テニス史上に残る名勝負となった”1980年ウィンブルドン選手権男子シングルス決勝”の対戦に至るまでのビヨン・ボルグとジョン・マッケンローの闘いの日々を描く、監督ヤヌス・メッツ、主演スヴェリル・グドナソン、シャイア・ラブーフ、ステラン・スカルスガルド、ツヴァ・ノヴォトニー他共演のスポーツ・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ヤヌス・メッツ
製作
ヨーン・ノアステット
フレデリク・ヴィークストレム・ニカストロ
製作総指揮:ティム・キング
脚本:ロンニ・サンダール
撮影:ニルス・タストゥム
編集
ペール・サンドホルト
ペール・K・キルケゴー
音楽
ウラジスラフ・ディレイ
ジョン・エクストランド
カール・ヨハン・セヴェダグ
ジョナス・ストラック
出演
ビヨン・ボルグ:スヴェリル・グドナソン
ビヨン・ボルグ(9~13歳):レオ・ボルグ
ビヨン・ボルグ(14~17歳)マーカス・モスバーグ
ジョン・マッケンロー:シャイア・ラブーフ
レナート・ベルゲリン:ステラン・スカルスガルド
マリアナ・シミオネスク:ツヴァ・ノヴォトニー
ビタス・ゲルレイティス:ロバート・エムズ
アーサー・アッシュ:ジェイソン・フォーブス
ベングト・グライヴ:ビヨルン・グラナス
ピーター・フレミング:スコット・アーサー
ジミー・コナーズ:トム・ダトナウ
ジョン・マッケンローSr.:イアン・ブラックマン
ケイ・マッケンロー:ジェーン・ペリー
レナート・ハイランド:トーマス・ヘデングラン
スウェーデン/デンマーク/フィンランド 映画
配給 Nordisk Film
2017年製作 108分
公開
北米:2018年4月13日
日本:2018年8月31日
製作費 SEK165,000,000
北米興行収入 $231,350
世界 $3,430,170
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1980年7月5日、ウィンブルドン、センターコート。
”ウィンブルドン選手権”男子シングルス決勝。
5連覇を狙う世界ランク1位、スウェーデンのビヨン・ボルグ(スヴェリル・グドナソン)と2位、アメリカのジョン・マッケンロー(シャイア・ラブーフ)の戦いはファイナルセットを迎える。
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1980年、モナコ。
ベランダで海を眺めるボルグは、自宅近くで壁打ちを続けた少年時代(レオ・ボルグ)を思い出す。
ウィンブルドンを控えるボルグは、その日のトレーニングを終えてクラブを去ろうとするものの、車をロックしてしまったことに気づく。
歩いて街に向かったボルグは、人々に気づかれたためにカフェに寄り、コーヒーを注文する。
財布を車に忘れたために、後払いできるか店員のアモドゥに尋ねたボルグは、店を手伝えば代金はいらないと言われ、荷物運びをする。
偽名を使い電気技師だとアモドゥに話したボルグは、信じてもらえない。
自宅に戻ったボルグは、心配していた恋人でルーマニア人テニスプレイヤーのマリアナ・シミオネスク(ツヴァ・ノヴォトニー)と出発の準備のことを話す。 アメリカの新星マッケンローは、その才能と実力を評価されるものの、プレー中のマナーなどが問題視され話題になっていた。 マリアナと共にロンドンに到着したボルグは、デビスカップの元スウェーデン代表監督レナート・ベルゲリン(ステラン・スカルスガルド)に迎えられる。 シートに触れたボルグは、いつも用意する車と違うことに気づき、それをベルゲリンに伝える。 ウィンブルドン入りしたボルグは、マリアナと共に調整を始めるものの状態は良くなかった。 大会のコメンテーターであるアーサー・アッシュ(ジェイソン・フォーブス)は、ボルグが連覇の重圧に苦しむ一方、マッケンローは気楽な挑戦者だと伝える。 ボルグは、ビタス・ゲルレイティス(ロバート・エムズ)やマッケンローらとの記者会見を終えてホテルに戻り、今後のスケージュールなどビジネスの打ち合わせをする。 結婚式の予定があるマリアナは、集中して他のことに気が回らないボルグに、式の延期を提案する。 重荷ではないが決まった予定は変えられないとマリアナに伝えたボルグは、”自分たち次第”ではないかと言われても何も答えない。 ボルグは、ベルゲリンと共に50本のラケットのガットをチェックするのが夜の日課だった。 5連覇ができなければ忘れ去られ、皆、自分の敗北を見たがると言うボルグに対し、ベルゲリンは、関係ないことであり明日は全力を出しきれと伝える。 ベルゲリンは、試合で苛立ち審判に暴言を吐く少年ボルグの才能とガッツに目をつける。 問題を起こし処分を受けたボルグと話をしたベルゲリンは、コーチすると伝えて、彼が世界一になるつもりであることを確認する。 1回戦 ボルグ対エル・シャフェイ。 初戦に勝利したボルグは、楽な戦いではなかったことをインタビューで話す。 その様子をテレビで見ていたマッケンローは、冷静なボルグのようになりたかったが無理だったとフレミングに話す。 女性を引き連れて現れたゲルレイティスと共に、マッケンローはクラブに向かい楽しむ。 マッケンローは、自分をコントロールするためにすべてに完璧を求めるボルグだが、実は爆発寸前だと言うゲルレイティスの話を興味深く聞く。 2回戦 マッケンロー対ロカバート 練習や試合中のミスに対し怒りを押さえきれないボルグ(マーカス・モスバーグ)に注意するベルゲリンだったが、それを直すことができなかった。 ボルグのデビスカップ出場を協会側から提案されたベルゲリンは、それに反対するものの、史上最年少15歳の出場で世界が注目すると言われ、拒めば監督を解任させられることになる。 ロッカールームにいたボルグは、試合を終えて苛立ちながらロッカールームに戻って来たマッケンローに微笑む。 3回戦 ボルグ対フローリー 雨は上がり試合は続行されることになり、ボルグはベルゲリンが話をしたのかにこだわるが、やるしかないと言われてコートに戻る。 練習中に苛立つボルグが指示に従わずラケットを投げつけたため、ベルゲリンは逃げる彼を追いかけて投げ倒し、ラケットを拾わせる。 森に向かったボルグは、怒りを爆発させる。 試合は終わりホテルに戻るボルグは、調子は上がっていると言うベルゲリンにガットを指示通りに張れと伝える。 侮辱されたベルゲリンは嫌なら解雇しろと伝えるものの、ボルグから、ウィンブルドンで決勝に進んだことがないと言われて苛立ち車を降りる。 ホテルに戻ったボルグは、勝利の重圧で押しつぶされそうになり、励ますマリアナにも、ウィンブルドンの決勝を知らない彼女に辛いなら出て行けと伝える。 落ち込むボルグと話したベルゲリンは、ウィンブルドンで勝つチャンスがありながら3度準々決勝で敗退したのは、自分に負けたからだと伝える。 デビスカップに出場させるとボルグに伝えたベルゲリンは、条件として感情を押さえることを約束させる。 1ポイントに集中しろと助言するベルゲリンは、短気を起こしたら終りだとボルグに伝えて握手する。 初出場のボルグは、ニュージーランドのオニー・パルンを破り世界的に注目され、クールな彼は人気が上昇する。 1974年 史上最年少で全仏オープン優勝。 1976年 史上最年少でウィンブルドン優勝。 1978年、ニューヨーク。 廊下にいたマリアナに声をかけたベルゲリンは、彼女を部屋に呼び話をする。 ベルゲリンは、1位から脱落すればすべてを失うと考えるボルグは、5年前から心身ともに疲れ果て限界に達しているとマリアナに伝える。 自分は解雇されたと言うベルゲリンにマリアナは、ボルグの転落を見たくないから身を引いたと伝える。 部屋に戻ったマッケンローは、準決勝には行けるという父ジョンSr.(イアン・ブラックマン)からのメッセージを受け取る。 マッケンローは、秀才だった自分を友人に自慢する父のことを思い出す。 翌日、フレミングと対戦するマッケンローは、彼から声をかけられても無視する。 サポーターがないことをマッケンローのせいにしたフレミングは、何も話さない彼と共にコートに向かう。 準々決勝 マッケンロー対フレミング 試合後にマッケンローは、サポーターは自分のせいではないとフレミングに伝える。 サポーターを見つけたフレミングは、優勝して世界1位になるのは時間の問題だが偉大な選手にはなれない、嫌われもののお前に子供は誰も憧れないと伝える。 フレミングは、20年後、審判に暴言を吐いたマヌケは誰だったと皆は言う、最低の試合だったとマッケンローに伝えてその場を去る。 到着した父と話しをするマッケンローは、ボルグが既に左利きと対戦していることを気にするものの、自分たちが勝つと言われ励まされる。 準決勝 。 ボルグは、第2セットで苦戦するものの勝利する。 判定に不満を訴えるマッケンローは苛立ち、審判やコナーズそして観客に暴言を吐く。 決勝に進出したマッケンローは、記者会見でプレーの態度ばかり聞かれて苛立つ。 苦しむボルグは、去年の出来事を思い出す。 1979年、ストックホルム、セーデルテリエ。 しかし、どの場所でやったかが思い出せないボルグは、それにこだわり取材を拒否してその場を去る。 ボルグの元に向かったベルゲリンは、苦しむ彼に対して厳しい言葉で助言し、1ポイントに集中することを確認して彼を抱きしめる。 1980年7月5日、ウィンブルドン、センターコート。 ブーイングの嵐の中、マッケンローが登場し、続いて現れたボルグに観客は声援を送る。 マッケンローのサーブで試合は始まり、調子が上がらないボルグは圧倒され、1ゲームを取っただけで第1セットを取られる。 接戦の末に、第2セットはボルグが7-5で奪う。 第3セットもボルグが取り、2-1でリードして優勝に近づく。 第4セットに入っても冷静なマッケンローは、ミスジャッジにも抗議をしなかった。 双方ポイントを取り合いながらボルグはマッチポイントを迎えるが、マッケンローはそれをしのぐ。 逆にマッケンローがゲームをとり、試合は6-6でタイブレークとなる。 マッケンローが驚異的な粘りでセットを取り2-2となり、ボルグは7回のマッチポイントを失う。 歴史に残る接戦に観衆は興奮し、ベルゲリンは1ポイントに集中することを心の中でボルグに語りかけ、その激しい戦いにマリアナは目を逸らしたくなる。 最終セット。 5連覇を達成したボルグは膝をついて天を仰ぎ、ガッツポーズをする。 3時間55分におよぶ激戦は、テニス史上に残るゲームとなった。 表彰式。 うなだれていたマッケンローも表彰され、そのフェアプレーを観衆は称える。 その後、祝賀パーティーに出席したボルグは、自分を見つめるベルゲリンに微笑む。 いいのかと訊かれたボルグは、”自分たち次第”だとマリアナに答える。 マリアナと共に帰国するボルグは、空港でマッケンローを見かけて声をかけ、健闘を称え合い話をしてハグする。 マッケンローと別れたボルグは、彼が父親と共に帰国する姿を見つめる。 その後、マッケンローは世界ランク1位となり、翌年のウィンブルドンでボルグを破り優勝した。 1983年1月、ボルグは26歳の若さで引退する。
...全てを見る(結末あり)
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ノーシードの相手に苦戦するボルグの試合を見ていたマッケンローは、部屋に来たアメリカ人プレイヤーのピーター・フレミング(スコット・アーサー)に、壁に書いた対戦表を見せて、勝ち進めば戦うことになる彼に勝つ自信を伝える。
苛立ちながら観客にも罵声を浴びせるマッケンローの戦いを見守るボルグは、集中していないと言うマリアナに、彼のペースで試合を運んでいると伝える。
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雨のため順延となったボルグは冷静さを失い試合の中止を希望し、ベルゲリンに運営側を説得するよう指示する。
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”スタジオ54”に向かったボルグは、大いに楽しむ。
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マッケンローは3-0で圧勝する。
ボルグはゴットフリートと、マッケンローはジミー・コナーズ(トム・ダトナウ)と対戦する。
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故郷でアルゼンチンのテレビ局の取材に応じたボルグは、子供時代の壁打ちの再現を頼まれる。
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”ウィンブルドン選手権”男子シングルス決勝。
両者は一歩も譲らないまま熱戦は続き、ボルグはマッチポイントを迎え、リターンを決める。
優勝トロフィーを受け取ったボルグは、それを掲げて観衆の声援に応える。
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*(簡略ストー リー)
1980年。
”ウィンブルドン選手権”で5連覇を狙う世界ランク1位、スウェーデンのビヨン・ボルグは、その重圧に苦しみながら調整を続ける。
一方、新星で同ランク2位、アメリカのジョン・マッケンローは、ボルグから王座を奪えると期待されるものの、そのプレイ態度や暴言が問題視されていた。
大会は始まり、順調に勝ち進んだボルグとマッケンローは、ついに決勝のセンターコートで対戦することになる・・・。
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テニス史上に残る名勝負となった、”1980年ウィンブルドン選手権男子シングルス決勝”の、対戦に至るまでのビヨン・ボルグとジョン・マッケンローの闘いの日々を描く実録スポーツ・ドラマ。
近年、歴史に残る人物の映画化が多い中で、ハリウッド作品でないにも拘らず、主人公の役作りや当時を見事に再現した素晴らしいドラマに仕上がっている。
過剰なメイクに頼らずに、ビヨン・ボルグとジョン・マッケンロー本人の雰囲気を表現した、スヴェリル・グドナソンとシャイア・ラブーフの演技は見ものだ。
リアルタイムで”世紀の一戦”を見た者にとして、その時代を想い起させてくれる作品でもある。
傍からは頂点に君臨する王のように見える存在のビヨン・ボルグが、連覇の重圧に苦しみ続ける姿が痛々しく描かれ、暴れん坊のように思えるジョン・マッケンローが、実は繊細な考えの持ち主である様子なども見事に表現されている。
9~13歳のビヨン・ボルグを演ずる、彼の実の息子レオ・ボルグ、14~17歳のマーカス・モスバーグ、ボルグの才能を開花させたコーチ、レナート・ベルゲリンを深く演ずるステラン・スカルスガルド、ボルグを支える恋人マリアナ・シミオネスクのツヴァ・ノヴォトニー、テニスプレイヤー、ビタス・ゲルレイティスのロバート・エムズ、アーサー・アッシュのジェイソン・フォーブス、ピーター・フレミングのスコット・アーサー、ジミー・コナーズのトム・ダトナウ、スウェーデンのスポーツ・コメンテーター、ベングト・グライヴのビヨルン・グラナス、ジョン・マッケンローSr.のイアン・ブラックマン、その妻ケイのジェーン・ペリー、スウェーデンのTVショーのホスト、レナート・ハイランドのトーマス・ヘデングランなどが共演している。