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踊るアメリカ艦隊 Born to Dance (1936)

ダンサー志望の女性と海軍士官の恋を描く、監督ロイ・デル・ルース、主演エレノア・パウエルジェームズ・スチュワートヴァージニア・ブルースウナ・マーケルシド・シルヴァースバディ・イブセンフランセス・ラングフォード他共演のミュージカル。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル

ジェームズ・スチュアート / James Stewart / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ロイ・デル・ルース
原作
ジャック・マッゴーワン
シド・シルヴァース
バディ・G・デシルヴァ
脚本
ジャック・マッゴーワン
シド・シルヴァース
撮影:レイ・ジューン
編集:ブランチ・シューエル
音楽
コール・ポーター
アルフレッド・ニューマン
ロジャー・イーデンス

出演
ノラ・ペイジ:エレノア・パウエル
テッド・バーカー:ジェームズ・スチュワート
ルーシー・ジェームス:ヴァージニア・ブルース
ジェニー・サックス:ウナ・マーケル
”ガニー”サックス:シド・シルヴァース
”ペピー”ターナー:フランセス・ラングフォード
ディングビー艦長:レイモンド・ウォルバーン
マッケイ:アラン・ディナイント
”マッシュ”トレーシー:バディ・イブセン
サリー・サックス:ファニタ・クイグリー
本人:ジョルジュ&ジャルナ・トレガス
セントラルパークの警官:レジナルド・ガーディナー
モデルルームの担当者:バーネット・パーカー
ノラ・ペイジ(歌声):マージョリー・レーン
4人組:J.マーシャルスミス/L.ドワイトスナイダー/レイ・ジョンソン/デル・ポーター

アメリカ 映画
配給 MGM
1936年製作 106分
公開
北米:1936年11月27日
日本:1937年6月


アカデミー賞
第9回アカデミー賞

・ノミネート
ダンス監督・歌曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ニューヨーク
士官のテッド・バーカー(ジェームズ・スチュワート)らが乗艦するアメリカ海軍の潜水艦が寄港する。

水兵の”ガニー”サックス(シド・シルヴァース)と”マッシュ”トレーシー(バディ・イブセン)は、上陸を許可してもらえない。

2人を気の毒に思うテッドは、ガニーが4年ぶりに妻ジェニー(ウナ・マーケル)に会えることを楽しみにしていたことを知る。

ディングビー艦長(レイモンド・ウォルバーン)に呼ばれたガニーとマッシュは、ブルックリンの基地に向かい、スタビン少将に手紙を届けることを指示される。

ロンリーハート・クラブ。
ダンサー志望のノラ・ペイジ(エレノア・パウエル)は、受付にいたジェニー(ガニーの妻)に親切にされて、部屋を貸してもらえることになる。
...全てを見る(結末あり)

ノラがダンサーだと知ったジェニーは、ロビーの人々に彼女を紹介し、その場で踊らせる。

ノラの見事なダンスを見て感心したジェニーは、部屋に案内して、4年も帰ってこない水兵の夫の話をする。

ノラは、ジェニーにサリー(ファニタ・クイグリー)という娘がいて、彼女が父親に会ったことがないことを知る。

マッシュと共にガニーに付き合ったていたテッドは、妻ジェニーを紹介すると言われてクラブに向かう。

部屋にいたジェニーは、受付にいた”ペピー”ターナー(フランセス・ラングフォード)から、ガニーが来たことを知らされて驚く。

喜んだジェニーは、長身でハンサムなテッドをガニーだと思いキスしてしまう。

人違いだと分かったジェニーは、自分より背が低いガニーを見て失望し、話す気にもなれなかった。

その場にいたノラに一目惚れしたテッドは、彼女に声をかけるものの相手にされない。

それでも諦めないテッドは、ノラと話をすることになる。

ジェニーは、しつこいガニーを迷惑に思う。

マッシュと話したペピーは、意味不明なことばかり言う彼を相手にする気になれない。

不器用なテッドだったが、ノラといい雰囲気になる。

ガニーとマッシュも、何とかジェニーとペピーの気を引こうとする。

翌朝テッドは、楽しい夜を過ごせたとガニーとマッシュに話す。

ディングビー艦長は、マッシュとガニーが手紙を届けていなかったことを知り、2人を営倉に入れる。

ジョージ・ワシントン・ブリッジ
ジェニーとサリーと共にハドソン川を眺めていたノラは、テッドに恋したことを話し、後悔しないようにとジェニーに助言される。

その後ノラは、テッドとのデートでハネムーン住宅のモデルルームを見学して、担当者(バーネット・パーカー)の話を聞き楽しい時間を過ごす。

翌日、乗組員を甲板に集めたディングビー艦長は、ブロードウェイのスター、ルーシー・ジェームス(ヴァージニア・ブルース)を迎えることを皆に伝える。

艦長に歓迎されたルーシーは、愛犬のペキニーズ”チーキー”を抱いて乗艦し、彼女のエージェントのマッケイ(アラン・ディナイント)も挨拶する。

艦長と記念撮影したルーシーは、チーキーを抱いた彼が、愛犬を川に落してしまったためにショックを受けて気絶する。

艦長からチーキーを救えと言われた乗組員は、川に飛び込む。

そのことが新聞の記事になり、自分が写る写真が気に入らないルーシーは、マッケイから大宣伝になると言われ、彼の考えで、チーキーを救ったテッドとのロマンスを宣伝に使うことになる。

マッケイは、テッドを誘い人目につくクラブなどに行くことをルーシーに指示する。

セントラルパーク
事件のことをノラと話したテッドは、ルーシーのようなスターになりたいと言う彼女に、3週間で除隊することを伝える。

その後のことを考えるテッドは、スターになっても今と変わらないかノラに尋ね、成功すると人は変わると言いながら、彼女との将来について語り愛を確かめる。

そこに警官(レジナルド・ガーディナー)が現れ、彼は2人を祝福してくれる。

営倉のガニーは、マッシュが手紙を届けるため上陸し、テッドが艦長の命令でルーシーに会うことを知る。

テッドは、ガニーから10ドル借りてクラブ・コンチネンタルに向かう。

ガニーから、自分の代わりにジェニーにキスしてほしいと言われたマッシュは、彼女に会いキスする。

マッシュは、ジェニーに頬を叩かれてしまう。

ノラと話したマッシュは、艦長の指示で行動しているテッドが、用を済ませセントラルパークで10時に待っているという伝言を伝える。

クラブ・コンチネンタル。
ジョルジュ&ジャルナ・トレガスのダンスを堪能したテッドは、ルーシーからダンスに誘われるものの躊躇する。

11時を過ぎていることに気づいたテッドは、勘定を払おうとするものの、ガニーから借りた10ドルでは足りなかった。

セントラルパーク
12時が近づき、待ちくたびれたノラは諦めて帰る。

翌朝ノラは、テッドとルーシーが新聞の記事になっていることを知り、それをジェニーに見せる。

ショックを受けるノラは、昨日ルーシーのショーのオーディションを受けたことをジェニーに話し、結果はダメだったが、彼女の代役に登録したことを伝える。

ジェニーは、営倉に入れられているガニーの様子を見に、潜水艦に行くことをノラに話して誘うものの、テッドに会いたくないと言う彼女は気が進まない。

そこにテッドから電話が入り、彼と話したノラは、セントラルパークには行ったと言われた瞬間に切ってしまう。

マッケイを訪ねたテッドは、ルーシーが自分に夢中だということを知り、戸惑いながら、ノラにチャンスを与えてほしいと言って電話番号を教える。

マッシュは、甲板で釣りをしていたディングビー艦長に、ブルックリンの場所がわからず、手紙を渡せなかったことを伝える。

ガニーが故郷なので詳しいと言われた艦長は、彼を営倉から出す。

艦長は、ガニーに手紙をブルックリンの基地に届けるよう指示する。

ノラとサリーと共に潜水艦に着いたジェニーは艦長と話すが、営倉に行く許可を得られない。

甲板にガニーがいたために驚いたジェニーは、気づいた彼と話をする。

サリーの面倒を見ていたノラは、話しかけてきたテッドに謝罪されるものの、弁解は聞きたくないと伝える。

サリーに声をかけたガニーは、3歳半の彼女の母親がノラだと知り、話を聞いていたテッドは驚く。

結婚していないとは言っていないとテッドも伝えたノラは、夫は水兵で、育児のために仕事を探していたが、マッケイからの連絡でルーシーの代役に決まったことを話す。

思い通りになり満足したテッドは、初日には観に来てほしいと言うノラに、行くことを約束する。

ガニーが求めるために試しにキスしてみたジェニーは、何も感じず後悔する。

その後、リハーサルを始めたノラはジェニーと話し、最近ルーシーに会っていない様子のテッドのことが気になる。

ガニーが除隊したらやり直してみると言うジェニーは、喜んでくれたノラに、彼とのキスの感じが以外にもよかったと話す。

テッドに惹かれてしまったルーシーは、彼を利用したくないことをマッケイに話し、結婚も考えるものの、納得してもらえない。

そこにテッドが現れ、マッケイは帰り、ルーシーは彼とテラスで話す。

自分たちのことが再び記事になったら役を降りると言うルーシーは、代役のノラがいることを話す。

除隊したテッドにショービジネスに興味があるか尋ねたルーシーは、自分の気持ちを伝える。

翌日、除隊するガニーとマッシュに別れを告げるディングビー艦長は、まだ手紙を届けていないことを知り憤慨する。

手紙の内容を忘れてしまった艦長は、それをガニーに読ませて、少将をルーシーのショーに誘うつもりだったことを思い出す。

その後、マッシュもペピーと共にルーシーのショーに出演することになる。

マッケイは、テッドを宣伝に利用することを諦めていなかったが、ルーシーはそれを許さない。

テッドは結婚しているノラに会う気になれず、ガニーもジェニーに会えずにいら立つ。

まともにリハーサルする気になれないルーシーに手を焼くマッケイは、ノラに踊らせてみる。

それを見て憤慨したルーシーは、ノラをクビにしないなら降りるとマッケイに伝える。

ルーシーを切るわけにはいかないマッケイは、仕方なくノラを解雇する。

テッドに会ったジェニーは、結婚していないノラは、あなたを愛していると伝える。

サリーは自分の子で、ガニーに話すと伝えたジェニーは、ノラが解雇されたことをテッドに知らせる。

マッケイを装い新聞社に電話をしたテッドは、自分とルーシーが結婚するという特ダネを提供する。

その記事を見たルーシーはマッケイを非難し、今晩の初日のステージに上がらないことを伝える。

テッドの元に向かったマッケイは、記事のことを仕組んだ彼を責めて、ルーシーがショーに出ないことを伝える。

ノラに電話を知ろと言われたテッドはそれを拒み、自分を利用したマッケイを非難する。

10万ドルをかけたショーだと言うマッケイは、指示に従わないテッドを殴り倒す。

起き上がったテッドは、マッケイに襲いかかる。

初日は幕を開け、ペピーやマッシュ、そしてノラの見事なパフォーマンスでショーは大成功する。

テッドはノラと共に喜び、マッケイとも和解する。

ジェニーは、サリーが自分たちの子供だとガニーに話すが、彼が再び入隊したことを知り憤慨する。

テッドとノラは、将来のことを考えながら抱き合いキスする。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
ニューヨーク
ダンサー志望のノラ・ペイジは、クラブで出会ったジェニーと意気投合し、部屋を提供してもらう。
寄港した海軍の潜水艦の乗組員テッド、ガニー、マッシュは、ディングビー艦長の指示で基地に手紙を届けに行く。
妻ジェニーに4年ぶりに会うためにクラブに寄ったガニーは、彼女に冷たくされる。
その場でノラに一目惚れしたテッドは、彼女に話しかけるのだが・・・。
__________

ロイ・デル・ルースが、前年の「踊るブロードウェイ」(1935)で大成したエレノア・パウエルを起用して監督した作品。
共演のウナ・マーケルシド・シルヴァース(原作、脚本も)、バディ・イブセンフランセス・ラングフォードも、「踊るブロードウェイ」に続く出演。

ダンサー志望の女性と海軍士官の恋を、コール・ポーターの数々の名曲と共に描くミュージカル。

上記のように、一気にMGMのスターとなったエレノア・パウエルのパフォーマンスが堪能できる、彼女のために製作されたような作品。
ダンサー志望の主人公である彼女がチャンスを掴み出演する、豪華なセットを使ったクライマックスの約12分間のショー、その後半、約6分間の彼女の独演は見ものだ。

また、主人公と惹かれ合う若き海軍士官を演ずる、まだ20代のジェームズ・スチュワートの、随所で挿入される吹き替えなしで歌うシーンも見逃せない。
エレノア・パウエルの歌声はマージョリー・レーンが吹き替えている。

第9回アカデミー賞では、ダンス監督・歌曲賞にノミネートされた。

自分のショーの宣伝のために海軍士官を利用するものの、彼に恋してしまうブロードウェイのスター、ヴァージニア・ブルース、主人公と親しくなるウナ・マーケル、その夫で水兵のシド・シルヴァース、その友人である水兵バディ・イブセン、彼と親しくなり共にショーに出演するフランセス・ラングフォード、潜水艦の艦長を愉快に演ずるレイモンド・ウォルバーン、ルーシー(ヴァージニア・ブルース)のエージェント、アラン・ディナイント、ジェニー(ウナ・マーケル)の娘ファニタ・クイグリー、クラブのショーで登場するダンサーのジョルジュ&ジャルナ・トレガス、セントラルパークの警官レジナルド・ガーディナー、モデルルームの担当者バーネット・パーカー、ショーの4人組のパフォーマー、J.マーシャルスミス/L.ドワイトスナイダー/レイ・ジョンソン/デル・ポーターなどが共演している。


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