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ウディ・ガスリー/わが心のふるさと Bound For Glory (1976)

1943年に発表された、ウディ・ガスリーの自伝”Bound For Glory”を基に製作された作品。
貧困に苦しむ労働者達の心情を歌うアメリカを代表するフォーク・シンガーのウディ・ガスリーが人々に勇気や希望を与える姿を描く、監督ハル・アシュビー、主演デヴィッド・キャラダインロニー・コックスメリンダ・ディロンランディ・クエイド他共演によるヒューマン・ドラマの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■
監督:ハル・アシュビー

製作:ロバート・F・ブラモフ
脚本:ロバート・ゲッチェル
撮影:ハスケル・ウェクスラー
編集
ペンブローク・J・ヘリング

ロバート・C・ジョーンズ
衣装デザイン:ウィリアム・ウェア・セイス
音楽:レナード・ローゼンマン

出演
ウディ・ガスリーデヴィッド・キャラダイン

オザーク・ブール:ロニー・コックス
メアリー・ガスリー/メンフィス・スー:メリンダ・ディロン
ポーリン:ゲイル・ストリックランド
ルーサー・ジョンソン:ランディ・クエイド
ロック:ジョン・リーン
ベイカー:アラン・ミラー
スー・アン:メアリー・ケイ・プレイス
メアリー・ジョー・ガスリー:ウェンディ・スカール
スリム・スネデガー:ジー=トゥー・カンブカ
ピックアップ・トラック運転手:ブライオン・ジェームズ
トレーラー・ハウスの男:M・エメット・ウォルシュ
チリの屋台のオーナー:ジョームズ・ホン

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1976年製作 148分
公開
北米:1976年12月5日
日本:1977年8月


アカデミー賞 ■
第49回アカデミー賞

・受賞
撮影・音楽賞
・ノミネート
作品・脚色・編集・衣装デザイン


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1936年、大恐慌の時代。
オクラホマからテキサスパンパに移り住み、しがない看板描きをしていたウディ・ガスリー(デヴィッド・キャラダイン)は、妻メアリー(メリンダ・ディロン)と幼い子供達、両親や弟妹とで困窮する生活を続けていた。

看板描きの仕事もなく、ウディは集会のバンドのメンバーになるが、それも解散となり、途方に暮れる毎日を送る。

そんな時ウディは、家族を残しカリフォルニアに行く決心をして、ヒッチハイクで西に向かう。

その後、放浪者のスリム・スネデガー(ジー=トゥー・カンブカ)と出会ったウディは、貨物車に乗り旅を続ける。

途中、無賃乗車で貨物車から降ろされたウディは、スリムと別れ、徒歩そして再びヒッチハイクで西を目指す。
...全てを見る(結末あり)

一文無しのウディは食事にもありつけず、酒場で得意の歌を披露して小銭を手に入れ、メアリーに便りを出す。

ピックアップ・トラックの男(ブライオン・ジェームズ)に便乗させてもらったウディは、ようやくカリフォルニアに入るが、州境の検問で車が止められてしまう。

世話になった男と家族に別れを告げたウディは、原野を歩き再び貨物車に乗り、たどり着いた町のレストランの掃除をして食事にありつく。

その後、ウディはタイヤ交換を手伝ったルーサー・ジョンソン(ランディ・クエイド)と共に、放浪者が集まるキャンプに向かう。

ルーサーにギターを借りたウディは町に向かい、奉仕協会を運営するポーリン(ゲイル・ストリックランド)と知り合い、看板の仕事をもらう。

看板を描いたウディは、夫を亡くしたポーリンを誘うが、彼女はそれを頑なに断る。

ある日、仕事にあぶれ、ただ時を過ごすキャンプの人々の元に、人気ラジオ歌手オザーク・ブール(ロニー・コックス)が慰問に現れる。

オザークは人々を励まし、音楽会を開きウディもそれに参加して、彼の弾き語りも大いに受ける。

しかし、集会を禁止する農場主の手下と小競り合いが起き、その場を逃れたオザークは、ウディをラジオ局に連れて行き、マネージャーのロック(ジョン・リーン)に彼の歌が認められる。

その後も歌い続けたウディは、人々の労働条件を改善するために力を注ぐ、オザークの組合運動に力を貸す。

奉仕協会にも通っていたウディは、ポーリンにようやく自宅に招待される。

ウディはポーリンの豪邸に驚き、彼女が夫の遺産で奉仕協会を運営していることを知り、金持ちで初めて自分に振り向いてくれた人だということを彼女に伝える。

やがて二人は愛し合うようになるが、ウディはポーリンに妻子がいることを正直に話し別れを告げる。

ラジオでウディの歌が好評となるが、過激な内容の歌詞は控えるようロックに忠告されてしまう。

それでも週給が上がったウディは、メアリーに連絡を入れて家族を呼び寄せようとする。

その後、ロックの支持に従うというオザークに対し、ウディは自分流に歌を唄う。

そして、メアリーと子供達を呼び寄せたウディは、彼女らに小さいながら家をプレゼントする。

ある日、ウディの元に、彼を売り込むためマネージャーになりたいという、エージェントのベイカー(アラン・ミラー)が現れる。

ウディは、生活が安定したメアリーが、以前の極貧生活に戻る事を恐れているのを知る。

そして、ルーサーは組合活動を押し進めるとウディに伝え、彼はそれを知り激励する。

ロックに要求された歌のリストを、仕方なく彼に渡したウディは、やりきれない気持ちを抑えきれず、再び放浪の旅に出る。

ウディは、キャンプや労働者の職場を渡り歩き、堂々と組合の者だと名乗り、その必要性を歌で訴える。

ある場所では雇用者側に痛めつけられ、それでも旅を続けたウディは、やがて家に戻る。

メアリーは、ウディが戻らないかもしれないという、不安を抱えながらの生活に耐え切れなくなる。

ロックは、スポンサーの意向に従わないウディを解雇してしまうが、オザークから、ベイカーがCBSと全国中継の契約をしたことを知らされる。

それをオザークと祝い、家に戻ったウディだったが、メアリーは子供達を連れ出て行った後だった。

その後、ウディは一流ホテルのステージのオーディションを受けるが、自分が人気取りの型にはめられるのを嫌う。

そしてウディは、人々のために歌い続けることをオザークに告げて、ギターを背負いニューヨークに向かうために貨物車に飛び乗る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
大恐慌の時代、故郷を捨てテキサスに移り住んだ看板描きのウディ・ガスリーは、仕事にも行き詰まり途方に暮れ、妻メアリーら家族を残し放浪の旅に出る。
西に向かい、苦労の末ようやくカリフォルニアに着いたウディは、放浪者キャンプで人々を慰問して励ますラジオ歌手オザークに出会う。
オザークは、その人生を弾き語りで唄うウディと意気投合し、彼をラジオ局に連れて行く。
ウディは、マネージャーのロックにも気に入られ、安定収入を得ることになる。
その後、メアリーと子供達を呼び寄せたウディは、小さな家で、ささやかな幸せを噛みしめながら生活を始める。
その間、ウディは、労働者の雇用改善などを求め、組合を組織しようとする、オザークの活動に協力していた。
そして、貧しい人々や労働者の心を唄うウディの歌は評判になる。
しかし、スポンサー側からの選曲の圧力などを嫌ったウディは、再び放浪の旅に出る・・・。
__________

1960年代後半、「アメリカ上陸作戦」(1966)や「夜の大捜査線」(1967)などでノーマン・ジュイソンと組み、編集を手がけていたハル・アシュビーが、自然体を貫き通そうとする
人間”ウディ・ガスリー”の、第二の人生の始まりを描いた作品。

第49回アカデミー賞では、撮影、音楽賞を受賞した。
・ノミネート
作品・脚色・編集・衣装デザイン

レナード・ローゼンマンの心安らぐ音楽、巨大砂嵐や放浪者キャンプの特撮も駆使した映像、大恐慌時代の雰囲気を伝えるセットや小道具、そして衣装なども見事な出来栄えとなっている。

主人公のウディ・ガスリーを演ずるデヴィッド・キャラダインの情感のこもった演技は、彼のキャリア最高と言える、素晴らしい演技と歌を披露してくれる。

その後に活躍することになる、共演者達の好演も見逃せない。
主人公を支える歌手で、組合運動の活動家ロニー・コックス、主人公の妻と同僚の歌手二役を演ずるメリンダ・ディロン、奉仕協会の主催者である、富豪の未亡人役ゲイル・ストリックランド、キャンプ仲間役のランディ・クエイド、ラジオ局マネージャー役のジョン・リーン、エージェントのアラン・ミラー、主人公が州境まで車で世話になる男ブライオン・ジェームズ、トレーラーハウスを牽引する男M・エメット・ウォルシュ、チリ屋台のオーナー、ジョームズ・ホンなどが共演している。


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