1960年に発表された、ジョイ・アダムソンの著書”Born Free”を基に製作された作品。 狩猟監視員夫妻が育てた野生のライオンとの交流を描く、監督ジェームズ・ヒル、主演ヴァージニア・マッケンナ、ビル・トラヴァース、ジェフリー・キーン他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・ヒル
製作
サム・ジャッフェ
ポール・B・ラディン
原作:ジョイ・アダムソン”Born Free”
脚本:レスター・コール
撮影:ケネス・タルボット
編集:ドン・ディーコン
音楽:ジョン・バリー
出演
ジョイ・アダムソン:ヴァージニア・マッケンナ
ジョージ・アダムソン:ビル・トラヴァース
ジョン・ケンドール:ジェフリー・キーン
ヌル:ピーター・ルコイエ
医師:スーリヤ・パテル
ワトソン:ジェフリー・ベスト
サム:ビル・ゴッデン
ジェームズ:ロバート・S・ヤング
イギリス 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1966年製作 95分
公開
イギリス:1966年3月18日
北米:1966年6月22日
日本:1966年3月15日
製作費 $2,000,000
■ アカデミー賞 ■
第39回アカデミー賞
・受賞
作曲・歌曲賞”Born Free”
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ケニア北部。
川で洗濯をしていた女性が、オスのライオンに殺される事件が起きる。
イギリス人のジョイ・アダムソン(ヴァージニア・マッケンナ)は、狩猟監視員である夫のジョージ(ビル・トラヴァース)と共に、岩ダヌキのパティと共に平穏な日々を送っていた。
現地人にある場所に案内されたジョージは、殺人ライオンとメスを仕留める。
ジョイは、仕事から戻ったジョージから、ライオンを仕留めたことを知らされる。
ジョージは、残された3匹の子ライオンをジョイにプレゼントする。
ジョイとジョージは、早速3匹にミルクを与えるものの、飲んでもらえなかった。
何日も飲まない状態が続き、ジョイとジョージは様々なミルクの調合を試す。 ライオンが餓死してしまうことを心配したジョイは、一匹を抱きかかえてミルクを与えるが飲んでもらえない。 ジョージがジョイの手にミルクを垂らすと、ライオンはそれを舐め始め、その後は飲むようになる。 ジョイは、最初に飲んだライオンを”エルザ”と名付け、ミルクを調合してくれたジョージに感謝する。 他の2匹にビッグ・ワン、ラスティカという名前を付けたジョイは、イタズラばかりする3匹に梃子摺りながら可愛がった。 ジョイの一番のお気に入りはエルザで、体は小さいが勇敢で冒険好きだった。 パティと遊べたのも一時期だった3匹は、3か月後には生肉を食べるようになる。 小さなエルザは餌を食べることができず、別に与えてくれるジョイを、母親と思い込んでいるようにも見えた。 エルザはジョイと行動を共にし、やがて3匹は外で遊ぶようになり、使用人のヌル(ピーター・ルコイエ)が世話係になった。 3匹を遊ばせるのは簡単なのだが、寝させるときは毎日、一騒動だった。 家の中は荒らされてしまうため、3匹は外で飼われることになり、ポーチにはフェンスが作られた。 上司のジョン・ケンドール(ジェフリー・キーン)から、3匹の親は人喰いライオンだと言われたジョージは、遺伝しないと考える。 ジョイもジョージと同じ考えだったが、ジョンは、直ぐに大きくなる3匹を動物園に送ることを提案する。 エルザとの別れが辛いジョイは、ジョンの提案を受け入れるしかなかった。 トラックが改造され、ジョイとジョージは、3匹を慣らすために毎日乗せてドライブしようとする。 ジョイは、高齢のパティは家に残しヌルに任せた。 ドライブから戻ったジョイは、パティが暑さに耐えきれず息を引き取ったことを知り、ジョージと共に悲しむ。 ナイロビに向かう日、エルザと最後の散歩をしたジョイは、ジョージと共に出発する。 空港に着いたジョイは、エルザとの別れが辛いために、買い物に行くことをジョージに伝えて後を任せる。 飛び立ったライオンたちを見送ったジョージは、ジョイを街に迎えに行く。 ジョイをトラックに乗せたジョージは、悲しむ彼女に、エルザが荷台にいることを知らせる。 その後ジョイは、エルザと常に過ごす日々を送る。 マラリアから回復したジョージを見舞ったジョンは、ライオンによる被害が起きたキウンガで、ヤギが全滅したことを話す。 そこにジョイが戻り、エルザが苦手なジョンは彼女を警戒する。 長期休暇のため帰国するジョージは、エルザのこともあり、その件をジョイにいつ話すか悩んでいることをジョンに伝える。 出かけられる状態になったジョージは、ジョイとエルザらを連れてキウンガに向かう。 現地に着いたジョイとジョージは、ライオンの被害状況を村人から詳しく聞き、エルザの存在は皆を困惑させた。 その場でキャンプして夜になり、眠っていたジョイは物音に気づき、外を見て回るとオスのライオンがいた。 それをジョイから知らされたジョージは、銃を持って見に行き、ライオンを確認して撃とうとするものの、弾が入っていないことに気づく。 テントに戻ったジョージは、ジョイには何も話さず銃に弾を込めて、外に向かいライオンが現れるのを待つ。 ジョージは、暫くして現れたライオンを仕留めてテントに戻り、ジョイに明日から休暇だと伝える。 夢のような日々を過ごしていたジョイだったが、ジョージが発作を起こす。 医師(スーリヤ・パテル)の診察を受けたジョージは落ち着き、休暇は終り家に戻る。 発情期を迎えて親になる準備が整ったエルザは、外の世界に気づき始める。 そんな時、木の上にいたエルザをハンターのワトソン(ジェフリー・ベスト)が誤って撃とうとした事件が起きる。 さらに、エルザが像の群れと遊んだために村が荒らされてしまい、その件が問題になる。 ジョイとジョージと話をしたジョンは、これ以上エルザを飼っておけないことを2人に伝え、ハンターに撃たれる可能性もあるため、動物園を探すことを指示する。 時間をかければ解決できる言うジョイだったが、ジョンは、1か月後に休暇をとり帰国するよう、彼女とジョージに伝える。 エルザを動物園に送ることを拒むジョイは、野生に返すことを考えるものの、ジョンとジョージに反対される。 獲物をとったこともないエルザは飢え死にすると言われたジョイは、動物園の檻に閉じ込めたくないために、ジョンを説得する。 ジョイから3か月待ってほしいと言われたジョンは、仕方なくそれを許可する。 ジョイとジョージは、許可を得て550キロ離れた保護区(メル 国立公園)に向かい、エルザを放す準備を始める。 エルザを置き去りにしようとしたジョイとジョージは、オスを見つけて彼女を降ろす。 しかし、エルザが戻ってきてしまったために、ジョイとジョージは仕方なく別の場所に向かう。 その後、獲物を捕らえたライオンの家族に遭遇したジョイとジョージは、獲物を持ってエルザをオスの元に戻させる。 野生のルールを無視してオスを待たずに獲物を食べたことで、エルザはオスに責められる。 その姿を見つめるジョイとジョージは、エルザをその場に残してキャンプに戻る。 翌日、心配しながらその場に向かったジョイとジョージは、エルザだけが残されていることに気づく。 その後も訓練は続き、エルザは獲物を見つけるものの、捕らえることはできなかった。 ある日、エルザはイボイノシシに遭遇し、それを追うものの逆に攻撃されてしまう。 ジョイとジョージは焦り、毎晩エルザを置き去りにして、翌朝、空腹の彼女を迎えに行く。 ある日の早朝、傷ついたエルザがキャンプに戻り、それ以来、彼女は外に出なくなった。 期限まで後2週間となり雨期も近づき、ジョイとジョージは、エルザを1週間、置き去りにしてキャンプも移動することを考える。 その後、続いた雨がやんだ最後の週、エルザの様子を見に行ったジョイとジョージは、衰弱した彼女を見つけてキャンプに連れ戻す。 これ以上無理だと言うジョージは、エルザを野生に戻すのは残酷すぎると考え、動物園に送ることをジョイに提案する。 自由を失うと言うジョイはそれを拒み、野生の子として生まれたエルザには戻る権利があるとジョージに伝える。 エルザを手放したくないだけだと言われたジョイは、野生に戻し死んでも一生自分を責めるだろうとジョージに伝える。 一時は死も覚悟したエルザは回復し、以前とは少し違う雰囲気を感じさせた。 ジョンの特別な計らいで、期間延長と別の保護区の使用許可を得たジョイとジョージは、エルザの聖地にも近いその場に向かう。 暫くして野生に目覚めたエルザは、自分から外に出始め、何日も姿を見せず、空腹になるとキャンプに戻った。 そんなある日、再びイボイノシシに遭遇したエルザは、それを捕らえる。 その後、狩りを続けたエルザは、発情期を待って危険な最終テストを受けることになる。 オスに近づいたエルザは、一緒にいたメスと戦う。 見ていられないジョイは発砲し、去って行くエルザを見つめながら悲しみを堪える。 エルザは野生に返り、自由を手に入れたと言うジョージは、ジョイを慰める。 ジョージから、誰もできなかったことをやり遂げたとも言われたジョイは、エルザを誇りに思う。 エルザに再び会えるかジョージに尋ねたジョイは、休暇が開け次第、会いに来ようと言う彼に感謝する。 その後、イギリスから戻ったジョイとジョージは、1週間の滞在期間にエルザを捜そうとする。 最終日、諦めかけていたジョイとジョージの元に、エルザが3匹の子ライオンを連れて姿を現す。 夕方までエルザと過ごしたジョイは、野生のままが一番いいとと考え、子供たちを抱きたい気持ちを抑えた。 オスの呼ぶ声で、エルザと子供たちはジョイとジョージの元を去る。 野生でありながら、エルザは常に友人だった。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
ケニア北部。
イギリス人狩猟監視員のジョージ・アダムソンは、人喰いライオンのオスとメスを仕留め、残された3匹の子ライオンを持ち帰り妻のジョイと共に育てることにする。
ミルクを飲ませることに苦労しながら、3匹と楽しい日々を送るジョイとジョージだったが、今後のことを考えて動物園に送る決心をする。
自分を母と思うメスのライオン”エルザ”との別れが辛いジョイは悲しむが、ジョージは彼女のためにエルザだけを残す。
やがてエルザは成長し、問題を起こす可能性があるため、再び動物園に送ることが検討される。
それに反対するジョイは、ジョージを説得してエルザを野生に返すための準備を始めるのだが・・・。
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主人公であるジョイ・アダムソンの著書”Born Free”を基に製作された実録ドラマ。
実生活でも夫婦であるヴァージニア・マッケンナとビル・トラヴァースがアダムソン夫妻が演じた。
アフリカの大自然を舞台に、2人が育てた野生のライオン”エルザ”との交流が、愛情あふれるシーンと共に見事に描かれている。
クライマックスでジョイが、人間社会と野生動物の将来的な関係のために努力してくれた”エルザ”を誇りに思うとジョージに語る言葉が印象に残る。
1972年に、本作の主役2人以外のキャストを起用した続編「永遠のエルザ」が公開され、1974年には”同名(Born Free)テレビシリーズ”(13回)が放映された。
第39回アカデミー賞では、ジョン・バリーが作曲賞を、ラストシーンを盛り上げるマット・モンローが歌う”Born Free”が歌曲賞を受賞した。
ジョージの上司である狩猟監視員の管理官ジェフリー・キーン、主人公夫妻の使用人ピーター・ルコイエ、ジョージを治療する医師のスーリヤ・パテル、ハンターのジェフリー・ベストなどが共演している。