米ソ冷戦下、ソ連のスパイをアメリカ兵と留学生と交換するために政府から協力を求められた弁護士の水面下での交渉を描く、製作、監督スティーヴン・スピルバーグ、脚本コーエン兄弟、主演トム・ハンクス、マーク・ライランス、エイミー・ライアン、アラン・アルダ他共演の実録ドラマ。 |
・ドラマ
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■ スタッフ キャスト ■
監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作
スティーヴン・スピルバーグ
マーク・プラット
クリスティ・マコスコ・クリガー
製作総指揮
ジョナサン・キング
ダニエル・ルピ
ジェフ・スコール
アダム・ソムナー
脚本
マット・チャーマン
イーサン・コーエン
ジョエル・コーエン
撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
美術・装置
アダム・ストックハウゼン
レナ・ダンジェロ
ベルンハルト・ヘンリッヒ
音楽:トーマス・ニューマン
出演
ジェームズ・ドノヴァン:トム・ハンクス
ルドルフ・アベル:マーク・ライランス
メアリー・ドノヴァン:エイミー・ライアン
トーマス・ワターズJr.:アラン・アルダ
ホフマン:スコット・シェパード
ウルフガング・ヴォーゲル:セバスチャン・コッホ
フランシス・ゲイリー・パワーズ:オースティン・ストウェル
フレデリック・プライアー:ウィル・ロジャース
ジョー・マーフィ:ジェシー・プレモンス
アレン・ダレス:ピーター・マクロビー
モーティマー・W・バイヤーズ:デイキン・マシューズ
ウィリアム・トンプキンズ:スティーヴン・クンケン
ウィリアムズ:マイケル・ガストン
ボスコ・ブラスコ:ドメニク・ランバルドッツィ
ギャンバー:ヴィクター・ヴェルハーゲ
ダグ・フォレスター:ビリー・マグヌッセン
キャロル・ドノヴァン:イヴ・ヒューソン
ペギー・ドノヴァン:ジリアン・レブリン
ロジャー・ドノヴァン:ノア・シュナップ
ベイツ:ジョシュア・ハート
アール・ウォーレン連邦最高裁判所長官:エドワード・ジェームズ・ハイランド
イヴァン・シスキン:ミハイル・ゴアヴォイ
ハラルド・オット:ブルクハルト・クラウスナー
オットの秘書:マックス・マウフ
アメリカ 映画
配給
20世紀FOX(世界)
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ(北米)
2015年製作 141分
公開
北米:2015年10月16日
日本:2016年1月8日
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $72,306,070
世界 $160,919,550
■ アカデミー賞 ■
第88回アカデミー賞
・受賞
助演男優賞(マーク・ライランス)
・ノミネート
作品・脚本・作曲・美術・録音賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1957年、ニューヨーク、ブルックリン。
画家を装い諜報活動を続けていたソ連のスパイ、ルドルフ・アベル(マーク・ライランス)通称”大佐”は、マークしていたFBI捜査官のボスコ・ブラスコ(ドメニク・ランバルドッツィ)やギャンバー(ヴィクター・ヴェルハーゲ)らの家宅捜査を受ける。
ワターズ,コワン&ドノヴァン法律事務所。
共同経営者のトーマス・ワターズJr.(アラン・アルダ)に呼ばれた保険専門の弁護士ジェームズ・ドノヴァン(トム・ハンクス)は、逮捕されたソ連のスパイの弁護を担当するよう指示される。
保険専門であり国中から非難を浴びることが必至であるため、それを躊躇するドノヴァンだったが、断ることはできなかった。 ドノヴァンの部下であるダグ・フォレスター(ビリー・マグヌッセン)は、今回の件に興味を示す。 帰宅したドノヴァンは、ソ連のスパイの弁護を引き受ける可能性があることを妻メアリー(エイミー・ライアン)から非難される。 現れたダグから夫が弁護すると聞いたメアリーは、不機嫌になる。 アベルに面会したドノヴァンは、国家に協力すれば告訴は取り下げると言われていることを知る。 それを断ったと言うアベルが政府に協力しないことを確認したドノヴァンは、彼から弁護を依頼される。 アメリカ空軍パイロットのフランシス・ゲイリー・パワーズ中尉(オースティン・ストウェル)とジョー・マーフィ(ジェシー・プレモンス)らは、秘密保全検査を受けて、極秘任務をCIAのウィリアムズ(マイケル・ガストン)から言い渡され、ソ連の情報収集を命ぜられる。 検事のウィリアム・トンプキンズ(スティーヴン・クンケン)と共にモーティマー・W・バイヤーズ判事(デイキン・マシューズ)に会ったドノヴァンは、裁判は形式的なものになり被告は有罪となるため、長引かせないようにと言われる。 尾行する男と話をすることになったドノヴァンは、相手のホフマン(スコット・シェパード)がCIAであることを確認し、アベルが何か話したかを訊かれる。 守秘義務があると言われたホフマンだったが、国家の安全のために自分達は知る必要があると伝える。 自分達が、憲法に従い生きているアメリカ国民同士であることをホフマンに伝えたドノヴァンは、規則はないという彼の言葉を否定してその場を去る。 パキスタン、ペシャワール空軍基地。 アベルの押収品をチェックしたドノヴァンは、FBIの担当者ブラスコが捜索令状を取っていなかったことを知る。 バイヤーズ判事にそれを伝えたドノヴァンは、押収品は証拠として認められないことを申し立てるが、アメリカ人の生活が脅かされていると言われて却下される。 学校で原爆実験のフィルムを見せられ、ソ連が国家の敵だと教えられたドノヴァンの息子ロジャー(ノア・シュナップ)は、なぜアベルを弁護するのかを父に問う。 裁判は大きく報道され、ドノヴァンは人々の視線を気にしながら判決の日を迎える。 アベルは有罪となり、証拠採用の問題を指摘するドノヴァンは評決の破棄を求めるが、バイヤーズはそれを却下する。 死刑もありうる状況にも拘らず冷静なアベルの人間性に触れたドノヴァンは、バイヤーズの家を訪ねる。 本件が法の範囲を超えていることでバイヤーズと意見が一致したドノヴァンは、将来、アメリカのスパイがソ連に捕らえられた時のために、アベルを生かしておくのが国益になると言って判事を説得する。 法廷で刑の宣告を言い渡すバイヤーズは、被告の身柄は司法省に委ねられ、長官が指定した連邦刑務所に監禁し、期間を30年とするという判決を下す。 傍聴席からは死刑にするべきだと言う声もあり、混乱の中、記者に囲まれたドノヴァンは、上訴すると言ってメアリーと共にその場を去ろうとする。 被告がスパイであるため、上訴は適当でないとワターズから言われたドノヴァンは、FBIが捜索令状を持っていなかったことを追求すれば勝訴できると、その可能性を伝える。 目的は果たしたと言って反論するワターズは、憲法を守る問題ではなく、危険性を指摘する。 家族や事務所に危険が及ぶとメアリーからも言われたドノヴァンだったが、納得できなかった。 ドノヴァンがあくまで戦うつもりであるため、アベルは警戒するようにと彼に伝える。 居間でテレビを見ていたドノヴァンの娘のキャロル(イヴ・ヒューソン)は、家に銃弾が撃ち込まれたために叫び声をあげる。 ドノヴァンは、キャロルとロジャー、そして次女のペギー(ジリアン・レブリン)の無事を確認する。 駆けつけた刑事に情況を話したドノヴァンだったが、別の警官にスパイを弁護したことを批判される。 敵に機体を奪われないため爆破装置の説明を受けたパワーズらは、捕虜になることは許されないとウィリアムズから言われる。 ウィリアムズは、脱出した場合に使う1ドル銀貨に隠された自殺用の毒針のこともパワーズらに話す。 ワシントンD.C.、最高裁判所。 マーフィにサポートされたパワーズは、”U-2”でソ連に向けて飛び立つ。 二重スパイの提案を拒否し卑怯な道を選ばなかったアベルに、我が国の持つ権利を与え、我々、国民のあり方を示すべきではないかと語るドノヴァンは、それこそが冷戦下における最強の武器なのではないかと訴える。 ソ連空域に入りカメラをセットしたパワーズだったが、攻撃を受けて機体が損傷し操縦不能になる。 機体破壊スイッチを押して脱出したパワーズだったが、ベルトが引っかかってしまう。 破壊を解除しようとしたパワーズは、ベルトが外れたためパラシュートを開き降下する。 政府は、NASAの気象観測機がトルコ北部で消息を絶ったと発表し、パイロットの死亡の可能性を伝える。 その報道を聴きながらアベルは、最高裁が自分の判決を支持したことを知る。 それをラジオで聴いていたメアリーは、ショックを受ける。 事務所内での居心地も悪くなってきたドノヴァンは、東ドイツからの手紙を受け取り、それをアベルに見せる。 妻の振りをしているだけの酷い内容だと言うアベルは、弁護してくれたことに対するお礼の手紙だとドノヴァンに伝える。 捕えられたパワーズは、ソビエト連邦法で裁かれ、禁固10年を言い渡される。 手紙をCIA長官アレン・ダレス(ピーター・マクロビー)に見せたドノヴァンは、東ドイツから届いたのは交渉の打診だと指摘され、アメリカ兵パイロットとの交換が目的だろうと言われる。 自分が考えていた通りになったことで驚かないドノヴァンは、ソ連に捕えられたアメリカ兵パイロットのパワーズが口を割る前に取り戻す考えをダレスから知らされる。 交渉役を頼まれたドノヴァンは、複雑な土地である東ベルリンで始まる、西側を包囲する壁の建設などの話を聞き判断を迫られる。 それを引き受けたドノヴァンは、この件は誰にも話してはならないことと、今後、担当するのはパワーズであり、アベルには死なずにいるようにと伝えるようダレスから言われる。 ベルリン。 ”ベルリン自由大学”で経済学を学ぶアメリカ人留学生フレデリック・プライアー(ウィル・ロジャース)は、東側に居住する教授の娘である恋人のカーチャと共に西側に向かおうとする。 壁が塞がってしまったために兵士と交渉したプライアーだったが、話しを聞き入れられずに捕えられてしまう。 ロンドン出張が決まり、スコットランドへサーモンを釣りにも行くことをメアリーに伝えたドノヴァンは、何かを察している様子の彼女に、自分達のためだと言って旅立つ。 ホフマンと共に現地に着いたドノヴァンは、パワーズではない別のアメリカ人と交換する可能性を知らされる。 逮捕したプライアーという学生を”シュタージ/秘密警察”がスパイだと言い張っているため、代理人の弁護士ウルフガング・ヴォーゲル(セバスチャン・コッホ)に会うことになるのだが、パワーズとの交換を優先させるようドノヴァンは指示される。 粗末な滞在場所に案内されたドノヴァンは、ヴォーゲルに会うための予定などをホフマンから知らされ、連絡先の電話番号と地図を暗記させられる。 翌日、検問所が長蛇の列だったため、兵士にパスポートを見せて通行を許されたドノヴァンは、路地で青年達に囲まれてしまう。 コートを渡して解放されたドノヴァンは、ソ連大使館に向うものの、案内された場所には、アベルの妻だというヘレンと娘リディア、そしていとこがいただけだった。 現れた二等書記官イヴァン・シスキン(ミハイル・ゴアヴォイ)と話をしたドノヴァンは、アメリカ側がアベルを引き渡した後にパワーズを解放すると言われる。 あくまで交換を要求するドノヴァンは、シスキンと駆け引きをする。 プライアーの解放も要求するドノヴァンは、東ドイツの国家保安省の管理下にあるとシスキンから言われ、ヴォーゲルの事務所を知らされる。 ヴォーゲルに会ったドノヴァンは、今回の件は、主権国家アメリカに東ドイツを認めさせるチャンスであると言われる。 お互いが政府を代表していないことを確認したヴォーゲルが、アベルの妻の名前をリディアと言ったために、それは娘だとドノヴァンは訂正する。 偽家族だと知られたと悟ったヴォーゲルは、プライアーとアベルの交換をする用意があることを伝える。 アベルを引き渡すことを約束したドノヴァンは、プライアーと同時に交換することをヴォーゲルに確認する。 シスキンが書記官ではなく、西側におけるKGBのトップだとホフマンから知らされたドノヴァンは、交換が実際に行われることを確信する。 アベルをパワーズとプライアーの二人と共に交換させようとするドノヴァンだったが、ホフマンは、冷戦下のベルリンで経済学んでいる愚かな行為をするプライアーは忘れろと言われる。 自殺せずに捕えられ、ソ連の宣伝に利用されたパワーズを憎んでるはずだと言うドノヴァンは、ホフマンらの考えに同意できない。 眠ることが許されない拘留中のパワーズは、拷問に近い仕打ちを受けて情報提供を求められる。 夜中に起こされたアベルは、刑務所を出て移動し出国することになる。 翌日、シスキンに会ったドノヴァンは、アベルとパワーズの交換に応じると言われ、場所が”グリーニッケ橋”であることを知らされる。 ”チェックポイント・チャーリー”では騒ぎになると言われたドノヴァンは、交換の日程を確認する。 アベルに好感を持っているドノヴァンは、彼の今後を気にするが、シスキンは、寝返っていないかを見極める必要があり、今の時代では誰もが危険だと伝える。 その後、”グリーニッケ橋”での交換には応じられないとヴォーゲルから言われたドノヴァンは、東ドイツの目的は、主権国家と交渉したことをアピールすることだと知らされる。 無名の学生を解放することでもそれは果たせると言うドノヴァンだったが、ソ連側とパワーズを交換する話をしたことをヴォーゲルに批判される。 ヴォーゲルの車に同乗したドノヴァンは、検問所前でパトカーに止められ連行されてしまう。 釈放されたドノヴァンは電車で戻る途中、壁を乗り越えて西側に向かおうとする者が、容赦なく射殺されるのを目撃する。 翌朝、ホテルに向かったドノヴァンはホフマンに会い、ソ連がパワーズの交換に合意したことを伝える。 東ドイツが応じないためにプライアーが助けられないと言うドノヴァンの言葉を遮るホフマンは、東ドイツの司法長官ハラルド・オット(ブルクハルト・クラウスナー)の事務所から電話があったことを知らせる。 会う必要がないと言うホフマンを無視してオットに会ったドノヴァンは、パワーズを取り戻すことを考えていると伝える。 それを理解しないオットは所用で席を外し、そのまま外出してしまう。 その件を知らせに来た秘書(マックス・マウフ)と話したドノヴァンは、パワーズとプライアーをアベルと交換することをオットに伝えるよう指示する。 ドノヴァンは、二人が戻らなければ、アベルの話はなくなることがソ連側に知らされるはずだと秘書に話す。 アベルが祖国への忠誠を貫いたことも話したドノヴァンは、彼が帰国を望んでいるため、それが叶わなければ態度を変えるかもしれないというオットへの伝言も秘書に伝える。 5時までに連絡がなければ、この件はなしだと伝えたドノヴァンは、その場を去る。 それを知って憤慨するホフマンだったが、ドノヴァンと共に連絡を待つしかない状況になる。 かかってきた電話を受けたホフマンは、2対1で決行だとドノヴァンに伝える。 祝杯を挙げようとするドノヴァンだったが、プライアーの解放は”グリーニッケ橋”ではなく、”チェックポイント・チャーリー”で行われるとホフマンから知らされる。 グリーニッケ橋。 動きがないと言われたドノヴァンは、パワーズの確認のために現れたマーフィを紹介される。 シスキンと共にパワーズが到着し、ドノヴァンはホフマンとマーフィらと共に、アベルを伴い橋の中央へ向かう。 帰国すれば射殺される可能性もあるアベルは、自分を抱擁するか車の後部席に座らせるか、その迎え方でそれが分かるとドノヴァンに伝える。 シスキンから話しかけられたアベルは帽子を脱ぎ、同じくパワーズも顔を見せて、マーフィが本人であることを確認する。 交換するとシスキンから言われたドノヴァンは、プライアーが解放されたことが確認できないため、様子を見ようとする。 ホフマンはパワーズだけが戻ればいいと言い張るが、ドノヴァンがプライアーの解放を望むことを知ったアベルは、待つことを伝える。 チェックポイント・チャーリー。 それを知らされたアベルは、絵を贈り物として託したことをドノヴァンに伝える。 自分からは何もないとドノヴァンから言われたアベルは、これが贈り物だと伝えてソ連側に向かう。 パワーズはマーフィと抱き合い、ドノヴァンは、自分を見つめながら車の後部席に乗せられて去るアベルを見守る。 動揺するパワーズは、何も話していないことをドノヴァンに伝え、気にするなと言われる。 ドノヴァンは、アベルからの贈り物が自分を描いた絵だということを確認する。 帰宅したドノヴァンはメアリーに迎えられ、ロンドンで買って来る約束をしたマーマレードを渡す。 近所の店で売っている物だと言われたドノヴァンは、忙しくて買えなかったことを伝える。 居間のテレビを見る子供達に呼ばれたメアリーは、ソ連側に捕らえられていたパワーズが釈放されてアメリカ側に引き渡され、大統領の恩赦により、アベルが減刑され送還されたというニュースを見る。 水面下で行われていた交渉で、政府が、ニューヨークの弁護士ジェームズ・ドノヴァンに協力を要請していたことも伝えられ、メアリーと子供達は驚く。 2階に上がったメアリーは、寝室のベッドで眠ってしまっているドノヴァンを見つめながら彼を誇りに思う。 平和な街の様子を電車の窓から眺めるドノヴァンは、フェンスをよじ登る少年達を見つめながら、ベルリンのことを思い出す。 ルドルフ・アベルは、帰国後に妻と娘に再会し、ソ連は公には彼をスパイと認めなかった。 フランシス・ゲイリー・パワーズは、1977年に、”KNBC”の取材に同行した際にヘリコプターの事故で死亡する。 フレデリック・プライアーは、1962年に経済学博士となり、現在、イェール大学の経済学名誉博士および上級研究員である。 交渉成功によりジェームズ・ドノヴァンは、ケネディ大統領から新たな使命を受ける。
...全てを見る(結末あり)
パワーズとマーフィらは、スパイ用偵察機”U-2”についての説明をウィリアムズから受ける。
アール・ウォーレン連邦最高裁判所長官(エドワード・ジェームズ・ハイランド)らを前に、アベルに対する兵士としての扱いは妥当であっても、犯罪者としての扱いは不当だとドノヴァンは訴える。
突然、始まった壁の建設により人々は混乱する。
到着したアベルを迎え感謝されたドノヴァンは、”チェックポイント・チャーリー”にプライアーが現れたかを確認する。
ヴォーゲルに連れられたプライアーが到着し、アメリカ側に引き渡される。
その後、この件は新聞でも大きく報道され、電車で通勤するドノヴァンは、以前と違う人々の視線を感じる。
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2000年にCIA長官章および捕虜章、2012年にシルバースターを死後に受章した。
1962年の夏、ピッグス湾の捕虜1113名を解放するために、カストロと交渉する目的でキューバに向ったドノヴァンは、9703名もの男女と子供を解放した。
*(簡略ストー リー)
1957年、ニューヨーク、ブルックリン。
FBIにマークされていた、画家を装い諜報活動を続けるソ連のスパイ、ルドルフ・アベルが逮捕される。
保険専門の弁護士ジェームズ・ドノヴァンは、アベルの弁護を担当することになるが、専門外の上に危険が伴うために不安も感じる。
祖国への忠誠を貫き、政府への協力を拒んだアベルは、形式的な裁判で有罪となる。
アベルの人間性に触れ、彼を救おうと考えるドノヴァンは、将来、捕えられたアメリカ側のスパイとの交換に利用できるアベルを生かしておくべきだと言って、バイヤーズ判事を説得して死刑を免れる。
その後、CIAの極秘任務を受けて偵察機”U-2”でソ連領内に飛び立ったアメリカ空軍パイロット、パワーズ中尉は、攻撃を受けて脱出し捕えられてしまう。
アメリカ政府は、パワーズが情報を漏らす前に取り戻す方法を考え、アベルと交換する交渉をドノヴァンに任せる。
ベルリンに向かったドノヴァンは、留学生のプライアーが東ドイツ側に捕らえられていることも知り、ソ連と共に両国との交渉を始めるのだが・・・。
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米ソ冷戦下、アメリカで捕えられたソ連のスパイ、ルドルフ・アベルを、ソ連に捕えられたアメリカ空軍パイロット、フランシス・ゲイリー・パワーズと東ドイツに捕らえられた留学生フレデリック・プライアーの交換交渉への協力を政府から求められた、弁護士ジェームズ・ドノヴァンの水面下で行われた交渉を描く、事実を基にしたドラマ。
冷戦の緊張が頂点に達していた時代を舞台に、アメリカとソ連の間で行われているスパイ戦の攻防下で起きた”人質”交換を描く作品で、主権国家との交渉を世界にアピールしようとする、東ドイツの思惑などが絡むサスペンス・タッチの作品でもある。
東西分裂、冷戦の象徴である”ベルリンの壁”建設、交換が行われる”グリーニッケ橋”、”チェックポイント・チャーリー”も登場する緊迫感ある舞台設定は興味深く、そのセットなども見事な出来栄えで、スティーヴン・スピルバーグの丁寧な演出なども含め見所の多い作品に仕上がっている。
第88回アカデミー賞では、助演男優賞(マーク・ライランス)を受賞し、作品、脚本、作曲、美術、録音賞にノミネートされた。
北米興行収入は約7200万ドル、全世界では約1億6100万ドルのヒットとなった。
政府から極秘交渉の協力を要請されるため、堅物の弁護士の様に思える主演のトム・ハンクスは、彼らしいユーモアをまじえた演技で、人間味溢れる主人公のジェームズ・ドノヴァンを好演している。
ソ連のスパイ、ルドルフ・アベルを演ずるマーク・ライランスは、常に沈着冷静、隙を見せない人物を見事に演じ、アカデミー助演賞を受賞した。
主人公の妻エイミー・ライアン、主人公のビジネス・パートナーでもある弁護士アラン・アルダ、主人公と共に極秘の交渉で行動を共にするCIAのスコット・シェパード、主人公と交渉する東ドイツ側の弁護士ウルフガング・ヴォーゲルのセバスチャン・コッホ、ソ連側に捕えられるアメリカ空軍パイロット、フランシス・ゲイリー・パワーズのオースティン・ストウェル、その同僚パイロットのジェシー・プレモンス、東ドイツ側に捕らえられるアメリカ人留学生フレデリック・プライアーのウィル・ロジャース、CIA長官アレン・ダレスのピーター・マクロビー、モーティマー・W・バイヤーズ判事のデイキン・マシューズ、検事のスティーヴン・クンケン、ソ連偵察の秘密作戦を展開するCIAのマイケル・ガストン、FBI捜査官のドメニク・ランバルドッツィとヴィクター・ヴェルハーゲ、主人公の助手ビリー・マグヌッセン、主人公の娘イヴ・ヒューソンとジリアン・レブリン、息子のノア・シュナップ、保険会社の弁護士ジョシュア・ハート、アール・ウォーレン連邦最高裁判所長官のエドワード・ジェームズ・ハイランド、主人公と交渉するKGBの高官ミハイル・ゴアヴォイ、東ドイツの司法長官ブルクハルト・クラウスナー、その秘書マックス・マウフなどが共演している。