
神/ホームレス:モーガン・フリーマン
エバン・バクスター:スティーヴ・カレル
ジャック・ケラー:フィリップ・ベイカー・ホール
スーザン・オルテガ:キャサリン・ベル
デビー・コネリー:リサ・アン・ウォルター
本人:トニー・ベネット
ボビー:エディ・ジェイミソン
アリー・ローマン:ノーラ・ダン
アニタ:サリー・カークランド
不良:ノエル・グーリーエミー

アメリカ 映画
配給
ユニバーサル・ピクチャーズ(北米)
ブエナビスタ(世界)
2003年製作 100分
公開
北米:2003年5月23日
日本:2003年12月20日
製作費 $81,000,000
北米興行収入 $242,829,260
世界 $484,592,870


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨーク州バッファロー
テレビ局”WKBW-TV”のレポーター、ブルース・ノーラン(ジム・キャリー)は、ユニークなキャラクターで人気はあるものの、アンカーマンを狙う彼は満足していなかった。

同棲中の恋人グレース・コネリー(ジェニファー・アニストン)はそれを気にするブルースを励ます。

グレースを勤め先の保育園に送って行ったブルースは、行われている献血運動に興味を示さない。

珍しい血液型AB+のグレースは、献血しておく必要があると反論するが、ブルースは、在庫が大量にあるはずだと言ってそれを否定する。

呆れるグレースは、園児が作ったブレスレットをブルースに渡し、彼はそれが奇跡でも起こすのかと考える。

渋滞で会議に遅刻してしまったブルースは、ライバルのアンカーマン候補エバン・バクスター(スティーヴ・カレル)にからかわれる。
...全てを見る(結末あり)

プロデューサーのジャック・ケラー(フィリップ・ベイカー・ホール)から、クッキー店の取材をボツにされ、エバンの番組を入れると言われたブルースは彼に意見する。

ジャックから、笑いはとれるもののアンカーマンは無理だと言われたブルースだったが、ナイアガラの滝からのライブ取材を任され、気を良くして現地に向かう。

ナイアガラの滝
ディレクターのアリー・ローマン(ノーラ・ダン)らスタッフと共に現地入りしたブルースは、取材が成功すればアンカーマンになれる可能性があることを電話でグレースに伝える。

ところが、スタジオではアンカーマンを長年務めたキャスターとエバンの交代が伝えられる。

それを知ったブルースはショックを受け、テレビを見ていたグレースは動揺する。

エバンは得意げに挨拶して、アシスタントのスーザン・オルテガ(キャサリン・ベル)が取材中のブルースに話しかける。

混乱するブルースは勝手な発言を始め、アンカーマンから外されたことで不満をぶちまけてしまう。

局に戻ったブルースは即刻クビになり、局社から放り出される。

自分にメッセージを掲げていたホームレスをからかう不良(ノエル・グーリーエミー)らを追い払おうとしたブルースは、逆に叩きのめされる。

帰宅したブルースはグレースに八つ当たりしてしまい、外出して車を走らせながら、グレースから貰ったブレスレットに願いを込め神に救いを求める。

しかし、ブルースは街灯に衝突してしまい、怒りが爆発してブレスレットをエリー湖に捨ててしまう。

その時ブルースのポケベルが鳴るものの、知らない番号だったために彼はそれを無視する。

翌朝、再び鳴っていたポケベルの番号が昨夜と同じことに気づいたブルースは、それを窓から投げ捨ててしまう。

愛犬サムのトイレのしつけに梃子摺るブルースは、サムを連れて表に向かうが、道路で壊れていたポケベルが鳴っていることに気づく。

3度目の同じ番号を確認したブルースは、その場に電話をして仕事があることを知らされ、指定された住所に向かう。

”OMI PRESENTS”(全てを与える)という社名のビルに向かったブルースは、その場の掃除夫の老人(モーガン・フリーマン)に目的の部屋の場所を聞く。

真っ白な空間の脚立の上の天井の入り口に話しかけたブルースは、その場から老人が現れたため用はないと考えて去ろうとする。

ところが、その老人は身なりを整え、自分がブルースを待っていたことを伝える。

父親のことなどを話し全てを知っていると語る老人は、その記録資料が収納されているファイル・キャビネットを確認するようブルースに促す。

老人は、神を罵る最後の記録に問題あることを指摘し、何者だとというブルースの質問に対して”神”だと答える。

ブルースは当然それを信じなかったものの、神は、自分を非難したことで彼を責める。

神は、自分の仕事を代わりにするようブルースに命じ、全ての力を譲ることを伝える。

尚もそれを信じないブルースはその場を去り、混乱するものの、ものごとが自分の思い通りになるような気がする。

考えながら市街に戻ったブルースは、あの老人が神なら自分は”クリント・イーストウッド”だと言ってしまう。

突然”クリント・イーストウッド”のようになってしまったブルースは、”44マグナム”まで手にしていることに気づき焦る。

その場のダイナーに入ったブルースは、ウエイトレスのアニタ(サリー・カークランド)からトマト・スープを勧められる。

物を動かせたり欲しいものが出せることに気づいたブルースは、アニタが運んだスープを、”モーゼ”が起こした紅海を真っ二つにした奇跡のようにできるかを試す。

そこに神が現れたために驚くブルースは、彼に誘われて散歩をする。

神はルールを定めることを伝え、自分が神だとは言わぬことと約束させて、他人の意思は操れないことをブルースに伝える。

二人はいつのまにかエリー湖の水面に立ち、神はブルースの捨てたブレスレットを拾い、全てを任せてバカンスに旅立ち姿を消す。

街に戻ったブルースはパワーを確かめ、痛めつけられた不良達がいたため、自分のパワーを見せつけて追い払う。

何もかも思い通りになることで気分よく帰宅したブルースは、ムード作りをしてグレースと愛し合う。

救いを求める人々の声で目覚めたブルースは、愛犬サムにもトイレを教えることができる。

グレースの作った朝食をとったブルースは、事故した愛車”フェアレディZ”を”サリーンS7”に変えてしまい、渋滞する車を退けて”チャンネル5”の取材現場に向かう。

ブルースはその場で、1975年に行方不明になった労働組合指導者”ジミー・ホッファ”の死体を見つけるという大事件の取材する。

ジャックに呼ばれたブルースは、レポーターとして復帰して特ダネを連発し時の人となる。

ブルースと高級レストランで食事をする予定だということを姉のデビー(リサ・アン・ウォルター)に話したグレースは、その場で彼がプロポーズするだろうと考える。

その頃ブルースは、本番中のエバンに恥をかかせてしまう。

トニー・ベネットの生出演でムードが高まる中、食事をするブルースはグレースの前で跪く。

心の準備ができていないグレースは動揺するが、ブルースは自分がアンカーになれたことを彼女に伝える。

グレースはやや失望し、ブルースは神に救いを求める人々の声が聞こえてしまい席を立ち外に出る。

混乱するブルースは、次の瞬間エベレストの山頂で神に会う。

神は、人々の声に答えないために混乱することを知らせ、何人の人を救ったかをブルースに訪ねる。

これからそれを実行すると言って家に戻ったブルースは、人々からのメッセージをパソコンで管理しようとする。

人々の祈りは、一晩で150万件以上のメッセージとして届く。

それに返事をしたブルースだったが、更にメッセージは増えてしまい、彼は全てに”イエス”と答えて処理する。

アンカーマン就任披露の盛大なパーティが開催され、ブルースからその場に呼ばれたグレースだったが気が進まない。

ブルースは、番組で組むことになるスーザンに迫られ、その現場を現れたグレースに見られてしまう。

ショックを受けたグレースはブルースを非難し、姉デビーの家に行くことを伝えてその場を去る。

現れた神は、愛を操れないのかというブルースに、自分もそれを知りたいと答える。

翌朝、目覚めたグレースは、ブルースを許すよう仕向けられる。

その後グレースは、保育園に現れたブルースから、アンカー・デビューすることを知らされ愛を告げられるものの、それを受け入れない。

ジャックは、ロトくじで大量の当選者がでたりする世の中の異常現象が多発することを気にしながら、初めてアンカーを務めるために落ち着かないブルースを励ます。

NHLの地元チーム”バッファロー・セイバーズ”が優勝したことを知り気を良くして本番を始めたブルースだったが、スタジオ内は停電してしまう。

ブルースはそれを回復させるが、スーザンが”バッファロー・セイバーズ”優勝のレポートに振ってしまう。

苛立つブルースはレポートを妨害するものの再び停電してしまい、それを復旧させたブルースはニュースを伝え始める。

ところが、ジャックから街で暴動が起きたことを知らされたブルースは、番組を放棄して現場に向かってしまう。

ロトくじの当選者が大量に出たものの分配金が少額だったために、人々は不満をぶつけて略奪を始めていた。

神の元に向かったブルースは助けを求め、その”仕事”が大変な事だと知った彼は、神と共にモップで床掃除をして悩みを拭い落とす。

人間の要望は尽きないものなのだが、神を頼らなくても奇跡を起こす力があると語る神は、それを願うなら自分で行えと助言して姿を消す。

暴動が収まったことを知ったブルースは、人々のために尽くすことを考えて実行し、エバンの元に向かいアンカーを降りたことを伝える。

レポーターに戻ることをジャックに了承されたたブルースは、サムのトイレを外でさせることにも成功する。

グレースの荷物を取りに来たデビーから、彼女が自分のことを祈っていると知らされたブルースは、神の立場を放棄したいことを願う。

それが叶ったと思った瞬間、ブルースはハイウェイで跪いていたためにトラックに轢かれそうになる。

天国で神に迎えられたブルースは、人々に笑いと喜びを与える特別な才能があると言われて、グレースのブレスレットを渡される。

それで折るよう言われたブルースは、人々の幸せを願う。

本当に思うことを願うよう指示されたブルースは、グレースの元に戻りたいのではなく、自分とは違う男性を見つけて幸せになってほしいと考える。

グレースを見守っているというブルースに対し、祈りを叶えると言って神は彼を下界に戻す。

トラックとの衝突は免れ気を失っていたブルースは、息を吹き返して奇跡的に助かる。

病院のベッドで意識が戻ったブルースは、自分の血液型が少ないAB+で、献血のお蔭で助かったことを知る。

その場に現れたグレースと互いを許し合ったブルースは、手にしていたブレスレットに気づき神に感謝する。

復帰したブルースは、街中が協力する献血運動を取材し、カメラの前で恋人グレースを紹介する。

ブルースは、”奇跡を起こそう!”という合言葉でレポートを締めくくり、グレースに促されながら献血に向かう。

そして、”アルマゲドンは消え去った”というメッセージを手にしていたホームレスは、神に姿を変えその様子を見守る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク州バッファロー
テレビ局”WKBW-TV”のレポーター、ブルース・ノーランはアンカーマンを狙うものの、ライバルのエバンがそれに指名される。
ショックを受けたブルースは失態を犯して局をクビになり、同棲する恋人グレースに励まされるものの、人生や神までも批判してしまう。
ポケベルである場所に呼び出されたブルースは、神だいう老人から非難したことを責められ、自分に代わることを命ぜられ全ての力を譲られる。
それを信じなかったブルースは神の言葉が真実だと分かり、その力で人生を変えようとするのだが・・・。
__________

ドタバタ・コメディではあるが、”神”が登場する”高尚”な内容で、その辺りを考慮したトム・シャドヤックの丁寧な演出も見所で、「エース・ベンチュラ」(1994)や「ライアー ライアー」(1997)でもコンビを組んだジム・キャリーとの相性も抜群だ。

ユーモラスな主人公が”神”と接触するというファンタジックな内容も大いに受け、北米興行収入が約2億4300万ドル、全世界では約4億8500万ドルで、ジム・キャリー作品では最高のヒット作となった。
*北米興行収入では「グリンチ」(2000)が約2億6000万ドルでトップ。

この大成功により、製作費1億7500万ドルをかけて、本作で主人公のライバルを演じたスティーヴ・カレルが主演、モーガン・フリーマン共演、トム・シャドヤック監督による続編「エバン・オールマイティ」(2007)が公開された。
しかし同作は、その製作費を全世界の興行収入でも回収することができなかった。
*世界 $173,418,781

ヒット作をほぼ毎年連発していたジム・キャリーがややアクセルを緩め、「マジェスティック」(2001)公開から2年ぶりに挑んだ意欲作。

40歳を過ぎたジム・キャリーは、フル回転ではあるが抑え気味のところもあり、人間味を感じさせる表情などが実にいい。

また、彼の得意芸である”クリント・イーストウッド”を真似するシーンはファンにはたまらない。

主人公の恋人ジェニファー・アニストン、彼の出演が作品の成功に大きく貢献しているとも言える、神らしくない”神”を貫録で演ずるモーガン・フリーマン、主人公のライバル、スティーヴ・カレル、プロデューサーのフィリップ・ベイカー・ホール、キャスターのキャサリン・ベル、ヒロインの姉リサ・アン・ウォルター、本人役で歌うトニー・ベネット、ディレクターのノーラ・ダン、ダイナーのウエイトレス、サリー・カークランド、不良のノエル・グーリーエミー、局内でランチを売るエディ・ジェイミソンなどが共演している。


モバイルバージョンを終了