ベテランのはみ出し刑事が同僚を殺した悪党を追ってロンドンに向かい大暴れするという、大スター、ジョン・ウェインの刑事アクション。 リチャード・アッテンボロー、ジュディ・ギーソン、メル・ファーラー、ジョン・ヴァーノン、レスリー=アン・ダウン共演。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ダグラス・ヒコックス
製作総指揮:マイケル・ウェイン
製作
ジュールス・V・レヴィ
アーサー・ガードナー
脚本
クリストファー・トランボ(原案)
マイケル・バトラー(原案)
ウィリアム・P・マッギヴァーン
ウィリアム・W・ノートン
撮影:ジェリー・フィッシャー
編集:マルコム・クーク
音楽:ドミニク・フロンティア
出演
ジョン・ウェイン:ジェームズ・ブラニガン
リチャード・アッテンボロー:チャールズ・スワン警視
ジュディ・ギーソン:ジェニファー・サッチャー
メル・ファーラー:メル・フィールズ
ジョン・ヴァーノン:ベン・ラーキン
ダニエル・ピロン:ジョン・ゴーマン
ジェームズ・ブース:チャーリー・ザ・ハンドル
ラルフ・ミーカー:モレッティ警部
レスリー=アン・ダウン:ルアナ
アメリカ 映画
配給 ナイテッド・アーティスツ
1975年製作 111分
公開
北米:1975年3月26日
日本:1975年8月
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
シカゴ市警のジェームズ・ブラニガン(ジョン・ウェイン)は、彼の同僚を殺し指名手配されている暗黒街の大物ベン・ラーキン(ジョン・ヴァーノン)を追っていた。
モレッティ警部(ラルフ・ミーカー)の命令で、空港に強制連行されたブラニガンは、ラーキンが、ロンドンで逮捕されたことを知らされ、急遽現地に向かう。
その頃、ラーキンは弁護士のメル・フィールズ(メル・ファーラー)から、ブラニガンの情報と、既に殺し屋のジョン・ゴーマン(ダニエル・ピロン)を手配したことを知らされる。
ロンドンに着いたブラニガンは、出迎えたスコットランド・ヤードのジェニファー・サッチャー(ジュディ・ギーソン)に連れられて、上司のチャールズ・スワン卿(リチャード・アッテンボロー)の元に向かう。 ブラニガンの到着と同時に、彼を狙う殺し屋ゴーマンも空港に到着する。 メンズ・クラブに案内されたブラニガンはスワンに面会するが、イギリスでは、警官でも拳銃所持は許されないため、ブラニガンが所持する拳銃をスワンは押収しようとする。 しかしブラニガンは、アメリカの法には触れていないことを主張し、仕方なくスワンは、それを使わないよう忠告する。 そこに、保釈中のラーキンが、何者かに誘拐されたという連絡が入る。 やがて、ブラニガンはスワンのやり方を無視し、自分流の捜査を始めてしまう。 その頃、ブラニガンを尾行していたゴーマンは、彼の宿泊先のアパートを確認する。 翌日、弁護士フィールズに、ラーキン誘拐犯から身代金を要求する連絡があり、彼はそれをスワンやブラニガンに知らせる。 フィールズは、現金を用意し警察の監視の下、身代金を、”ピカデリー・サーカス”の指定された郵便ポストの中に入れる。 郵便の収集車が現れて、ブラニガンとサッチャーはそれを追い、郵便局から現金の包みを受け取ったバイクの男をつける。 男が包みを川に投げ捨てたため、ブラニガンはそれを拾わせるが、中味は新聞紙だった。 犯人チャーリー・ザ・ハンドル(ジェームズ・ブース)らは、あらかじめポストの底に穴を開け現金を奪い、下水道から逃走していたのだった。 その後、ブラニガンのアパートには、彼を狙うショットガンや爆弾が仕掛けられるが、ブラニガンの機転で難を逃れ、彼は、サッチャーと同じアパートに滞在することになる。 警察は、ラーキンが誘拐をでっち上げているとも考えていたが、誘拐犯は彼の指を切断して送りつけ、再び身代金を要求してくる。 ブラニガンのアパートに現れた、修理屋を装ったゴーマンの顔を覚えていた管理人の情報から、その人相が判明するが、スワンはブラニガンを帰国させようとする。 ラーキンの残していた手帳を盗み見たブラニガンは、それにあったノミ屋の元にサッチャーと向かう。 ノミ屋から情報を仕入れたブラニガンは、ある男に接触するためパブに入るが、スワンが横槍を入れて乱闘騒ぎになってしまう。 ブラニガンは男の自宅に向かい、スワンは、”ピカデリー・サーカス”の、下水道の地図を手に入れていた女を呼び出して尋問する。 男の自宅で、彼がラーキンの情報を集めていたことを知ったブラニガンだったが、男は殺されてしまう。 ブラニガンは、その犯人チャーリーを追い、路上に止まっていた車を借りて、持ち主を乗せたまま逃走した車を追跡する。 しかし、ブラニガンは、”タワー・ブリッジ”を強行突破したチャーリーを取り逃がしてしまう。 地図を手に入れた女の証言で、それを恋人に渡したことが分かり、そのことから、誘拐犯がチャーリーだということが判明する。 その夜、帰宅したブラニガンをゴーマンが狙うが、彼に頼まれて車に手帳を取りに行ったサッチャーを、ブラニガンと思い込んだゴーマンは狙撃しようとする。 しかし、それに気づいたブラニガンは、寸前でゴーマンの車を銃撃し、サッチャーを救う。 翌日、問題ばかり起こすブラニガンを、スワンは疫病神だと非難する。 そこに、殺し屋ゴーマンの情報と、フィールズが、株の売買で失敗して文無しになったという連絡がブラニガンに入る。 ブラニガンは、破産したフィールズが仕組んだ、身代金目当ての犯行だと確信する。 チャーリーからの身代金要求に対し、自分で現金を届けるというフィールズに、スワンは、時間を引き延ばさせようとする。 それを承諾したフィールズは、現金引渡しの現場は告げず、警察が尾行のために付けた発信機も外してしまう。 尾行をまいたフィールズは、車を換えて犯人の元に向かう。 廃墟となった工場のオフィスに、金を届けたフィールズは、ラーキンを裏切ったかのように見せかけ、チャーリーらを射殺する。 現金を手に入れて喜ぶラーキンとフィールズだったが、金の中には別の発信機が仕込まれていた。 その瞬間、ドアを蹴破りブラニガンが現れスワンも続く。 ラーキンとフィールズは逮捕されて、事件は解決するが、殺しのプロ、ゴーマンは、ブラニガン殺害を諦めていなかった。 サッチャーをかばいながら、対決するブラニガンの弾丸がゴーマンの額を貫き、彼は車ごとテムズ川に転落して爆発炎上する。 そして、全てが解決したブラニガンは、サッチャーに見送られてロンドンを去って行く。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
シカゴ市警の刑事ジェームズ・ブラニガンは、同僚を殺した犯罪者のラーキンを追いロンドンに向かう。
スコットランド・ヤードのスワン警視から、行過ぎた行動を慎むよう警告されたブラニガンは、それを無視して自分流の捜査を始めてしまう。
やがて、ラーキンが何者かに誘拐されてしまい、ブラニガンは、身代金の引渡しのために動き出した、ラーキンの弁護士フィールズの動きを監視する。
しかし、ブラニガンには、雇われた殺し屋の魔の手が迫っていた・・・。
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ロンドンで、やりたい放題のジョン・ウェインなのだが、彼の、いつものスタイルを全く変えようとしない強引な行動、あの迫力では、誰にも止められないというところだ。
スクリーンからはみだしそうなウェインの巨体は、共演者のリチャード・アッテンボローとジュディ・ギーソンが小柄なだけに、その存在が余計に際立つ。
警察官でも拳銃所持が許されないイギリスの法律制度、アメリカとは違う小ぢんまりしたロンドンの街並みや、窮屈そうに小型車に乗るウェインの姿も新鮮味があり面白い。
西部劇さながらの酒場での乱闘、ロンドン市内での珍しいカーチェイスも登場し、当時流行っていた刑事ものに、ロンドン・ロケの一捻りを加えた娯楽作に仕上がっている。
ドミニク・フロンティアの、勇ましく軽快な音楽も印象に残る。
ウェインのファンであれば、とにかく彼が画面に登場してさえいれば嬉しいもので、建物のドアや、取れるはずもない車のドアを蹴破るシーンなど、ウェインらしさを満喫できる作品でもある。
堅物のスコットランド・ヤードの警視リチャード・アッテンボローも、ウェインにつられて茶目っ気があるところを披露したり、ジュディ・ギーソンが、ドデカイ縫いぐるみでも扱うように、ウェインの世話をするところなども微笑ましい。
リチャード・アッテンボローに加え、メル・ファーラーやアクの強いジョン・ヴァーノンの登場が、ウェインのワンマン作品になりそうなところを緩和している。
殺し屋ダニエル・ピロン、彼に殺されるレスリー=アン・ダウン、誘拐犯ジェームズ・ブース、そして主人公の上司でラルフ・ミーカーも登場する。