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クロッシング Brooklyn’s Finest (2009)

ニューヨークブルックリンの犯罪地域に勤務する3人の警官の苦悩を描く、監督アントワーン・フークア、主演リチャード・ギアイーサン・ホークドン・チードルウェズリー・スナイプスウィル・パットンエレン・バーキンヴィンセント・ドノフリオ他共演の犯罪ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:アントワーン・フークア
製作
ジョン・トンプソン
エリー・コーン
ジョン・ラングレイ
ベイジル・イヴァニック
アヴィ・ラーナー
カット・サミック
製作総指揮
ダニー・ディムボート
トレヴァー・ショート
ボアズ・デヴィッドソン
ロバート・グリーンハット
メアリー・ヴィオラ
脚本:マイケル・C・マーティン
撮影:パトリック・ムルギア
編集:バーバラ・タリヴァー
音楽:マーセロ・ザーヴォス

出演
エドワード”エディ”デューガン:リチャード・ギア
サルヴァトーレ”サル”プロシーダ:イーサン・ホーク
クラレンス”タンゴ”バトラー:ドン・チードル
カサノヴァ”キャズ”フィリップス:ウェズリー・スナイプス
ビル・ホバーツ警部補:ウィル・パットン
スミス捜査官:エレン・バーキン
ボビー”カルロ”パワーズ:ヴィンセント・ドノフリオ
ロニー・ロザリオ:ブライアン・F・オバーン
レッド:マイケル・ケネス・ウィリアムズ
アンジェラ・プロシーダ:リリ・テイラー
シャンテル:シャノン・ケイン
パトリック・レアリー:ワス・スティーヴンス
ジョージ・モントレス:アルマンド・リスコ
メルヴィン・パントン:ローガン・マーシャル=グリーン
エディ・クインラン:ジェシー・ウィリアムズ
ビーマー:ハッサン・ジョンソン
調査官:イザイア・ウィットロックJr.
調査官:レラ・ローション
キャサリン:ラクエル・カストロ
ヴィニー:ジョン・ディレオ
K・ロック:ジャス・アンダーソン

アメリカ 映画
配給 Overture Films
2009年製作 132分
公開
北米:2010年3月5日
日本:2010年10月30日
製作費 $25,000,000
北米興行収入 $27,163,590
世界 $36,440,200


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ニューヨークブルックリン
市警の刑事サルヴァトーレ”サル”プロシーダ(イーサン・ホーク)は、車内で情報屋のボビー”カルロ”パワーズ(ヴィンセント・ドノフリオ)と話をする。

カルロを射殺したサルは、彼が持っていた金を奪い、車を降りてその場から逃げる。

22年間、警官を務め退職まで1週間となったたエドワード”エディ”デューガン(リチャード・ギア)は、波風を立てないように平凡な日々を送り、妻とも別居して空虚さを感じながら苦しんでいた。

潜入捜査官のクラレンス”タンゴ”バトラー(ドン・チードル)は、麻薬組織壊滅のために潜入捜査を行っていた。

教会で懺悔したサルは、以前から何度も主に助けを求めているが、状況は全くよくならないと神父に話す。
...全てを見る(結末あり)

許しを請うようにと言われたサルは、助けが欲しいと伝えて、聖マリアに祈りを捧げてその場を去る。

署に向かったサルは、同僚のロニー・ロザリオ(ブライアン・F・オバーン)に、カルロのことについて尋ね、車内で殺されていたと言われる。

犯罪多発地帯であるブラウンズヴィルの公営住宅で、警官による射殺事件などが起きたために警備が強化され、新人を配属することになったことを知らされたエディは、その教育係を上司から命ぜられる。

上司のビル・ホバーツ警部補(ウィル・パットン)に会ったタンゴは、過酷な状況下で昇進もなく限界を感じているため、捜査から抜けさせてほしいと伝える。

強盗目的の警官に殺された優秀な学生の写真を見せられたタンゴは、この件が報じられれば警察は徹底的にたたかれると言われる。

犯人は見つけたが、警察はそれをもみ消すために更に大きなヤマが必要となったために、ビルはタンゴに協力を求める。

妻アリサのことを尋ねたタンゴは、送られてきた離婚届をビルから渡されて苛立ち、必ず人生を取り戻すと伝える。

新人で、元海兵隊員のメルヴィン・パントン(ローガン・マーシャル=グリーン)と組んだエディは、気軽に話しかけてくる彼と親しくなる気はなかった。

路上で揉めていたカップルの仲裁をしようとしたメルヴィンは、エディから管轄外だと言われて、何もすることができなかった。

アリサに電話をしたタンゴは、不在だったために苛立つ。

カフェに寄ったメルヴィンは、納得いかないことをエディに伝えるののの、これから毎日、犯罪に接するために、自ら首を突っ込むべきではないと助言される。

それが臆病な行為だとしか思えないメルヴィンは気分を害してパトカーに戻り、エディは後7日の我慢だと考える。

帰宅したサルは子供達に迎えられ、カルロから奪った金を地下室で確認するものの、思っていたよりも少なかったために苛立つ。

現金を隠したサルは手に着いた血を洗い落とし、妻アンジェラ(リリ・テイラー)が来たために焦る。

サルは、家のカビが原因で喘息を患う、双子を妊娠しているアンジェラや子供達のために引っ越しを考えていたが、その頭金を工面できずに悩んでいた。

クラブに向かったタンゴは、組織のボスで命の恩人でもある出所したカサノヴァ”キャズ”フィリップス(ウェズリー・スナイプス)から、留守中、仲間達をまとめてくれたことを感謝される。

レッド(マイケル・ケネス・ウィリアムズ)にその場を任せたキャズは、タンゴと屋上に向かい話し合い友情を確かめる。

引っ越し先の家主ヴィンセント夫人から電話があったことを、アンジェラから知らされたサルは、心配いらないと言って必ず引っ越すことを約束する。

チャイナタウン
馴染みの娼婦シャンテル(シャノン・ケイン)に会いに行ったエディは、男達が女を連れて行く姿が気になる。

シャンテルと愛し合ったエディは、組んでいる新人の不満を彼女に話す。

翌日、ドラッグ・ディーラーの拠点である公営団地の一室を同僚達とガサ入れしたサルは、バッグを持って逃げた男を追う。

男を捕えるものの、金を持っていないことを確認したサルは焦る。

ビルに会ったタンゴは、特別捜査官のスミス(エレン・バーキン)を紹介され、キャズを逮捕するための捜査を指示される。

それを断ったタンゴはビルに説得されるものの、キャズは命の恩人だと伝える。

この話に乗れば一級刑事に昇進すると言われたタンゴだったが、ビルの話を聞かずにその場を去る。

同僚らと自宅でカードを楽しんでいたサルは、パトリック・レアリー(ワス・スティーヴンス)と揉めて騒ぎになる。

それを鎮めたロニーはサルと話し、悩みがあると言われる。

双子が生まれるために部屋がないと言うサルに、赤ん坊くらい育てられるはずだと伝えたロニーは、自分には子供がいないために贅沢な話だと思う。

その後、ヴィンセント夫人に電話をしたサルは、資金は用意できることを伝えるものの、その方法が考えられないために悩む。

新人のエディ・クインラン(ジェシー・ウィリアムズ)と組むことになったエディは、混乱が続くブラウンズヴィルの巡回を始める。

タンゴは、キャズが10年前の事件で起訴されることを知る。

署に戻っエディは、メルヴィンが殉職したことを知りショックを受ける。

その場にいたサルも気の毒に思い、アンジェラからの電話を受ける。

同じ掲示板に貼ってあった行方不明者”サリー・フェアレー”の写真が目についたエディは考え込む。

アンジェラが入院したためにロニーと共に病院に向かったサルは、ヴィンセント夫人からの電話を受けて、期限である明日の約束は守ることを伝える。

医師から、アンジェラの肺に木材のカビが入っていることを知らされたサルは、彼女と子供達が危険だと言われ、引っ越しを提案される。

翌日、ロニーらとある場所をガサ入れしたサルは、金の在りかを聞き出す。

屋上で、タレこんだ男を締め上げていたレッドは、タンゴと共に現れたキャズに、その件について説明する。

ある店の揉め事を鎮めようとしたエディは、騒ぎを起こした青年のID照会をするためにパトカーに戻る。

男を殺す意味はないと言うタンゴは、レッドに侮辱されたために銃を向けるものの、それを制止したキャズは男を解放する。

青年が騒ぎ始めたために床に押さえつけたクインランは、銃を発砲してしまう。

大金を手にしたサルはロニーから何をしていると言われ、ギャングを射殺して現金を戻す。

事件の責任をとろうとするエディは、女性調査官(レラ・ローション)から意見を聞かれる。

別の調査官(イザイア・ウィットロックJr.)は、クインランは一般の市民からの信頼を守るための犠牲者であり、青年はドラッグを所持していたので麻薬事件にすると言われるが、考えを変えようとしない。

青年を聴覚障害にしてしまったクインランは、エディに声をかけられるものの動揺する。

ヴィンセント夫人からの、頭金を催促するメッセージ聴いていたサルは、上司からお手柄だと言われる。

ロニーに感謝されたサルは、咄嗟に撃っただけで、それをやめて金に手を出していたかもしれないと言って、感謝される義理はないと伝えてその場を去る。

レッドのやり方をよく思わないキャズは、8年間刑務所にいても組織のことは分かっているとタンゴに伝えて、タレこんだのはあの男ではないと断言する。

この世界が嫌になってきたと言うキャズに、タンゴは、アップタウンの知り合いと取引して、大きく儲けて引退することを提案をする。

手配するようにと言われたタンゴは昇進証書を受け取り、複雑な思いでキャズと共にクラブに向かい、取引する様子を携帯電話で録音する。

トイレに向かったタンゴは、携帯電話を壁に投げつけて壊してしまう。

バッジなどを渡して手続きを済ませたエディは、警察を去る。

ビルに電話をして降りることを伝えたタンゴだったが、それでも取引は行われると言われ、もう関わるなと忠告されるもののキャズを捜す。

キャズを裏切るつもりのレッドは、タンゴの動きを監視する。

焦るタンゴは、街角にいたキャズを見つけて逃げることを提案するものの、取引はうまくいっていると言う彼にそれを拒まれる。

全てを話そうとしたタンゴだったが、車に乗ろうとしたところを襲撃され、キャズは射殺される。

ビルとスミスに会ったタンゴは、接触してきたレッドがキャズを襲撃すると言ってきたことを知らされる。

キャズが死んだために、小物のレッドは野放しにすると言うスミスに憤慨したタンゴは、彼女に襲い掛かるもののビルに制止される。

ビルから、潜入捜査は終了するので2週間のセラピーを受けるようにと指示されたタンゴは、スミスから、昇進を逃したどころか巡査部長に降格させると言われる。

望み通りの潜入捜査をして昇進できるので、それで人生を取り戻せと伝えたビルはその場を去るが、タンゴは納得できない。

シャンテルの元に向かったエディは、彼女が男の相手をしていたために外で待つ。

警官だった客は帰り、エディはシャンテルから腕時計をプレゼントされる。

コネチカットに行くつもりのエディはシャンテルを誘い、一緒にいたいことを伝える。

それを拒むシャンテルから、帰ってほしいと言われたエディはその場を去り車に戻る。

酒を飲んだエディは、いつも空の拳銃に弾丸を一発込めて考え込む。

そこにバンが現れ、車に乗せられたのが行方不明者のサリー・フェアレーだと気づいたエディは、彼女らを追う。

携帯電話をデスクに置いて出て行ったサルの電話出たロニーは、相手のアンジェラと話し、最近、彼の様子がおかしいことを伝えながら、公営団地345の捜査予定を知る。

ロニーが追ってきたことに気づいたサルは、車を止めて言い合いになる。

金を奪っても解決にならないと言われたサルは、子供がいない者に分かるかとロニーに伝える。

子供のためなら何でもやると言うサルにロニーは、その覚悟があるなら今の幸せに感謝し、家に帰ってアンジェラと子供達にキスするようにと指示する。

ロニーに謝罪したサルだったが、子供達を失望させるので、今は家に帰れないと伝える。

失望などさせていない立派な親だと伝えたロニーは、酒でも飲みに行こうと言ってサルを誘い納得させる。

しかし、ロニーの車のタイヤを撃ったサルは、その場を去り団地に向かう。

同じ場所でサルとすれ違ったタンゴは、別の棟のレッドの元に向かう。

銃を手にしたサルは、345棟に入る。

バンを追ったエディは、サリーが連れて行かれた団地に向かう。

レッドらを襲撃したタンゴは、銃弾を受けて逃げたレッドを追う。

ある部屋のドアを開けて押し入り男達を射殺したサルは、隠してあった現金を奪うものの、背後から何者かに撃たれる。

部屋から出て来た男がシャワーを浴びていることを確認して警戒するエディは、銃声を聴く。

紙幣を掴みながら倒れたサルは、息を引き取る。

レッドを追い詰めたタンゴは、ヤワになっていたキャズでは取引できないと言う彼に、あれは罠で自分は警官だと伝えてバッジを見せる。

今日から一級刑事になったと言うタンゴは、レッドを射殺するものの銃弾を受ける。

駆け付けたロニーは、銃撃したタンゴが警官だと知って焦り、救急車を呼ぶようにと叫びながら345棟に向かう。

建物から飛びだした男を確認しながら部屋に向かったロニーは、射殺されたサルを見つけて悲しむ。

部屋に入り二人の女性を助けようとするエディは、一人がサリーだと確認して手錠を外す。

意識のない別の女性を見つけて、4人でその場から逃げようとしたエディは、戻ってきた男に銃を向ける。

現れた別の男を撃ったエディは格闘になり、結束バンドで首を絞めて相手を殺す。

その後、警官と救急車が駆け付け、状況を刑事に話したエディは、サリーが保護されたことを確認してその場を去る。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ニューヨークブルックリン
22年間、市警の警察官として勤務し退職を1週間後に控えるエディは、空虚な日々を送り苦悩していた。
刑事のサルは、双子を妊娠した妻アンジェラや子供達を抱えて引っ越しを考えていたものの、資金不足で悩んでいた。
麻薬組織に潜入して捜査を続けていたタンゴは、ボスのキャズが命の恩人だったために裏切る気になれなかった。
犯罪地帯で過酷な任務に就きながら、三人の苦悩は日々、増すばかりだった・・・。
__________

ニューヨークブルックリンの犯罪多発地域であるブラウンズヴィルを舞台に、それぞれ違った苦悩を抱える、立場が違う三人の警官の生き様を描く犯罪ドラマ。

死と隣り合わせの中で、苦悩しながら厳しい現実と向き合う警官の生活を生々しく描いた作品。

アントワーン・フークアの骨太な演出が見所の作品であり、真実や正義を追求する男達と、アメリカの抱える様々な問題を描く、見応えある社会派ドラマでもある。

波風立てずに警察官として長年職務を果たすものの、その日々の空虚さから苦悩するリチャード・ギア、家族を守るために犯罪に手を染めようとする刑事イーサン・ホーク、職務を遂行には命の恩人を裏切らねばならないために苦悩する潜入捜査官のドン・チードル、彼と固い友情で結ばれている麻薬組織のボス、ウェズリー・スナイプス、タンゴ(ドン・チードル)の上司である警部補ウィル・パットン、タンゴに捜査を強要する特別捜査官のエレン・バーキン、冒頭でサル(イーサン・ホーク)に殺される情報屋のヴィンセント・ドノフリオ、悩むサルを気遣う同僚のブライアン・F・オバーン、ボスを裏切る麻薬組織のギャング、マイケル・ケネス・ウィリアムズハッサン・ジョンソン、サルの妻リリ・テイラー、エディ(リチャード・ギア)の相手である娼婦のシャノン・ケイン、刑事のワス・スティーヴンスアルマンド・リスコ、エディと組む新人警官ローガン・マーシャル=グリーンジェシー・ウィリアムズ、エディを尋問する調査官イザイア・ウィットロックJr.レラ・ローションアントワーン・フークア夫人)、サルの娘ラクエル・カストロ、息子ジョン・ディレオなどが共演している。


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