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ブロークン・イングリッシュ Broken English (2007)

人生に悩む独身女性の複雑な心の内を描く、監督、脚本ゾエ・カサヴェテス、主演パーカー・ポージーメルヴィル・プポードレア・ド・マッテオジャスティン・セロージーナ・ローランズピーター・ボグダノヴィッチ他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)


スタッフ キャスト ■
監督:ゾエ・カサヴェテス

製作
アンドリュー・ファイアーバーグ
ジェイソン・クリオット

ジョアナ・ヴィセンテ
製作総指揮
トッド・ワグナー

マーク・キューバン
脚本:ゾエ・カサヴェテス
撮影:ジョン・ピロッツィ
編集:アンドリュー・ワイスブラム

音楽:スクラッチ・マッシヴ

出演
ノラ・ワイルダー:パーカー・ポージー

ジュリアン・デュラン:メルヴィル・プポー
オードリー・アンドリュース:ドレア・ド・マッテオ
ニック・ゲーブル:ジャスティン・セロー
ヴィヴィアン・ワイルダー=マン:ジーナ・ローランズ
アーヴィング・マン:ピーター・ボグダノヴィッチ
マーク・アンドリュース:ティム・ギニー
霊能者:フィリス・サマービル
ペリー:ジェームズ・マキャフリー
チャーリー・ロス:ジョシュ・ハミルトン
マダム・グリネル:ベルナデット・ラフォン

グレン:マイケル・ペインズ
ラーソン:ティエリー・アンシス
ガイ:マイケル・ケリー
ジェニファー・ロス:ケイトリン・キーツ

アメリカ 映画
配給 マグノリア・ピクチャーズ
2007年製作 96分
公開
北米:2007年6月22日
日本:2008年12月13日
製作費 $2,000,000
北米興行収入 $956,920
世界 $1,944,150


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨークマンハッタン
ブティック・ホテルのVIP担当サービスとして働く独身のノラ・ワイルダー(パーカー・ポージー)は、親友のオードリー・アンドリュース(ドレア・ド・マッテオ)と夫マーク(ティム・ギニー)の結婚5周年パーティーに出席する。

挨拶するマークは、オードリーを紹介してくれたノラに感謝する。

ノラは、その場にいた母ヴィヴィアン(ジーナ・ローランズ)と義父アーヴィング(ピーター・ボグダノヴィッチ)に声をかける。

ノラが独身でいることを心配するヴィヴィアンは、彼女が完璧な相手だったマークと結婚しなかったことで意見する。

翌日、フロントのグレン(マイケル・ペインズ)から、俳優のニック・ゲーブル(ジャスティン・セロー)と部屋の予約の件で揉めていると言われたノラは、対処してほしいと頼まれる。
...全てを見る(結末あり)

ニックをいつもとは違う部屋に案内したノラは、彼に気に入られて食事に誘われる。

オードリーから結婚が崩壊しそうだと言われたノラは、彼女がマークに苛立っていることを知らされる。

ニックとデートすることをオードリーに話したノラは、直ぐに寝ないように忠告されるが、その心配はないと伝える。

日本食レストランでニックと食事をしたノラは、互いの仕事や将来のことなどを話し、酔った勢いで愛し合ってしまう。

ヴィヴィアンの家を訪ねたノラは、その場にいた客に恋人のことを聞かれ、俳優のニック・ゲーブルと付き合い始めていると話してしまう。

アーヴィングやヴィヴィアンは驚き、ニックを招待してパーティーを開く提案をしてノラを祝福する。

その後、オードリーの家でテレビを見ていたノラは、インタビューを受けるニックに注目する。

ところが、ニックが共演者の女優と付き合っていることが分かり、ノラはショックを受ける。

マークに励まされたノラは、もう誰とも付き合わないと言って落ち込み、オードリーにも慰められる。

数日後、ヴィヴィアンと食事をしたノラは、ニックのことを聞かれて別れたと答え、自分は世界一男運が悪いと言って愚痴をこぼす。

孤独感を感じるノラは愛する人が欲しいと言って涙し、前向きに考えるべきだとヴィヴィアンに助言され、友人の息子チャーリー・ロス(ジョシュ・ハミルトン)を紹介される。

二人は映画を観るのだが、チャーリーが別れた恋人ジェニファー(ケイトリン・キーツ)と出くわす。

ジェニファーに嫌みを言われたチャーリーは、別れたばかりだったために辛いことをノラに伝え、彼女に謝罪して立ち去る。

オードリーに会ったノラは、焦らないようにと励まされるが、再び彼女のマークに対する不満を聞かされる。

落ち込むノラは酒とたばこを止められず、グレンに誘われたパーティーへの出欠の連絡もする気になれない。

連絡もせずにパーティーに出席したノラはグレンに歓迎されるが、気分が乗らないために帰ろうとする。

そこに現れたフランス人のジュリアン・デュラン(メルヴィル・プポー)を紹介されたノラは、彼に誘われて飲むことになる。

前にホテルで見かけたとジュリアンに言われたノラは、それが部屋の件でニックとフロントにいた時だったことを知らされる。

また会えたのは運命だと言うジュリアンと飲み続けたノラは、場所を移すことになりキスされそうになるもののそれを拒む。

帰ろうとしたノラはジュリアンに強引に誘われ、バーに向い踊る。

その後、食品店に向い知人と出くわしたノラは、アパートに向い三人で話しこむ。

知人は帰り、ベッドに横たわったノラをジュリアンはそのまま寝かせておく。

翌朝、目覚めたノラは、ジュリアンがその場にいたために驚き、二人で街に出かける。

朝食をとり、他愛もない話をして過ごしたノラは、ようやくジュリアンを受け入れる気になり、そして二人は愛し合う。

誰とも付き合わないと考えていたノラは、戸惑いながらもジュリアンと過ごす時間を楽しむ。

知人ガイ(マイケル・ケリー)と出くわしたノラは、その直後に動揺してアパートに戻り、薬を飲んで落ち着く。

ノラの様子に驚くジュリアンは、彼女から不安症の発作を起こしたと言われる。

気を遣うジュリアンは、ノラにいてほしいと言われるものの姿を消す。

落ち着いたために散歩に出かけたノラは、アパートに戻っていたジュリアンが、翌日には帰国することを知る。

動揺するノラは同行する様に言われるが、今はそれができるはずがないことを伝え、いつかは一緒にパリに行くと約束する。

翌朝、ジュリアンはノラとの別れを惜しみながら旅立つ。

オードリーから義務的にデートをしてみるように言われたノラは。ある男性を紹介されるもののその気になれない。

上司のペリー(ジェームズ・マキャフリー)から、社内ピクニックのプランの進行を聞かれたノラは、何も決めていないことを伝える。

最近の仕事に対する態度などをペリーに意見されたノラは、限界だと言って辞職してしまう。

街を歩いていたノラは、霊能者(フィリス・サマービル)に声をかけられ無視しようとするが、亡くなっった父親が話しかけようとしていると言われて話を聞く。

その件を聞き呆れるオードリーに、呪いを解いてもらったと答えるノラは、ジュリアンについて行けばよかったと伝える。

オードリーと共にパリに向かったノラは、ある荷物を届けに行ったオードリーと別れて、マダム・グリネル(ベルナデット・ラフォン)の家に向かう。

久し振りだとマダム・グリネルに言われたノラは驚く。

ラーソン(ティエリー・アンシス)に荷物を届けたオードリーは、食事に誘われる。

父や母を知ると言うマダム・グリネルから、人生を悲観するべきではなく今後も心配いらないとノラは助言される。

妻子あるラーソンに誘われたオードリーは、彼と愛し合ってホテルに戻る。

部屋が荒れているために驚いたオードリーは、ノラがジュリアンの電話番号のメモをなくしてしまったことを知る。

メモを探すために手は尽くしたと言う酔ったノラの話を聞いたオードリーは、マークを裏切ったことを考えて悲しくなる。

翌日、街を歩きジュリアンを捜そうとしたノラとオードリーは、ショッピングも楽しむものの雨が降ってしまう。

二人はカフェで休むことにして、ノラは、マダム・グリネルが自分を孫だと思っていると話し、オードリーは、マークとの関係改善を考えていることを伝える。

帰国することになった二人だったが、ノラは残ることをオードリーに伝え、心配する彼女に人を頼らずに行動してみると言って別れる。

当てもなく市内を歩き回り様々な場所を訪れたノラは、ギャラリーで話しかけられた男性とその友人と共にカフェで会話を楽しむ。

その夜、バーで男性から声をかけられたノラは、人を捜していたが、暫くしてその気がなくなったことなどを話す。

自分の心の中で愛と幸せを見つけるべきだと助言されたノラは、男性に励まされて別れる。

翌朝、オードリーからの電話を受けたノラは、帰国するために空港に向かうことを伝える。

ホテルをチェックアウトして地下鉄に乗ったノラは、停車駅で乗車してきたジュリアンに気づく。

ジュリアンに近づき声をかけたノラは、博覧会に行くと言う彼に、3時間後の便に乗るため空港に向かうことを伝える。

暫く考えたジュリアンは、ノラを連れて電車から降りてカフェに向かう。

ジュリアンからパリに来た理由と、自分に会いに来たのなら、なぜ連絡もよこさなかったのかとノラは問われる。

会いに来たのは事実だが電話番号をなくしたと答えるノラは、会えたのに帰国するのかとジュリアンに言われる。

自分が好きかをジュリアンに尋ねたノラは、微笑む彼から何か飲むかを聞かれるて頷く。

乗り遅れてもいいのかとジュリアンに聞かれたノラは、承知していると答えて彼を見つめる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ニューヨークマンハッタン
ブティック・ホテルのVIP担当サービスとして働く独身のノラ・ワイルダーは、恋人もいないことで母ヴィヴィアンに意見される。
そのことが心の負担になっていたノラは、友人オードリーからは、自分が紹介して結婚した夫マークへの不満を聞かされる。
そんなノラは、宿泊客の俳優ニックに誘われ、酔った勢いで愛し合ってしまう。
ようやく”恋人”ができたことをヴィヴィアンらにも伝えたノラだったが、ニックが共演者の女優と付き合っていることを知ってしまう。
ショックを受けたノラは自分が世界一男運が悪い女だと考え、その後もヴィヴィアンに紹介された青年ともうまくいかない。
そんな時ノラは、パーティーでフランス人のジュリアンに出会い、親交を深めて愛し合うのだが・・・。
__________

インディペンデント映画を確立し、映画界の発展に貢献したジョン・カサヴェテスと、本作にも出演する妻ジーナ・ローランズの娘であるゾエ・カサヴェテスの監督、脚本による初長編作品。

愛する人を求める30代の独身女性の複雑な思いを切実に描く、ゾエ・カサヴェテスの繊細な演出は高く評価された。

ゾエ・カサヴェテスは脚本も担当しているのだが、表情だけの心情表現を多用し、主人公らの内面をセリフだけでなく伝える描写で観客に訴えるという、そんなシーンにも注目したい。

その主人公を演ずるパーカー・ポージーは、インディペンデント映画の女王と言われるだけあり、自然な演技を求められる役柄を好演している。
特に、微笑みながらはにかむ表情が非常に魅力的な女優だ。

主人公と出会うフランス人青年メルヴィル・プポー、主人公の親友ドレア・ド・マッテオ、その夫ティム・ギニー、主人公を誘う俳優ジャスティン・セロー、主人公の母親ジーナ・ローランズ、その再婚相手役で、期待していたがゲスト出演程度だったのがやや残念なピーター・ボグダノヴィッチ、霊能者フィリス・サマービル、主人公の上司ジェームズ・マキャフリー、主人公がパリで会う老婦人ベルナデット・ラフォン、主人公の同僚マイケル・ペインズ、オードリー(ドレア・ド・マッテオ)がパリで荷物を渡す相手ティエリー・アンシス、そして、主人公の知人役でマイケル・ケリーが端役出演している。


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