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偶然の恋人 Bounce (2000)

自分が譲った搭乗券で飛行機事故死した男性の家族に償おうとする広告マンの苦悩と心癒えない日々を送る男性の妻との恋を描く、監督、脚本ドン・ルース、主演ベン・アフレックグウィネス・パルトロウトニー・ゴールドウィンナターシャ・ヘンストリッジ他共演の恋愛ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)


スタッフ キャスト ■
監督:ドン・ルース

製作
マイケル・ベスマン
スティーヴ・ゴリン

製作総指揮
ボブ・オッシャー
メリル・ポスター

ボブ・ワインスタイン
ハーヴィー・ワインスタイン
脚本:ドン・ルース
撮影:ロバート・エルスウィット
編集:デイビッド・コドロン
音楽:マイケル・ダナ

出演
バディ・アマラル:ベン・アフレック

アビー・ジャネロ:グウィネス・パルトロウ
グレッグ・ジャネロ:トニー・ゴールドウィン
ミミ・プレイガー:ナターシャ・ヘンストリッジ
ジム・ウィラー:ジョー・モートン
セス:ジョニー・ガレッキ
ジャニス・グエレッロ:ジェニファー・グレイ
スコット・ジャネロ:アレックス・D・リンツ
ジョーイ・ジャネロ:デヴィッド・ドーフマン
マンデル:デヴィッド・ペイマー
トッド・エクスナー:サム・ロバーズ
ドナ:キャロライン・アーロン
ジャック:スコット・アラン・スミス

アメリカ 映画
配給 ミラマックス
2000年製作 106分
公開
北米:2000年11月17日
日本:2001年3月3日
製作費 $35,000,000
北米興行収入 $36,779,300
世界 $53,425,300


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
シカゴオヘア国際空港、クリスマス・シーズン。
広告代理店勤務のバディ・アマラル(ベン・アフレック)は、インフィニティ航空との2年契約を結びロサンゼルスに戻ろうとする。

上司でもあるパートナーのジム・ウィラー(ジョー・モートン)に契約の件を知らせたバディは、雪のため全便が遅れていたため時間を潰そうとする。

バディは、インフィニティ航空の職員ジャニス・グエレッロ(ジェニファー・グレイ)を誘うが、休日出勤で勤務中のため彼女に断られる。

バーに向かったバディは搭乗待ちの乗客で、臓器センターの開発担当者ミミ・プレイガー(ナターシャ・ヘンストリッジ)と過ごしていた。

放送作家のグレッグ・ジャネロ(トニー・ゴールドウィン)と知り合ったバディは、ミミと共に3人で飲むことにする。
...全てを見る(結末あり)

バディとグレッグはロサンゼルスへ、ミミはダラスへ向かう予定だった。

ミミは、グレッグの作品が不評であることを新聞記事で知るが、その件には触れなかった。

運行状況を調べてきたグレッグは、ロサンゼルス便は10時、ダラスは未定であることを伝える。

翌日の便にすることにしたグレッグは、搭乗券と交換したホテルの宿泊券2枚の内1枚をミミに譲る。

翌日、息子スコット(アレックス・D・リンツ)とジョーイ(デヴィッド・ドーフマン)と共にバザーでツリーを売る約束をしていたグレッグは、二人の写真をミミに見せる。

搭乗が始まりバディは席を立ち、グレッグは二人に別れを告げる。

ミミは、ダラスに来る際は連絡をと言ってバディに名刺を渡す。

グレッグを追ったバディは、ミミと過ごすことに決めたため、子供とツリーを売ってくれと伝えてチケットを渡す。

感謝したグレッグは、搭乗口でバディと別れる。

バディは、自分の名前でグレッグを乗せることをジャニスに頼む。

ホテルの部屋でミミと愛し合い眠っていたバディは、夜中に外の騒ぎで目覚める。

テレビをつけたバディは、グレッグが乗った82便が消息を絶ち墜落した可能性があるというニュースを見る。

グレッグの妻アビー(グウィネス・パルトロウ)は、母親からの電話を受ける。

アビーは、グレッグが乗る予定の航空会社の便が墜落したことを知らされるが、彼から翌日に帰るという連絡があったことを母親伝える。

グレッグからの連絡を待つと言うアビーは、墜落現場の様子を伝えるニュースを見る。

ターミナルに向かいジャニスに声をかけたバディは、乗客名簿の自分の名を差し換えてほしいと伝える。

乗客名簿を確認したアビーは、グレッグの名前がなかったために安心するが、心配して来てくれた隣人ドナ(キャロライン・アーロン)と共に彼からの連絡がないことを不思議に思う。

翌朝、インフィニティの社員が現れ、乗客名簿にグレッグの名前があったことをアビーに伝える。

後発の便に乗るはずだと答えたアビーは、空港の対策室で確認してほしいと言われて混乱する。

動揺しながらロサンゼルスに戻ったバディは、ジムに迎えられる。

ドナと共に空港に向かったアビーは、グレッグの死が事実だと知り取り乱してしまう。

家に戻ったバディは、インフィニティの災害対策広告の件をジムと確認する。

翌日、出社したバディは、どこでも起きる墜落事故を前面に出し、感傷的な印象を与えるインフィニティの広告を批判する。

それが受け入れられないバディは、その後、酒に溺れて傷心の日々を送る。

広告業界の栄誉である”クリオ賞”授賞式に酔って出席したバディは、最優秀キャンペーン賞を受賞した自社広告の受賞者としてステージに上がってしまう。

おどけるバディは、事故機に乗るはずっだったという話の他、相応しくない発言をしてしまい、ジムに制止されてステージを降りた彼は、転倒して気を失ってしまう。

その後バディは、アルコール依存症の治療を受ける。

施設を退院したバディは、社員パーティーで歓迎されるが、授賞式の失態後に入社した部下のセス(ジョニー・ガレッキ)に、直ぐ酒漬けに戻ると言われて気分を害する。

帰宅したバディは酒を捨てて、依存症克服書にあった”傷つけた人々に償いをする”という言葉に従い行動を起こす。

グレッグの住所を調べたバディは、夫の死から1年経ちようやく心も癒えたかに見えるアビーに会うことを考える。

不動産業者として働くアビーの紹介する物件を訪ねたバディは、言動を不審に思われる。

その場にいたアビーの愛犬をけしかけると言われたバディは、怪しい者ではないと伝えるものの、犬に襲われてしまう。

謝罪したアビーは、犬は父親がいない子供達のために飼い夫とは離婚したとバディに話す。

ズボンの修理代を請求してほしいと言われ、電話番号をアビーから教えてもらったバディは彼女と別れる。

その後、アビーの仕事に協力しようと考え電話をしたバディは、会社の移転を考えているため、何軒か物件を紹介してほしいと伝える。

経験不足を理由に躊躇するアビーだったが、バディからオフィスに来るよう言われる。

アビーを迎えたバディは、既にジムが話を進めていた物件を彼女の仕事にしてあげることを考えていた。

ジムをアビーに紹介して物件を見に行ったバディは、彼女が見事に交渉を成立させたことに驚き、そして喜ぶ。

引っ越しが始まっていたバディの会社を訪ねたアビーは、物件の件で彼に感謝してドジャースの試合に誘う。

用があると言って断ろうとしたバディだったが、セスからその予定は変更になったと言われて彼女の誘いを受ける。

試合を観戦した二人はダイナーに向かい、バディは、思いやりのあるアビーの人柄に触れる。

店の前の車内でバディは、その車が”離婚”した夫グレッグの物だと語るアビーの話を聞く。

車の中で出産しそうになった話をするアビーは、離婚したはずのグレッグを過去の人のように語り、そんな彼女に惹かれてしまったバディはキスをして別れる。

翌朝、出社したバディは、セスからアビーのことを聞かれ、深入りは避けたいので電話も繫がないようにと伝える。

アビーに魅力を感じバディが無理をしていると察したセスは、彼の指示を無視してアビーの電話を繫いでしまう。

バディはアビーに誘われ、仕方なくそれを受けるものの、セスに不満をぶつける。

アビーの待つ店に向かったバディは、酒が飲めない自分が依存症だったことを話す。

バディは、あえて自分が嫌な男だと語り、彼が必要以上の人間関係を求めないことを悟ったアビーはその場を去る。

後を追ってきたバディに、離婚は嘘で夫は1年前に死亡し、自分も子供達も立ち直れないことをアビーは伝える。

バディは自分がつまらない男だと伝えたかっただけだと語るが、アビーは何が彼の望みなのか理解できない。

いつも一緒に居たい気持ちを伝えるバディだったが、アビーはそれを同情としか捉えない。

真実を伝えられないバディは、同情はしていないと言ってアビーにキスし、彼女はバディの気持ちを受け入れる。

バディとアビーは親交を深めるが、父親を忘れられない彼女の息子スコットはバディを避ける。

アビーらが事故を忘れられないことを知ったバディは、心を痛めて真実を話そうとするもののそれができない。

その後、バディが紹介してくれた弁護士と会ったアビーは、事故の件が全てが終わったことで、愛していたグレッグが記憶の中から消えるような気がして悲しむ。

バディは、そんなアビーの話を聞き優しく抱きしめ、そして二人は愛し合う。

週末、バディは、アビーと子供達が飛行機で向かうパームスプリングスへの旅に同行する。

子供達とも打ち解けたバディは、帰りの機内で、話したいことがあるとアビーに伝える。

帰宅したアビーは、その場で待っていたミミからグレッグの件で話があると言われ彼女を家に招き入れる。

ミミは、空港のバーで撮影した、グレッグの映っているビデオテープをアビーに渡す。

翌日、アビーの家を訪ねたバディは、彼女がトイレに閉じこもっていることを知る。

バディは、自分とグレッグが映っているビデオが、テレビで再生されたことに気づく子供達を見て驚く。

そこに現れたアビーは子供達を部屋に向かわせ、バディを非難して罵り追い出そうとする。

グレッグに搭乗券を渡したことを話したバディだったが、アビーは彼の話を聞き入れず、子供達に別れを告げるよう強要される。

ジョーイはバディの言葉が理解できず、スコットが弟を呼び寄せる。

後日、電話させてほしいというバディに対し、子供達に全てを話すと言って、アビーは彼に出て行くよう指示する。

その後、電話にもでないアビーを訪ねたバディは、家から出てきたスコットから、バザーでツリーを売る話を父グレッグから聞いたかを尋ねられる。

その話はせずに早く帰りたいと言っていたと答えたバディは、スコットがツリーはどうでもよかったことを知る。

母アビーがツリーの件でグレッグを責めたことを後悔していると言うスコットは、父がそのことを話さなかったということを信じる。

バディの気持ちを理解するドナは、その件で迷いがあるアビーに、グレッグはもういないという事実を考えるべきだと助言する。

ジムに呼ばれたバディは、インフィニティが広告契約延長を協議中であることを知らされる。

バディがインフィニティの職員ジャニスに、自分の名前で別の乗客を搭乗させたことが問題になっていたのだった。

ジャニスは搭乗者名簿の不正操作で解雇され、犠牲者が社を訴えたことをバディは知らされる。

裁判で証人になった場合は、別人を乗せるために名簿を変更させていないと証言するようバディはジムに指示される。

出廷して証言台に座ったバディは、検察官マンデル(デヴィッド・ペイマー)に質問され、グレッグと話し搭乗券をあげたことを認める。

妻と二人の子供がいる身のグレッグが、家族の元に戻れない場合を考え怯えていたと言うバディは、何の考えもない自分が善意の行動をとったことを後悔する。

一生重荷を背負うと語るバディは、心から謝罪する。

解雇される前に辞職したバディは、良きアシスタントだったセスに手伝ってもらい荷物を自宅に運ぶ。

そこにアビーが現れたため、セスはその場を去る。

辞職したことを伝えたバディは、スコットから話を聞いたとアビーから知らされる。

バディは、グレッグの死はスコットのせいではないと告げる。

アビーは、バディや自分のせいでもないと伝え、自らを責めていたことを後悔したことを伝える。

バディのおかげでそれに気づいたことを知らせたかったとアビーは語る。

帰ろうとするアビーを引き留めたバディは、あの夜、グレッグが良い人達と知り会ったと言っていたことを知らされる。

バディは、この家を売るべきかどうかを任せたいと言って、戸惑うアビーにやり直したいことを伝える。

アビーはバディの気持ちを受け入れ、二人はビーチに向かう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
シカゴオヘア国際空港、クリスマス・シーズン。
広告代理店勤務のバディ・アマラルは、インフィニティ航空との2年契約を結びロサンゼルスに戻ろうとする。
搭乗便が遅れ、放送作家グレッグやミミと知り合ったバディはバーで時間を潰す。
翌日の便に変えたグレッグが、子供との約束があったことなどを気にしたバディは、彼に搭乗券を譲りミミとの夜を過ごす。
ところが、グレッグの便は墜落事故を起こして彼は死亡する。
動揺するバディは、罪悪感から酒に溺れて依存症となり、治療を終えて仕事に復帰する。
酒を断ったバディは、傷ついた人々に償いをしようと考え、グレッグの妻アビーに会う。
バディは、真実を隠しながらアビーの仕事に協力し、深入りを避けながらも彼女に惹かれてしまう・・・。
__________

複雑な状況で出会う男女の恋物語なのだが、注目したいのが主人公のベン・アフレックグウィネス・パルトロウの関係だ。
交際していた二人のための企画であることが考えられるが、撮影時には破局していたということを考えながら観ると実に興味深い。

平穏な家族の幸せを奪う事実の痛々しさ、そこから生まれる複雑な愛を描くドン・ルースの演出と脚本、マイケル・ダナの落ち着いた雰囲気の音楽も印象に残る。

苦悩する者の象徴のようにアルコール依存症が、そして一見無関係のように思える同性愛者が主人公のアシスタントとして登場する。
アルコール依存症はこの種の物語の例外ないパターンであり、時にトゲトゲしい雰囲気となるドラマの中で、その同性愛者であるアシスタントが、場面を和らげる絶妙な効果となっている演出なども面白い。

やんちゃ坊主の様な雰囲気で登場するベン・アフレックだが、実は繊細な心を持つ青年であり、それを表情や仕草で示す好演を見せてくれる。

不幸を背負った未亡人であり母親なのだが余りにも魅力的で、輝いて見えてしまうグウィネス・パルトロウ、事故死するその夫トニー・ゴールドウィン、空港で彼と主人公と知り合う女性ナターシャ・ヘンストリッジ、主人公の上司でパートナーでもあるジョー・モートン、主人公のアシスタントで印象的な役を演ずるジョニー・ガレッキ、航空会社職員ジェニファー・グレイ、主人公の息子アレックス・D・リンツデヴィッド・ドーフマン、検察官デヴィッド・ペイマー、主人公の上司サム・ロバーズ、ヒロインの隣人キャロライン・アーロン、その夫スコット・アラン・スミスなどが共演している。


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