2004年に公開された、リュック・ベッソンの製作、脚本によるフランス映画「アルティメット」のハリウッド版リメイク。 デトロイトの隔離された無法地帯を仕切るギャングに立ち向かう潜入捜査官の戦いを描く、脚本リュック・ベッソン、監督カミーユ・ドゥラマーレ、主演ポール・ウォーカー、ダヴィッド・ベル、RZA他共演の犯罪アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:カミーユ・ドゥラマーレ
製作
クロード・レジェ
ジョナサン・ヴァンガー
製作総指揮
マット・アルヴァレス
ロミュアルド・ドゥロー
原作
”アルティメット”
リュック・ベッソン
ビビ・ナセリ
脚本:リュック・ベッソン
撮影:クリストフ・コレット
編集
カルロ・リッツォ
アルチュール・タルノウスキ
音楽
マルク・ベル
トレヴァー・モリス
出演\
ダミアン・コリアー:ポール・ウォーカー
リノ・デュプリー:ダヴィッド・ベル
トレメイン・アレクサンダー:RZA
K2:ガウチー・ボーイ
ローラ:カタリーナ・ドゥニ
レイザー:アイーシャ・イッサ
ジョージ・ザ・グリーク:カルロ・ロタ
ベリンジャー:アンドレアス・アペルギス
レノ少佐:リチャード・ジーマン
イエティ:ロバート・マイエ
市長:ブルース・ラムゼイ
ダミアンの祖父:フランク・フォンテイン
会計士:チムウェンベ・ミラー
ロイ:アンダーソン・ブラッドショー
フロイド:ライアン・トルドー
市長補佐:カリンカ・ペトリ
フランス/カナダ 映画
配給
レラティビティ・メディア(北米)
Videoville Showtime(カナダ)
2014年製作 90分
公開
フランス:2014年4月23日
北米:2014年4月25日
日本:2014年9月6日
製作費 $28,000,000
北米興行収入 $20,396,830
世界 $68,896,830
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
デトロイト。
低所得者が暴力と麻薬に侵され、周囲と隔離された立入禁止の無法地帯”ブリック・マンション”を、開発して生まれ変わらせることを市長(ブルース・ラムゼイ)は計画していた。
ブリック・マンションの住人リノ・デュプリー(ダヴィッド・ベル)は、犯罪組織のボス、ジョージ・ザ・グリーク(カルロ・ロタ)のコカイン20キロを奪い処分しようとする。
それを追うギャングのK2(ガウチー・ボーイ)は、レイザー(アイーシャ・イッサ)らと共にリノを捜す。
K2らに気づいたリノは、コカインを処分してその場から脱出し、驚異的な身体能力を駆使して、敵を倒しながら逃亡する。
その後、K2の失態を知ったジョージは、ブリック・マンションにコカインを届けてくれと言われたため、馬鹿げた話だと言い放つ。
組織に入り込んでいた潜入捜査官のダミアン・コリアー(ポール・ウォーカー)は、自分が行くことをジョージに伝える。 ブリック・マンションを支配するトレメイン・アレクサンダー(RZA)は、部下のK2を責めて対処法を考えさせる。 銃を向けられて脅されたK2は、リノの恋人であるローラ(カタリーナ・ドゥニ)を捕えることをトレメインに伝える。 組織の拠点に案内されたダミアンだったが、警察の監視車がいることがジョージにバレてしまう。 ジョージは、裏切り者と思われる者を射殺し、その場の全員を避難させる。 ダミアンはジョージを羽交い絞めにして脅し、仲間の警官が来ることを部下達に伝えて銃を捨てさせる。 部下は隠し持っていた銃を発砲して銃撃戦となり、格闘になったダミアンは、相手を倒して逃亡したジョージを追う。 ジョージが乗った車にしがみついたダミアンは、発砲されながらトランクから車内に入り、運転手を突き落とす。 ダミアンは、ジョージに抵抗されながら警察署の入り口に激突する。 シートベルトを外されていたジョージは、フロントガラスを突き破り、警察署の中に放り出されて意識を失う。 ジョージを片付けたダミアンは、トレメインを捕えるための行動を始める。 ダイナーのウエイトレスをしていたローラは、K2らに捕えられる。 祖父(フランク・フォンテイン)の家を訪ねたダミアンは、禁煙をするはずの彼がタバコを吸っていたため、彼の体調を気にする。 ジョージ逮捕の新聞記事を読んでいた祖父は、もう一歩でトレメインを捕えることができると言うダミアンに、父親の復讐が必要なことかを問う。 あと一人、逮捕したらやめると言うダミアンは、タバコは一日1本だけだと伝える。 その一人を追わなければ禁煙してもいいと祖父に言われたダミアンだったが、言葉を返さない。 ローラの拘束を解いたトレメインは、リノとは別れたため会っていないと言われる。 その時、リノが天井を突き破って現れ、トレメインに銃を向けて、この場で麻薬をさばくのを止めるよう要求する。 トレメインを人質に取ったリノは、ローラを連れてその場から逃れる。 駐車場にあったトレメインの愛車マスタングに彼を乗せたリノは、ローラに運転させて走り去る。 K2らに追われながら警官がいる検問に向かったリノだったが、トレメインに買収されていた警官に捕えられ、ローラは連れ去られる。 その場の責任者を非難したリノは、彼を殺害してしまう。 市長に呼ばれたダミアンは、父親の同僚だったベリンジャー(アンドレアス・アペルギス)に迎えられる。 ブリック・マンションを操作していた父親が命を落とした結果、その場が隔離されたため、親子で英雄だと市長に言われたダミアンは、同席した陸軍のレノ少佐(リチャード・ジーマン)にも挨拶する。 政府の輸送車が襲われ、奪われた中性子補助装置である爆弾がトレメインらに奪われ起動してしまったため、ダミアンは、起爆を解除するよう指示される。 トレメインが、元兵士の武器商人で麻薬密売にも関わっていると言われたダミアンは、既に自分も彼を追っていることを伝える。 ブリック・マンションを知り尽くす、警官を殺害して逮捕されたリノが協力者となると言われたダミアンは、仕方なく指示に従う。 ミシガン州刑務所。 解放したリノと車を奪い合うものの、結局は二人で逃亡したダミアンは、互いにトレメインに恨みがあることを確認する。 パトカーに追われ、ブリック・マンションに突入した二人だったが、車のハンドルとブレーキが故障して激突する。 ダミアンが警官だと気づいていたリノは、彼に手錠をかけてハンドルに繫ぎその場からの逃れる。 現れたチンピラを叩きのめしたダミアンはその場を逃れ、ローラを監視していたリノに忍び寄り手錠をかけてしまう。 争った際にポケットに発信器を入れたことをリノに話したダミアンは、トレメインが、ブリック・マンションの全員を殺せる爆弾を奪ったことを伝え、住人を救いたいと言ってその場を去ろうとする。 それならば自分も元恋人のローラを救うと言うリノに手錠の鍵を渡したダミアンは、トレメインを倒す方法を尋ねる。 電話を借りたリノはトレメインと話し、待ってろとだけ伝える。 ダミアンは、敵も意外に思うだろうと言うリノに同意する。 隙を見たローラは、見張りのレイザーと格闘となるが逃れることはできなかった。 ダミアンとリノは敵陣に乗り込み、リノはダミアンが刑事だと話してしまう。 起爆装置を解除しに来たと言うダミアンに、それを元の持ち主に返すと言って、トレメインは二人に外を見るよう指示する。 爆弾はミサイルに取り付けられ、デトロイト市街に向けられていた。 トレメインはいくら払うかをダミアンとリノに問い、レイザーがローラをミサイルに鎖でつなぐ姿を見せる。 3000万ドルを要求したトレメインは、ダミアンに電話をかけさせて、市長に入金させようとする。 市長にそれを拒まれたダミアンは、トレメインには、相手が承知して入金したと伝える。 銀行が開くまで時間があるため、トレメインはダミアンとリノを拘束する。 ダミアンは父親が麻薬捜査を行っている際、この場でトレメインの手下に殺されたことをリノに話す。 トレメインは、軍の輸送車を簡単に奪えたと言うK2の話を聞き、それを不審に思う。 見張りの男を騙したダミアンとリノはその場を脱出し、トレメインのマスタングを奪い逃走する。 スナイパーに狙撃されて衝突し、車を捨てたダミアンとリノは敵の追跡を逃れる。 ダミアンは、屋上にいたスナイパーを叩きのめして銃を奪う。 国防総省からの連絡を受けたベリンジャーは、ブリック・マンションの衛星写真を市長に見せて、旧型のロシア製ミサイルが設置されていることを伝える。 市長は、時間的な問題もあり、対処が不可能であるとレノに言われる。 入金どころか口座の残高がゼロになったことを知らされたトレメインは、ミサイルを発射しようとする。 ダミアンが発射装置を狙撃してそれを阻止し、市長らはミサイルが発射されなかったことを知る。 ミサイルが設置されている屋上に向かったダミアンとリノの前に、トレメインの部下である巨体のイエティ(ロバート・マイエ)が立ちはだかる。 ダミアンとリノは、二人ががかりでイエティを叩きのめす。 ミサイルの装置を直したトレメインだったが、大量殺人はできないと言って発射をためらう。 それに納得しないレイザーは、トレメインを銃撃する。 ローラに襲われたレイザーは、落下死する。 その場に現れたダミアンは、腕を撃たれたトレメインに銃を向けながら、リノに解除コードを入力するよう指示する。 トレメインは、ダミアンの父親が闇討ちされたことを知り、撃ったのは警官だったことを伝える。 コードがこの場の郵便番号であり、罠だとリノに言われたダミアンは、それを信じようとしない。 父親も同じ目に遭ったとトレメインに言われたダミアンは、彼を殴りコードを入力しようとする。 リノは、政府の輸送車が無傷であったことなど不審点を指摘し、カウントダウンは終わり、結局、爆弾は爆破しなかった。 政府がブリック・マンションを見捨てて、トレメインが父親を殺していないという話を信じたダミアンは、バッジを投げ捨てる。 ダミアンとリノらは大挙して市庁舎に乱入し、市長室に押入り、トレメインは爆弾を運び込む。 それを起動させようとするダミアンだったが、市長はそれを制止する。 自分の父親もハメられたと言うダミアンに、爆弾は問題を解決するための手段であり、ブリック・マンションの住民はケダモノだと市長は伝える。 納得できないトレメインに言い寄られた市長は、尚も住民を罵倒し、職務を遂行する意思を示す。 盗聴器を差し出したダミアンは、屋外からこの場の様子を撮影していることを市長に知らせる。 ネット上にその映像が流出し、ニュースは早速それを取り上げて、市長は、ブリック・マンション爆破の疑いで逮捕されることになる。 その後、ブリック・マンションの周囲の壁が撤去されることになり、平和が訪れる。 市長選に立候補するトレメインから譲られたオープンカーに乗ったダミアンは、寄りを戻したリノとローラを見て安心する。 祖父の家に向かったダミアンは、禁煙する気になった彼からタバコを受け取る。
...全てを見る(結末あり)
リノと共に護送車に乗せられたダミアンは、手錠を外し車外に出て、運転席の二人の護衛官を突き落として車を奪う。
*(簡略ストー リー)
デトロイト。
潜入捜査官のダミアン・コリアーは、低所得者が暴力と麻薬に侵され、周囲と隔離された立入禁止の無法地帯”ブリック・マンション”の支配者トレメインを捕えようとしていた。
犯罪組織のボスを捕えたダミアンは、それに繋がるターゲットのトレメインが強力な爆弾を奪ったことを知らされ、起爆装置の解除を市長に命じられる。
ダミアンは、ブリック・マンションを知り尽くす囚人のリノと協力し、トレメインを捕えようとするのだが・・・。
__________
エンディング直後に、本作公開の5か月前に事故死していたポール・ウォーカーに捧げた作品と明記される。
リュック・ベッソンの製作、脚本によるフランス映画「アルティメット」(2004)のリメイクであり、本作も彼が脚本を担当しているため、ノンストップ・アクションで一気に見せるシャープな作品に仕上がっている。
アクションとしては平均的な作品ではあるが、登場人物の個性などを生かし、娯楽作品としての押さえどころはキッチリと描かれてはいる。
衝撃的な事故死が大ニュースとなったため、そればかりが話題になっていた、潜入捜査官を熱演するポール・ウォーカーだが、今後の活躍が大いに期待されていたので、とにかく惜しまれる死だった。
オリジナル作品でも同じ役であった、主人公に協力する無鉄砲な男を魅力的に演ずるダヴィッド・ベルの、驚異的な身体能力”パルクール”を駆使したアクロバティックな肉体アクションは見ものだ。
無法地帯の犯罪組織を支配する知的なボスを雰囲気ある演技で演ずるRZA、その部下ガウチー・ボーイ、アイーシャ・イッサ、リノ(ダヴィッド・ベル)の恋人カタリーナ・ドゥニ、犯罪組織のボス、カルロ・ロタ、警察のトップ、アンドレアス・アペルギス、陸軍少佐リチャード・ジーマン、トレメイン(RZA)の部下で巨体のロバート・マイエ、市長ブルース・ラムゼイなどが共演している。