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ブロークバック・マウンテン Brokeback Mountain (2005)

1997年に発表された、E・アニー・プルーの短編”Brokeback Mountain”を基に製作された作品。
2人の男性がたどる20年間の愛を描く、監督アン・リー、出演ヒース・レジャージェイク・ジレンホールアン・ハサウェイミシェル・ウィリアムズ他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:アン・リー

製作
ダイアナ・オサナ

ジェームズ・シェイマス
製作総指揮
ラリー・マクマートリー

マイケル・コスティガン
マイケル・ハウスマン
原作:E・アニー・プルーBrokeback Mountain
脚本
ラリー・マクマートリー

ダイアナ・オサナ
撮影:ロドリゴ・プリエト
編集
ジェラルディン・ペローニ

ディラン・ティチェナー
音楽:グスターボ・サンタオラヤ

出演
イニス・デル・マー:ヒース・レジャー

ジャック・ツイスト:ジェイク・ジレンホール
ラリーン・ニューサム・ツイスト:アン・ハサウェイ
アルマ・ビアーズ・デル・マー:ミシェル・ウィリアムズ
ジョー・アギーレ:ランディ・クエイド
キャシー・カートライト:リンダ・カーデリーニ
ラショーン・マローン:アンナ・ファリス
ランドール・マローン:デヴィッド・ハーバー
アルマ・デル・マーJr.:ケイト・マーラ

アメリカ/カナダ 映画
配給 フォーカス・フィーチャーズ

2005年製作 134分
公開
北米:2005年12月9日
日本:2006年3月4日
製作費 $14,000,000
北米興行収入 $83,025,850
世界 $178,062,760


アカデミー賞 ■
第78回アカデミー賞

・受賞
監督・脚色・作曲賞
・ノミネート
作品
主演男優(ヒース・レジャー
助演男優(ジェイク・ジレンホール
助演女優(ミシェル・ウィリアムズ
撮影賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1963年、ワイオミング州、シグナル。
仕事を求めてこの地を訪れた青年イニス・デル・マー(ヒース・レジャー)とジャック・ツイスト(ジェイク・ジレンホール)は、羊の放牧を行う季節労働者としてブロークバック・マウンテンに向かうことになる。

その内容を責任者のジョー・アギーレ(ランディ・クエイド)から指示された二人はバーに向かう。

放牧は2年目のジャックは、去年の失敗でジョーに責められたことなどをイニスに話す。

イニスとジャックは放牧を始め、単純な仕事と山中での野営生活を続ける。

ある日、熊に遭遇したイニスは暴れた馬から落下し、食料などを失ってしまう。
...全てを見る(結末あり)

イニスはジャックの元に戻り、二人は食料を確保するために鹿を仕留める。

単調な日々の中で、寡黙なイニスとロデオ・カウボーイのジャックは、次第に心通じ合うようになる。

ある夜、寒さに震えるイニスをテントに呼び込んだジャックは、その後に彼を求め、二人は愛し合う。

翌朝、何も語らず羊の元に向かうイニスをジャックは見送る。

その後、二人は、一夜限りの行為だったことを確認して夜を迎える。

イニスはジャックのいるテントに向かい、二人は再び愛し合う。

数日後、様子を見に来たアギーレは、二人が戯れ合っていることに気づく。

牧場に戻った二人は、余所の羊がいることなどをアギーレに責められ、無能呼ばわりされる。

二人は町に戻り、イニスは結婚することを伝えてジャックと別れる。

その後、イニスはアルマ・ビアーズ(ミシェル・ウィリアムズ)と結婚して、幸せな日々を送る。

一年が経ち、ジャックはアギーレの元を訪ねて仕事を求めるのだが、イニスが現れなかったことと、彼との件で皮肉を言われて追い払われる。

二人の娘も生まれたイニスは、アルマに町に引っ越す提案をされる。

テキサス
ロデオに参加していたジャックは、ロデオ・クイーンのラリーン・ニューサム(アン・ハサウェイ)と出会う。

大型農機具販売販売者を父に持つ裕福なラリーンは、積極的にジャックに迫り、二人は愛し合う。

その後、ジャックとラリーンは結婚して男の子が産まれる。

別れてから4年、イニスはジャックからの便りを受取り二人は再会する。

イニスはジャックに駆け寄り、二人は物陰でキスし合うのだが、それをアルマが見てしまいショックを受ける。

アルマにジャックを紹介したイニスは彼と外出し、二人はモーテルで愛し合う。

ジャックは、ラリーンと結婚した経緯と義父に嫌われていることなどを話し、イニスは、生きることで精一杯であり、この生活からは抜けられないことを語る。

イニスとジャックは山に向かうことを決め、それを知らされたアルマは動揺しながら悲しむ。

現実から解放されたイニスとジャックは、満ち足りた時間を過ごす。

ジャックは二人で牧場を持つ提案をするものの、イニスは、アルマとの生活を捨てることはできないことを伝える。

男二人で暮らすことなど世間では許されないと、イニスは付け加える。

アルマの元に戻ったイニスは、彼女と諍いが絶えなくなり苛立つ。

その後も、イニスとジャックは度々、山に出かけて二人の時間を楽しむ。

1975年。
生活を共にすることに限界を感じたイニスとジャックは離婚する。

ワイオミング州。
離婚の知らせを受け彼を訪ねたジャックだったが、娘達と過ごさなければならないイニスは、ジャックに翌月会う約束しかできなかった。

失意のジャックは、メキシコ国境の町エル・パソ・デル・ノルテ(現シウダー・フアレス)に向かい男を買う。

家に戻ったジャックは、自分を男として認めない義父を罵倒して黙らせる。

娘達との食事に招待されたイニスは、ジャックのことに気づいていたアルマに追及されて苛立ちその場を去る。

ジャックと共に山に向かったイニスは、町を離れテキサスに移れと言うジャックの提案に従うこともできず、二人は意見が合わず言い争う。

その後イニスは、バーのウエイトレス、キャシー・カートライト(リンダ・カーデリーニ)と親しくなる。

ジャックはラリーンと出席したあるパーティーで、ランドール・マローン(デヴィッド・ハーバー)とラショーン(アンナ・ファリス)夫妻と席を共にする。

ランドールは、いつでも使える山小屋にジャックを誘うが、彼はイニスのことを想ってしまう。

イニスは、娘アルマJr.(ケイト・マーラ)にキャシーを紹介する。

再び山に向かったイニスは、会うことが難しい状況が理解できず苛立つジャックに、生活に追われている自分の立場を伝える。

自分達だけの生活を望むジャックが、メキシコに行ったことを知ったイニスは、彼がした行為を知った場合は殺すとまで言い放つ。

納得しないジャックは尚も共に暮らすことを望み、辛い心の内を訴える。

別れることもできない二人は慰め合うしかなく、20年前のことを想い起しながら別れる。

暫く連絡の取れなかったイニスと出くわしたキャシーは、気持ちが理解できないと言って彼を非難してその場を去る。

その後、ジャックが死亡したことを知ったイニスは、ラリーンに連絡を入れて状況を知ろうとする。

ジャックは事故死したということだったが、イニスは、同性愛者だと知られた彼が、暴行を受けて殺されたことを察する。

遺灰をブロークバック・マウンテンに撒いてほしいという、ジャックの遺言を知ったイニスは彼の両親を訪ねる。

イニスは、遺灰をブロークバック・マウンテンに撒くことを両親に伝える。

ジャックの部屋を見せてもらったイニスは、20年前に山でなくした自分のシャツを見つける。

争った際に付いた血痕が残るジャックのシャツに、自分のシャツが包み込まれ、イニスはそれを抱きしめながら彼のことを想う。

父親は、ジャックを家族の墓に埋葬することを伝え、イニスはシャツを持ち帰る。

イニスのトレーラー・ハウスを訪ねたアルマJr.は、恋人と結婚することを知らせる。

相手がアルマJr.を愛していることを確認したイニスは、答えを渋りながらも、招待を受けた結婚式に出席することを娘に伝える。

アルマJr.を見送ったイニスは、自分とジャックのシャツ、そしてブロークバック・マウンテンの絵葉書を見つめながら呟く。

”ジャック、永遠の愛を誓うよ・・・”


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1963年、ワイオミング州、シグナル。
季節労働者として雇われた青年イニス・デル・マーとジャック・ツイストは、指示に従い羊の放牧を始めブロークバック・マウンテンに向かう。
寡黙なイニスとロデオ・カウボーイのジャックは、単調な仕事の中で心通じ合うようになる。
ある夜、寒さに震えるイニスをテント内に誘ったジャックは、彼を求め二人は愛し合う。
一夜限りの行為だと考えていた二人は、その後も愛を深め、やがて山を下りる時がきて別れる。
その後、イニスはアルマと結婚して二人の娘が生まれ、ジャックも、ロデオ会場で知り合った裕福なラリーンと結婚する。
そして、4年の歳月を経て再会したイニスとジャックは、互いに家族を持つ身でありながら愛を確かめ合うのだが・・・。
__________

雄大な自然が見つめる、男性二人の許されない愛、唇の動きに到るまでを演技として描写するアン・リーの繊細な演出で、観る者は主人公の心情を深く知ることができる。

1960年代初頭から始まる時代背景、保守的であるはずの田舎町では、同性愛が受け入れられるはずがない・・・、その点が前面に出過ぎていないことがポイントであり、同性ではあるが、実に美しい愛の姿に共感できる。

ワイオミング州”グランドティトン国立公園”で行われた撮影、その映像も秀逸だ。

それにしても、期待されているとは言え、切実な思いを表現する若い出演者達の演技には驚かされる。
これも、アン・リー他スタッフのプロ意識の賜物ではないだろうか。

第78回アカデミー賞では監督、脚色、作曲賞を受賞し、作品、主演男優(ヒース・レジャー)、助演男優(ジェイク・ジレンホール)、助演女優(ミシェル・ウィリアムズ)、撮影賞にノミネートされた。

大作でもなく、淡々としたもどかしい雰囲気で進む作品ではあるが、北米興行収入は約8300万ドル、全世界では約1億7800万ドルのヒットとなった。

一言、あまりにも早く世を去ったことが惜しまれる、ヒース・レジャーのキャリア・ベストと言える好演、彼と愛し合いながら、望んだ生活を叶えることなく亡くなるジェイク・ジレンホールの熱演も光る。

ジャック(J・ジレンホール)の妻アン・ハサウェイ、共演をきっかけにヒース・レジャーと婚約し長女も出産する妻役のミシェル・ウィリアムズ、放牧の責任者役ランディ・クエイド、主人公と付き合うウエイトレスのリンダ・カーデリーニ、主人公の娘ケイト・マーラ、牧場主デヴィッド・ハーバーと妻アンナ・ファリスなどが共演している。


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