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ヤング・ゼネレーション Breaking Away (1979)

サイクル・ロードレースに憧れる青年と仲間達の友情そして家族愛を描く、製作、監督ピーター・イエーツ、主演デニス・クリストファーデニス・クエイドダニエル・スターンジャッキー・アール・ヘイリー他共演による青春映画の傑作にして感動のストーリー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(青春)


スタッフ キャスト ■
監督:ピーター・イエーツ

製作:ピーター・イエーツ
脚本:スティーヴ・テシッチ
撮影:マシュー・F・レオネッティ
編集:シンシア・スキーダー
音楽:パトリック・ウィリアムズ

出演
デニス・クリストファー:デイヴ・ストラー
デニス・クエイド:マイク
ダニエル・スターン:シリル
ジャッキー・アール・ヘイリー:ムーチャー
ポール・ドゥーリー:レイモンド・ストラー
バーバラ・バリー:エヴリン・ストラー
ロビン・ダグラス:キャサリン・ベネット
ジョン・アシュトン:ロイ
エイミー・ライト:ナンシー
ハート・ボックナー:ロッド
P.J.ソールス:スージー

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1979年製作 100分
公開
北米:1979年7月13日
日本:1980年4月12日
北米興行収入 $16,424,918


アカデミー賞 ■
第52回アカデミー賞

・受賞
脚本賞
・ノミネート
作品・監督
助演女優(バーバラ・バリー
音楽賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

インディアナ州ブルーミントン
高校を卒業したばかりのデイヴ・ストラー(デニス・クリストファー)は、いつも行動を共にする親友マイク(デニス・クエイド)、シリル(ダニエル・スターン)、ムーチャー(ジャッキー・アール・ヘイリー)らと、溜まり場のかつての石切り場で、定まらない将来についていつも語り合っていた。

デイヴは、高校を卒業したものの、自転車ロードレースでイタリアチームに入るのが夢で、進学するつもりがあまりなかった。

イタリア気触れのデイヴは、イタリア語を口ずさみ、イタリアの音楽ばかり聴いている。

以前はストーン・カッター(石切工)で、今は中古車ディーラーを営んでいる父レイモンド(ポール・ドゥーリー)は、そんなデイヴの将来を案じていた。

しかし、母エヴリン(バーバラ・バリー)は、一人息子のデイヴを温かく見守る。
...全てを見る(結末あり)

デイヴら4人は、この町にキャンパスを置くインディアナ大学の学生から”カッター”と呼ばれ疎外され、溜まり場の石切り場の池も、学生に荒らされてしまう。

ある日デイヴは、女子学生のキャサリン・ベネット(ロビン・ダグラス)に一目惚れしてしまう。

ベスパに乗ったキャサリンが、ノートを落としたのに気づいたデイヴは、自転車で彼女を追跡する。

キャサリンに追いつき、イタリア語で話しかけたデイヴは、イタリア人留学生だと偽ってしまい、キャサリンもデイヴが気になる存在となる。

そしてデイヴは、憧れのイタリアチーム(CINZANO)が、インディアナポリスのレースに参加することを知る。

夢見心地のデイヴは、自分もレースに参加するために、猛烈なトレーニングを開始する。

仲間のリーダー格マイクは、学生達にバカにされる自分のふがいなさを苦にしてばかりで、度々キャンパスで騒ぎを起こして、警官の兄ロイ(ジョン・アシュトン)に注意される。

ムーチャーは、ガールフレンドのナンシー(エイミー・ライト)のためにバイトを始めようとするが、その場で辞めてしまう。

シリルは、バスケットボールの奨学生で大学も狙えたため、進学に未練もあり、腕試しで受けるというデイヴと共に入学試験に挑戦することも考える。

デイヴはシリルと、キャサリンの寮の前でオペラ”Martha”を熱唱して彼女の心を射止める。

しかし、シリルが男子学生ロッド(ハート・ボックナー)らに痛めつけられてしまう。

マイクとムーチャーは、それを知り仕返しに行き、学生達と大乱闘になってしまう。

大学側は両者に対し、暴力ではなく、地元の自転車レース”リトル500”で、正々堂々と決着をつけるよう提案する。

マイクは、自転車レースならデイヴ一人いれば楽勝だとそれに乗り気だが、デイヴはキャサリンに身元がバレてしまうために反対する。

しかし、マイクが石切り場でロッドに恥をかかされた惨めな姿のを見て、デイヴは仲間を見捨てられず、キャサリンに告白するか悩んでしまう。

ムーチャーはそんなデイヴに、自分がナンシーと結婚を決意したことを告げて、キャサリンも許してくれると、彼を励ます。

デイヴの父レイモンドは、進路を決めずに呑気に毎日を過ごす息子に怒り心頭だった。

妻エヴリンがレイモンドをなだめ、デイヴに、中古車を売る手伝いをさせるよう提案する。

しかし、相変わらずイタリアチームとのレース出場しか頭にないデイヴは仕事の助けにならず、悩んだレイモンドは寝込んでしまう。

デイヴは責任を感じてレースを諦めようとするが、エヴリンは、”今は夢を追いなさい”と息子を励ます。

そしてレース当日、スタート直後からデイヴは快調に飛ばし、彼の実力は本物だということを証明する。

後続を離すCINZANOチームを追うデイヴは、やがてチームに追いつく。

終盤、快走を続けチームと並走していたデイヴだったが、チームのメンバーが卑劣な方法で妨害し、デイヴは転倒してしまう。

ショックを受けて帰宅したデイヴは、イタリアへの憧れは一気に消え去り、父レイモンドの胸の中で涙する。

キャサリンにも、イタリア人でないことを正直に告白したデイヴだったが、彼女は憤慨して、その場を立ち去ってしまう。

シリルと共に、大学の試験を受験していたデイヴだったが、失意の彼はカッターになることも考える。

しかし、そんな苦労は、自分一人で十分だと優しく慰めたのは、息子デイヴの落ち込みを心配した、父レイモンドだった。

そして、デイヴは”リトル500”への出場を決意し、大学から支給された自転車を徹夜で整備する。

そんなある日、デイヴは、町を離れるキャサリンにも声をかけら、れわだかまりが消える。

ムーチャーを夕食に招き食事をしたデイヴは、両親に子供が生まれることを知らされる。

そして、デイヴとムーチャーは、レースで着る”カッターズ”のTシャツをプレゼントされる。

リトル500”のレース当日、母エヴリンが見守る中、レースはスタートし、デイヴの活躍でカッターズがリードする。

仕事をしていたレイモンドも、レースのラジオ放送が気になり会場に向かう。

デイヴ一人に任せたカッターズは、選手交代もせずに中盤までトップを保ち、順調に周回を重ねる。

しかし、デイヴは転倒してしまい、他の3人が交代で走るものの、次第に後方に遅れていく。

レイモンドも到着し、エヴリンと共に怪我で動けないデイヴに声援を送る。

このまま負けるわけにはいかないデイヴは、コースを走るマイクに交代の合図を送り、ペダルに足を固定してレースに復帰する。

レース終盤、デイブはトップを走る大学生チームのロッドを追い、ゴール直前で抜き去り勝利する。

優勝チーム”カッターズ”は、誇らしげにその名前を呼ばれ、大観衆の歓喜に答えるデイヴ達4人に対し、ロッドら学生達も彼らを称える。

その後、町全体が”カッター”に誇りを持つようになり、レイモンドの中古車販売店も”カッターズ”と改名する。

やがて進学したデイヴは、キャンパスでフランス人女学生に声をかけられ意気投合する。

そしてデイヴは、自転車愛好家になった父に、すれ違いざまに声をかける。

「ボンジュール、パパ~!」


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
高校を卒業して進学や就職も考えず、気ままに毎日を送るデイヴ・ストラー、マイク、シリル、ムーチャーの仲間は、地元にある大学の学生から”カッター”(石切工)と言われ、疎外され軽蔑されていた。
デイヴは、自転車のロードレースで、イタリア・チームに入るのが夢だった。
そんなデイヴは、女学生キャサリンに一目惚れしてしまい、イタリア人留学生に扮して彼女に接近する。
それがきっかけで、仲間と学生達はトラブルを起こし、大学側の提案で、自転車レースで決着をつけることになるのだが・・・。
__________

まず、 「ヤング・ゼネレーション」とは??
この作品を甘く見た貧弱な邦題には絶句してしまう。

原題の”Breaking Away”は、自転車に限らず、様々なレースなどで、集団や少数の相手に対してペースを上げてアタックをかけ、距離を空けて置き去りにする一種の戦法を意味する。
それを、行き場のない、悶々とする生活から逃れようとする、若者達のエネルギッシュな生き様や言動にダブらせた、素晴らしいタイトルだ。

世界制覇をするわけでもない、小さな学生の町の物語だが、若者達の友情や、溢れんばかりのエネルギーが画面に広がり、 家族愛も描かれた感動の物語でもある。

ブリット」(1968)のピーター・イエーツの軽快且つ力強い演出は冴え渡り、オスカーを獲得したスティーヴ・テシッチの見事な脚本により、大人になりつつ苦悩する微妙な時期の若者達の人間描写なども繊細に描かれている。

オペラやクラシックを効果的に使ったアカデミー賞にノミネートされた、パトリック・ウィリアムズの音楽も素晴らしい。

第52回アカデミー賞では、ダークホース的作品として注目され、作品賞や監督賞以下5部門にノミネートされ、脚本賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督
助演女優(バーバラ・バリー
音楽賞

楽天家でやんちゃな主人公デニス・クリストファーが、一度、自転車を操ると、水を得た魚のように豹変してしまう、短い鍛錬では身につかないだろう、仕草やその身のこなしなどがたまらなくいい。

将来の目標も定まらず、教養もない主人公の友人役で、若かりしデニス・クエイドダニエル・スターンジャッキー・アール・ヘイリーらの、若者らしい生きの良さも実に爽やかだ。

息子のイタリア気触れに呆れるが、父親らしさを見せるポール・ドゥーリーと、アカデミー助演賞にノミネートされた、優しさの中に茶目っ気も感じさせる、母親役のバーバラ・バリーの出色の名演も印象に残る。

主人公が憧れる女学生ロビン・ダグラス、マイク(D・クエイド)の兄で警官のジョン・アシュトン、敵対する大学生ハート・ボックナーなどが共演している。


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